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外胚葉異形成症・関連疾患NGS遺伝子検査パネル|ミネルバクリニック

外胚葉異形成症・関連疾患NGS遺伝子検査パネル|ミネルバクリニック

外胚葉異形成症とは

外胚葉異形成症(Ectodermal Dysplasia: ED)は、外胚葉由来の組織や器官の発達に異常がみられる遺伝性疾患群の総称です。外胚葉は胎児発生の初期段階における三つの胚葉(外胚葉、中胚葉、内胚葉)のうちの一つで、皮膚、毛髪、爪、歯、汗腺などの組織を形成します。

外胚葉異形成症では、これらの外胚葉由来組織のうち少なくとも2つ以上に発達異常が認められることが特徴です。現在までに200種類以上の病型が報告されており、遺伝形式や症状の組み合わせは極めて多様です。

外胚葉異形成症は決して稀な疾患ではなく、全体では出生7,000人に1人程度の頻度で発生すると考えられています。最も多い低汗型外胚葉異形成症(無汗性外胚葉異形成症)の発症頻度は約10万人に1人程度と推定されています。

症状と病態

外胚葉異形成症の症状は、障害される組織や病型によって大きく異なりますが、主に以下のような外胚葉由来組織の発達異常として現れます。

主要症状

  • 毛髪の異常:乏毛症(毛髪が少ない)、脱毛、毛髪の細さや脆弱性、縮毛、白髪の早期出現
  • 歯の異常:先天性歯牙欠損(歯の数が少ない)、歯の形態異常(円錐歯)、エナメル質形成不全、萌出遅延
  • 爪の異常:爪の形成不全、爪の脆弱性、爪甲剥離症
  • 汗腺の異常:無汗症または乏汗症(汗をかけない、またはかきにくい)による体温調節障害
  • 皮膚の異常:皮膚の乾燥、薄い皮膚、色素沈着異常、掌蹠角化症
  • その他:涙腺の機能不全(ドライアイ)、鼻腔・喉頭の粘膜異常、乳房の発育不全

低汗型外胚葉異形成症(無汗性外胚葉異形成症)

外胚葉異形成症の中で最も頻度が高く、典型的な病型です。主な特徴は以下の通りです:

  • 汗腺の欠如または減少:汗をほとんどかけないため、体温調節が困難となり、特に乳幼児期に高熱が問題となります
  • 特徴的な顔貌:前額部の突出、眉毛・まつ毛の欠如または減少、鞍鼻(鼻が低い)、厚い唇
  • 乏毛症:頭髪が薄く、細く脆い毛髪
  • 歯牙形成不全:歯の数が少ない(特に乳歯・永久歯の欠損)、円錐状の歯
  • 粘膜の乾燥:口腔、鼻腔、気道の粘膜が乾燥しやすく、感染症のリスクが高まります

その他の外胚葉異形成症関連疾患

外胚葉異形成症には多くの亜型や関連疾患が存在します:

  • 高汗型外胚葉異形成症:汗腺は正常または増加していますが、歯や毛髪の異常を伴います
  • 毛髪・歯・爪異形成症候群:毛髪、歯、爪に限定した異常を示します
  • ラップ・ホッジキン症候群:口唇口蓋裂と外胚葉異形成を合併します
  • EEC症候群:外胚葉異形成、裂手裂足、口唇口蓋裂を特徴とします
  • AEC症候群(ヘイ・ウェルズ症候群):癒着性皮膚症、外胚葉異形成、口唇口蓋裂を特徴とします
  • ADULT症候群:涙腺・唾液腺形成不全、外胚葉異形成、四肢の異常を伴います
  • 軟骨外胚葉異形成症(Ellis-van Creveld症候群):外胚葉異形成に軟骨形成不全を合併します

合併症と生活への影響

外胚葉異形成症は生命予後には大きく影響しないことが多いですが、以下のような問題が生じることがあります:

