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エリス・ファンクレフェルト症候群(Ellis-Van Creveld症候群)遺伝子検査|ミネルバクリニック

エリス・ファンクレフェルト症候群(Ellis-Van Creveld症候群)遺伝子検査|ミネルバクリニック

エリス・ファンクレフェルト症候群とは

エリス・ファンクレフェルト症候群(Ellis-Van Creveld syndrome)は、骨や軟骨の成長障害、先天性心疾患、多指症を特徴とする遺伝性骨格異形成症です。1940年にエリス(Ellis)とファンクレフェルト(van Creveld)によって初めて報告されました。

本疾患は、主に四肢短縮型の低身長、胸郭低形成、多指症、歯や爪の異常、先天性心疾患を呈します。常染色体劣性遺伝形式をとり、EVC遺伝子またはEVC2遺伝子の変異が原因となります。これらの遺伝子は、一次繊毛でのシグナル伝達に関与しており、本疾患は「繊毛病」の一つとして位置づけられています。

エリス・ファンクレフェルト症候群の有病率は、一般集団では新生児6万〜20万人に1人程度と推定されています。ただし、米国ペンシルベニア州のアーミッシュ集団や西オーストラリアの先住民族の一部では、創始者効果により発生頻度が高くなっています。日本では非常に稀な疾患ですが、正確な統計データは限られています。

症状と病態

エリス・ファンクレフェルト症候群の症状は多岐にわたり、重症度は個人差があります。胸郭低形成や先天性心疾患が重症の場合、胎児期あるいは乳児期に約半数が亡くなると報告されています。しかし、新生児期を乗り越えられれば、適切な医療管理のもと成長できる可能性があります。

主要症状

  • 四肢短縮型低身長(特に前腕と下腿の短縮が顕著)
  • 胸郭低形成(短い肋骨による狭い胸郭)
  • 多指症(手足の指が6本以上)、特に尺側(小指側)の多指症
  • 手足の爪の形成不全または低形成
  • 先天性心疾患(心房中隔欠損、心内膜床欠損、単心房など)
  • 歯の異常(先天性歯、歯の数の異常、形態異常)
  • 口腔内異常(上唇の部分的欠損、口唇裂、口蓋裂、小帯過多など)
  • 外反膝(両膝が内側に彎曲する変形)
  • 毛髪の異常(粗な毛髪)

骨格異常の特徴

エリス・ファンクレフェルト症候群では、以下のような特徴的な骨格異常が認められます:

  • 四肢の短縮:特に肘から先(前腕)と膝から下(下腿)の短縮が顕著で、四肢短縮型の低身長を呈します
  • 胸郭低形成:肋骨が短く、胸の幅が狭くなります。これにより呼吸障害を伴うことがあります
  • 長管骨の異常:長管骨の末端が球状に腫大し、特徴的なX線所見を呈します
  • 骨盤の異常:腸骨翼が小さく、寛骨臼に棘状突起(trident acetabula)が認められます
  • 手足の骨異常:手根骨や中手骨の癒合、指骨の円錐状骨端などが見られます

心疾患

約50〜60%の患者さんに先天性心疾患が認められます。最も多いのは心房中隔欠損や心内膜床欠損で、時に単心房などの重篤な心奇形を呈することもあります。重症の心疾患は、新生児期・乳児期の主要な死因となります。

歯科的異常

エリス・ファンクレフェルト症候群では、歯科的異常が高頻度に認められます:

  • 先天性歯(生まれたときから歯が生えている)
  • 歯の数の異常(欠如または過剰)
  • 歯の形態異常(円錐形の歯など)
  • 歯の萌出遅延
  • 上唇小帯の異常や多数の小帯

知的発達と予後

エリス・ファンクレフェルト症候群では、一般的に知能や運動発達は正常とされています。ただし、重症の心疾患や呼吸障害を伴う場合は、これらが発達に影響を及ぼす可能性があります。新生児期の呼吸・循環管理が重要で、この時期を乗り越えられれば、適切な整形外科的治療や心臓手術により、比較的良好な予後が期待できます。

