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包括的代謝疾患遺伝子検査(NGSパネル)|ミネルバクリニック

包括的代謝疾患遺伝子検査(NGSパネル)|ミネルバクリニック

遺伝性代謝疾患とは

遺伝性代謝疾患(先天代謝異常症)は、生まれつき特定の酵素が欠損していたり、代謝の働きが障害されることで、物質が体内に欠損したり過剰に蓄積し、様々な症状を引き起こす遺伝性の疾患群です。現在、300以上の遺伝性代謝疾患が知られており、その多くは酵素をコードする遺伝子の変異によって引き起こされます。

私たちの体は、毎日の食事で摂取した栄養素(糖質、タンパク質、脂質など)を利用して、体内で必要な物質を作ったり、エネルギーに変換したりしています。この一連の営みを「代謝」と呼びます。代謝には多くの酵素が関わっており、これらの酵素の設計図となる遺伝子に異常があると、酵素が正常に働かなくなり、様々な代謝疾患が発症します。

遺伝性代謝疾患の多くは常染色体劣性(潜性)遺伝の形式をとり、両親がともに保因者である場合に子どもが発症するリスクがあります。一部の疾患は早期に発見することで治療や発症予防が可能であり、新生児マススクリーニングの対象となっています。診断には問診、診察、血液検査、尿検査、遺伝子解析などが必要です。

症状と病態

遺伝性代謝疾患は、障害される代謝経路によって様々な症状を呈します。多くの代謝疾患では、必要な酵素が欠損または機能低下することで、以下のような結果をもたらします:

主要な病態メカニズム

  • 基質またはその代謝物の蓄積による毒性
  • 必要な代謝産物の欠乏
  • エネルギー産生の障害
  • 細胞内小器官の機能不全

共通してみられる症状

遺伝性代謝疾患は多様な症状を呈しますが、以下のような症状が多くの疾患で共通してみられます:

  • 哺乳不良・摂食障害
  • 無気力・傾眠傾向
  • 黄疸
  • 消化器症状(嘔吐、下痢、腹痛)
  • 体重増加不良・成長障害
  • けいれん・てんかん
  • 発達遅滞・知的障害
  • 筋力低下・筋緊張低下
  • 肝腫大・脾腫
  • 特異的な顔貌

非特異的な警告サイン

見過ごされやすい非特異的な警告サインとして、以下のようなものがあります:

  • 高血圧
  • 高コレステロール血症
  • 高トリグリセリド血症
  • 低血糖
  • 代謝性アシドーシス
  • 高アンモニア血症

症状の現れ方の特徴

代謝疾患の症状の現れ方には以下のような特徴があります:

  • 急性症状:新生児期や乳児期に急激に発症し、重篤な状態となることがあります
  • 遅発性急性症状:感染症やストレスをきっかけに急性増悪することがあります
  • 進行性全身症状:徐々に進行し、複数の臓器に障害が広がります
  • 永続性症状:慢性的に持続する症状です

主な代謝疾患の分類

遺伝性代謝疾患は、障害される物質の種類や細胞内小器官の種類によって分類されます。当パネル検査では以下のような疾患群を網羅的に検査することができます。

アミノ酸代謝異常症

アミノ酸の代謝に関わる酵素の異常により発症します。代表的な疾患として、フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、ホモシスチン尿症などがあります。

有機酸代謝異常症

有機酸の代謝障害により、有毒な有機酸が体内に蓄積します。プロピオン酸血症、メチルマロン酸血症、イソ吉草酸血症などが含まれます。

尿素サイクル異常症

アンモニアを尿素に変換する尿素サイクルの障害により、高アンモニア血症を呈します。オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症などが代表的です。