  • 体温調節障害:特に低汗型では、高温環境での熱中症リスクが高く、注意が必要です
  • 呼吸器感染症:気道粘膜の乾燥により、気道感染症にかかりやすくなります
  • 歯科的問題:咀嚼機能の低下、発音障害、審美的な問題
  • 眼科的問題:涙液分泌低下によるドライアイ、角膜障害
  • 心理社会的影響:外見上の特徴による心理的ストレス、社会適応の困難

遺伝形式と原因遺伝子

外胚葉異形成症は遺伝学的に非常に多様性が高く、常染色体優性(顕性)遺伝、常染色体劣性(潜性)遺伝、X連鎖遺伝のいずれの形式でも発症します。現在までに多数の原因遺伝子が同定されています。

X連鎖劣性遺伝形式

低汗型外胚葉異形成症の最も多い遺伝形式です:

  • EDA遺伝子:エクトジスプラシンAをコードし、低汗型外胚葉異形成症の最も頻度の高い原因遺伝子です。X連鎖劣性遺伝のため、主に男性が発症し、女性は保因者となることが多いですが、X染色体不活化のパターンによっては女性でも軽度の症状を呈することがあります
  • IKBKG遺伝子:色素失調症の原因遺伝子としても知られ、低汗型外胚葉異形成症を呈することがあります

常染色体優性(顕性)遺伝形式

以下のような遺伝子が知られています:

  • TP63遺伝子:EEC症候群、AEC症候群、ADULT症候群、裂手裂足外胚葉異形成症候群などの原因遺伝子です
  • WNT10A遺伝子:歯牙形成不全を伴う外胚葉異形成症の原因となります
  • FGFR2、FGFR3遺伝子:骨格異常を伴う外胚葉異形成症の原因となります
  • GJA1遺伝子:皮膚、毛髪、歯の異常を伴う外胚葉異形成症の原因となります
  • KRT遺伝子群(KRT1、KRT6A、KRT14、KRT16、KRT17など):掌蹠角化症を伴う外胚葉異形成症の原因となります

常染色体劣性(潜性)遺伝形式

  • EDAR、EDARADD遺伝子:低汗型外胚葉異形成症の常染色体劣性型の原因遺伝子です
  • EVC、EVC2遺伝子:軟骨外胚葉異形成症(Ellis-van Creveld症候群)の原因遺伝子です
  • WNT10A遺伝子:常染色体劣性遺伝形式でも歯牙形成不全を伴う外胚葉異形成症を引き起こします
  • GRHL2遺伝子:難聴を伴う外胚葉異形成症の原因となります

当検査パネルでは、これらの原因遺伝子を含む98遺伝子を対象としています。これにより、外胚葉異形成症および関連疾患の主要な原因を包括的にスクリーニングすることが可能です。

ミネルバクリニックの外胚葉異形成症・関連疾患遺伝子パネル検査の特徴

「外胚葉異形成症・関連疾患 NGSパネル検査」とは、現在外胚葉異形成症および関連疾患の原因として報告されている98の遺伝子に異常があるかどうかを、一度に調べられる検査方法です。

従来の検査方法の場合、複数の関連遺伝子を調べるために、A遺伝子の検査をして異常がなければ次にB遺伝子を検査する、というように何度も検査する必要がありました。もちろん、検査のたびに高額な料金がかかります。

何度も検査することでかかる費用や手間は、患者さんにとって大きな負担になります。ミネルバクリニックではそうした不便を解消するために、外胚葉異形成症および関連疾患に関連する98遺伝子を一度に調べられる「外胚葉異形成症・関連疾患 NGSパネル検査」を採用しています。

一般的な遺伝子検査のメリットとデメリットについてはこちらのページをご覧ください。

1.費用がリーズナブル

一般的な医療機関で外胚葉異形成症の遺伝子検査を行う場合、単一遺伝子ごとに数万円から数十万円の費用がかかることが多く、複数の遺伝子を調べる場合は非常に高額になります。