遺伝形式と原因遺伝子

エリス・ファンクレフェルト症候群は、常染色体劣性遺伝形式をとる遺伝性疾患です。原因遺伝子として、4番染色体の4p16領域に位置するEVC遺伝子およびEVC2遺伝子が同定されています。

常染色体劣性遺伝のしくみ

常染色体劣性遺伝とは、両親がそれぞれ変異遺伝子を1つずつ持つ保因者(キャリア)である場合に、子どもに以下の確率で遺伝する形式です:

  • 子どもが発症する確率:25%(4人に1人)
  • 子どもが保因者となる確率:50%(2人に1人)
  • 子どもが正常である確率:25%(4人に1人)

保因者の両親は通常症状を示しませんが、両方から変異遺伝子を受け継いだ子どもが発症します。

EVC遺伝子とEVC2遺伝子

EVC遺伝子とEVC2遺伝子は、4番染色体上で頭と頭を突き合わせる形(head-to-head configuration)で配置されています。これらの遺伝子がコードするEVCタンパク質とEVC2タンパク質は、細胞の一次繊毛に局在し、ソニック・ヘッジホッグ(Sonic Hedgehog)シグナル伝達経路の調節に関与しています。

  • EVC遺伝子:23エキソンから成り、EVCタンパク質をコードします。エリス・ファンクレフェルト症候群患者の約半数以上でこの遺伝子の変異が見つかります
  • EVC2遺伝子:22エキソンから成り、EVC2タンパク質をコードします。EVC遺伝子と同様に、多くの患者さんで変異が同定されています

ソニック・ヘッジホッグシグナル伝達経路

ソニック・ヘッジホッグは、胚発生時の骨格形成、器官形成、細胞分化において重要な役割を果たすシグナル分子です。EVCおよびEVC2タンパク質の機能異常により、このシグナル伝達経路が正常に働かなくなり、骨、歯、心臓などの発生・形成に障害が生じると考えられています。

遺伝子変異の多様性

エリス・ファンクレフェルト症候群では、EVC遺伝子やEVC2遺伝子内のさまざまな部位に変異が分散して存在することが報告されています。同一家系内でも異なる変異の組み合わせが見られることがあり、遺伝子内にマルチプルな変異が存在する可能性が示唆されています。

診断が確定した患者さんの半数以上でEVC遺伝子またはEVC2遺伝子の変異が見つかっていますが、残りの症例については原因遺伝子が不明です。近年、DYNC2LI1、GLI1、WDR35などの他の遺伝子の変異も一部の症例で報告されていますが、EVC、EVC2遺伝子が最も重要な原因遺伝子です。

ミネルバクリニックのエリス・ファンクレフェルト症候群遺伝子検査の特徴

「エリス・ファンクレフェルト症候群 遺伝子検査」とは、エリス・ファンクレフェルト症候群の原因として報告されているEVC遺伝子およびEVC2遺伝子の異常があるかどうかを調べる検査方法です。

従来の検査方法の場合、単一遺伝子の検査から始めて、異常がなければ次の遺伝子を検査する、というように段階的に進める必要がありました。もちろん、検査のたびに高額な料金がかかります。

何度も検査することでかかる費用や手間は、患者さんにとって大きな負担になります。ミネルバクリニックではそうした不便を解消するために、エリス・ファンクレフェルト症候群に関連する2遺伝子(EVC、EVC2)を一度に調べられる「エリス・ファンクレフェルト症候群 遺伝子検査」を提供しています。

一般的な遺伝子検査のメリットとデメリットについてはこちらのページをご覧ください。

1.費用がリーズナブル

一般的な医療機関でエリス・ファンクレフェルト症候群の遺伝子検査を行う場合、単一遺伝子ごとに数万円から数十万円の費用がかかることが多く、複数の遺伝子を調べる場合は非常に高額になります。

