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糖尿病・肥満遺伝子検査(NGSパネル)|ミネルバクリニック

糖尿病・肥満遺伝子検査(NGSパネル)|ミネルバクリニック

単一遺伝子性糖尿病とは

単一遺伝子性糖尿病(Monogenic Diabetes)は、単一の遺伝子変異によって発症する糖尿病の総称です。一般的な1型糖尿病や2型糖尿病が多数の遺伝子と環境要因が複雑に関与する多因子遺伝疾患であるのに対し、単一遺伝子性糖尿病は一つの遺伝子の異常だけで糖尿病が発症します。

糖尿病患者全体の中では比較的稀ですが、若年発症の糖尿病では重要な位置を占めています。30歳以下で糖尿病と診断された方の約3%が単一遺伝子性糖尿病であると報告されています。単一遺伝子性糖尿病には、主に以下のタイプがあります。

MODY(若年発症成人型糖尿病)

MODY(Maturity-Onset Diabetes of the Young)は、単一遺伝子性糖尿病の中で最も頻度が高いタイプです。通常、25歳以下の若年で発症し、常染色体優性遺伝(親から子へ50%の確率で遺伝)の形式をとります。

MODYは原因遺伝子によって複数のサブタイプに分類されます。主なものとして、HNF4A遺伝子変異によるMODY1、GCK遺伝子変異によるMODY2、HNF1A遺伝子変異によるMODY3などがあり、それぞれ臨床像や治療法が異なります。

MODYの特徴として、膵島関連自己抗体が陰性であること、家族歴が明確であること(2世代以上にわたって発症)、インスリン分泌能がある程度保たれていることが挙げられます。適切な遺伝学的検査により診断されれば、タイプによってはスルホニル尿素薬などの経口薬で良好なコントロールが得られる場合があり、必ずしもインスリン治療を必要としないこともあります。

新生児糖尿病

新生児糖尿病(Neonatal Diabetes Mellitus)は、生後6ヶ月以内に発症する糖尿病です。非常に稀な疾患で、出生10万人あたり1人程度の発症率とされています。生後6ヶ月以内に診断された場合、約80%が単一遺伝子変異によるものと考えられています。

最も多い原因遺伝子はKCNJ11とABCC8で、これらは膵β細胞のATP感受性カリウムチャネルをコードしています。これらの遺伝子変異が確認された場合、インスリン治療からスルホニル尿素薬への変更が可能となり、患者さんのQOL(生活の質)が大きく改善することがあります。

新生児糖尿病には一時的なもの(生後18ヶ月までに寛解)と永続的なものがあり、遺伝子検査によりその予後を予測することができます。

その他の単一遺伝子性糖尿病

上記以外にも、膵臓や内分泌系の発達に関わる遺伝子(PDX1、NEUROD1、NEUROG3など)の変異により、糖尿病を発症することがあります。また、ウォルフラム症候群(WFS1遺伝子変異)のように、糖尿病に加えて他の症状(視神経萎縮、尿崩症、難聴など)を伴う症候群性の疾患もあります。

単一遺伝子性糖尿病の診断は、適切な治療法の選択、予後予測、家族への遺伝カウンセリング、将来の家族計画において極めて重要です。1型や2型糖尿病として治療されている方の中にも、実は単一遺伝子性糖尿病である方が含まれている可能性があります。

遺伝性肥満とは

肥満は一般的に、過食や運動不足などの生活習慣が主な原因とされますが、一部には遺伝子の異常が原因で肥満を発症する「遺伝性肥満」が存在します。BMI(体格指数)が30以上の肥満のうち、明確な遺伝的原因がある肥満を二次性肥満または症候性肥満と呼び、その中に遺伝性肥満が含まれます。

