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ジストニア・ジスキネジア遺伝子検査(NGSパネル)|ミネルバクリニック

ジストニア・ジスキネジア遺伝子検査(NGSパネル)|ミネルバクリニック

ジストニア・ジスキネジアとは

ジストニアとジスキネジアは、いずれも不随意運動(自分の意志とは無関係に体が動いてしまう症状)を特徴とする運動障害です。これらは中枢神経系、特に大脳基底核の機能異常によって引き起こされます。

ジストニア(Dystonia)

ジストニアは、不随意で持続的な筋収縮により、ねじれを伴う異常な姿勢や反復運動が生じる運動障害です。脳の大脳基底核、視床、小脳、大脳皮質などの活動異常が原因とされています。

ジストニアの重要な特徴:

  • 一定のパターンで筋肉が収縮する
  • 捻転(ねじれ)を伴う異常な姿勢や運動
  • 特定の動作で症状が出現する「動作特異性」
  • 感覚刺激により症状が軽減する「感覚トリック」
  • 睡眠中には症状が軽減または消失する
  • ストレスや疲労により悪化することがある

ジスキネジア(Dyskinesia)

ジスキネジアは、自分の意志とは無関係に身体の一部が不規則に動いてしまう不随意運動の一種です。主に口周囲、舌、顔面、四肢などにリズミカルで不規則な運動が起こります。

ジスキネジアの重要な特徴:

  • 不規則でリズミカルな異常運動
  • 口周囲・舌・顔面に症状が出やすい
  • 睡眠中には消失する
  • 興奮やストレスで症状が増悪する
  • 抑えようとすると悪化することがある

ジストニアとジスキネジアは、薬剤性(抗精神病薬、パーキンソン病治療薬などの副作用)、後天性(脳炎、外傷、脳血管障害など)、遺伝性に分類されます。当検査は遺伝性ジストニア・ジスキネジアの原因遺伝子を特定することを目的としています。

症状と病態

ジストニアとジスキネジアは、症状が現れる部位によってさまざまな症状を呈します。

ジストニアの主な症状

  • 眼瞼けいれん:まぶたが勝手に閉じようとする、開けにくい、異常なまぶしさを感じる
  • 痙性斜頸(頸部ジストニア):首が勝手に片側を向く、頭部が傾く、回旋する
  • 書痙:字を書くときに手が震える、力が入りすぎる
  • 音楽家のジストニア:楽器演奏時に特定の指が動かなくなる
  • 顎口腔ジストニア:開口・閉口障害、咀嚼困難
  • 喉頭ジストニア:発声障害、声の震え
  • 四肢のジストニア:手足の異常な姿勢、歩行障害
  • 全身性ジストニア:体幹を含む広範囲の筋肉の異常収縮

ジスキネジアの主な症状

  • 口周囲:繰り返し唇をすぼめる、口をもぐもぐさせる、口を突き出す
  • 舌:舌を左右に動かす、舌を突き出す、舌なめずり
  • 顔面:顔をしかめる、目を閉じてなかなか開けない
  • 顎:咀嚼運動の反復、歯を食いしばる
  • 四肢:手が勝手に動く、指を繰り返し曲げ伸ばしする、足指がくねくね動く
  • 体幹:体がくねくね動いてじっとしていられない、立ったり座ったりを繰り返す

遺伝性ジストニアの特徴的な病型

原因遺伝子によって、特徴的な症状パターンが認められることがあります:

  • DYT1ジストニア(TOR1A遺伝子):小児期に四肢から発症し、全身に広がる早発型ジストニア。最も重症度の高い遺伝性ジストニア
  • DYT5ジストニア/瀬川病(GCH1遺伝子):小児期発症、日内変動が顕著(朝は症状が軽く夕方に悪化)、レボドパが著効
  • DYT6ジストニア(THAP1遺伝子):若年発症、頭頸部や上肢から始まることが多い
  • DYT11ジストニア(SGCE遺伝子):ミオクローヌス(急激な筋収縮)を伴うジストニア
  • 発作性ジスキネジア(PRRT2、PNKD、SLC2A1遺伝子など):突然の発作性の不随意運動、運動やカフェイン摂取などが誘因