当院では、エリス・ファンクレフェルト症候群に関係するとされる2つの遺伝子(EVC、EVC2)を一度に調べられる「エリス・ファンクレフェルト症候群 遺伝子検査」をリーズナブルに受けられます。(費用はページの一番下をご確認ください。)

2.結果が出るまでがはやい

一般的な医療機関で行えるエリス・ファンクレフェルト症候群の遺伝子検査の場合、結果が出るまでには通常数週間から数ヶ月かかることがあります。また、単一遺伝子の検査で異常が見つからなかった場合、追加の遺伝子検査が必要になることもあります。

当院で行う「エリス・ファンクレフェルト症候群 遺伝子検査」の場合、2つの遺伝子を、2〜3週間程度で一度に調べることが可能です。

3.一気にまとめてできる

臨床症状からエリス・ファンクレフェルト症候群を疑って単一遺伝子検査を行っても、病的変異が見つからないことがあります。また、他の遺伝子に変異があるかどうかまでは分かりません。

当院で行う「エリス・ファンクレフェルト症候群 遺伝子検査」ならば、臨床的に最も重要な2つの原因遺伝子を同時に検査できるという利点があります。

オプション

塩基配列 (料金に含まれる)
欠失・挿入 (料金に含まれる)
至急:結果が出るまでの期間が約7日短くなります。 33,000円
VUS除外 *VUS(variant of unknown significance)とは病的意義がよく分かっていない変異の事を指します。(無料)

検査内容

「エリス・ファンクレフェルト症候群 遺伝子検査」では、エリス・ファンクレフェルト症候群に関係するとされる2種類の遺伝子(EVC、EVC2)をまとめて検査します。

「エリス・ファンクレフェルト症候群 遺伝子検査」は、エリス・ファンクレフェルト症候群の遺伝的原因をお持ちの方を見つける可能性を高められると同時に、現在および将来的に活用できる情報を提供します。

どんな人が受けたらいいの?

【エリス・ファンクレフェルト症候群の個人歴または家族歴のある方】に
「エリス・ファンクレフェルト症候群 遺伝子検査」を受けることをおすすめします。

この検査は以下のような方に適しています:
・四肢短縮型の低身長(特に前腕・下腿の短縮)がある方
・胸郭低形成(狭い胸郭)が認められる方
・多指症(手足の指が6本以上)がある方
・手足の爪の形成不全または低形成がある方
・先天性心疾患(心房中隔欠損、心内膜床欠損など)がある方
・歯の異常(先天性歯、歯の数や形の異常)がある方
・口腔内異常(上唇の部分的欠損、小帯過多など)がある方
・外反膝などの骨格変形がある方
・エリス・ファンクレフェルト症候群の家族歴がある方
・将来子どもを持つことを考えている保因者の方で、リスク評価を希望される方
・出生前診断・着床前診断を検討されている方

このパネル検査は、血液、抽出DNA、頬粘膜スワブ、または唾液検体で実施可能です。モザイク現象の検出は目的としておらず、腫瘍組織での検査は適応外です。

検査で得られる患者さんの潜在的利益は?

遺伝子検査により原因が判明すると、エリス・ファンクレフェルト症候群の診断確定や、適切な治療・管理方針の決定に役立ちます。また、リスクが判明した場合には、適切な心臓管理、整形外科的治療、歯科治療、定期的なモニタリングを行うことができます。

遺伝子検査により以下の利益が期待できます:
・適切な診断の確立または確認
・他の骨格異形成症との鑑別
・心疾患の早期発見と適切な管理
・整形外科的治療(多指症の手術、骨格変形の矯正など)の計画立案
・歯科治療の適切な実施
・呼吸機能障害のリスク評価と管理
・疾患の進行予測と長期的な管理計画の立案
・追加の関連症状のリスクの特定
・関連リソースやサポートへの患者の接続
・より個別化された治療と症状管理
・家族の危険因子に関する情報提供
・家族計画のためのオプション提供
・出生前・着床前診断の選択肢提供