症候群性の遺伝性肥満

遺伝性肥満には、肥満に加えて知的障害や性腺機能低下症など、複数の症状を伴う症候群性のものがあります。代表的な疾患として以下のものが知られています。

  • Prader-Willi症候群:新生児期から乳児期は筋緊張低下のため運動発達の遅れが目立ち、幼児期になると特有の顔貌(アーモンド様の目、V字型の口)を呈します。幼児期以降に過食傾向が出現し、肥満が進行します。思春期から2型糖尿病の発症も多くなります。
  • Bardet-Biedl症候群:肥満、知的障害、性腺機能低下症に加えて、網膜色素変性症(視力障害)や多指症が特徴的です。
  • Alström症候群:Bardet-Biedl症候群と類似した臨床像を呈しますが、多指症や知的障害を示さないのが特徴です。
  • Carpenter症候群:尖頭多指癒合症とも呼ばれ、特徴的な顔貌と頭蓋骨の異常を伴います。
  • Cohen症候群:小頭症、脈絡網膜ジストロフィー、高度近視などの特徴的な眼科所見を認めます。

単一遺伝子性肥満

症候群を伴わず、肥満が主症状となる単一遺伝子性肥満も報告されています。これらは食欲調節やエネルギー代謝に関わる遺伝子の変異によって発症します。

  • レプチン・レプチン受容体遺伝子異常(LEP、LEPR):レプチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンで、満腹感をもたらし脂肪燃焼を促進します。レプチンまたはその受容体の遺伝子異常により、満腹感が得られず過食となり、重度の肥満を発症します。レプチン欠損症ではレプチン補充療法が有効です。
  • POMC遺伝子異常:POMC(プロオピオメラノコルチン)は、食欲抑制に関わる神経ペプチドの前駆体です。この遺伝子の変異により、早期発症の重度肥満、副腎機能不全、赤毛などの症状が現れます。
  • メラノコルチン4型受容体(MC4R)遺伝子異常:MC4Rは視床下部で食欲調節に重要な役割を果たしています。この遺伝子の変異は単一遺伝子性肥満の中で最も頻度が高く、重度肥満の約2-5%を占めるとされています。
  • プロホルモン変換酵素1(PCSK1)遺伝子異常:ホルモン前駆体をプロセシングする酵素の異常により、肥満に加えて内分泌機能異常を伴います。

多因子性の肥満関連遺伝子

一般的な肥満の多くは、複数の遺伝子と環境要因が相互作用して発症する多因子性のものです。肥満に関連する遺伝子は現在50種類以上報告されており、日本人で特に多いのはADRB3(β3アドレナリン受容体)、UCP1(脱共役タンパク質1)、ADRB2(β2アドレナリン受容体)などです。

これらの遺伝子変異により、基礎代謝量が1日あたり数十から数百キロカロリー異なることが知られており、同じ食事・運動量でも体重変化に個人差が生じる一因となっています。ただし、これらは「太りやすい体質」を示すものであり、生活習慣の改善により肥満は予防・改善可能です。

遺伝性肥満の診断は、適切な治療法(レプチン補充療法など)の選択、合併症の予防、家族への遺伝カウンセリングにおいて重要です。原因不明の重度肥満、幼児期からの過食傾向、家族歴がある場合は、遺伝子検査をご検討ください。

ミネルバクリニックの糖尿病・肥満遺伝子検査(NGSパネル)の特徴

「糖尿病・肥満遺伝子検査(NGSパネル)」とは、現在糖尿病と肥満の単一遺伝子性の原因として報告されている56の遺伝子に異常があるかどうかを、一度に調べられる検査方法です。

従来の検査方法の場合、複数の関連遺伝子を調べるために、A遺伝子の検査をして異常がなければ次にB遺伝子を検査する、というように何度も検査する必要がありました。もちろん、検査のたびに高額な料金がかかります。

何度も検査することでかかる費用や手間は、患者さんにとって大きな負担になります。ミネルバクリニックではそうした不便を解消するために、糖尿病と肥満に関連する56の遺伝子を一度に調べられる「糖尿病・肥満遺伝子検査(NGSパネル)」を採用しています。

