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シスチン尿症 遺伝子検査(NGSパネル)|ミネルバクリニック

シスチン尿症 遺伝子検査(NGSパネル)|ミネルバクリニック

シスチン尿症とは

シスチン尿症(Cystinuria)は、腎尿細管におけるシスチンおよび二塩基性アミノ酸(リジン、オルニチン、アルギニン)の再吸収障害により、尿中にシスチンが過剰に排泄される遺伝性の腎疾患です。シスチンは酸性尿では溶解度が低いため、尿中で結晶化し、腎臓、尿管、膀胱に結石を形成します。

本疾患は常染色体劣性遺伝(または不完全劣性遺伝)形式をとり、日本では約2万人に1人、世界的には約7,000人に1人の頻度で発症します。尿路結石全体の1~2%を占め、若年者の尿路結石の重要な原因の一つとなっています。

シスチン尿症は、シスチノーシス(シスチン症)とは全く異なる疾患です。シスチノーシスは細胞内にシスチンが蓄積する疾患であり、シスチン尿症は尿中にシスチンが過剰排泄される疾患です。両者を混同しないようご注意ください。

症状と病態

シスチン尿症の主な症状は、シスチン結石による尿路結石症状です。シスチンは酸性尿では溶解度が低く、尿中濃度が300mg/L以上になると結晶化して結石を形成します。

主要症状

  • 血尿(肉眼的または顕微鏡的)
  • 腰背部痛(結石による腎仙痛)
  • 腹痛
  • 尿路感染症状(頻尿、排尿時痛、発熱)
  • 排尿困難
  • 尿閉(結石による尿路閉塞)

発症年齢と経過

症状は通常10~30歳で発症しますが、乳児期に発症することもあります。一般的に男性の方が女性よりも発症が早く、症状も重い傾向があります。1人の患者さんが生涯で尿路結石を形成する確率は50%以上であり、約75%は両側性(両方の腎臓)に発生します。再発率は約60%と高く、繰り返し結石が形成される再発性・難治性の疾患です。

結石の特徴

シスチン結石は以下の特徴を持ちます:

  • 黄褐色で蝋様の外観を呈する
  • 放射線不透過性(レントゲンで白く写る)
  • サンゴ状結石を形成することが多い
  • 尿沈渣では黄褐色の六方晶(ベンゼン核様)として観察される
  • ニトロプルシド試験陽性

合併症と予後

適切な治療が行われない場合、以下の合併症を引き起こす可能性があります:

  • 尿路閉塞:結石による尿の通過障害
  • 尿路感染症:結石が細菌の温床となり、繰り返し感染を起こす
  • 慢性腎臓病:長期的な尿路閉塞や感染により腎機能が低下
  • 腎不全:重症例では腎不全に至ることがある

早期診断と適切な治療・管理により、これらの合併症を予防し、良好な腎機能を維持することが可能です。

遺伝形式と原因遺伝子

シスチン尿症は常染色体劣性遺伝(または不完全劣性遺伝)形式をとる遺伝性疾患です。保因者(ヘテロ接合体)における尿中シスチン排泄量の程度により、I型、II型、III型に分類されます。

遺伝子型による分類

I型(A型)シスチン尿症

常染色体劣性遺伝形式をとります。

  • 責任遺伝子:SLC3A1遺伝子(2番染色体短腕2p21に位置)
  • 原因:rBAT(関連BAT1タンパク質)の異常
  • 保因者の特徴:尿中シスチン排泄量は正常(30mg/日未満)
  • 患者の尿中シスチン排泄量:400mg/日以上(正常は30mg/日未満)

II型(B型)・III型(B型)シスチン尿症

不完全な常染色体劣性遺伝または優性遺伝形式をとります。

  • 責任遺伝子:SLC7A9遺伝子(19番染色体長腕19q13.1に位置)
  • 原因:b0,+AT(BAT1タンパク質)の異常
  • 保因者の特徴:尿中シスチン排泄量が増加(II型では有意な増加、III型では中等度の増加)
  • 患者の尿中シスチン排泄量:400mg/日以上