糖質代謝異常症

糖の代謝に関わる酵素の異常により発症します。糖原病、ガラクトース血症、果糖不耐症などが含まれます。

脂肪酸代謝異常症

脂肪酸の分解(β酸化)の障害により、エネルギー産生が低下し、低血糖や肝障害を引き起こします。中鎖アシルCoA脱水素酵素(MCAD)欠損症などが代表的です。

ミトコンドリア病

ミトコンドリアは細胞内でエネルギー(ATP)を産生する重要な細胞内小器官です。ミトコンドリアの機能が障害されると、エネルギー需要の高い臓器(脳、筋肉、心臓など)に症状が現れます。

ミトコンドリア病の主な症状として、筋力低下、運動不耐性、眼瞼下垂、外眼筋麻痺、心筋症、糖尿病、感音性難聴、視神経萎縮、てんかん、脳卒中様発作、認知症などがあります。ミトコンドリア病は核DNA上の遺伝子変異(200近い遺伝子)またはミトコンドリアDNA(mtDNA)の異常によって引き起こされます。

ライソゾーム病

ライソゾームは細胞内の不要なタンパク質、脂質、糖を分解する役割を持つ細胞内小器官です。ライソゾーム内の分解酵素の欠損や機能異常により、分解されるべき物質が細胞内に蓄積し、多彩な症状を引き起こします。

代表的なライソゾーム病として、ムコ多糖症、ゴーシェ病、ファブリー病、ニーマンピック病、ポンペ病、異染性白質ジストロフィーなどがあります。症状は疾患によって様々ですが、神経症状、肝脾腫、骨格異常、角膜混濁、心臓病変などが認められます。

ペルオキシソーム病

ペルオキシソームは極長鎖脂肪酸の代謝などに関わる細胞内小器官です。ペルオキシソームの形成異常または単一の酵素異常により発症します。

代表的な疾患として、ツェルウェーガー症候群、X連鎖性副腎白質ジストロフィー(最も頻度の高いペルオキシソーム病)、レフサム病などがあります。症状として、顔面形成異常、中枢神経系異常、脱髄、筋緊張低下、肝腫大、白内障、網膜症、聴力低下などが認められます。

リポタンパク代謝異常症

脂質の輸送に関わるリポタンパクの代謝異常により、高脂血症や動脈硬化を引き起こします。家族性高コレステロール血症などが含まれます。

金属代謝異常症

銅や鉄などの金属代謝の異常により発症します。ウィルソン病(銅代謝異常)、ヘモクロマトーシス(鉄代謝異常)などが代表的です。

その他の代謝異常症

上記以外にも、プリン・ピリミジン代謝異常症、ポルフィリン代謝異常症、糖鎖合成異常症(CDG症候群)、クレアチン代謝異常症など、多様な代謝疾患が含まれます。

ミネルバクリニックの包括的代謝疾患遺伝子パネル検査の特徴

「包括的代謝疾患 NGSパネル検査」とは、現在遺伝性代謝疾患の原因として報告されている795の遺伝子に異常があるかどうかを、一度に調べられる検査方法です。

従来の検査方法の場合、複数の関連遺伝子を調べるために、A遺伝子の検査をして異常がなければ次にB遺伝子を検査する、というように何度も検査する必要がありました。もちろん、検査のたびに高額な料金がかかります。

何度も検査することでかかる費用や手間は、患者さんにとって大きな負担になります。ミネルバクリニックではそうした不便を解消するために、遺伝性代謝疾患に関連する795遺伝子を一度に調べられる「包括的代謝疾患 NGSパネル検査」を採用しています。

一般的な遺伝子検査のメリットとデメリットについてはこちらのページをご覧ください。

1.費用がリーズナブル

一般的な医療機関で遺伝性代謝疾患の遺伝子検査を行う場合、単一遺伝子ごとに数万円から数十万円の費用がかかることが多く、複数の遺伝子を調べる場合は非常に高額になります。

当院では、遺伝性代謝疾患に関係するとされる795の遺伝子を一度に調べられる「包括的代謝疾患 NGSパネル検査」をリーズナブルに受けられます。(費用はページの一番下をご確認ください。)