進行と予後

遺伝性ジストニアの進行パターンは原因遺伝子によって大きく異なります。小児期発症の全身性ジストニア(特にDYT1)は進行性で重症化することがありますが、局所性ジストニアは比較的進行が緩徐です。瀬川病などドパ反応性ジストニアはレボドパ治療により劇的に改善します。

遺伝形式と原因遺伝子

遺伝性ジストニア・ジスキネジアは遺伝学的に非常に多様性が高く、常染色体優性(顕性)遺伝、常染色体劣性(潜性)遺伝のいずれの形式でも発症します。現在までに30以上のDYT遺伝子座が同定されていますが、実際に原因遺伝子が特定されているのはその一部です。

常染色体優性(顕性)遺伝形式

最も頻度の高い遺伝形式で、以下の遺伝子が知られています:

  • TOR1A遺伝子(DYT1):早発型全身性ジストニアの最も頻度の高い原因遺伝子。小児期に四肢から発症
  • THAP1遺伝子(DYT6):若年発症ジストニア。頭頸部や上肢から始まることが多い
  • GCH1遺伝子(DYT5):瀬川病/ドパ反応性ジストニア。日内変動が特徴的でレボドパが著効
  • GNAL遺伝子(DYT25):頸部ジストニア(痙性斜頸)の原因遺伝子
  • ANO3遺伝子(DYT24):頭頸部ジストニアの原因遺伝子
  • SGCE遺伝子(DYT11):ミオクローヌス・ジストニア症候群の原因遺伝子

常染色体劣性(潜性)遺伝形式

比較的稀ですが、重症型が多い傾向があります:

  • TH遺伝子:チロシン水酸化酵素欠損症。乳児期発症の重症型
  • SPR遺伝子:セピアプテリン還元酵素欠損症。ジストニアとパーキンソニズムを呈する
  • PRKRA遺伝子(DYT16):若年発症ジストニア・パーキンソニズム

発作性ジスキネジア

突然の発作性不随意運動を特徴とする疾患群:

  • PRRT2遺伝子(DYT10):発作性運動誘発性ジスキネジア。運動開始時に発作が誘発される
  • PNKD遺伝子(DYT8):発作性非運動誘発性ジスキネジア。カフェイン、アルコール、ストレスで誘発
  • SLC2A1遺伝子(DYT18):発作性労作誘発性ジスキネジア。長時間の運動で誘発される

当検査パネルでは、これらの原因遺伝子のうち、臨床的に重要な25遺伝子を対象としています。これにより、遺伝性ジストニア・ジスキネジアの主要な原因を効率的にスクリーニングすることが可能です。

ミネルバクリニックのジストニア・ジスキネジア遺伝子パネル検査の特徴

「ジストニア・ジスキネジア NGSパネル検査」とは、現在遺伝性ジストニア・ジスキネジアの原因として報告されている25の遺伝子に異常があるかどうかを、一度に調べられる検査方法です。

従来の検査方法の場合、複数の関連遺伝子を調べるために、A遺伝子の検査をして異常がなければ次にB遺伝子を検査する、というように何度も検査する必要がありました。もちろん、検査のたびに高額な料金がかかります。

何度も検査することでかかる費用や手間は、患者さんにとって大きな負担になります。ミネルバクリニックではそうした不便を解消するために、ジストニア・ジスキネジアに関連する25遺伝子を一度に調べられる「ジストニア・ジスキネジア NGSパネル検査」を採用しています。

一般的な遺伝子検査のメリットとデメリットについてはこちらのページをご覧ください。

1.費用がリーズナブル

一般的な医療機関でジストニア・ジスキネジアの遺伝子検査を行う場合、単一遺伝子ごとに数万円から数十万円の費用がかかることが多く、複数の遺伝子を調べる場合は非常に高額になります。

当院では、ジストニア・ジスキネジアに関係するとされる25の遺伝子を一度に調べられる「ジストニア・ジスキネジア NGSパネル検査」をリーズナブルに受けられます。(費用はページの一番下をご確認ください。)