患者さんで病原性変異が同定された場合、常染色体劣性遺伝のため、同じ両親から生まれる子どもが発症するリスクは25%、保因者となるリスクは50%です。家族を検査することでそのリスクを明らかにすることが重要です。

対象遺伝子

詳しくはこちら

EVC, EVC2 ( 2遺伝子 )

各遺伝子の詳細:
・EVC遺伝子:
4番染色体の4p16領域に位置し、23エキソンから構成されます。EVCタンパク質をコードし、一次繊毛に局在してソニック・ヘッジホッグシグナル伝達経路の調節に関与します。エリス・ファンクレフェルト症候群患者の多くでこの遺伝子の変異が同定されています。変異は遺伝子内のさまざまな部位に分散しており、ナンセンス変異、ミスセンス変異、スプライス部位変異、フレームシフト変異など多様な種類が報告されています。

・EVC2遺伝子:
4番染色体の4p16領域に位置し、EVC遺伝子と頭と頭を突き合わせる形(head-to-head configuration)で配置されています。22エキソンから構成され、EVC2タンパク質をコードします。EVC2タンパク質もEVCタンパク質と同様に一次繊毛に局在し、ソニック・ヘッジホッグシグナル伝達経路の調節に関与します。EVC遺伝子と同様、多くの患者さんで変異が同定されており、重症型では両アレルに短縮型変異が認められることが報告されています。特に最終エキソン(エキソン22)は、ワイヤーズ顔面指趾異骨症(Weyers acrofacial dysostosis)という関連疾患のホットスポットとしても知られています。

カバレッジ

カバレッジとは、遺伝子検査においてDNA配列がどの程度正確に読み取られたかを示す指標です。「20x」は同じ部位を20回読み取ることを意味し、読み取り回数が多いほど検査の精度が高くなります。

≥99% at 20x(読み取り深度20回以上)
これは、検査対象遺伝子の99%以上の領域を、20回以上の高い精度で読み取ることができることを示しています。

検体

血液(EDTAチューブ4ml×2本、紫色キャップ)、抽出DNA(EBバッファー中3μg)、頬粘膜スワブ、唾液(要請により採取キット提供)

※唾液・口腔粘膜擦過組織・血液いずれもオンライン診療が可能です。
 ほとんどの検査は唾液・口腔粘膜擦過組織で実施できます。
 血液検体の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします。
 オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行った後、検体を当院にお送りいただく流れとなります。
 検体採取キットは検査料金をお支払いいただいた後にお送りいたします。ご自身で勝手に検体を採取しないでください。

検査の限界

詳しくはこちら

すべての配列決定技術には限界があります。この分析は次世代シーケンシング(NGS)により実施され、コード領域とスプライス接合部の検査を目的として設計されています。次世代シーケンシング技術と当院のバイオインフォマティクス分析により、偽遺伝子配列やその他の高度に相同な配列の寄与は大幅に減少しますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において病原性変異体対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を時に妨げる可能性があります。

低品質スコアの変異確認および被覆標準を満たすためにサンガー配列決定が使用されます。注文された場合、欠失/重複分析は、1つの完全な遺伝子(頬粘膜スワブ検体および全血検体)および2つ以上の連続するエキソンサイズ(全血検体のみ)のゲノム領域の変化を同定できます。単一エキソンの欠失または重複が時に同定される場合がありますが、この検査では日常的に検出されません。同定された推定欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)により確認されます。

この検査では、疾患を引き起こす可能性がある特定のタイプのゲノム変化は検出されません。これには、転座や逆位、反復伸長(例:三塩基またはヘキサ塩基)、ほとんどの調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エキソンから20bp以上)の変化が含まれますが、これらに限定されません。この検査は体細胞モザイクまたは体細胞変異の検出を目的として設計または検証されていません。

※この検査では、EVC、EVC2の2遺伝子のみを対象としています。診断が確定した患者さんの約半数でこれらの遺伝子に変異が見つかりますが、残りの症例では原因遺伝子が不明です。検査で病原性変異が検出されなくても、疾患を完全に否定することはできません。臨床症状と画像所見に基づいた診断が引き続き重要です。