当院では、外胚葉異形成症および関連疾患に関係するとされる98の遺伝子を一度に調べられる「外胚葉異形成症・関連疾患 NGSパネル検査」をリーズナブルに受けられます。(費用はページの一番下をご確認ください。)

2.結果が出るまでがはやい

一般的な医療機関で行える外胚葉異形成症の遺伝子検査の場合、結果が出るまでには通常数週間から数ヶ月かかることがあります。また、単一遺伝子の検査で異常が見つからなかった場合、追加の遺伝子検査が必要になることもあります。

当院で行う「外胚葉異形成症・関連疾患 NGSパネル検査」の場合、98の遺伝子を、2~3週間程度で一度に調べることが可能です。

3.一気にまとめてできる

臨床症状から外胚葉異形成症を疑って単一遺伝子検査を行っても、病的変異が見つからないことがあります。また、他の遺伝子に変異があるかどうかまでは分かりません。

当院で行う「外胚葉異形成症・関連疾患 NGSパネル検査」ならば、臨床的に重要な98の原因遺伝子を同時に検査できるという利点があります。

オプション

塩基配列 (料金に含まれる)
欠失・挿入 (料金に含まれる)
至急:結果が出るまでの期間が約7日短くなります。 33,000円
VUS除外 *VUS(variant of unknown significance)とは病的意義がよく分かっていない変異の事を指します。(無料)

検査内容

「外胚葉異形成症・関連疾患 NGSパネル検査」では、外胚葉異形成症および関連疾患に関係するとされる98種類の遺伝子をまとめて検査します。

「外胚葉異形成症・関連疾患 NGSパネル検査」は、外胚葉異形成症および関連疾患の遺伝的原因をお持ちの方を見つける可能性を高められると同時に、現在および将来的に活用できる情報を提供します。

どんな人が受けたらいいの?

【外胚葉異形成症の個人歴または家族歴のある方】に
「外胚葉異形成症・関連疾患 NGSパネル検査」を受けることをおすすめします。

この検査は以下のような方に適しています:
・毛髪の異常(乏毛症、脱毛、細く脆い毛髪)がある方
・歯の異常(先天性歯牙欠損、円錐歯、エナメル質形成不全)がある方
・爪の異常(形成不全、脆弱性)がある方
・汗腺の異常(無汗症、乏汗症、体温調節障害)がある方
・特徴的な顔貌(前額部突出、眉毛・まつ毛の欠如、鞍鼻)がある方
・皮膚の異常(乾燥、薄い皮膚、掌蹠角化症)がある方
・涙腺や唾液腺の機能不全がある方
・外胚葉由来組織のうち2つ以上に異常が認められる方
・外胚葉異形成症の家族歴がある方
・将来子どもを持つことを考えている保因者の方で、リスク評価を希望される方

このパネル検査は、血液、抽出DNA、頬粘膜スワブ、または唾液検体で実施可能です。モザイク現象の検出は目的としておらず、腫瘍組織での検査は適応外です。

検査で得られる患者さんの潜在的利益は?

遺伝子検査により原因が判明すると、外胚葉異形成症の診断確定や、適切な治療・管理方針の決定に役立ちます。また、リスクが判明した場合には、適切な体温管理、歯科治療、皮膚ケア、定期的なモニタリングを行うことができます。

遺伝子検査により以下の利益が期待できます:
・適切な診断の確立または確認
・他の遺伝性疾患との鑑別
・適切な体温管理指導(特に低汗型の場合)
・歯科治療計画の立案(義歯、インプラント、歯列矯正など)
・皮膚・粘膜ケアの最適化
・眼科的合併症(ドライアイなど)の早期発見と治療
・呼吸器感染症の予防と管理
・疾患の進行予測と長期的な管理計画の立案
・追加の関連症状のリスクの特定
・関連リソースやサポートへの患者の接続
・より個別化された治療と症状管理
・家族の危険因子に関する情報提供
・家族計画のためのオプション提供
・出生前・着床前診断の選択肢提供