2.結果が出るまでがはやい

一般的な医療機関で行える遺伝性ジストニア・ジスキネジアの遺伝子検査の場合、結果が出るまでには通常数週間から数ヶ月かかることがあります。また、単一遺伝子の検査で異常が見つからなかった場合、追加の遺伝子検査が必要になることもあります。

当院で行う「ジストニア・ジスキネジア NGSパネル検査」の場合、25の遺伝子を、2~3週間程度で一度に調べることが可能です。

3.一気にまとめてできる

臨床症状からジストニアやジスキネジアを疑って単一遺伝子検査を行っても、病的変異が見つからないことがあります。また、他の遺伝子に変異があるかどうかまでは分かりません。

当院で行う「ジストニア・ジスキネジア NGSパネル検査」ならば、臨床的に重要な25の原因遺伝子を同時に検査できるという利点があります。

オプション

塩基配列 (料金に含まれる)
欠失・挿入 (料金に含まれる)
至急:結果が出るまでの期間が約7日短くなります。 33,000円
VUS除外 *VUS(variant of unknown significance)とは病的意義がよく分かっていない変異の事を指します。(無料)

検査内容

「ジストニア・ジスキネジア NGSパネル検査」では、遺伝性ジストニア・ジスキネジアに関係するとされる25種類の遺伝子(ANO3、ATP1A3、CACNA1B、CIZ1、COL6A3、DRD2、DRD5、GCH1、GNAL、HPCA、KCTD17、PNKD、PRKN、PRKRA、PRRT2、SCP2、SGCE、SLC2A1、SLC6A3、SPR、TAF1、TH、THAP1、TOR1A、TUBB4A)をまとめて検査します。

「ジストニア・ジスキネジア NGSパネル検査」は、遺伝性ジストニア・ジスキネジアの遺伝的原因をお持ちの方を見つける可能性を高められると同時に、現在および将来的に活用できる情報を提供します。

どんな人が受けたらいいの?

【ジストニアまたはジスキネジアの個人歴または家族歴のある方】に
「ジストニア・ジスキネジア NGSパネル検査」を受けることをおすすめします。

この検査は以下のような方に適しています:
・不随意な筋収縮による異常な姿勢や運動がある方
・眼瞼けいれん、痙性斜頸、書痙などの局所性ジストニアがある方
・小児期から四肢のねじれや異常姿勢がある方
・口周囲や舌の不随意運動がある方
・運動やストレスで誘発される発作性の不随意運動がある方
・日内変動のある運動障害がある方(朝は軽く夕方に悪化)
・薬剤性を除外された不随意運動がある方
・ジストニアまたはジスキネジアの家族歴がある方
・将来子どもを持つことを考えている保因者の方で、リスク評価を希望される方

このパネル検査は、血液、抽出DNA、頬粘膜スワブ、または唾液検体で実施可能です。モザイク現象の検出は目的としておらず、腫瘍組織での検査は適応外です。

検査で得られる患者さんの潜在的利益は?

遺伝子検査により原因が判明すると、ジストニア・ジスキネジアの診断確定や、適切な治療・管理方針の決定に役立ちます。特に瀬川病(GCH1遺伝子変異)が判明した場合、レボドパ治療により劇的な症状改善が期待できます。

遺伝子検査により以下の利益が期待できます:
・適切な診断の確立または確認
・薬剤性ジストニア・ジスキネジアとの鑑別
・ドパ反応性ジストニア(瀬川病など)の特定とレボドパ治療の適応判断
・ボツリヌス治療の適応判断
・脳深部刺激療法(DBS)の適応評価
・疾患の進行予測と長期的な管理計画の立案
・リハビリテーションプログラムの立案
・追加の関連症状のリスクの特定
・関連リソースやサポートへの患者の接続
・より個別化された治療と症状管理
・家族の危険因子に関する情報提供
・家族計画のためのオプション提供
・出生前・着床前診断の選択肢提供

患者さんで病原性変異が同定された場合、遺伝形式に応じて家族の発症リスクが異なります。常染色体優性遺伝の場合は子どもが発症するリスクは50%、常染色体劣性遺伝の場合は兄弟姉妹が発症するリスクは25%です。家族を検査することでそのリスクを明らかにすることが重要です。

