先天性副腎過形成(CAH) NGSパネル検査|ミネルバクリニック
先天性副腎過形成症とは
先天性副腎過形成症(Congenital Adrenal Hyperplasia: CAH)は、副腎皮質におけるステロイドホルモンの合成に必要な酵素が先天的に欠損しているために起こる遺伝性疾患群の総称です。コルチゾールやアルドステロンなどの重要なホルモンの産生が阻害され、同時に副腎アンドロゲン(男性ホルモン)の過剰産生が起こることがあります。
副腎は腎臓の上に位置する小さな臓器で、血液中のコレステロールを原料に、いくつかの化学反応を経て、糖質コルチコイド(コルチゾール)、鉱質コルチコイド(アルドステロン)、副腎アンドロゲン(男性ホルモン)という3種類のホルモンを産生します。CAHでは、これらの化学反応を司る酵素やその機能を助ける働きをする分子が先天的に欠損しているために生じる疾患です。
先天性副腎過形成症は指定難病(難病指定81)および小児慢性特定疾病に認定されており、適切な遺伝学的検査により原因を特定することで、患者さんとご家族にとって重要な医学的情報を提供できます。日本での発症頻度は約18,000~19,000人に1人の割合で、新生児マススクリーニング検査の対象疾患となっています。
遺伝性副腎疾患について
先天性副腎過形成症は常染色体劣性遺伝形式をとる遺伝性疾患です。父親と母親がこの疾患に関して同じ変異遺伝子を持っている場合、25%の確率で発症します。酵素は遺伝子の情報をもとに作られるため、CAHは遺伝性疾患でもあります。
CAHには複数の病型が存在し、それぞれ異なる遺伝子の変異と関連しています。欠損する酵素の種類によって以下のように分類されます:
主な病型
21-水酸化酵素欠損症(21-OHD)
CAHの中で最も高頻度で、約90%を占める病型です。CYP21A2遺伝子の変異により21-水酸化酵素(P450c21)が欠損し、コルチゾールとアルドステロンの産生障害と副腎アンドロゲンの過剰が生じます。酵素の残存活性の程度により、臨床症状の重症度が異なります。
21-OHDには、電解質代謝異常を伴うか否かで以下の2つの型に分けられます:
- 塩喪失型:コルチゾールとアルドステロンの両方が不足し、新生児期に塩喪失(低ナトリウム血症、高カリウム血症)による循環不全やショックを引き起こす重症型
- 単純男性化型:コルチゾールは不足するがアルドステロンは比較的保たれており、塩喪失症状を伴わない軽症型
11β-水酸化酵素欠損症
CYP11B1遺伝子の病的変異により11β-水酸化酵素(P450c11)の活性が低下する疾患です。日本では稀で、発症頻度は100万人に1人、先天性副腎過形成症の約1%を占めます。この疾患では過剰となるDOC(デオキシコルチコステロン)が鉱質コルチコイド作用を有するため、21-OHDとは異なり、患者の2/3が低レニン性高血圧を呈します。
先天性リポイド副腎過形成症
STAR遺伝子の変異によりコレステロールがミトコンドリア内膜に移動できなくなり、すべてのステロイドホルモンの合成が障害される最重症型です。副腎不全症状に加え、性ステロイド不足により男児では女性型外性器を呈します。
P450オキシドリダクターゼ(POR)欠損症
POR遺伝子の変異により、複数のステロイド合成酵素の活性が低下する疾患です。女児では出生時に外性器の男性化が認められ、男児には尿道下裂、停留精巣が起こります。また、17α-水酸化酵素活性低下により性ホルモンが不足し、男女とも二次性徴発達不全が起こります。頭蓋縫合早期癒合症、橈骨上腕骨癒合症、大腿骨の彎曲、関節拘縮を伴うことがあり、Antley-Bixler症候群とも呼ばれます。