患者さんで病原性変異が同定された場合、遺伝形式に応じて家族の発症リスクが異なります。常染色体優性遺伝の場合は子どもが発症するリスクは50%、常染色体劣性遺伝の場合は兄弟姉妹が発症するリスクは25%、X連鎖劣性遺伝の場合は男児が発症するリスクは50%です。家族を検査することでそのリスクを明らかにすることが重要です。

対象遺伝子

詳しくはこちら

ABCA5, ANTXR1, APCDD1, ARID1B, ATP6V1B2, AXIN2, BCS1L, CDH1, CDH3, CDSN, CLDN1, CRYL1, CTSC, CTSK, DLX3, DSG4, DSP, EDA, EDAR, EDARADD, ERCC2, ERCC3, ERCC8, EVC, EVC2, FGF10, FGFR2, FGFR3, GJA1, GJB2, GJB6, GRHL2, GTF2E2, GTF2H5, HOXC13, HR, IFT122, IFT43, IKBKG, INSR, JUP, KANK2, KAT6B, KCTD1, KDF1, KREMEN1, KRT1, KRT14, KRT16, KRT17, KRT25, KRT6A, KRT6B, KRT6C, KRT71, KRT74, KRT83, KRT85, KRT9, LEF1, LIPH, LPAR6, LSS, MBTPS2, MPLKIP, MSX1, NECTIN1, NECTIN4, NFKBIA, ORAI1, PEX1, PIGL, PKP1, POC1A, PORCN, PRKD1, RIN2, RIPK4, RNF113A, ROGDI, RPL21, SETBP1, SLC25A24, SMARCAD1, SMOC2, SNRPE, SOX18, SPINK5, TBC1D24, TBX3, TP63, TRAF6, TRPS1, TRPV3, TSPEAR, TWIST2, UBR1, WNT10A ( 98遺伝子 )

各主要遺伝子の詳細:
・EDA遺伝子:
エクトジスプラシンAをコードする遺伝子。X連鎖劣性遺伝形式で、低汗型外胚葉異形成症の最も頻度の高い原因遺伝子です。汗腺、毛髪、歯の発達に重要な役割を果たします。

・EDAR遺伝子:
エクトジスプラシンA受容体をコードする遺伝子。常染色体劣性遺伝形式で低汗型外胚葉異形成症を引き起こします。EDAシグナル経路の一部です。

・EDARADD遺伝子:
EDAR関連死ドメインタンパク質をコードする遺伝子。常染色体劣性遺伝形式で低汗型外胚葉異形成症を引き起こします。

・TP63遺伝子:
転写因子p63をコードする遺伝子。常染色体優性遺伝形式で、EEC症候群、AEC症候群、ADULT症候群、裂手裂足外胚葉異形成症候群などの原因となります。皮膚、毛髪、歯、爪、四肢の発達に重要です。

・WNT10A遺伝子:
Wntシグナル経路の分子をコードする遺伝子。常染色体優性または劣性遺伝形式で、歯牙形成不全を伴う外胚葉異形成症の原因となります。

・IKBKG遺伝子:
NF-κBシグナル経路の調節因子をコードする遺伝子。X連鎖遺伝形式で、低汗型外胚葉異形成症や色素失調症の原因となります。

・GJA1遺伝子:
コネキシン43をコードする遺伝子。常染色体優性遺伝形式で、皮膚、毛髪、歯の異常を伴う外胚葉異形成症の原因となります。

・FGFR2、FGFR3遺伝子:
線維芽細胞増殖因子受容体をコードする遺伝子。骨格異常を伴う外胚葉異形成症の原因となります。

・EVC、EVC2遺伝子:
繊毛タンパク質をコードする遺伝子。常染色体劣性遺伝形式で、軟骨外胚葉異形成症(Ellis-van Creveld症候群)の原因となります。短肢性低身長と外胚葉異形成を特徴とします。