対象遺伝子

詳しくはこちら

ANO3, ATP1A3, CACNA1B, CIZ1, COL6A3, DRD2, DRD5, GCH1, GNAL, HPCA, KCTD17, PNKD, PRKN, PRKRA, PRRT2, SCP2, SGCE, SLC2A1, SLC6A3, SPR, TAF1, TH, THAP1, TOR1A, TUBB4A ( 25遺伝子 )

各遺伝子の詳細:
・ANO3遺伝子(DYT24):
アノクタミン3をコードする遺伝子。カルシウム活性化クロライドチャネル。常染色体優性遺伝形式で、頭頸部ジストニアの原因となります。

・ATP1A3遺伝子(DYT12):
Na+/K+-ATPアーゼα3サブユニットをコードする遺伝子。常染色体優性遺伝形式で、急性発症ジストニア・パーキンソニズムや小児交互性片麻痺の原因となります。

・CACNA1B遺伝子:
電位依存性カルシウムチャネルα1Bサブユニットをコードする遺伝子。神経伝達物質の放出に関与します。

・CIZ1遺伝子:
CDK阻害因子相互作用亜鉛フィンガータンパク質1をコードする遺伝子。DNA複製に関与します。

・COL6A3遺伝子:
VI型コラーゲンα3鎖をコードする遺伝子。筋肉や結合組織の構造に関与します。

・DRD2遺伝子:
ドパミンD2受容体をコードする遺伝子。ミオクローヌス・ジストニア症候群に関連します。

・DRD5遺伝子:
ドパミンD5受容体をコードする遺伝子。ドパミン神経伝達に関与します。

・GCH1遺伝子(DYT5):
GTPシクロヒドロラーゼIをコードする遺伝子。常染色体優性遺伝形式で、瀬川病/ドパ反応性ジストニアの原因となります。日内変動が特徴的で、レボドパ治療が著効します。

・GNAL遺伝子(DYT25):
Gタンパク質αサブユニットをコードする遺伝子。常染色体優性遺伝形式で、頸部ジストニア(痙性斜頸)の原因となります。

・HPCA遺伝子:
ヒポカルシンをコードする遺伝子。カルシウム結合タンパク質で、神経細胞の機能に関与します。

・KCTD17遺伝子(DYT26):
カリウムチャネルテトラマー化ドメイン含有タンパク質17をコードする遺伝子。ミオクローヌス・ジストニア症候群に関連します。

・PNKD遺伝子(DYT8):
発作性非運動誘発性ジスキネジアタンパク質をコードする遺伝子。常染色体優性遺伝形式で、カフェイン、アルコール、ストレスなどで誘発される発作性ジスキネジアの原因となります。

・PRKN遺伝子:
パーキンをコードする遺伝子。若年性パーキンソン病の原因遺伝子として知られていますが、ジストニアを伴うこともあります。

・PRKRA遺�伝子(DYT16):
PKR活性化因子をコードする遺伝子。常染色体劣性遺伝形式で、若年発症ジストニア・パーキンソニズムの原因となります。

・PRRT2遺伝子(DYT10):
プロリンリッチ膜貫通タンパク質2をコードする遺伝子。常染色体優性遺伝形式で、発作性運動誘発性ジスキネジア(運動開始時に発作が誘発される)の原因となります。

・SCP2遺伝子:
ステロール運搬タンパク質2をコードする遺伝子。脂質代謝に関与します。

・SGCE遺伝子(DYT11):
εサルコグリカンをコードする遺伝子。常染色体優性遺伝(母性刷り込みを示す)で、ミオクローヌス・ジストニア症候群の最も頻度の高い原因遺伝子です。

・SLC2A1遺伝子(DYT18):
グルコーストランスポーター1をコードする遺伝子。常染色体優性遺伝形式で、発作性労作誘発性ジスキネジア(長時間の運動で誘発される)の原因となります。