17α-水酸化酵素欠損症
CYP17A1遺伝子の変異により17α-水酸化酵素が欠損する疾患です。性ステロイドの産生が低下し、男児では外性器の女性化、女児では二次性徴発達不全や無月経がみられます。また、DOCとコルチコステロンの過剰により高血圧を呈することがあります。
3β-水酸化ステロイド脱水素酵素欠損症
HSD3B2遺伝子の変異により3β-水酸化ステロイド脱水素酵素が欠損する疾患です。女児では性ステロイドが増加することから外性器の男性化がみられ、男児では性ステロイド不足により外性器の女性化を示します。
症状と病態
先天性副腎過形成症の症状は、欠損する酵素の種類や残存活性の程度により多岐にわたります。年齢や性別によっても異なる症状を示すため、個々の患者さんの症状を注意深く観察し、適切な対応を行うことが重要です。
新生児期・乳児期の症状
- 塩喪失によるショック(塩喪失型)
- 低血糖
- 食欲不振、哺乳不良
- 嘔吐、下痢
- 体重増加不良
- 低血圧
- 電解質異常(低ナトリウム血症、高カリウム血症)
- 脱水
- 外性器の異常(性別判定困難例を含む)
小児期・思春期の症状
- 思春期早発症(新生児期から治療を受けていない場合)
- 成長障害(過剰な副腎アンドロゲンにより骨年齢が進行)
- 低身長(最終身長の低下)
- 多毛
- ざ瘡(にきび)
- 女児の月経異常
- 皮膚の色素沈着(ACTH過剰による)
成人期の症状と合併症
- 易疲労感、倦怠感
- 慢性的な副腎不全症状
- 妊孕性(妊娠する能力)の低下
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
- 骨密度低下、骨粗鬆症
- 高血圧(11β-水酸化酵素欠損症、17α-水酸化酵素欠損症)
- 肥満、メタボリックシンドローム
- 心血管疾患リスクの上昇
外性器の異常
欠損する酵素の種類により様々な非典型的な外性器がみられます:
性ステロイド過剰による外性器異常:
- 女児:外性器の男性化(陰核肥大、共通泌尿生殖洞など)
- 21-水酸化酵素欠損症、11β-水酸化酵素欠損症、3β-水酸化ステロイド脱水素酵素欠損症の女児に認められる
性ステロイド不足による外性器異常:
- 男児:尿道下裂、停留精巣、女性型の外性器
- リポイド過形成症、3β-水酸化ステロイド脱水素酵素欠損症、17α-水酸化酵素欠損症、POR欠損症の男児に認められる
急性副腎不全(副腎クリーゼ)
感染症、外傷、手術、精神的ストレスなどの身体的ストレス時には、コルチゾールの必要量が増加します。適切にホルモン補充量を増やさないと、急性副腎不全(副腎クリーゼ)を引き起こす可能性があります。
急性副腎不全の症状:強烈な頭痛、激しい腹痛、高熱、嘔吐、下痢、意識障害、循環不全、ショック状態
※急性副腎不全が疑われる場合は、直ちに医療機関を受診し、ヒドロコルチゾンの静脈内投与や電解質異常の補正を行う必要があります。適切に対応しないと生命に危険が及びます。
ミネルバクリニックの先天性副腎過形成症遺伝子パネル検査の特徴
「先天性副腎過形成症NGSパネル検査」とは、現在先天性副腎過形成症に関係があると報告されている10の遺伝子に異常があるかどうかを、一度に調べられる検査方法です。
従来の検査方法の場合、複数の関連遺伝子を調べるために、A遺伝子の検査をして異常がなければ次にB遺伝子を検査する、というように何度も検査する必要がありました。もちろん、検査のたびに高額な料金がかかります。