・KRT遺伝子群:
ケラチンをコードする遺伝子群。掌蹠角化症を伴う外胚葉異形成症の原因となります。KRT1、KRT6A、KRT6B、KRT6C、KRT9、KRT14、KRT16、KRT17などが含まれます。

・GRHL2遺伝子:
転写因子をコードする遺伝子。常染色体劣性遺伝形式で、難聴を伴う外胚葉異形成症の原因となります。

・MSX1遺伝子:
ホメオボックス転写因子をコードする遺伝子。歯牙形成不全や口唇口蓋裂を伴う外胚葉異形成症の原因となります。

・DLX3遺伝子:
ホメオボックス転写因子をコードする遺伝子。毛髪、歯、骨の発達異常を伴う三叉頭蓋骨外胚葉異形成症の原因となります。

カバレッジ

カバレッジとは、遺伝子検査においてDNA配列がどの程度正確に読み取られたかを示す指標です。「20x」は同じ部位を20回読み取ることを意味し、読み取り回数が多いほど検査の精度が高くなります。

≥99% at 20x(読み取り深度20回以上)
これは、検査対象遺伝子の99%以上の領域を、20回以上の高い精度で読み取ることができることを示しています。

検体

血液(EDTAチューブ4ml×2本、紫色キャップ)、抽出DNA(EBバッファー中3μg)、頬粘膜スワブ、唾液(要請により採取キット提供)

※唾液・口腔粘膜擦過組織・血液いずれもオンライン診療が可能です。
 ほとんどの検査は唾液・口腔粘膜擦過組織で実施できます。
 血液検体の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします。
 オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行った後、検体を当院にお送りいただく流れとなります。
 検体採取キットは検査料金をお支払いいただいた後にお送りいたします。ご自身で勝手に検体を採取しないでください。

検査の限界

詳しくはこちら

すべての配列決定技術には限界があります。この分析は次世代シーケンシング(NGS)により実施され、コード領域とスプライス接合部の検査を目的として設計されています。次世代シーケンシング技術と当院のバイオインフォマティクス分析により、偽遺伝子配列やその他の高度に相同な配列の寄与は大幅に減少しますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において病原性変異体対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を時に妨げる可能性があります。

低品質スコアの変異確認および被覆標準を満たすためにサンガー配列決定が使用されます。注文された場合、欠失/重複分析は、1つの完全な遺伝子(頬粘膜スワブ検体および全血検体)および2つ以上の連続するエキソンサイズ(全血検体のみ)のゲノム領域の変化を同定できます。単一エキソンの欠失または重複が時に同定される場合がありますが、この検査では日常的に検出されません。同定された推定欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)により確認されます。

この検査では、疾患を引き起こす可能性がある特定のタイプのゲノム変化は検出されません。これには、転座や逆位、反復伸長(例:三塩基またはヘキサ塩基)、ほとんどの調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エキソンから20bp以上)の変化が含まれますが、これらに限定されません。この検査は体細胞モザイクまたは体細胞変異の検出を目的として設計または検証されていません。

※この検査パネルでは、98の原因遺伝子のみを対象としています。外胚葉異形成症は遺伝学的に非常に多様であり、すべての症例で原因遺伝子が特定されるわけではありません。検査で病原性変異が検出されなくても、疾患を完全に否定することはできません。

結果が出るまでの期間

2~3週間
※至急オプションを利用すると、結果が出るまでの期間が約7日短くなります。

料金

税込み275,000円
遺伝カウンセリング料金は別途30分16,500円(税込)