・SLC6A3遺伝子:
ドパミントランスポーターをコードする遺伝子。ドパミンの再取り込みに関与し、ジストニア・パーキンソニズムの原因となることがあります。

・SPR遺伝子:
セピアプテリン還元酵素をコードする遺伝子。常染色体劣性遺伝形式で、ドパ反応性ジストニアの原因となります。

・TAF1遺伝子(DYT3):
転写因子IIDのTATA結合タンパク質関連因子1をコードする遺伝子。X連鎖劣性遺伝形式で、ジストニア・パーキンソニズムの原因となります。

・TH遺伝子:
チロシン水酸化酵素をコードする遺伝子。常染色体劣性遺伝形式で、乳児期発症の重症型ドパ反応性ジストニアの原因となります。

・THAP1遺伝子(DYT6):
THAP1タンパク質をコードする遺伝子。常染色体優性遺伝形式で、若年発症ジストニアの原因となります。頭頸部や上肢から始まることが多いです。

・TOR1A遺伝子(DYT1):
トルシンAをコードする遺伝子。常染色体優性遺伝形式で、早発型全身性ジストニアの最も頻度の高い原因遺伝子です。小児期に四肢から発症し、全身に広がります。

・TUBB4A遺伝子(DYT4):
β-チューブリン4Aをコードする遺伝子。常染色体優性遺伝形式で、上肢優位の早発型ジストニアの原因となります。

カバレッジ

カバレッジとは、遺伝子検査においてDNA配列がどの程度正確に読み取られたかを示す指標です。「20x」は同じ部位を20回読み取ることを意味し、読み取り回数が多いほど検査の精度が高くなります。

≥99% at 20x(読み取り深度20回以上)
これは、検査対象遺伝子の99%以上の領域を、20回以上の高い精度で読み取ることができることを示しています。

検体

血液(EDTAチューブ4ml×2本、紫色キャップ)、抽出DNA(EBバッファー中3μg)、頬粘膜スワブ、唾液(要請により採取キット提供)

※唾液・口腔粘膜擦過組織・血液いずれもオンライン診療が可能です。
 ほとんどの検査は唾液・口腔粘膜擦過組織で実施できます。
 血液検体の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします。
 オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行った後、検体を当院にお送りいただく流れとなります。
 検体採取キットは検査料金をお支払いいただいた後にお送りいたします。ご自身で勝手に検体を採取しないでください。

検査の限界

詳しくはこちら

すべての配列決定技術には限界があります。この分析は次世代シーケンシング(NGS)により実施され、コード領域とスプライス接合部の検査を目的として設計されています。次世代シーケンシング技術と当院のバイオインフォマティクス分析により、偽遺伝子配列やその他の高度に相同な配列の寄与は大幅に減少しますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において病原性変異体対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を時に妨げる可能性があります。

低品質スコアの変異確認および被覆標準を満たすためにサンガー配列決定が使用されます。注文された場合、欠失/重複分析は、1つの完全な遺伝子(頬粘膜スワブ検体および全血検体)および2つ以上の連続するエキソンサイズ(全血検体のみ)のゲノム領域の変化を同定できます。単一エキソンの欠失または重複が時に同定される場合がありますが、この検査では日常的に検出されません。同定された推定欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)により確認されます。

この検査では、疾患を引き起こす可能性がある特定のタイプのゲノム変化は検出されません。これには、転座や逆位、反復伸長(例:三塩基またはヘキサ塩基)、ほとんどの調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エキソンから20bp以上)の変化が含まれますが、これらに限定されません。この検査は体細胞モザイクまたは体細胞変異の検出を目的として設計または検証されていません。

※この検査パネルでは、25の原因遺伝子のみを対象としています。すべての遺伝性ジストニア・ジスキネジア症例で原因遺伝子が特定されるわけではありません。検査で病原性変異が検出されなくても、疾患を完全に否定することはできません。

結果が出るまでの期間

2~3週間
※至急オプションを利用すると、結果が出るまでの期間が約7日短くなります。

料金

税込み275,000円
遺伝カウンセリング料金は別途30分16,500円(税込)