一般的な遺伝子検査のメリットとデメリットについてはこちらのページをご覧ください。

1.費用がリーズナブル

一般的な医療機関で糖尿病や肥満の遺伝子検査を行う場合、単一遺伝子ごとに数万円から数十万円の費用がかかることが多く、複数の遺伝子を調べる場合は非常に高額になります。

当院では、糖尿病と肥満に関係するとされる56の遺伝子を一度に調べられる「糖尿病・肥満遺伝子検査(NGSパネル)」をリーズナブルに受けられます。(費用はページの一番下をご確認ください。)

2.結果が出るまでがはやい

一般的な医療機関で行える糖尿病や肥満の遺伝子検査の場合、結果が出るまでには通常数週間から数ヶ月かかることがあります。また、単一遺伝子の検査で異常が見つからなかった場合、追加の遺伝子検査が必要になることもあります。

当院で行う「糖尿病・肥満遺伝子検査(NGSパネル)」の場合、56の遺伝子を、2~3週間程度で一度に調べることが可能です。

3.一気にまとめてできる

臨床症状から単一遺伝子性糖尿病や遺伝性肥満を疑って単一遺伝子検査を行っても、病的変異が見つからないことがあります。また、他の遺伝子に変異があるかどうかまでは分かりません。

当院で行う「糖尿病・肥満遺伝子検査(NGSパネル)」ならば、糖尿病と肥満に関連する56の遺伝子を同時に検査できるという利点があります。単一遺伝子性糖尿病(MODY、新生児糖尿病など)と遺伝性肥満(症候群性、非症候群性の両方)の原因遺伝子を包括的に評価できます。

オプション

塩基配列 (料金に含まれる)
欠失・挿入 (料金に含まれる)
至急:結果が出るまでの期間が約7日短くなります。 33,000円
VUS除外 *VUS(variant of unknown significance)とは病的意義がよく分かっていない変異の事を指します。(無料)

検査内容

「糖尿病・肥満遺伝子検査(NGSパネル)」では、糖尿病と肥満に関係するとされる56種類の遺伝子をまとめて検査します。これには単一遺伝子性糖尿病(MODYや新生児糖尿病)および遺伝性肥満(症候群性および非症候群性)の原因遺伝子が含まれます。

「糖尿病・肥満遺伝子検査(NGSパネル)」は、糖尿病や肥満の遺伝的原因をお持ちの方を見つける可能性を高められると同時に、現在および将来的に活用できる情報を提供します。

どんな人が受けたらいいの?

以下のような方に「糖尿病・肥満遺伝子検査(NGSパネル)」を受けることをおすすめします。

【単一遺伝子性糖尿病が疑われる方】
・25歳以下で糖尿病と診断された方
・家族に若年発症の糖尿病患者がいる方(2世代以上)
・膵島関連自己抗体が陰性の糖尿病患者
・1型糖尿病と診断されたがインスリン分泌能が保たれている方
・2型糖尿病と診断されたが肥満がなく家族歴が明確な方
・生後6ヶ月以内に糖尿病と診断された方(新生児糖尿病)
・MODYやウォルフラム症候群などの診断を受けた、または疑われている方

【遺伝性肥満が疑われる方】
・幼児期から重度の肥満がある方
・原因不明の過食傾向がある方
・肥満に加えて知的障害や性腺機能低下症がある方
・Prader-Willi症候群、Bardet-Biedl症候群、Alström症候群などの症候群性肥満の疑いがある方
・家族に同様の肥満がある方
・食事制限や運動療法をしても効果が得られない重度肥満の方

【その他】
・糖尿病や肥満の家族歴があり、将来子どもを持つことを考えている方で、リスク評価を希望される方
・適切な診断や治療方針の決定のため、遺伝学的評価が必要と判断された方

このパネル検査は、血液、抽出DNA、頬粘膜スワブ、または唾液検体で実施可能です。モザイク現象の検出は目的としておらず、腫瘍組織での検査は適応外です。

検査で得られる患者さんの潜在的利益は?