よくあるご質問

どのような症状があれば検査を受けるべきですか?
毛髪が薄い、歯の数が少ない、汗をかきにくい、爪が弱いなど、外胚葉由来組織のうち2つ以上に異常が認められる場合に検査をおすすめします。特に低汗型外胚葉異形成症が疑われる場合(汗をかけない、特徴的な顔貌、乏毛症、歯牙形成不全)は、早期の診断が重要です。また、家族に同様の症状がある場合も検査をご検討ください。
検査はどのように行いますか?
血液採取(4ml×2本)または唾液・頬粘膜スワブで検査可能です。唾液や頬粘膜の場合はオンライン診療も可能で、遠方の方でもクリニックにお越しいただかずに検査を受けられます。
低汗型外胚葉異形成症の体温調節障害はどのように管理しますか?
汗をかけない、またはかきにくいため、高温環境では体温が上昇しやすくなります。エアコンの使用、冷却ベストの着用、水分補給、高温環境の回避などが重要です。特に乳幼児期は注意深い体温管理が必要で、発熱時には速やかに冷却措置を行う必要があります。
歯の治療はどのように行われますか?
先天性歯牙欠損や歯の形態異常に対しては、義歯、インプラント、歯列矯正などの治療が行われます。小児期から歯科医との連携が重要で、適切な時期に適切な治療を受けることで、咀嚼機能や審美性を改善できます。
家族も検査を受ける必要がありますか?

遺伝形式によって家族の発症リスクが異なります。X連鎖劣性遺伝(EDA遺伝子変異など)の場合、女性は保因者となる可能性があり、男児が発症するリスクは50%です。常染色体優性遺伝の場合、子どもが発症するリスクは50%です。ご家族の検査により、将来の家族計画に重要な情報を提供できます。

検査で異常が見つからなかった場合はどうなりますか?
外胚葉異形成症は遺伝学的に非常に多様であり、すべての症例で原因遺伝子が特定されるわけではありません。検査で病原性変異が検出されなくても、疾患を完全に否定することはできません。臨床症状に基づいた診断と管理が引き続き重要です。
保険は適用されますか?
当検査は自費診療となり、保険適用外です。費用は税込み275,000円、別途遺伝カウンセリング料金(30分16,500円)が必要です。
結果はどのように説明されますか?
検査結果は遺伝カウンセリングにて詳しくご説明いたします。結果の意味、今後の対応、ご家族への影響、治療・管理選択肢などについて、専門的な観点から分かりやすくお伝えします。
子どもや将来の妊娠への影響はありますか?
遺伝形式によって子どもへの影響が異なります。X連鎖劣性遺伝の場合、女性保因者の男児が発症する確率は50%です。常染色体優性遺伝の場合は子どもが発症する確率は50%、常染色体劣性遺伝の場合は保因者同士のカップルで子どもが発症する確率は25%です。検査結果により、出生前診断や着床前診断など、将来の家族計画についてもご相談いただけます。
外胚葉異形成症の治療はどのように行われますか?
現在のところ根本的な治療法はありませんが、症状に応じた対症療法が行われます。体温管理(低汗型の場合)、歯科治療(義歯、インプラント)、皮膚ケア(保湿剤の使用)、眼科治療(人工涙液)、呼吸器感染症の予防と治療などが含まれます。適切な管理により、多くの患者さんは通常の生活を送ることができます。
予後はどうですか?
外胚葉異形成症は生命予後には大きく影響しないことが多いですが、低汗型では乳幼児期の体温調節障害に注意が必要です。適切な体温管理、歯科治療、皮膚ケアなどにより、通常の生活を送ることが可能です。審美的な問題や心理社会的影響に対するサポートも重要です。
他の医療機関での検査との違いは何ですか?
当院では臨床的に重要な98の原因遺伝子を一度に検査でき、従来の単一遺伝子検査と比べて費用・時間を短縮できます。また、臨床遺伝専門医が常駐しており、すべての患者さんに対して専門医が必ず診療と遺伝カウンセリングを行います。オンライン診療にも対応しており、全国どこからでも専門的な診療を受けることが可能です。


プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。

仲田洋美のプロフィールはこちら