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バーター症候群NGS遺伝子パネル検査|ミネルバクリニック

バーター症候群NGS遺伝子パネル検査|ミネルバクリニック

バーター症候群とは

バーター症候群(Bartter syndrome)は、腎臓の尿細管におけるナトリウム(Na)や塩化物(Cl)の再吸収障害により、低カリウム血症、代謝性アルカローシス、高レニン・高アルドステロン血症を特徴とする先天性の尿細管機能異常症です。1962年にフレデリック・バーター医師によって提唱された疾患概念です。

本疾患は腎臓のヘンレ係蹄の太い上行脚(TAL)から遠位尿細管に発現するイオンチャネルや輸送体の機能異常により発症します。近年はバーター症候群と類似のギッテルマン症候群(Gitelman syndrome)とともに、「遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症(salt-losing tubulopathy)」と総称される傾向にあります。

バーター症候群は臨床的に、新生児期に発症する重症型の「新生児型」と、乳幼児期に発見される比較的軽症型の「古典型」に分類されます。有病率は100万人あたり約1人とされる稀少疾患です。遺伝学的には1型から5型(4b型を含む)に分類され、原因遺伝子によって臨床症状が異なることがあります。

症状と病態

バーター症候群の主な症状は、腎臓での塩分喪失による電解質異常とそれに伴う様々な臨床症状です。重症度や発症時期は原因遺伝子によって異なります。

主要症状

  • 低カリウム血症(必発)
  • 代謝性アルカローシス(必発)
  • 高レニン・高アルドステロン血症(血圧は正常~低値)
  • 多飲・多尿
  • 脱水症状
  • 成長障害・低身長
  • 筋力低下・筋痙攣
  • 易疲労感・倦怠感
  • 塩分の渇望
  • 嘔吐

新生児型バーター症候群の特徴

新生児型(主に1型、2型、4型)は胎生期から症状が出現し、以下のような特徴があります:

  • 羊水過多:胎児の多尿により羊水量が著しく増加します
  • 早産:羊水過多により早産となることが多いです
  • 低出生体重:未熟な状態で出生することが多いです
  • 重度の脱水:生後早期から重度の脱水症状を呈します
  • 電解質異常:著明な低カリウム血症、低ナトリウム血症、低塩素血症
  • 腎石灰化症:高カルシウム尿症により腎石灰化を来すことがあります

古典型バーター症候群の特徴

古典型(主に3型)は乳幼児期から学童期に発症し、新生児型より比較的軽症です:

  • 成長障害・低身長
  • 感冒時の脱水症状増悪
  • 筋力低下・疲労感
  • 多飲・多尿
  • テタニー症状(低カルシウム血症を伴う場合)

病型別の特異的症状

原因遺伝子によって、特徴的な症状パターンが認められることがあります:

  • 4型(BSND遺伝子変異):感音性難聴を必発で伴います。最も重症で胎生期から発症します
  • 5型(CASR遺伝子変異):低カルシウム血症を伴い、テタニー症状が目立ちます
  • 腎石灰化症:高カルシウム尿症により腎石灰化を来すことがあります(特に新生児型)

病態生理

バーター症候群では、ヘンレ係蹄の太い上行脚や遠位尿細管でのNaCl再吸収障害により、以下のような病態が生じます:

  1. 尿中へのNaCl喪失増加
  2. 細胞外液量の減少
  3. レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系の活性化
  4. アルドステロン作用によるカリウムと水素イオンの尿中喪失
  5. 低カリウム血症と代謝性アルカローシスの発症
  6. プロスタグランジン産生増加(特にバーター症候群)

進行と予後

バーター症候群の一部は末期腎不全に進行します。特に新生児型では腎機能障害のリスクが高くなります。適切な治療と管理により、多くの患者さんは日常生活を維持できますが、生涯にわたる電解質管理が必要です。

遺伝形式と原因遺伝子

バーター症候群は遺伝学的に多様性が高く、現在までに複数の原因遺伝子が同定されています。大多数は常染色体劣性(潜性)遺伝形式をとります。これは、ご両親がともに無症状の遺伝子異常保因者である場合、子どもが発症する確率は25%となることを意味します。

主な原因遺伝子と病型分類

  • 1型(SLC12A1遺伝子):Na-K-2Cl共輸送体(NKCC2)の障害。新生児期発症、重症型。腎石灰化を伴うことがあります
  • 2型(KCNJ1遺伝子):カリウムチャネル(ROMK)の障害。新生児期発症、重症型。腎石灰化を伴うことがあります
  • 3型(CLCNKB遺伝子):塩素イオンチャネル(ClC-Kb)の障害。古典型、比較的軽症
  • 4型(BSND遺伝子):バーチンの障害。最重症型で、感音性難聴を必発で伴います
  • 4b型(5型)(CLCNKA+CLCNKB遺伝子):ClC-KaとClC-Kbの両方の障害

