ABCB7, ABHD12, ACO2, AFG3L2, AHI1, ALDH5A1, ALS2, ANO10, APTX, ARL13B, ATCAY, ATL1, ATM, ATP8A2, B9D1, BBS1, BBS12, BSCL2, C12orf65, C19orf12, CA8, CAMTA1, CC2D2A, CEP290, CEP41, CLCN2, CLN5, CLPP, COQ2, COQ6, COQ8A, COQ9, COX20, CPLANE1, CSTB, CWF19L1, CYP27A1, CYP7B1, DNAJC19, EIF2B1, EIF2B2, EIF2B3, EIF2B4, EIF2B5, FA2H, FBXL4, FGF14, FLVCR1, FXN, GALC, GBA2, GFAP, GJC2, GOSR2, GRID2, GRM1, GSS, HEPACAM, INPP5E, ITPR1, KCNA1, KCNC3, KCND3, KCNJ10, KIF1A, KIF1C, KIF5A, KIF7, LAMA1, MLC1, MRE11, MTPAP, NDUFS1, NDUFS7, OFD1, OPA1, OPA3, OPHN1, PAX6, PDSS1, PDSS2, PEX10, PEX7, PHYH, PLP1, PNKD, PNKP, PNPLA6, POLG, POLR3A, POLR3B, PRKCG, PRRT2, RORA, RPGRIP1L, RRM2B, RUBCN, SACS, SETX, SIL1, SLC16A2, SLC1A3, SLC2A1, SLC52A2, SLC52A3, SLC9A6, SNX14, SPAST, SPG11, SPR, SPTBN2, STUB1, TCTN1, TCTN2, TCTN3, TDP1, TGM6, TMEM216, TMEM231, TMEM237, TMEM240, TMEM67, TPP1, TTPA, TUBB4A, TWNK, TYMP, VAMP1, VLDLR, WDR73, WDR81, WFS1, WWOX, ZNF423 ( 134遺伝子 )
重要な注意事項:
FXN遺伝子に関して:フリードライヒ運動失調症の最も一般的な原因は、FXN遺伝子におけるGAA三塩基反復配列の異常伸長です。この検査パネルでは、FXN遺伝子の塩基配列変異および欠失・重複のみを検出し、リピート伸長は検出されません。フリードライヒ運動失調症が疑われる場合は、別途リピート伸長検査が必要です。
主要な遺伝子の詳細:
・FXN遺伝子(フリードライヒ運動失調症):
フラタキシンをコードする遺伝子。常染色体劣性遺伝。最も頻度の高い遺伝性運動失調症で、5~15歳頃に発症します。深部感覚障害、末梢神経障害、心筋症、糖尿病、脊柱側弯症などを合併します。※GAA三塩基反復配列の異常伸長が最も多い原因であり、リピート伸長検査が必要です。
・ATM遺伝子(毛細血管拡張性運動失調症):
ATMタンパク質(DNA修復に関与)をコードする遺伝子。常染色体劣性遺伝。2~3歳頃から運動失調が出現し、眼球結膜や顔面の毛細血管拡張、免疫不全、悪性腫瘍の高頻度発生、放射線高感受性などを特徴とします。
・APTX遺伝子(EAOH/AOA1):
アプラタキシンをコードする遺伝子。常染色体劣性遺伝。眼球運動失行と低アルブミン血症を伴う早発型失調症の原因となります。DNA修復に関与します。
・SETX遺伝子(AOA2):
セナタキシンをコードする遺伝子。常染色体劣性遺伝。眼球運動失行を伴う運動失調症2型の原因となります。DNA/RNA代謝に関与します。
・CACNA1A遺伝子(SCA6、EA2):
P/Q型電位依存性カルシウムチャネルをコードする遺伝子。常染色体優性遺伝。SCA6(比較的緩徐に進行する純粋小脳型の運動失調)および発作性運動失調症2型(EA2)の原因となります。※SCA6はCAGリピート伸長が原因であり、リピート伸長検査が必要です。
・KCNA1遺伝子(EA1):
電位依存性カリウムチャネルKV1.1をコードする遺伝子。常染色体優性遺伝。発作性運動失調症1型(EA1)の原因となります。短時間の発作性運動失調とミオキミア(筋波動)を特徴とします。
・PRKCG遺伝子(SCA14):
プロテインキナーゼCγをコードする遺伝子。常染色体優性遺伝。純粋小脳型の運動失調を呈します。
・ITPR1遺伝子(SCA15/16):
イノシトール1,4,5-三リン酸受容体をコードする遺伝子。常染色体優性遺伝。純粋小脳型または軽度の錐体外路症状を伴う運動失調を呈します。
・SACS遺伝子(ARSACS):
サクシンをコードする遺伝子。常染色体劣性遺伝。シャルルボワ・サグネ型痙性運動失調症の原因となります。
・POLG遺伝子:
ミトコンドリアDNAポリメラーゼγをコードする遺伝子。ミトコンドリア機能に関与し、多様な表現型を呈します。
・OPHN1遺伝子:
オリゴフレニン1をコードする遺伝子。X連鎖遺伝。X連鎖性小脳低形成の原因となり、小脳低形成、知的障害を伴います。
その他の遺伝子については、各種神経変性疾患、代謝異常、ミトコンドリア機能異常、ペルオキシソーム機能異常などに関与する遺伝子が含まれています。