ALG1, ALG11, ALG12, ALG13, ALG2, ALG3, ALG6, ALG8, ALG9, ATP6V0A2, B3GLCT, B4GALT1, COG1, COG2, COG4, COG5, COG6, COG7, COG8, DDOST, DHDDS, DOLK, DPAGT1, DPM1, DPM3, GNE, MAGT1, MGAT2, MOGS, MPDU1, MPI, PMM2, RFT1, RPN2, SEC23B, SLC35A1, SLC35C1, SRD5A3, SSR4, TUSC3 ( 40遺伝子 )
各遺伝子の詳細:
・ALG1遺伝子:
マンノシルトランスフェラーゼをコードし、脂質結合オリゴ糖鎖の合成に関与します。ALG1-CDGは重症型が多く、乳児期発症の精神運動発達遅滞、筋緊張低下、てんかんを呈します。
・ALG2遺伝子:
α-1,3-マンノシルトランスフェラーゼをコードします。ALG2-CDGは稀な疾患で、重度の発達遅滞と多臓器症状を呈します。
・ALG3遺伝子:
α-1,3-マンノシルトランスフェラーゼをコードします。ALG3-CDGは重症型で、小頭症、てんかん、視神経萎縮を伴うことがあります。
・ALG6遺伝子:
α-1,3-グルコシルトランスフェラーゼをコードします。ALG6-CDGはPMM2-CDGに次いで頻度が高く、比較的軽症例が多い傾向があります。運動失調、てんかん、内斜視が特徴的です。
・ALG8遺伝子:
α-1,3-グルコシルトランスフェラーゼをコードします。ALG8-CDGは重症型で、肝病変や腎嚢胞を伴うことがあります。
・ALG9遺伝子:
α-1,2-マンノシルトランスフェラーゼをコードします。ALG9-CDGは軽症型から重症型まで幅広く、小頭症や骨格異常を伴うことがあります。
・ALG11遺伝子:
α-1,2-マンノシルトランスフェラーゼをコードします。ALG11-CDGは知的障害と運動失調が主症状です。
・ALG12遺伝子:
α-1,6-マンノシルトランスフェラーゼをコードします。ALG12-CDGは軽症例が多く、軽度の発達遅滞と運動障害を呈します。
・ALG13遺伝子:
UDP-N-アセチルグルコサミントランスフェラーゼサブユニットをコードします。X連鎖遺伝形式をとり、てんかんと知的障害が主症状です。
・ATP6V0A2遺伝子:
液胞型H+-ATPアーゼのサブユニットをコードします。ATP6V0A2-CDGは皮膚弛緩症と筋ジストロフィーを伴うことが特徴です。
・B3GLCT遺伝子:
β-1,3-グルコシルトランスフェラーゼをコードします。B3GLCT-CDGは重度の発達遅滞、低身長、免疫不全を伴います。
・B4GALT1遺伝子:
β-1,4-ガラクトシルトランスフェラーゼをコードします。B4GALT1-CDGは筋ジストロフィー様の症状を呈します。
・COG1-8遺伝子群:
COG(Conserved Oligomeric Golgi)複合体を構成するサブユニットをコードします。ゴルジ体での小胞輸送に関与し、各CDGは多臓器症状を呈します。COG1-CDGは肝病変と血液凝固異常、COG4-CDGは骨格異常、COG5-CDGは心臓異常が特徴的です。
・DDOST遺伝子:
オリゴ糖転移酵素複合体のサブユニットをコードします。DDOST-CDGは知的障害と小頭症が主症状です。
・DHDDS遺伝子:
デヒドロドリコール合成酵素をコードします。DHDDS-CDGは網膜色素変性症を伴うことが特徴です。
・DOLK遺伝子:
ドリコールキナーゼをコードします。DOLK-CDGは筋緊張低下、てんかん、心筋症を呈します。
・DPAGT1遺伝子:
UDP-N-アセチルグルコサミン-ドリコールリン酸GlcNAcトランスフェラーゼをコードします。DPAGT1-CDGは重度の発達遅滞、てんかん、低身長を伴います。
・DPM1遺伝子:
ドリコール-P-マンノース合成酵素をコードします。DPM1-CDGは筋緊張低下と運動失調が主症状です。
・DPM3遺伝子:
ドリコール-P-マンノース合成酵素複合体のサブユニットをコードします。DPM3-CDGは筋ジストロフィー様症状を呈します。
・GNE遺伝子:
UDP-N-アセチルグルコサミン2-エピメラーゼ/N-アセチルマンノサミンキナーゼをコードします。GNE-CDGは遠位型ミオパチーが特徴です。
・MAGT1遺伝子:
マグネシウムトランスポーターをコードします。MAGT1-CDGはX連鎖免疫不全症を呈します。
・MGAT2遺伝子:
N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIIをコードします。MGAT2-CDGは重度の発達遅滞、てんかん、顔面異形を伴います。
・MOGS遺伝子:
マンノシル-オリゴ糖グルコシダーゼをコードします。MOGS-CDGは重症型で、乳児期に死亡することもあります。
・MPDU1遺伝子:
マンノース-P-ドリコール利用不全タンパク質1をコードします。MPDU1-CDGは知的障害、てんかん、視覚障害を呈します。
・MPI遺伝子:
ホスホマンノースイソメラーゼをコードします。MPI-CDGは蛋白漏出性胃腸症、低血糖、肝線維症が特徴で、マンノース補充療法が有効な数少ないCDGの一つです。
・PMM2遺伝子:
ホスホマンノムターゼ2をコードします。PMM2-CDGは最も頻度が高く、全CDGの約70%を占めます。精神運動発達遅滞、筋緊張低下、運動失調、特徴的顔貌、眼科異常、皮膚症状、肝機能異常が認められます。
・RFT1遺伝子:
脂質結合オリゴ糖鎖のフリッパーゼをコードします。RFT1-CDGは聴覚障害と視覚障害を伴うことがあります。
・RPN2遺伝子:
オリゴ糖転移酵素複合体のサブユニットをコードします。RPN2-CDGは軽度の知的障害が主症状です。
・SEC23B遺伝子:
COPII小胞のコンポーネントをコードします。SEC23B-CDGは先天性赤血球形成異常性貧血II型を引き起こします。
・SLC35A1遺伝子:
CMP-シアル酸トランスポーターをコードします。SLC35A1-CDGは血小板減少症、免疫不全、出血傾向が特徴です。
・SLC35C1遺伝子:
GDP-フコーストランスポーターをコードします。SLC35C1-CDGは白血球接着不全症II型を引き起こし、反復感染症、精神運動発達遅滞、特徴的顔貌を呈します。
・SRD5A3遺伝子:
ステロイド5α-レダクターゼ3をコードします。SRD5A3-CDGは眼科異常(白内障、緑内障)、小脳萎縮、肝病変を伴います。
・SSR4遺伝子:
シグナル配列受容体δサブユニットをコードします。X連鎖遺伝形式で、知的障害と結合組織異常を呈します。
・TUSC3遺伝子:
オリゴ糖転移酵素複合体の制御因子をコードします。TUSC3-CDGは非症候群性知的障害を引き起こします。