何度も検査することでかかる費用や手間は、患者さんにとって大きな負担になります。ミネルバクリニックではそうした不便を解消するために、先天性副腎過形成症に関連する遺伝子を一度に調べられる「先天性副腎過形成症NGSパネル検査」を採用しています。
一般的な遺伝子検査のメリットとデメリットについてはこちらのページをご覧ください。
1.費用がリーズナブル
一般的な医療機関で先天性副腎過形成症の遺伝子検査を行う場合、単一遺伝子ごとに数万円から数十万円の費用がかかることが多く、複数の遺伝子を調べる場合は非常に高額になります。
当院では、先天性副腎過形成症に関係するとされる10の遺伝子を一度に調べられる「先天性副腎過形成症NGSパネル検査」をリーズナブルに受けられます。(費用はページの一番下をご確認ください。)
2.結果が出るまでがはやい
一般的な医療機関で行える先天性副腎過形成症の遺伝子検査の場合、結果が出るまでには通常数週間から数ヶ月かかることがあります。また、単一遺伝子の検査で異常が見つからなかった場合、追加の遺伝子検査が必要になることもあります。
当院で行う「先天性副腎過形成症NGSパネル検査」の場合、先天性副腎過形成症に関係する10の遺伝子を、2~3週間程度で一度に調べることが可能です。
3.一気にまとめてできる
家族歴や症状から特定の酵素欠損症を疑って単一遺伝子検査を行っても、病的変異が見つからないことがあります。また、他の遺伝子に変異があるかどうかまでは分かりません。
当院で行う「先天性副腎過形成症NGSパネル検査」ならば、現在先天性副腎過形成症に関係すると報告されている10の遺伝子を網羅的に検査できるという利点があります。
オプション
塩基配列 (料金に含まれる)
欠失・挿入 (料金に含まれる)
至急:結果が出るまでの期間が約7日短くなります。 33,000円
VUS除外 *VUS(variant of unknown significance)とは病的意義がよく分かっていない変異の事を指します。(無料)
検査内容
「先天性副腎過形成症NGSパネル検査」では、先天性副腎過形成症に関係するとされる10種類の遺伝子をまとめて検査します。このパネルには、CYP21A2、CYP11B1、STARなどの主要な遺伝子を含め、様々な病型のCAHに関連する遺伝子が含まれています。
「先天性副腎過形成症NGSパネル検査」は、先天性副腎過形成症の遺伝的原因をお持ちの方を見つける可能性を最大限に高められると同時に、現在および将来的に活用できる情報を提供します。
どんな人が受けたらいいの?
【先天性副腎過形成症の個人歴または家族歴のある方】に
「先天性副腎過形成症NGSパネル検査」を受けることをおすすめします。
この検査は以下のような方に適しています:
・新生児マススクリーニングで異常を指摘された方
・新生児期に塩喪失症状(低ナトリウム血症、高カリウム血症、脱水、ショック)があった方
・外性器の異常を指摘された方(性別判定困難例を含む)
・思春期早発症を呈している方
・原因不明の低身長や成長障害がある方
・慢性的な倦怠感、易疲労感、低血圧がある方
・先天性副腎過形成症や副腎疾患の家族歴がある方
・月経異常や不妊症の原因が不明な方
・将来子どもを持つことを考えている方で、リスク評価を希望される方
このパネル検査は、血液、抽出DNA、頬粘膜スワブ、または唾液検体で実施可能です。モザイク現象の検出は目的としておらず、腫瘍組織での検査は適応外です。
検査で得られる患者さんの潜在的利益は?