分子病態

シスチンの腎臓での再吸収は、近位尿細管において2種類のヘテロ二量体アミノ酸トランスポーター(HAT)によって担われています:

  • rBAT-b0,+AT複合体:近位尿細管セグメント1-2で機能
  • rBAT-AGT1複合体:近位尿細管セグメント3で機能

これらの輸送体は、制御サブユニット(rBAT)と触媒サブユニット(b0,+ATまたはAGT1)が二量体を形成することで、シスチンおよび二塩基性アミノ酸(リジン、オルニチン、アルギニン)を再吸収します。SLC3A1またはSLC7A9遺伝子の変異により、これらの輸送体の機能が障害され、シスチンの再吸収が低下します。

PREPL遺伝子と2p21欠失症候群

PREPL遺伝子はSLC3A1遺伝子に隣接する2p21領域に位置しており、この領域の欠失により低緊張-シスチン尿症候群(Hypotonia-Cystinuria Syndrome: HCS)または非定型HCSを引き起こすことがあります。これらは隣接遺伝子症候群として、シスチン尿症に加えて筋緊張低下などの神経学的症状を伴います。

当検査パネルでは、これらの原因遺伝子であるSLC3A1、SLC7A9、およびPREPLの3遺伝子を対象としています。これにより、シスチン尿症および関連する隣接遺伝子症候群の遺伝的原因を効率的に特定することが可能です。

ミネルバクリニックのシスチン尿症遺伝子パネル検査の特徴

「シスチン尿症 NGSパネル検査」とは、現在シスチン尿症の原因として報告されている3つの遺伝子に異常があるかどうかを、一度に調べられる検査方法です。

従来の検査方法の場合、複数の関連遺伝子を調べるために、A遺伝子の検査をして異常がなければ次にB遺伝子を検査する、というように何度も検査する必要がありました。もちろん、検査のたびに高額な料金がかかります。

何度も検査することでかかる費用や手間は、患者さんにとって大きな負担になります。ミネルバクリニックではそうした不便を解消するために、シスチン尿症に関連する3遺伝子を一度に調べられる「シスチン尿症 NGSパネル検査」を採用しています。

一般的な遺伝子検査のメリットとデメリットについてはこちらのページをご覧ください。

1.費用がリーズナブル

一般的な医療機関でシスチン尿症の遺伝子検査を行う場合、単一遺伝子ごとに数万円から数十万円の費用がかかることが多く、複数の遺伝子を調べる場合は非常に高額になります。

当院では、シスチン尿症に関係するとされる3つの遺伝子を一度に調べられる「シスチン尿症 NGSパネル検査」をリーズナブルに受けられます。(費用はページの一番下をご確認ください。)

2.結果が出るまでがはやい

一般的な医療機関で行えるシスチン尿症の遺伝子検査の場合、結果が出るまでには通常数週間から数ヶ月かかることがあります。また、単一遺伝子の検査で異常が見つからなかった場合、追加の遺伝子検査が必要になることもあります。

当院で行う「シスチン尿症 NGSパネル検査」の場合、3つの遺伝子を、2~3週間程度で一度に調べることが可能です。

3.一気にまとめてできる

臨床症状からシスチン尿症を疑って単一遺伝子検査を行っても、病的変異が見つからないことがあります。また、他の遺伝子に変異があるかどうかまでは分かりません。

当院で行う「シスチン尿症 NGSパネル検査」ならば、臨床的に重要な3つの原因遺伝子と隣接遺伝子症候群に関連するPREPL遺伝子を同時に検査できるという利点があります。

オプション

塩基配列 (料金に含まれる)
欠失・挿入 (料金に含まれる)
至急:結果が出るまでの期間が約7日短くなります。 33,000円
VUS除外 *VUS(variant of unknown significance)とは病的意義がよく分かっていない変異の事を指します。(無料)

検査内容

「シスチン尿症 NGSパネル検査」では、シスチン尿症に関係するとされる3種類の遺伝子(SLC3A1、SLC7A9、PREPL)をまとめて検査します。

「シスチン尿症 NGSパネル検査」は、シスチン尿症の遺伝的原因をお持ちの方を見つける可能性を高められると同時に、現在および将来的に活用できる情報を提供します。

どんな人が受けたらいいの?