2.結果が出るまでがはやい

一般的な医療機関で行える遺伝性代謝疾患の遺伝子検査の場合、結果が出るまでには通常数週間から数ヶ月かかることがあります。また、単一遺伝子の検査で異常が見つからなかった場合、追加の遺伝子検査が必要になることもあります。

当院で行う「包括的代謝疾患 NGSパネル検査」の場合、795の遺伝子を、2~3週間程度で一度に調べることが可能です。

3.一気にまとめてできる

臨床症状から代謝疾患を疑って単一遺伝子検査を行っても、病的変異が見つからないことがあります。また、他の遺伝子に変異があるかどうかまでは分かりません。代謝疾患は症状が多様で、臨床的に原因遺伝子を特定することが困難な場合も多くあります。

当院で行う「包括的代謝疾患 NGSパネル検査」ならば、臨床的に重要な795の原因遺伝子を同時に検査できるという利点があります。これにより、幅広い症状を呈する患者さんの診断確率を大幅に向上させることができます。

オプション

塩基配列 (料金に含まれる)
欠失・挿入 (料金に含まれる)
至急:結果が出るまでの期間が約7日短くなります。 33,000円
VUS除外 *VUS(variant of unknown significance)とは病的意義がよく分かっていない変異の事を指します。(無料)

検査内容

「包括的代謝疾患 NGSパネル検査」では、遺伝性代謝疾患に関係するとされる795種類の遺伝子をまとめて検査します。この包括的なパネルには、アミノ酸代謝異常症、有機酸代謝異常症、尿素サイクル異常症、糖質代謝異常症、脂肪酸代謝異常症、ミトコンドリア病、ライソゾーム病、ペルオキシソーム病など、幅広い代謝疾患の原因遺伝子が含まれています。

「包括的代謝疾患 NGSパネル検査」は、遺伝性代謝疾患の遺伝的原因をお持ちの方を見つける可能性を高められると同時に、現在および将来的に活用できる情報を提供します。

どんな人が受けたらいいの?

【遺伝性代謝疾患の個人歴または家族歴のある方】に
「包括的代謝疾患 NGSパネル検査」を受けることをおすすめします。

この検査は以下のような方に適しています:
・原因不明の発達遅滞・知的障害がある方
・原因不明のてんかん・けいれんがある方
・原因不明の筋力低下・筋緊張低下がある方
・原因不明の肝腫大・脾腫がある方
・低血糖を繰り返す方
・代謝性アシドーシスがある方
・高アンモニア血症がある方
・哺乳不良・成長障害がある方
・特異的な顔貌や骨格異常がある方
・多臓器障害を呈する方
・原因不明の視力障害・聴力障害がある方
・遺伝性代謝疾患の家族歴がある方
・新生児マススクリーニングで異常を指摘された方
・将来子どもを持つことを考えている保因者の方で、リスク評価を希望される方

このパネル検査は、血液、抽出DNA、頬粘膜スワブ、または唾液検体で実施可能です。モザイク現象の検出は目的としておらず、腫瘍組織での検査は適応外です。

検査で得られる患者さんの潜在的利益は?

遺伝子検査により原因が判明すると、遺伝性代謝疾患の診断確定や、適切な治療・管理方針の決定に役立ちます。多くの代謝疾患では早期診断により、特殊ミルク、食事療法、酵素補充療法、ビタミン療法などの治療が可能となり、症状の進行を抑えることができます。

遺伝子検査により以下の利益が期待できます:
・適切な診断の確立または確認
・他の類似疾患との鑑別
・適切な食事療法・薬物療法の開始
・酵素補充療法などの特異的治療の適応判断
・急性増悪のリスク評価と予防対策
・合併症の早期発見と管理
・疾患の進行予測と長期的な管理計画の立案
・追加の関連症状のリスクの特定
・関連リソースやサポートへの患者の接続
・より個別化された治療と症状管理
・家族の危険因子に関する情報提供
・家族計画のためのオプション提供
・出生前・着床前診断の選択肢提供