遺伝子検査により原因が判明すると、先天性副腎過形成症の診断確定や、適切な治療・管理方針の決定に役立ちます。また、リスクが判明した場合には、予防的治療や生活指導、定期的なモニタリングを行うことができます。
遺伝子検査により以下の利益が期待できます:
・適切な診断の確立または確認
・病型の正確な診断(21-OHD、11β-OHD、リポイド過形成症など)
・追加の関連症状のリスクの特定
・関連リソースやサポートへの患者の接続
・より個別化された治療と症状管理
・適切なホルモン補充療法の選択
・ストレス時のホルモン増量指導
・急性副腎不全の予防と対応
・成長・発達のモニタリング
・妊孕性管理と不妊治療の最適化
・骨密度管理と骨粗鬆症予防
・心血管リスクの評価と管理
・家族の危険因子に関する情報提供
・家族計画のためのオプション提供
・出生前・着床前診断の選択肢提供
患者さんで病原性変異が同定された場合、常染色体劣性遺伝形式のため、兄弟姉妹のリスクは25%になります。両親は保因者(キャリア)であることが多く、家族を検査することでそのリスクを明らかにすることが重要です。
対象遺伝子
- 詳しくはこちら
-
ARMC5, CYP11A1, CYP11B1, CYP11B2, CYP17A1, CYP21A2, HSD3B2, POR, PRKAR1A, STAR ( 10遺伝子 )
主要遺伝子:
・CYP21A2:21-水酸化酵素(P450c21)をコードし、CAHの約90%を占める21-水酸化酵素欠損症の原因遺伝子
・CYP11B1:11β-水酸化酵素(P450c11)をコードし、11β-水酸化酵素欠損症の原因遺伝子
・STAR:ステロイド急性調節タンパク質をコードし、先天性リポイド副腎過形成症の原因遺伝子
・POR:P450オキシドリダクターゼをコードし、複数のステロイド合成酵素に影響を与える
・CYP17A1:17α-水酸化酵素をコードし、17α-水酸化酵素欠損症の原因遺伝子
・HSD3B2:3β-水酸化ステロイド脱水素酵素をコードし、3β-HSD欠損症の原因遺伝子
・CYP11A1:コレステロール側鎖切断酵素(P450scc)をコードする
・CYP11B2:アルドステロン合成酵素をコードし、低アルドステロン症に関連
・ARMC5:副腎疾患に関連する遺伝子
・PRKAR1A:Carney複合の原因遺伝子で、副腎皮質疾患に関連
カバレッジ
カバレッジとは、遺伝子検査においてDNA配列がどの程度正確に読み取られたかを示す指標です。「20x」は同じ部位を20回読み取ることを意味し、読み取り回数が多いほど検査の精度が高くなります。
≥99% at 20x(読み取り深度20回以上)
これは、検査対象遺伝子の99%以上の領域を、20回以上の高い精度で読み取ることができることを示しています。
検体
血液(EDTAチューブ4ml×2本、紫色キャップ)、抽出DNA(EBバッファー中3μg)、頬粘膜スワブ、唾液(要請により採取キット提供)
※唾液・口腔粘膜擦過組織・血液いずれもオンライン診療が可能です。
ほとんどの検査は唾液・口腔粘膜擦過組織で実施できます。
血液検体の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします。
オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行った後、検体を当院にお送りいただく流れとなります。
検査の限界
- 詳しくはこちら
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すべての配列決定技術には限界があります。この分析は次世代シーケンシング(NGS)により実施され、コード領域とスプライス接合部の検査を目的として設計されています。次世代シーケンシング技術と当院のバイオインフォマティクス分析により、偽遺伝子配列やその他の高度に相同な配列の寄与は大幅に減少しますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において病原性変異体対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を時に妨げる可能性があります。
特にCYP21A2遺伝子は偽遺伝子(CYP21A1P)との相同性が高く、遺伝子変換や大規模欠失・重複が存在するため、解析には注意が必要です。
低品質スコアの変異確認および被覆標準を満たすためにサンガー配列決定が使用されます。注文された場合、欠失/重複分析は、1つの完全な遺伝子(頬粘膜スワブ検体および全血検体)および2つ以上の連続するエキソンサイズ(全血検体のみ)のゲノム領域の変化を同定できます。単一エキソンの欠失または重複が時に同定される場合がありますが、この検査では日常的に検出されません。同定された推定欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)により確認されます。
この検査では、疾患を引き起こす可能性がある特定のタイプのゲノム変化は検出されません。これには、転座や逆位、反復伸長(例:三塩基またはヘキサ塩基)、ほとんどの調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エキソンから20bp以上)の変化が含まれますが、これらに限定されません。この検査は体細胞モザイクまたは体細胞変異の検出を目的として設計または検証されていません。
結果が出るまでの期間
2~3週間
※至急オプションを利用すると、結果が出るまでの期間が約7日短くなります。
料金
税込み275,000円
遺伝カウンセリング料金は別途30分16,500円(税込)
よくあるご質問
- どのような症状があれば検査を受けるべきですか?