【シスチン尿症の個人歴または家族歴のある方】に
「シスチン尿症 NGSパネル検査」を受けることをおすすめします。

この検査は以下のような方に適しています:
・繰り返す尿路結石がある方(特に若年発症)
・血尿が認められる方
・腰背部痛や腹痛がある方
・尿路感染症を繰り返す方
・尿沈渣で黄褐色の六方晶が認められた方
・ニトロプルシド試験陽性の方
・尿中シスチン排泄量が増加している方
・シスチン結石が確認された方
・シスチン尿症またはシスチン結石の家族歴がある方
・30歳未満で尿路結石を発症した方
・両側性の尿路結石がある方
・将来子どもを持つことを考えている保因者の方で、リスク評価を希望される方

このパネル検査は、血液、抽出DNA、頬粘膜スワブ、または唾液検体で実施可能です。モザイク現象の検出は目的としておらず、腫瘍組織での検査は適応外です。

検査で得られる患者さんの潜在的利益は?

遺伝子検査により原因が判明すると、シスチン尿症の診断確定や、適切な治療・管理方針の決定に役立ちます。また、リスクが判明した場合には、適切な水分摂取、尿アルカリ化療法、食事療法、定期的なモニタリングを行うことができます。

遺伝子検査により以下の利益が期待できます:
・適切な診断の確立または確認
・他の尿路結石症との鑑別
・個別化された治療計画の立案
・水分摂取や尿pH管理の最適化
・結石形成予防のための適切な食事療法
・薬物療法(D-ペニシラミン、チオプロニンなど)の適応判断
・結石再発リスクの評価と予防戦略の立案
・腎機能障害のリスク評価と早期介入
・2p21欠失症候群など隣接遺伝子症候群の除外または診断
・追加の関連症状のリスクの特定
・関連リソースやサポートへの患者の接続
・より個別化された治療と症状管理
・家族の危険因子に関する情報提供
・家族計画のためのオプション提供
・出生前・着床前診断の選択肢提供

患者さんで病原性変異が同定された場合、常染色体劣性遺伝の場合は兄弟姉妹が発症するリスクは25%、保因者となるリスクは50%です。II型・III型の不完全劣性遺伝の場合、保因者でも軽度の症状を呈することがあります。家族を検査することでそのリスクを明らかにすることが重要です。

対象遺伝子

詳しくはこちら

SLC3A1, SLC7A9, PREPL ( 3遺伝子 )

各遺伝子の詳細:
・SLC3A1遺伝子:
2番染色体短腕2p21に位置し、rBAT(関連BAT1タンパク質)をコードする遺伝子。rBATは近位尿細管の刷子縁膜に発現し、b0,+ATまたはAGT1と二量体を形成して、シスチンおよび二塩基性アミノ酸の再吸収を担います。SLC3A1遺伝子の変異はI型(A型)シスチン尿症の原因となります。最も頻度の高いシスチン尿症の原因遺伝子であり、多数の病的変異が報告されています。

・SLC7A9遺伝子:
19番染色体長腕19q13.1に位置し、b0,+AT(BAT1タンパク質)をコードする遺伝子。b0,+ATは触媒サブユニットとして機能し、rBATと二量体を形成してアミノ酸輸送を行います。SLC7A9遺伝子の変異はII型(B型)およびIII型(B型)シスチン尿症の原因となります。不完全劣性遺伝形式をとり、ヘテロ接合体保因者でも尿中シスチン排泄が増加することがあります。