患者さんで病原性変異が同定された場合、遺伝形式に応じて家族の発症リスクが異なります。多くの代謝疾患は常染色体劣性遺伝であり、兄弟姉妹が発症するリスクは25%、保因者となるリスクは50%です。一部の疾患では常染色体優性遺伝やX連鎖遺伝の形式をとります。家族を検査することでそのリスクを明らかにすることが重要です。

対象遺伝子

詳しくはこちら

AARS2, AASS, ABCA1, ABCB11, ABCB4, ABCB7, ABCC8, ABCD1, ABCD4, ABCG5, ABCG8, ABHD12, ABHD5, ACAA1, ACAD8, ACAD9, ACADL, ACADM, ACADS, ACADSB, ACADVL, ACAT1, ACO2, ACOX1, ACSF3, ACY1, ADA, ADAMTSL2, ADAR, ADK, ADSL, AFG3L2, AGA, AGK, AGL, AGPAT2, AGPS, AHCY, AIFM1, AKR1D1, AKT2, ALAD, ALAS2, ALDH18A1, ALDH3A2, ALDH4A1, ALDH5A1, ALDH6A1, ALDH7A1, ALDOA, ALDOB, ALG1, ALG11, ALG12, ALG13, ALG14, ALG2, ALG3, ALG6, ALG8, ALG9, ALPL, AMACR, AMN, AMPD1, AMT, ANO10, ANO5, ANTXR2, AP1S1, AP4M1, APOA1, APOA5, APOB, APOC2, APOE, APOPT1, APTX, ARG1, ARSA, ARSB, ASAH1, ASL, ASNS, ASPA, ASS1, ATAD1, ATAD3A, ATIC, ATP13A2, ATP5F1A, ATP5F1D, ATP5F1E, ATP5MC3, ATP5PO, ATP6AP1, ATP6AP2, ATP6V0A2, ATP7A, ATP7B, ATP8B1, ATPAF2, AUH, B3GALNT2, B3GALT6, B3GAT3, B3GLCT, B4GALNT1, B4GALT1, B4GALT7, B4GAT1, BAAT, BCAT2, BCKDHA, BCKDHB, BCKDK, BCS1L, BOLA3, BSCL2, BSND, BTD, C12orf65, C19orf12, C19orf70, C1QBP, CA2, CA5A, CACNA1S, CAD, CARS2, CASR, CAT, CAV1, CAV3, CAVIN1, CBS, CCDC115, CD320, CHCHD10, CHKB, CHST14, CHST3, CHST6, CHSY1, CIDEC, CISD2, CKMT1A, CKMT1B, CKMT2, CLCN1, CLDN16, CLDN19, CLN3, CLN5, CLN6, CLN8, CLPB, CLPP, CNNM1, CNNM2, CNNM4, COA6, COA7, COASY, COG1, COG4, COG5, COG6, COG7, COG8, COL11A2, COL2A1, COQ2, COQ4, COQ5, COQ6, COQ7, COQ8A, COQ9, COX10, COX14, COX15, COX20, COX6A1, COX6B1, COX7B, CP, CPOX, CPS1, CPT1A, CPT1B, CPT2, CRAT, CRLS1, CSGALNACT1, CTH, CTNS, CTSA, CTSC, CTSD, CTSK, CUBN, CYC1, CYP27A1, CYP7B1, D2HGDH, DARS, DARS2, DBH, DBT, DCXR, DDC, DDOST, DGUOK, DHCR24, DHCR7, DHDDS, DHFR, DHTKD1, DLAT, DLD, DMPK, DNA2, DNAJC12, DNAJC19, DNAJC5, DNM1L, DNM2, DOLK, DPAGT1, DPM1, DPM2, DPM3, DPYD, DPYS, DYM, DYSF, EARS2, EBP, ECHS1, EGF, ELAC2, ENO3, EOGT, EPG5, EPM2A, ETFA, ETFB, ETFDH, ETHE1, FA2H, FAH