遺伝子検査により原因が判明すると、糖尿病や肥満の正確な診断確定や、適切な治療・管理方針の決定に役立ちます。また、リスクが判明した場合には、予防的治療や生活習慣の改善、定期的なモニタリングを行うことができます。

遺伝子検査により以下の利益が期待できます:
・適切な診断の確立または確認
・個別化された治療法の選択(MODY3ではスルホニル尿素薬、新生児糖尿病ではKCNJ11/ABCC8変異に対するスルホニル尿素薬、レプチン欠損症ではレプチン補充療法など)
・インスリン治療から経口薬への変更可能性の評価
・合併症リスクの予測と予防
・食事・運動療法の最適化
・追加の関連症状のリスクの特定
・より個別化された治療と症状管理
・家族の危険因子に関する情報提供
・関連リソースやサポートへの患者の接続
・家族計画のためのオプション提供
・出生前・着床前診断の選択肢提供

患者さんで病原性変異が同定された場合、遺伝形式(常染色体優性、常染色体劣性など)に応じて、家族が同じ疾患を発症するリスクや保因者となるリスクがあります。家族を検査することでそのリスクを明らかにすることが重要です。

対象遺伝子

詳しくはこちら

ABCC8, ADRB2, ADRB3, AGRP, ALMS1, ARL6, BBS1, BBS10, BBS12, BBS2, BBS4, BBS5, BBS7, BBS9, BDNF, CARTPT, CEL, CEP290, EIF2AK3, ENPP1, FOXP3, GCK, GHRL, GLIS3, GNAS, HNF1A, HNF1B, HNF4A, INS, KCNJ11, LEP, LEPR, MAGEL2, MC4R, MKKS, MKS1, NEUROD1, NEUROG3, NTRK2, PCSK1, PDX1, POMC, PPARG, PPARGC1B, PTF1A, PYY, RFX6, SDC3, SDCCAG8, SIM1, TRIM32, TTC8, UCP1, UCP3, WDPCP, WFS1 (56遺伝子)

主な遺伝子の機能:

・糖尿病関連遺伝子:
ABCC8, KCNJ11:膵β細胞のATP感受性カリウムチャネルをコードし、インスリン分泌調節に重要。新生児糖尿病の主要原因遺伝子。変異が確認されればスルホニル尿素薬による治療が可能。
HNF1A, HNF4A, HNF1B:膵β細胞の発達と機能に重要な転写因子。MODY1(HNF4A)、MODY3(HNF1A)、MODY5(HNF1B)の原因遺伝子。MODY3ではスルホニル尿素薬が有効。
GCK:グルコキナーゼをコードし、血糖センサーとして機能。MODY2の原因遺伝子。軽度の高血糖で予後良好、通常治療不要。
INS:インスリンをコードする遺伝子。変異により新生児糖尿病やMODYを発症。
WFS1:ウォルフラム症候群の原因遺伝子。糖尿病、視神経萎縮、尿崩症、難聴を伴う。
PDX1, NEUROD1, NEUROG3:膵臓の発達に関わる転写因子。変異により新生児糖尿病やMODYを発症。

・肥満関連遺伝子:
LEP, LEPR:レプチンとレプチン受容体をコードする遺伝子。変異により重度の早期発症肥満。レプチン欠損症ではレプチン補充療法が有効。
MC4R:メラノコルチン4型受容体をコードし、食欲調節に重要。単一遺伝子性肥満の最多原因。
POMC:食欲抑制に関わる神経ペプチドの前駆体。変異により早期発症重度肥満、副腎機能不全、赤毛。
PCSK1:プロホルモン変換酵素をコードし、変異により肥満と内分泌機能異常。
BDNF, NTRK2:脳由来神経栄養因子とその受容体。食欲調節に関与し、変異により肥満。
SIM1:視床下部の発達に関わる転写因子。変異により早期発症肥満。

