AGRN, ALG14, ALG2, CHAT, CHRNA1, CHRNB1, CHRND, CHRNE, CHRNG, COL13A1, COLQ, DOK7, DPAGT1, GFPT1, GMPPB, LAMB2, LRP4, MUSK, MYO9A, PLEC, PREPL, RAPSN, SCN4A, SLC25A1, SLC5A7, SNAP25, STIM1, SYT2, VAMP1 ( 29遺伝子 )
各遺伝子の詳細:
・AGRN遺伝子:
アグリンをコードする遺伝子。アセチルコリン受容体の終板への集積に重要な役割を果たします。
・ALG14遺伝子:
糖鎖修飾に関与する酵素をコードする遺伝子。N-グリコシル化の初期段階に関与します。
・ALG2遺伝子:
糖鎖修飾に関与する酵素をコードする遺伝子。マンノース転移酵素として機能します。
・CHAT遺伝子:
コリンアセチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子。アセチルコリン合成に必須の酵素で、変異により発作性無呼吸を伴う先天性筋無力症を引き起こします。約4~5%を占めます。
・CHRNA1遺伝子:
アセチルコリン受容体α1サブユニットをコードする遺伝子。機能獲得型変異はスローチャンネル症候群、機能喪失型変異はファーストチャンネル症候群や受容体欠損症を引き起こします。
・CHRNB1遺伝子:
アセチルコリン受容体β1サブユニットをコードする遺伝子。CHRNA1と同様に、様々な病型の原因となります。
・CHRND遺伝子:
アセチルコリン受容体δ(デルタ)サブユニットをコードする遺伝子。受容体欠損症やチャンネル異常症の原因となります。
・CHRNE遺伝子:
アセチルコリン受容体ε(イプシロン)サブユニットをコードする遺伝子。最も頻度が高く、先天性筋無力症候群の約50%を占めます。常染色体劣性遺伝形式で、終板アセチルコリン受容体欠損症の主要な原因です。
・CHRNG遺伝子:
アセチルコリン受容体γ(ガンマ)サブユニットをコードする遺伝子。胎児型受容体のサブユニットで、通常は出生後にCHRNEに置き換わります。
・COL13A1遺伝子:
XIII型コラーゲンα1鎖をコードする遺伝子。神経筋接合部の構造維持に関与します。
・COLQ遺伝子:
コラーゲン様尾部サブユニットをコードする遺伝子。アセチルコリンエステラーゼの終板への結合に関与し、終板アセチルコリンエステラーゼ欠損症の原因となります。約10~15%を占めます。
・DOK7遺伝子:
ダウンストリーム・オブ・キナーゼ7をコードする遺伝子。筋特異的チロシンキナーゼMuSKの活性化に関与し、約10~15%を占めます。DOK7筋無力症では体幹や近位筋の筋力低下が特徴的です。
・DPAGT1遺伝子:
糖鎖修飾に関与する酵素をコードする遺伝子。N-グリコシル化の初期段階に関与します。
・GFPT1遺伝子:
グルタミン-フルクトース-6-リン酸トランスアミナーゼ1をコードする遺伝子。糖鎖修飾に関与し、約2%を占めます。肢帯型の筋力低下を呈することがあります。
・GMPPB遺伝子:
GDP-マンノースピロホスホリラーゼBをコードする遺伝子。糖鎖修飾に関与します。
・LAMB2遺伝子:
ラミニンβ2鎖をコードする遺伝子。基底膜の構成成分で、神経筋接合部の構造維持に関与します。
・LRP4遺伝子:
低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質4をコードする遺伝子。アグリンのシグナル伝達に重要な受容体です。
・MUSK遺伝子:
筋特異的チロシンキナーゼをコードする遺伝子。アセチルコリン受容体の集積に中心的な役割を果たします。
・MYO9A遺伝子:
ミオシンIXAをコードする遺伝子。細胞骨格の調節に関与します。
・PLEC遺伝子:
プレクチンをコードする遺伝子。細胞骨格タンパク質で、筋線維の構造維持に関与します。
・PREPL遺伝子:
プロリルエンドペプチダーゼ様タンパク質をコードする遺伝子。ペプチダーゼ活性を持ちます。
・RAPSN遺伝子:
ラプシンをコードする遺伝子。アセチルコリン受容体の集積と安定化に関与し、約15~20%を占めます。乳児期発症が多く、眼瞼下垂や呼吸障害を呈します。
・SCN4A遺伝子:
骨格筋ナトリウムチャネルα(アルファ)サブユニットをコードする遺伝子。ナトリウムチャンネル筋無力症の原因となります。
・SLC25A1遺伝子:
ミトコンドリアクエン酸輸送体をコードする遺伝子。ミトコンドリア機能に関与します。
・SLC5A7遺伝子:
高親和性コリントランスポーターをコードする遺伝子。神経終末へのコリン取り込みに関与します。
・SNAP25遺伝子:
シナプトソーム関連タンパク質25をコードする遺伝子。シナプス小胞の融合に関与し、神経伝達物質の放出に重要です。常染色体優性遺伝形式をとります。
・STIM1遺伝子:
ストロマ相互作用分子1をコードする遺伝子。カルシウムストア量のセンサーとして機能します。
・SYT2遺伝子:
シナプトタグミン2をコードする遺伝子。カルシウム依存性の神経伝達物質放出に関与します。常染色体優性遺伝形式をとります。
・VAMP1遺伝子:
小胞関連膜タンパク質1をコードする遺伝子。シナプス小胞の融合に関与します。