, FAM111A, FARS2, FASTKD2, FBP1, FBXL4, FDX2, FDXR, FECH, FH, FKRP, FKTN, FLAD1, FLNA, FLNB, FMO3, FOLR1, FOXRED1, FTCD, FTL, FUCA1, FUT8, FXN, FXYD2, G6PC, G6PC3, GAA, GABRG2, GAD1, GALC, GALE, GALK1, GALM, GALNS, GALNT2, GALNT3, GALT, GAMT, GATM, GBA, GBE1, GCDH, GCH1, GCK, GCLC, GCSH, GDAP1, GFER, GFM1, GFM2, GFPT1, GIF, GK, GLA, GLB1, GLDC, GLRA1, GLRB, GLRX5, GLS, GLUD1, GLUL, GLYCTK, GM2A, GMPPA, GMPPB, GNE, GNMT, GNPAT, GNPTAB, GNPTG, GNS, GOT2, GPC3, GPD1, GPHN, GRHPR, GSS, GTPBP3, GUSB, GYG1, GYS1, GYS2, HAAO, HADH, HADHA, HADHB, HAMP, HARS2, HCCS, HCFC1, HEXA, HEXB, HFE, HGD, HGSNAT, HIBCH, HJV, HLCS, HMBS, HMGCL, HMGCS2, HNF1A, HNF1B, HNF4A, HOGA1, HPD, HPRT1, HPS1, HRAS, HS2ST1, HSD17B10, HSD17B4, HSD3B7, HSPD1, HTRA2, HYAL1, IARS2, IBA57, IDH2, IDS, IDUA, IER3IP1, IFIH1, INSR, ISCA1, ISCA2, ISCU, ISPD, ITPA, IVD, KCNA1, KCNJ10, KCNJ11, KCNJ2, KCTD7, KIF1A, KYNU, L2HGDH, LAMA2, LAMP2, LARGE1, LARS, LARS2, LCAT, LCT, LDB3, LDHA, LDLR, LDLRAP1, LETM1, LIAS, LIPA, LIPE, LIPT1, LIPT2, LMBRD1, LMNA, LONP1, LPIN1, LPL, LRPPRC, LYRM4, LYRM7, MAGT1, MAN1B1, MAN2B1, MANBA, MAOA, MARS2, MAT1A, MCCC1, MCCC2, MCEE, MCOLN1, MDH2, MECR, MFF, MFN2, MFSD8, MGAT2, MGME1, MICU1, MIPEP, MLYCD, MMAA, MMAB, MMACHC, MMADHC, MMGT1, MOCOS, MOCS1, MOCS2, MOGS, MPC1, MPDU1, MPI, MPV17, MRPL3, MRPL44, MRPS16, MRPS2, MRPS22, MRPS34, MSMO1, MSTO1, MTFMT, MTHFR, MTO1, MTPAP, MTR, MTRR, MTTP, MUT, MVK, MYOT, NADK2, NAGA, NAGLU, NAGS, NARS2, NAXD, NAXE, NBAS, NDUFA1, NDUFA10, NDUFA11, NDUFA12, NDUFA13, NDUFA2, NDUFA4, NDUFA6, NDUFA8, NDUFA9, NDUFAF1, NDUFAF2, NDUFAF3, NDUFAF4, NDUFAF5, NDUFAF6, NDUFAF8, NDUFB10, NDUFB11, NDUFB3, NDUFB8, NDUFC2, NDUFS1, NDUFS2, NDUFS3, NDUFS4, NDUFS6, NDUFS7, NDUFS8, NDUFV1, NDUFV2, NEU1, NFS1, NFU1, NGLY1, NHLRC1, NIPA2, NNT, NPC1, NPC2, NSDHL, NSUN3, NT5C3A, NUBPL, OAT, OCRL, OGDH, OPA1, OPA3, OTC, OXCT1, PAH, PANK2, PARS2, PC, PCBD1, PCCA, PCCB, PCK1, PCK2, PCSK9, PDHA1, PDHB, PDHX, PDK3, PDP1, PDSS1, PDSS2, PDX1, PEPD, PET100, PEX1, PEX10, PEX11B, PEX12, PEX13, PEX14, PEX16, PEX19, PEX2, PEX26, PEX3, PEX5, PEX6, PEX7, PFKM, PGAM2, PGAP2, PGAP3, PGK1, PGM1, PGM3, PHGDH, PHKA1, PHKA2, PHKB, PHKG1, PHKG2, PHYH, PIGA, PIGL, PIGN, PIGO, PIGS, PIGT, PIGV, PINK1, PLA2G6, PLIN1, PLPBP, PMM2, PMPCA, PMPCB, PNP, PNPLA2, PNPLA8, PNPO, PNPT1, POLG, POLG2, POMGNT1, POMGNT2, POMK, POMT1, POMT2, POR, PPA2, PPARG, PPM1K, PPOX, PPT1, PRDX1, PRKAG2, PRKAG3, PRODH, PRPS1, PSAP, PSAT1, PSPH, PTF1A, PTS, PUS1, PYGL, PYGM, PYY, QDPR, QRSL1, RAI1, RARS2, RBCK1, RFT1, RMND1, RNASEH1, RNASEH2A, RNASEH2B, RNASEH2C, RPIA, RPL10, RPN2, RRM2B, RTN4IP1, RXYLT1, RYR1, SACS, SAMHD1, SAR1B, SARS2, SC5D, SCN4A, SCO1, SCO2, SCP2, SDHA, SDHAF1, SDHB, SDHD, SEC23B, SERAC1, SERPINA1, SETX, SFXN4, SGSH, SHMT2, SI, SKIV2L, SLC12A3, SLC13A5, SLC16A1, SLC17A5, SLC18A2, SLC19A1, SLC19A2, SLC19A3, SLC1A3, SLC22A5, SLC25A1, SLC25A12, SLC25A13, SLC25A15, SLC25A19, SLC25A20, SLC25A22, SLC25A26, SLC25A3, SLC25A32, SLC25A38, SLC25A4, SLC25A42, SLC25A46, SLC2A1, SLC2A2, SLC30A10, SLC33A1, SLC35A1, SLC35A2, SLC35C1, SLC37A4, SLC39A14, SLC39A4, SLC39A8, SLC3A1, SLC40A1, SLC41A2, SLC41A3, SLC46A1, SLC52A2, SLC52A3, SLC5A1, SLC5A6, SLC6A19, SLC6A3, SLC6A5, SLC6A8, SLC6A9, SLC7A7, SLC7A9, SMPD1, SPG7, SPR, SPTLC1, SPTLC2, SRD5A3, SSBP1, SSR4, ST3GAL3, ST3GAL5, STT3A, STT3B, SUCLA2, SUCLG1, SUGCT, SUMF1, SUOX, SURF1, TACO1, TALDO1, TANGO2, TARS2, TAT, TAZ, TBC1D4, TCF4, TCN1, TCN2, TFAM, TFR2, TH, TIMM50, TIMM8A, TIMMDC1, TK2, TMEM126A, TMEM126B, TMEM165, TMEM199, TMEM70, TOP3A, TPI1, TPK1, TPMT, TPP1, TREX1, TRIM37, TRIT1, TRMT10C, TRMT5, TRMU, TRNT1, TRPM6, TRPM7, TSFM, TTC19, TTC37, TTPA, TUFM, TUSC3, TWNK, TYMP, UCP2, UGT1A1, UMPS, UPB1, UQCC2, UQCRB, UQCRC2, UQCRFS1, UQCRQ, UROD, UROS, VARS2, VIPAS39, VKORC1, VPS33B, WARS2, WDR45, WFS1, XDH, XYLT2, YARS2, ZMPSTE24 ( 795遺伝子 )