- 新生児期の塩喪失症状(低ナトリウム血症、高カリウム血症、脱水、ショック)、外性器の異常、思春期早発症、原因不明の低身長や成長障害、慢性的な倦怠感や低血圧などがある方におすすめします。症状がなくても先天性副腎過形成症や副腎疾患の家族歴がある場合は検査をご検討ください。新生児マススクリーニングで異常を指摘された場合も早期の確定診断が重要です。
- 検査はどのように行いますか?
- 血液採取(4ml×2本)または唾液・頬粘膜スワブで検査可能です。唾液や頬粘膜の場合はオンライン診療も可能で、遠方の方でもクリニックにお越しいただかずに検査を受けられます。
- 家族も検査を受ける必要がありますか?
- 患者さんで病原性変異が見つかった場合、常染色体劣性遺伝形式のため、兄弟姉妹のリスクは25%になります。両親は保因者(キャリア)である可能性が高く、ご家族の検査により、将来の妊娠・出産におけるリスクを明らかにすることが重要です。
- 検査で異常が見つからなかった場合はどうなりますか?
- 検査で病原性変異が検出されなくても、症状がある場合は他の原因や未知の遺伝子が関与している可能性があります。主治医と相談して、引き続き適切な経過観察や治療を受けることが重要です。
- 保険は適用されますか?
- 当検査は自費診療となり、保険適用外です。費用は税込み275,000円、別途遺伝カウンセリング料金(30分16,500円)が必要です。ただし、確定診断後の治療については、小児慢性特定疾病医療費助成制度(20歳未満)や難病医療費助成制度(指定難病81)の対象となる場合があります。
- 結果はどのように説明されますか?
- 検査結果は遺伝カウンセリングにて詳しくご説明いたします。結果の意味、病型の診断、今後の対応、ご家族への影響、予防策、治療選択肢などについて、専門的な観点から分かりやすくお伝えします。
- 子どもや将来の妊娠への影響はありますか?
- 先天性副腎過形成症は常染色体劣性遺伝形式をとるため、両親がともに保因者の場合、25%の確率で発症します。検査結果により、出生前診断や着床前診断など、将来の家族計画についてもご相談いただけます。
- 先天性副腎過形成症の治療はどのように行われますか?
- 不足している糖質コルチコイド(ヒドロコルチゾン)と鉱質コルチコイド(フルドロコルチゾン)をホルモン補充療法で補います。発熱、嘔吐・下痢、手術など身体的ストレス時には、普段の3倍量ないしストレス量に増量する必要があります。定期的な検査でホルモン値や電解質、成長・発達をモニタリングします。
- 急性副腎不全(副腎クリーゼ)とは何ですか?
- 身体的ストレス時にコルチゾールが不足すると、強烈な頭痛、激しい腹痛、高熱、嘔吐、意識障害、ショック状態などの急性副腎不全を引き起こす可能性があります。この状態は生命に危険が及ぶため、直ちに医療機関を受診し、ヒドロコルチゾンの静脈内投与と電解質補正を行う必要があります。
- 他の医療機関での検査との違いは何ですか?
- 当院では10遺伝子を一度に検査でき、従来の単一遺伝子検査と比べて費用・時間を大幅に短縮できます。CYP21A2、CYP11B1、STARなどの主要遺伝子に加え、様々な病型のCAHに関連する遺伝子を含む包括的な検査により、先天性副腎過形成症の原因を見つける可能性を最大限に高めます。
プロフィール
この記事の筆者:仲田洋美(医師)
ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。
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