よくあるご質問

どのような症状があれば検査を受けるべきですか?
不随意な筋収縮による異常な姿勢や運動がある方、眼瞼けいれん、痙性斜頸、書痙などの局所性ジストニアがある方、口周囲や舌の不随意運動がある方におすすめします。特に小児期からの症状、日内変動のある運動障害(朝は軽く夕方に悪化)、運動やストレスで誘発される発作性の不随意運動がある場合は、遺伝性ジストニア・ジスキネジアの可能性が高くなります。また、薬剤性を除外された不随意運動や、家族に同様の症状がある場合も検査をご検討ください。
検査はどのように行いますか?
血液採取(4ml×2本)または唾液・頬粘膜スワブで検査可能です。唾液や頬粘膜の場合はオンライン診療も可能で、遠方の方でもクリニックにお越しいただかずに検査を受けられます。
薬剤性ジストニア・ジスキネジアとの違いは何ですか?
薬剤性ジストニア・ジスキネジアは抗精神病薬、パーキンソン病治療薬などの副作用で発症します。一方、遺伝性ジストニア・ジスキネジアは遺伝子変異が原因です。当検査により原因遺伝子を特定することで、薬剤性との鑑別が可能になり、適切な治療方針の決定に役立ちます。
瀬川病とは何ですか?
瀬川病(ドパ反応性ジストニア)はGCH1遺伝子変異により発症し、日本人医師の瀬川昌也先生により発見された疾患です。小児期に発症し、朝は症状が軽く夕方に悪化する日内変動が特徴的です。レボドパ(パーキンソン病治療薬)により劇的に症状が改善するため、早期診断が非常に重要です。
家族も検査を受ける必要がありますか?
遺伝形式によって家族の発症リスクが異なります。常染色体優性遺伝の場合、患者さんのお子さんが発症するリスクは50%です。常染色体劣性遺伝の場合、兄弟姉妹が発症するリスクは25%、保因者となるリスクは50%です。ご家族の検査により、将来の家族計画に重要な情報を提供できます。
検査で異常が見つからなかった場合はどうなりますか?
すべての遺伝性ジストニア・ジスキネジア症例で原因遺伝子が特定されるわけではありません。検査で病原性変異が検出されなくても、疾患を完全に否定することはできません。臨床症状に基づいた診断と管理が引き続き重要です。
保険は適用されますか?
当検査は自費診療となり、保険適用外です。費用は税込み275,000円、別途遺伝カウンセリング料金(30分16,500円)が必要です。
結果はどのように説明されますか?
検査結果は遺伝カウンセリングにて詳しくご説明いたします。結果の意味、今後の対応、ご家族への影響、治療・管理選択肢などについて、専門的な観点から分かりやすくお伝えします。
子どもや将来の妊娠への影響はありますか?
遺伝形式によって子どもへの影響が異なります。常染色体優性遺伝の場合は子どもが発症する確率は50%、常染色体劣性遺伝の場合は保因者同士のカップルで子どもが発症する確率は25%です。検査結果により、出生前診断や着床前診断など、将来の家族計画についてもご相談いただけます。
ジストニア・ジスキネジアの治療はどのように行われますか?
治療は原因遺伝子によって異なります。瀬川病などドパ反応性ジストニアではレボドパ治療が著効します。局所性ジストニアにはボツリヌス治療が有効です。薬物療法抵抗性の場合は脳深部刺激療法(DBS)が選択肢となります。その他、理学療法、作業療法などのリハビリテーションも重要です。
予後はどうですか?
疾患の進行速度は原因遺伝子や個人によって大きく異なります。瀬川病などドパ反応性ジストニアは治療により劇的に改善します。局所性ジストニアは比較的進行が緩徐で、適切な治療により日常生活を維持できることが多いです。早発型全身性ジストニア(DYT1など)は進行性ですが、脳深部刺激療法により症状改善が期待できます。
他の医療機関での検査との違いは何ですか?
当院では臨床的に重要な25の原因遺伝子を一度に検査でき、従来の単一遺伝子検査と比べて費用・時間を短縮できます。また、臨床遺伝専門医が常駐しており、すべての患者さんに対して専門医が必ず診療と遺伝カウンセリングを行います。オンライン診療にも対応しており、全国どこからでも専門的な診療を受けることが可能です。


プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。

仲田洋美のプロフィールはこちら