関連する遺伝子

バーター症候群および関連する遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症には、以下のような遺伝子が関与しています:

  • SLC12A1遺伝子:NKCC2(Na-K-2Cl共輸送体)をコード
  • KCNJ1遺伝子:ROMK(腎外髄カリウムチャネル)をコード
  • CLCNKB遺伝子:ClC-Kb(塩素イオンチャネル)をコード
  • BSND遺伝子:バーチン(塩素イオンチャネルのβサブユニット)をコード
  • CASR遺伝子:カルシウム感知受容体をコード
  • CLCNKA遺伝子:ClC-Ka(塩素イオンチャネル)をコード
  • SLC12A3遺伝子:NCCT(Na-Cl共輸送体)をコード(ギッテルマン症候群の原因)

当検査パネルでは、バーター症候群および関連する遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症の原因となる29遺伝子を対象としています。これにより、バーター症候群の主要な原因を効率的にスクリーニングすることが可能です。

ミネルバクリニックのバーター症候群遺伝子パネル検査の特徴

「バーター症候群 NGSパネル検査」とは、現在バーター症候群および関連する遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症の原因として報告されている29の遺伝子に異常があるかどうかを、一度に調べられる検査方法です。

従来の検査方法の場合、複数の関連遺伝子を調べるために、A遺伝子の検査をして異常がなければ次にB遺伝子を検査する、というように何度も検査する必要がありました。もちろん、検査のたびに高額な料金がかかります。

何度も検査することでかかる費用や手間は、患者さんにとって大きな負担になります。ミネルバクリニックではそうした不便を解消するために、バーター症候群に関連する29遺伝子を一度に調べられる「バーター症候群 NGSパネル検査」を採用しています。

一般的な遺伝子検査のメリットとデメリットについてはこちらのページをご覧ください。

1.費用がリーズナブル

一般的な医療機関でバーター症候群の遺伝子検査を行う場合、単一遺伝子ごとに数万円から数十万円の費用がかかることが多く、複数の遺伝子を調べる場合は非常に高額になります。

当院では、バーター症候群に関係するとされる29の遺伝子を一度に調べられる「バーター症候群 NGSパネル検査」をリーズナブルに受けられます。(費用はページの一番下をご確認ください。)

2.結果が出るまでがはやい

一般的な医療機関で行えるバーター症候群の遺伝子検査の場合、結果が出るまでには通常数週間から数ヶ月かかることがあります。また、単一遺伝子の検査で異常が見つからなかった場合、追加の遺伝子検査が必要になることもあります。

当院で行う「バーター症候群 NGSパネル検査」の場合、29の遺伝子を、2~3週間程度で一度に調べることが可能です。

3.一気にまとめてできる

臨床症状からバーター症候群を疑って単一遺伝子検査を行っても、病的変異が見つからないことがあります。また、他の遺伝子に変異があるかどうかまでは分かりません。

当院で行う「バーター症候群 NGSパネル検査」ならば、臨床的に重要な29の原因遺伝子を同時に検査できるという利点があります。

オプション

塩基配列 (料金に含まれる)
欠失・挿入 (料金に含まれる)
至急:結果が出るまでの期間が約7日短くなります。 33,000円
VUS除外 *VUS(variant of unknown significance)とは病的意義がよく分かっていない変異の事を指します。(無料)

検査内容

「バーター症候群 NGSパネル検査」では、バーター症候群および関連する遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症に関係するとされる29種類の遺伝子(AP2S1、ATP6V1B1、BSND、CA2、CASR、CLCNKA、CLCNKB、CLDN16、CLDN19、FXYD2、GNA11、HNF1B、HSD11B2、KCNJ1、KCNJ10、KLHL3、MAGED2、NR3C2、SCNN1A、SCNN1B、SCNN1G、SLC12A1、SLC12A2、SLC12A3、SLC26A3、SLC4A1、SLC4A4、WNK1、WNK4)をまとめて検査します。

「バーター症候群 NGSパネル検査」は、バーター症候群および関連疾患の遺伝的原因をお持ちの方を見つける可能性を高められると同時に、現在および将来的に活用できる情報を提供します。

どんな人が受けたらいいの?