・PREPL遺伝子:
2番染色体短腕2p21に位置し、SLC3A1遺伝子に隣接しています。プロリルオリゴペプチダーゼ様タンパク質をコードします。SLC3A1とPREPLの両方を含む2p21領域の欠失により、低緊張-シスチン尿症症候群(Hypotonia-Cystinuria Syndrome: HCS)または非定型HCSが引き起こされます。これらの隣接遺伝子症候群では、シスチン尿症に加えて、筋緊張低下、発達遅滞、成長ホルモン分泌不全などの神経学的・内分泌学的症状を呈します。PREPL遺伝子を検査に含めることで、これらの症候群を早期に診断し、適切な多職種による管理を提供することが可能になります。

カバレッジ

カバレッジとは、遺伝子検査においてDNA配列がどの程度正確に読み取られたかを示す指標です。「20x」は同じ部位を20回読み取ることを意味し、読み取り回数が多いほど検査の精度が高くなります。

≥99% at 20x(読み取り深度平均20回以上)
これは、検査対象遺伝子の99%以上の領域を、20回以上の高い精度で読み取ることができることを示しています。

検体

血液(EDTAチューブ4ml×2本、紫色キャップ)、抽出DNA(EBバッファー中3μg)、頬粘膜スワブ、唾液(要請により採取キット提供)

※唾液・口腔粘膜擦過組織・血液いずれもオンライン診療が可能です。
 ほとんどの検査は唾液・口腔粘膜擦過組織で実施できます。
 血液検体の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします。
 オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行った後、検体を当院にお送りいただく流れとなります。
 検体採取キットは検査料金をお支払いいただいた後にお送りいたします。ご自身で勝手に検体を採取しないでください。

検査の限界

詳しくはこちら

すべての配列決定技術には限界があります。この分析は次世代シーケンシング(NGS)により実施され、コード領域とスプライス接合部の検査を目的として設計されています。次世代シーケンシング技術と当院のバイオインフォマティクス分析により、偽遺伝子配列やその他の高度に相同な配列の寄与は大幅に減少しますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において病原性変異体対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を時に妨げる可能性があります。

低品質スコアの変異確認および被覆標準を満たすためにサンガー配列決定が使用されます。注文された場合、欠失/重複分析は、1つの完全な遺伝子(頬粘膜スワブ検体および全血検体)および2つ以上の連続するエキソンサイズ(全血検体のみ)のゲノム領域の変化を同定できます。単一エキソンの欠失または重複が時に同定される場合がありますが、この検査では日常的に検出されません。同定された推定欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)により確認されます。

この検査では、疾患を引き起こす可能性がある特定のタイプのゲノム変化は検出されません。これには、転座や逆位、反復伸長(例:三塩基またはヘキサ塩基)、ほとんどの調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エキソンから20bp以上)の変化が含まれますが、これらに限定されません。この検査は体細胞モザイクまたは体細胞変異の検出を目的として設計または検証されていません。

※この検査パネルでは、3つの原因遺伝子のみを対象としています。検査で病原性変異が検出されなくても、シスチン尿症を完全に否定することはできません。臨床症状、尿検査所見、結石分析などの総合的な評価が重要です。

結果が出るまでの期間

2~3週間
※至急オプションを利用すると、結果が出るまでの期間が約7日短くなります。

料金

税込み275,000円
遺伝カウンセリング料金は別途30分16,500円(税込)