※FXN遺伝子について:FXN遺伝子変異で最も多いのはGAA三塩基リピート伸長ですが、本検査ではリピート伸長の検出は行っておりません。塩基配列の変異とコピー数変異のみを検出します。リピート伸長検査が必要な場合は別途ご相談ください。

※MTHFR遺伝子について:米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)の推奨に従い、MTHFR遺伝子の2つの一般的な多型(c.1286A>C(p.Glu429Ala、c.1298A>Cとも呼ばれる)およびc.665C>T(p.Ala222Val、c.677C>Tとも呼ばれる))は、臨床的有用性が不十分なため、本検査では報告しておりません。

※ALG1遺伝子について:高度に相同な領域の干渉により、現在の検査方法ではALG1遺伝子(NM_019109.4)のエキソン6~13における変異検出の感度が低下しています。

カバレッジ

カバレッジとは、遺伝子検査においてDNA配列がどの程度正確に読み取られたかを示す指標です。「20x」は同じ部位を20回読み取ることを意味し、読み取り回数が多いほど検査の精度が高くなります。

≥99% at 20x(読み取り深度平均20回以上)
これは、検査対象遺伝子の99%以上の領域を、20回以上の高い精度で読み取ることができることを示しています。

検体

血液(EDTAチューブ4ml×2本、紫色キャップ)、抽出DNA(EBバッファー中3μg)、頬粘膜スワブ、唾液(要請により採取キット提供)

※唾液・口腔粘膜擦過組織・血液いずれもオンライン診療が可能です。
 ほとんどの検査は唾液・口腔粘膜擦過組織で実施できます。
 血液検体の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします。
 オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行った後、検体を当院にお送りいただく流れとなります。
 検体採取キットは検査料金をお支払いいただいた後にお送りいたします。ご自身で勝手に検体を採取しないでください。

検査の限界

詳しくはこちら

すべての配列決定技術には限界があります。この分析は次世代シーケンシング(NGS)により実施され、コード領域とスプライス接合部の検査を目的として設計されています。次世代シーケンシング技術と当院のバイオインフォマティクス分析により、偽遺伝子配列やその他の高度に相同な配列の寄与は大幅に減少しますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において病原性変異体対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を時に妨げる可能性があります。

低品質スコアの変異確認および被覆標準を満たすためにサンガー配列決定が使用されます。注文された場合、欠失/重複分析は、1つの完全な遺伝子(頬粘膜スワブ検体および全血検体)および2つ以上の連続するエキソンサイズ(全血検体のみ)のゲノム領域の変化を同定できます。単一エキソンの欠失または重複が時に同定される場合がありますが、この検査では日常的に検出されません。同定された推定欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)により確認されます。

この検査では、疾患を引き起こす可能性がある特定のタイプのゲノム変化は検出されません。これには、転座や逆位、反復伸長(例:三塩基またはヘキサ塩基リピート)、ほとんどの調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エキソンから20bp以上)の変化が含まれますが、これらに限定されません。この検査は体細胞モザイクまたは体細胞変異の検出を目的として設計または検証されていません。

※この検査パネルでは、795の原因遺伝子を対象としていますが、すべての遺伝性代謝疾患の原因遺伝子を網羅しているわけではありません。検査で病原性変異が検出されなくても、疾患を完全に否定することはできません。また、ミトコンドリアDNA(mtDNA)の変異は本検査では検出されません。mtDNAの変異が疑われる場合は別途ミトコンドリアDNA検査が必要です。

結果が出るまでの期間

2~3週間
※至急オプションを利用すると、結果が出るまでの期間が約7日短くなります。

料金

税込み275,000円
遺伝カウンセリング料金は別途30分16,500円(税込)