結果が出るまでの期間

2~3週間
※至急オプションを利用すると、結果が出るまでの期間が約7日短くなります。

料金

税込み275,000円
遺伝カウンセリング料金は別途30分16,500円(税込)

よくあるご質問

どのような症状があれば検査を受けるべきですか?
四肢短縮型の低身長(特に前腕・下腿の短縮)、胸郭低形成、多指症、手足の爪の異常、先天性心疾患、歯の異常などがある方におすすめします。また、家族にエリス・ファンクレフェルト症候群の方がいる場合も検査をご検討ください。出生前診断や着床前診断を検討されている方にも有用です。
検査はどのように行いますか?
血液採取(4ml×2本)または唾液・頬粘膜スワブで検査可能です。唾液や頬粘膜の場合はオンライン診療も可能で、遠方の方でもクリニックにお越しいただかずに検査を受けられます。
エリス・ファンクレフェルト症候群の遺伝形式は?
エリス・ファンクレフェルト症候群は常染色体劣性遺伝形式をとります。つまり、両親がそれぞれ変異遺伝子を1つずつ持つ保因者である場合、子どもが発症する確率は25%(4人に1人)、保因者となる確率は50%(2人に1人)です。保因者の両親は通常症状を示しません。
家族も検査を受ける必要がありますか?
患者さんで病原性変異が同定された場合、ご両親は保因者である可能性が高く、同じ両親から生まれる兄弟姉妹は25%の確率で発症、50%の確率で保因者となります。ご家族の検査により、将来の家族計画に重要な情報を提供できます。特に、将来お子さんを持つことを考えている保因者の方には検査をお勧めします。
検査で異常が見つからなかった場合はどうなりますか?
診断が確定した患者さんの約半数でEVC遺伝子またはEVC2遺伝子に変異が見つかりますが、残りの症例では原因遺伝子が不明です。検査で病原性変異が検出されなくても、疾患を完全に否定することはできません。臨床症状、X線所見、心エコー検査などに基づいた診断と管理が引き続き重要です。
保険は適用されますか?
当検査は自費診療となり、保険適用外です。費用は税込み275,000円、別途遺伝カウンセリング料金(30分16,500円)が必要です。
結果はどのように説明されますか?
検査結果は遺伝カウンセリングにて詳しくご説明いたします。結果の意味、今後の対応、ご家族への影響、治療・管理選択肢などについて、専門的な観点から分かりやすくお伝えします。
子どもや将来の妊娠への影響はありますか?
常染色体劣性遺伝のため、保因者同士のカップルで子どもが発症する確率は25%です。検査結果により、出生前診断や着床前診断など、将来の家族計画についてもご相談いただけます。当院では、遺伝カウンセリングを通じて、これらの選択肢について詳しくご説明いたします。
エリス・ファンクレフェルト症候群の治療はどのように行われますか?
現在のところ根本的な治療法はありませんが、症状に合わせた対症療法が行われます。心疾患に対する心内修復術、多指症に対する切除術、骨格変形に対する整形外科的矯正術、歯科治療などが実施されます。新生児期の呼吸・循環管理が重要で、適切な医療管理により多くの患者さんが成長できる可能性があります。
予後はどうですか?
重症の胸郭低形成や心疾患を伴う場合、胎児期あるいは乳児期に約半数が亡くなると報告されています。しかし、新生児期を乗り越えられれば、適切な心臓手術や整形外科的治療により、比較的良好な予後が期待できます。知能や運動発達は一般的に正常とされています。
他の医療機関での検査との違いは何ですか?
当院ではEVC、EVC2の2つの重要な原因遺伝子を一度に検査でき、従来の単一遺伝子検査と比べて費用・時間を短縮できます。また、臨床遺伝専門医が常駐しており、すべての患者さんに対して専門医が必ず診療と遺伝カウンセリングを行います。オンライン診療にも対応しており、全国どこからでも専門的な診療を受けることが可能です。


プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。

仲田洋美のプロフィールはこちら