よくあるご質問

どのような症状があれば検査を受けるべきですか?
若年者(特に30歳未満)で尿路結石を繰り返す方、血尿や腰背部痛がある方、尿路感染症を繰り返す方におすすめします。尿沈渣で黄褐色の六方晶が認められた場合や、結石分析でシスチン結石と診断された場合は、遺伝子検査により原因を特定することが重要です。また、家族にシスチン尿症やシスチン結石の方がいる場合も検査をご検討ください。
検査はどのように行いますか?
血液採取(4ml×2本)または唾液・頬粘膜スワブで検査可能です。唾液や頬粘膜の場合はオンライン診療も可能で、遠方の方でもクリニックにお越しいただかずに検査を受けられます。
他の尿路結石との違いは何ですか?
尿路結石の約80%はシュウ酸カルシウム結石、約20%は尿酸結石であり、シスチン結石は2%程度を占めます。シスチン尿症は遺伝性疾患であるため、家族歴があることが多く、若年発症、両側性、再発性が特徴です。当検査により原因遺伝子を特定することで、より正確な診断と適切な治療方針の決定が可能になります。
家族も検査を受ける必要がありますか?
シスチン尿症は常染色体劣性遺伝(または不完全劣性遺伝)形式をとります。患者さんの兄弟姉妹が発症するリスクは25%、保因者となるリスクは50%です。II型・III型の場合、ヘテロ接合体保因者でも尿中シスチン排泄が増加し、軽度の症状を呈することがあります。ご家族の検査により、将来の家族計画に重要な情報を提供できます。
検査で異常が見つからなかった場合はどうなりますか?
この検査パネルでは、既知の主要な原因遺伝子(SLC3A1、SLC7A9、PREPL)を対象としています。検査で病原性変異が検出されなくても、シスチン尿症を完全に否定することはできません。臨床症状、尿検査(尿中シスチン排泄量測定)、結石分析などの総合的な評価に基づいた診断と管理が引き続き重要です。
保険は適用されますか?
当検査は自費診療となり、保険適用外です。費用は税込み275,000円、別途遺伝カウンセリング料金(30分16,500円)が必要です。
結果はどのように説明されますか?
検査結果は遺伝カウンセリングにて詳しくご説明いたします。結果の意味、今後の対応、ご家族への影響、治療・管理選択肢などについて、専門的な観点から分かりやすくお伝えします。
子どもや将来の妊娠への影響はありますか?
シスチン尿症は常染色体劣性遺伝形式をとるため、患者さん同士のカップルで子どもが発症する確率は100%、患者さんと保因者のカップルで50%、保因者同士のカップルで25%です。検査結果により、出生前診断や着床前診断など、将来の家族計画についてもご相談いただけます。
シスチン尿症の治療はどのように行われますか?
シスチン尿症の治療は、尿中シスチン濃度を低下させて結石形成を予防することが目標です。具体的には、(1)十分な水分摂取(1日3~4リットル以上の尿量を確保)、(2)尿アルカリ化療法(クエン酸製剤や重炭酸ナトリウムでpH7.0~7.5に維持)、(3)食事療法(動物性タンパク質や食塩の制限)、(4)薬物療法(D-ペニシラミンやチオプロニンによるシスチンの溶解性向上)が行われます。結石が大きい場合や閉塞を起こしている場合は、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)、経尿道的尿管結石破砕術(TUL)、経皮的腎結石破砕術(PNL)などの外科的治療が必要になります。
予後はどうですか?
適切な治療と管理により、多くの患者さんは良好な腎機能を維持できます。ただし、結石は再発性・難治性であり、生涯にわたる管理が必要です。繰り返す尿路閉塞や感染により慢性腎臓病や腎不全に至ることがあるため、定期的なモニタリングと予防的な治療が重要です。早期診断と適切な管理により、合併症を予防し、生活の質を維持することが可能です。
2p21欠失症候群とは何ですか?
2p21欠失症候群(低緊張-シスチン尿症症候群:HCS)は、SLC3A1遺伝子とPREPL遺伝子の両方を含む2番染色体短腕2p21領域の欠失により引き起こされる隣接遺伝子症候群です。シスチン尿症に加えて、筋緊張低下、発達遅滞、成長ホルモン分泌不全、知的障害などの神経学的・内分泌学的症状を伴います。当検査パネルではPREPL遺伝子を含めることで、これらの症候群を早期に診断し、多職種による包括的な管理を提供することが可能です。
他の医療機関での検査との違いは何ですか?
当院では臨床的に重要な3つの原因遺伝子を一度に検査でき、従来の単一遺伝子検査と比べて費用・時間を短縮できます。また、臨床遺伝専門医が常駐しており、すべての患者さんに対して専門医が必ず診療と遺伝カウンセリングを行います。オンライン診療にも対応しており、全国どこからでも専門的な診療を受けることが可能です。


プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。

仲田洋美のプロフィールはこちら