よくあるご質問

どのような症状があれば検査を受けるべきですか?
原因不明の発達遅滞、知的障害、てんかん、筋力低下、肝腫大、低血糖を繰り返す、代謝性アシドーシス、高アンモニア血症などの症状がある方におすすめします。また、複数の臓器に障害がある場合や、新生児マススクリーニングで異常を指摘された場合も検査をご検討ください。家族に遺伝性代謝疾患の方がいる場合も重要です。
検査はどのように行いますか?
血液採取(4ml×2本)または唾液・頬粘膜スワブで検査可能です。唾液や頬粘膜の場合はオンライン診療も可能で、遠方の方でもクリニックにお越しいただかずに検査を受けられます。
新生児マススクリーニングとの違いは何ですか?
新生児マススクリーニングは生化学的検査で特定の代謝産物を測定しますが、遺伝子検査は直接的に原因遺伝子の変異を調べます。新生児マススクリーニングで検出できる疾患は限られていますが、当パネル検査では795遺伝子という幅広い代謝疾患の原因を一度に調べることができます。
家族も検査を受ける必要がありますか?
多くの遺伝性代謝疾患は常染色体劣性遺伝であり、患者さんの兄弟姉妹が発症するリスクは25%、保因者となるリスクは50%です。ご両親は保因者である可能性が高く、将来の家族計画のために保因者診断が推奨されます。遺伝形式によってリスクが異なるため、遺伝カウンセリングで詳しくご説明いたします。
検査で異常が見つからなかった場合はどうなりますか?
検査で病原性変異が検出されなくても、疾患を完全に否定することはできません。本検査では795遺伝子を対象としていますが、すべての代謝疾患の原因遺伝子を網羅しているわけではありません。また、ミトコンドリアDNAの変異やリピート伸長は本検査では検出されません。臨床症状と生化学検査に基づいた診断と管理が引き続き重要です。
ミトコンドリアDNAの変異も調べられますか?
本検査では核DNA上のミトコンドリア関連遺伝子(200近い遺伝子)は検査対象に含まれていますが、ミトコンドリアDNA(mtDNA)自体の変異は検出されません。mtDNAの変異が疑われる場合は、別途ミトコンドリアDNA検査が必要です。
保険は適用されますか?
当検査は自費診療となり、保険適用外です。費用は税込み275,000円、別途遺伝カウンセリング料金(30分16,500円)が必要です。
結果はどのように説明されますか?
検査結果は遺伝カウンセリングにて詳しくご説明いたします。結果の意味、今後の対応、ご家族への影響、治療・管理選択肢などについて、専門的な観点から分かりやすくお伝えします。
遺伝性代謝疾患の治療はどのように行われますか?
疾患によって治療法は異なりますが、食事療法(特殊ミルク、制限食)、薬物療法、酵素補充療法、ビタミン療法などがあります。早期診断により適切な治療を開始することで、症状の進行を抑え、合併症を予防することができます。一部の疾患では根本的な治療法はなく、対症療法が中心となります。
予後はどうですか?
予後は疾患の種類、重症度、診断時期、治療開始時期によって大きく異なります。早期診断・早期治療により正常な発達が可能な疾患もあれば、進行性で予後不良な疾患もあります。適切な管理により、多くの患者さんはQOL(生活の質)を維持できます。
子どもや将来の妊娠への影響はありますか?
遺伝形式によって子どもへの影響が異なります。常染色体劣性遺伝の場合、保因者同士のカップルで子どもが発症する確率は25%です。常染色体優性遺伝の場合は子どもが発症する確率は50%です。検査結果により、出生前診断や着床前診断など、将来の家族計画についてもご相談いただけます。
他の医療機関での検査との違いは何ですか?
当院では臨床的に重要な795の原因遺伝子を一度に検査でき、従来の単一遺伝子検査と比べて費用・時間を大幅に短縮できます。また、臨床遺伝専門医が常駐しており、すべての患者さんに対して専門医が必ず診療と遺伝カウンセリングを行います。オンライン診療にも対応しており、全国どこからでも専門的な診療を受けることが可能です。


プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。

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