【バーター症候群の個人歴または家族歴のある方】に
「バーター症候群 NGSパネル検査」を受けることをおすすめします。

この検査は以下のような方に適しています:
・低カリウム血症が持続している方
・代謝性アルカローシスがある方
・高レニン・高アルドステロン血症があるが血圧が正常~低値の方
・多飲・多尿の症状がある方
・成長障害・低身長がある方
・羊水過多で出生した方
・早産・低出生体重児として出生した方
・感音性難聴を伴う方
・腎石灰化症がある方
・バーター症候群またはギッテルマン症候群の家族歴がある方
・将来子どもを持つことを考えている保因者の方で、リスク評価を希望される方

このパネル検査は、血液、抽出DNA、頬粘膜スワブ、または唾液検体で実施可能です。モザイク現象の検出は目的としておらず、腫瘍組織での検査は適応外です。

検査で得られる患者さんの潜在的利益は?

遺伝子検査により原因が判明すると、バーター症候群の診断確定や、適切な治療・管理方針の決定に役立ちます。また、リスクが判明した場合には、適切な電解質管理、薬物療法、生活習慣の改善、定期的なモニタリングを行うことができます。

遺伝子検査により以下の利益が期待できます:
・適切な診断の確立または確認
・ギッテルマン症候群や他の電解質異常疾患との鑑別
・病型に応じた適切な治療法の選択
・NSAIDsの使用適応の判断(バーター症候群で有効)
・腎機能障害のリスク評価と管理
・難聴などの合併症の早期発見
・成長障害に対する適切な介入
・疾患の進行予測と長期的な管理計画の立案
・追加の関連症状のリスクの特定
・関連リソースやサポートへの患者の接続
・より個別化された治療と症状管理
・家族の危険因子に関する情報提供
・家族計画のためのオプション提供
・出生前・着床前診断の選択肢提供

患者さんで病原性変異が同定された場合、常染色体劣性遺伝のため、兄弟姉妹が発症するリスクは25%、保因者となるリスクは50%です。家族を検査することでそのリスクを明らかにすることが重要です。

対象遺伝子

詳しくはこちら

AP2S1, ATP6V1B1, BSND, CA2, CASR, CLCNKA, CLCNKB, CLDN16, CLDN19, FXYD2, GNA11, HNF1B, HSD11B2, KCNJ1, KCNJ10, KLHL3, MAGED2, NR3C2, SCNN1A, SCNN1B, SCNN1G, SLC12A1, SLC12A2, SLC12A3, SLC26A3, SLC4A1, SLC4A4, WNK1, WNK4 ( 29遺伝子 )

各遺伝子の詳細:
・SLC12A1遺伝子:
Na-K-2Cl共輸送体(NKCC2)をコードする遺伝子。バーター症候群1型の原因。ヘンレ係蹄の太い上行脚で発現し、NaCl再吸収に重要な役割を果たします。

・KCNJ1遺伝子:
腎外髄カリウムチャネル(ROMK)をコードする遺伝子。バーター症候群2型の原因。カリウムの分泌に関与します。

・CLCNKB遺伝子:
塩素イオンチャネル(ClC-Kb)をコードする遺伝子。バーター症候群3型の原因。ヘンレ係蹄の太い上行脚と遠位尿細管に発現します。

・BSND遺伝子:
バーチンをコードする遺伝子。バーター症候群4型の原因。ClC-KaおよびClC-Kbチャネルの機能発現に必要で、変異により感音性難聴を必発で伴います。

・CLCNKA遺伝子:
塩素イオンチャネル(ClC-Ka)をコードする遺伝子。CLCNKB遺伝子と同時に変異がある場合、バーター症候群4b型(5型)となります。

・CASR遺伝子:
カルシウム感知受容体をコードする遺伝子。低カルシウム血症を伴うバーター症候群の原因となります。

・SLC12A3遺伝子:
Na-Cl共輸送体(NCCT)をコードする遺伝子。ギッテルマン症候群の原因。遠位尿細管でのNaCl再吸収に関与します。

・ATP6V1B1遺伝子:
H⁺-ATPaseのサブユニットをコードする遺伝子。遠位尿細管での酸分泌に関与し、難聴を伴うことがあります。

・SCNN1A, SCNN1B, SCNN1G遺伝子:
上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)のサブユニットをコードする遺伝子。偽性低アルドステロン症1型(PHA1)の原因となります。

・NR3C2遺伝子:
ミネラルコルチコイド受容体をコードする遺伝子。偽性低アルドステロン症1型の原因となります。

・WNK1, WNK4遺伝子:
WNKキナーゼファミリーをコードする遺伝子。偽性低アルドステロン症2型(Gordon症候群)やバーター症候群類似の病態の原因となります。