・症候群性肥満関連遺伝子:
ALMS1:Alström症候群の原因遺伝子。肥満、網膜ジストロフィー、難聴、心筋症。
BBS1, BBS2, BBS4, BBS5, BBS7, BBS9, BBS10, BBS12, ARL6, MKKS, MKS1, TRIM32, TTC8, CEP290, SDCCAG8, WDPCP:Bardet-Biedl症候群の原因遺伝子群。肥満、網膜色素変性、多指症、知的障害、性腺機能低下症。
MAGEL2:Prader-Willi症候群関連領域の遺伝子。重度肥満、知的障害、性腺機能低下症。

・代謝・エネルギー調節関連遺伝子:
ADRB2, ADRB3:β2およびβ3アドレナリン受容体。脂肪代謝とエネルギー消費に関与。
UCP1, UCP3:脱共役タンパク質。熱産生と基礎代謝に関与。
PPARG, PPARGC1B:脂肪細胞の分化と機能に関わる転写因子。

カバレッジ

カバレッジとは、遺伝子検査においてDNA配列がどの程度正確に読み取られたかを示す指標です。「20x」は同じ部位を20回読み取ることを意味し、読み取り回数が多いほど検査の精度が高くなります。

≥99% at 20x(読み取り深度20回以上)
これは、検査対象遺伝子の99%以上の領域を、20回以上の高い精度で読み取ることができることを示しています。

検体

血液(EDTAチューブ4ml×2本、紫色キャップ)、抽出DNA(EBバッファー中3μg)、頬粘膜スワブ、唾液(要請により採取キット提供)

※唾液・口腔粘膜擦過組織・血液いずれもオンライン診療が可能です。
 ほとんどの検査は唾液・口腔粘膜擦過組織で実施できます。
 血液検体の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします。
 オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行った後、検体を当院にお送りいただく流れとなります。
 検体採取キットは検査料金をお支払いいただいた後にお送りいたします。ご自身で勝手に検体を採取しないでください。

検査の限界

詳しくはこちら

すべての配列決定技術には限界があります。この分析は次世代シーケンシング(NGS)により実施され、コード領域とスプライス接合部の検査を目的として設計されています。次世代シーケンシング技術と当院のバイオインフォマティクス分析により、偽遺伝子配列やその他の高度に相同な配列の寄与は大幅に減少しますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において病原性変異体対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を時に妨げる可能性があります。

低品質スコアの変異確認および被覆標準を満たすためにサンガー配列決定が使用されます。注文された場合、欠失/重複分析は、1つの完全な遺伝子(頬粘膜スワブ検体および全血検体)および2つ以上の連続するエキソンサイズ(全血検体のみ)のゲノム領域の変化を同定できます。単一エキソンの欠失または重複が時に同定される場合がありますが、この検査では日常的に検出されません。同定された推定欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)により確認されます。

この検査では、疾患を引き起こす可能性がある特定のタイプのゲノム変化は検出されません。これには、転座や逆位、反復伸長(例:三塩基またはヘキサ塩基)、ほとんどの調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エキソンから20bp以上)の変化が含まれますが、これらに限定されません。この検査は体細胞モザイクまたは体細胞変異の検出を目的として設計または検証されていません。

※この検査パネルは、単一遺伝子性糖尿病と遺伝性肥満の主要な原因遺伝子を対象としています。すべての糖尿病・肥満関連遺伝子を網羅しているわけではありません。検査で病原性変異が検出されなくても、他の未知の遺伝子や多因子性の原因である可能性があります。

結果が出るまでの期間

2~3週間
※至急オプションを利用すると、結果が出るまでの期間が約7日短くなります。

料金

税込み550,000円
遺伝カウンセリング料金は別途30分16,500円(税込)

よくあるご質問

どのような症状があれば検査を受けるべきですか?
25歳以下で糖尿病と診断された方、家族に若年発症の糖尿病患者がいる方、膵島関連自己抗体が陰性の糖尿病患者、幼児期から重度の肥満がある方、原因不明の過食傾向がある方、肥満に加えて知的障害や性腺機能低下症がある方などにおすすめします。また、糖尿病や肥満の家族歴がある場合も検査をご検討ください。
検査はどのように行いますか?
血液採取(4ml×2本)または唾液・頬粘膜スワブで検査可能です。唾液や頬粘膜の場合はオンライン診療も可能で、遠方の方でもクリニックにお越しいただかずに検査を受けられます。
MODYと診断されましたが、治療法は変わりますか?
MODYのタイプによって最適な治療法が異なります。例えば、MODY3(HNF1A遺伝子変異)ではスルホニル尿素薬が非常に有効で、インスリン治療から変更できる可能性があります。MODY2(GCK遺伝子変異)は軽度の高血糖で予後良好なため、通常は治療を必要としません。遺伝子検査により正確なサブタイプを特定することで、最適な治療法を選択できます。
新生児糖尿病の子どもですが、検査は必要ですか?
新生児糖尿病(生後6ヶ月以内の発症)の約80%は単一遺伝子変異によるものです。特にKCNJ11やABCC8遺伝子の変異が確認された場合、インスリン治療からスルホニル尿素薬への変更が可能となり、お子様のQOL(生活の質)が大きく改善する可能性があります。また、一時的な新生児糖尿病か永続的なものかを予測することもできます。
家族も検査を受ける必要がありますか?
単一遺伝子性糖尿病の多くは常染色体優性遺伝(親から子へ50%の確率で遺伝)、遺伝性肥満には常染色体劣性遺伝のものもあります。患者さんで病原性変異が同定された場合、ご家族も同様のリスクを持つ可能性があります。ご家族の検査により、将来の家族計画に重要な情報を提供できます。
検査で異常が見つからなかった場合はどうなりますか?
この検査では56の主要な遺伝子を対象としていますが、すべての糖尿病・肥満関連遺伝子を網羅しているわけではありません。検査で病原性変異が検出されなくても、他の未知の遺伝子や多因子性の原因である可能性があります。主治医と相談して、必要に応じて追加の評価を行うことが重要です。
保険は適用されますか?
当検査は自費診療となり、保険適用外です。費用は税込み550,000円、別途遺伝カウンセリング料金(30分16,500円)が必要です。ただし、診断確定後は一部の疾患で医療費助成を受けられる可能性があります。
結果はどのように説明されますか?
検査結果は遺伝カウンセリングにて詳しくご説明いたします。結果の意味、今後の対応、ご家族への影響、治療選択肢(スルホニル尿素薬への変更、レプチン補充療法など)について、専門的な観点から分かりやすくお伝えします。
子どもや将来の妊娠への影響はありますか?
単一遺伝子性糖尿病の多くは常染色体優性遺伝で、お子さんへの遺伝確率は50%です。遺伝性肥満には常染色体劣性遺伝のものもあり、保因者同士のカップルの場合、お子さんが疾患を発症する確率は25%です。検査結果により、出生前診断や着床前診断など、将来の家族計画についてもご相談いただけます。
1型や2型糖尿病と診断されていますが、検査を受けるべきですか?
1型や2型糖尿病と診断されている方の中にも、実は単一遺伝子性糖尿病である可能性があります。特に25歳以下で発症、家族歴が明確、膵島関連自己抗体が陰性、インスリン分泌能が保たれている、肥満がないなどの特徴がある場合は、検査をご検討ください。正確な診断により、より適切な治療法を選択できる可能性があります。
他の医療機関での検査との違いは何ですか?
当院では糖尿病と肥満に関連する56の遺伝子を一度に検査でき、従来の単一遺伝子検査と比べて費用・時間を大幅に短縮できます。オンライン診療にも対応しており、全国どこからでも検査を受けることが可能です。また、遺伝カウンセリングを通じて、検査結果の解釈や今後の対応について専門的なサポートを提供します。


プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。

仲田洋美のプロフィールはこちら