・KLHL3遺伝子:
Kelch様タンパク質3をコードする遺伝子。偽性低アルドステロン症2型の原因となります。

・HSD11B2遺伝子:
11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ2型をコードする遺伝子。見かけのミネラルコルチコイド過剰症候群(AME)の原因となります。

・CLDN16, CLDN19遺伝子:
クローディンをコードする遺伝子。家族性低マグネシウム血症の原因となり、バーター症候群類似の症状を呈します。

・FXYD2遺伝子:
Na-K-ATPaseの制御サブユニットをコードする遺伝子。低マグネシウム血症を伴う尿細管異常の原因となります。

・KCNJ10遺伝子:
内向き整流性カリウムチャネルをコードする遺伝子。EAST/SeSAME症候群の原因となります。

・CA2遺伝子:
炭酸脱水酵素IIをコードする遺伝子。骨硬化症と尿細管性アシドーシスを伴う症候群の原因となります。

・SLC4A1遺伝子:
陰イオン交換体1(AE1)をコードする遺伝子。遠位尿細管性アシドーシスの原因となります。

・SLC4A4遺伝子:
ナトリウム-重炭酸イオン共輸送体をコードする遺伝子。近位尿細管性アシドーシスの原因となります。

・SLC26A3遺伝子:
塩素/重炭酸イオン交換体をコードする遺伝子。先天性塩素性下痢症の原因となります。

・HNF1B遺伝子:
肝細胞核因子1βをコードする遺伝子。腎嚢胞・糖尿病症候群(RCAD)の原因となり、電解質異常を伴うことがあります。

・GNA11遺伝子:
Gタンパク質α11サブユニットをコードする遺伝子。低カルシウム血症と関連します。

・MAGED2遺伝子:
MAGE family member D2をコードする遺伝子。X連鎖性の電解質異常の原因となります。

・AP2S1遺伝子:
アダプタータンパク質複合体2のσ1サブユニットをコードする遺伝子。家族性高カルシウム血症性低カルシウム尿症3型の原因となります。

・SLC12A2遺伝子:
Na-K-2Cl共輸送体(NKCC1)をコードする遺伝子。難聴などの症状と関連します。

カバレッジ

カバレッジとは、遺伝子検査においてDNA配列がどの程度正確に読み取られたかを示す指標です。「20x」は同じ部位を20回読み取ることを意味し、読み取り回数が多いほど検査の精度が高くなります。

≥99% at 20x(読み取り深度平均20回以上)
これは、検査対象遺伝子の99%以上の領域を、20回以上の高い精度で読み取ることができることを示しています。

検体

血液(EDTAチューブ4ml×2本、紫色キャップ)、抽出DNA(EBバッファー中3μg)、頬粘膜スワブ、唾液(要請により採取キット提供)

※唾液・口腔粘膜擦過組織・血液いずれもオンライン診療が可能です。
 ほとんどの検査は唾液・口腔粘膜擦過組織で実施できます。
 血液検体の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします。
 オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行った後、検体を当院にお送りいただく流れとなります。
 検体採取キットは検査料金をお支払いいただいた後にお送りいたします。ご自身で勝手に検体を採取しないでください。

検査の限界

詳しくはこちら

すべての配列決定技術には限界があります。この分析は次世代シーケンシング(NGS)により実施され、コード領域とスプライス接合部の検査を目的として設計されています。次世代シーケンシング技術と当院のバイオインフォマティクス分析により、偽遺伝子配列やその他の高度に相同な配列の寄与は大幅に減少しますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において病原性変異体対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を時に妨げる可能性があります。

低品質スコアの変異確認および被覆標準を満たすためにサンガー配列決定が使用されます。注文された場合、欠失/重複分析は、1つの完全な遺伝子(頬粘膜スワブ検体および全血検体)および2つ以上の連続するエキソンサイズ(全血検体のみ)のゲノム領域の変化を同定できます。単一エキソンの欠失または重複が時に同定される場合がありますが、この検査では日常的に検出されません。同定された推定欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)により確認されます。

この検査では、疾患を引き起こす可能性がある特定のタイプのゲノム変化は検出されません。これには、転座や逆位、反復伸長(例:三塩基またはヘキサ塩基)、ほとんどの調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エキソンから20bp以上)の変化が含まれますが、これらに限定されません。この検査は体細胞モザイクまたは体細胞変異の検出を目的として設計または検証されていません。

※この検査パネルでは、29の原因遺伝子のみを対象としています。検査で病原性変異が検出されなくても、疾患を完全に否定することはできません。また、二次的要因や他の先天性尿細管異常症に伴う偽性バーター症候群、偽性ギッテルマン症候群の可能性も考慮する必要があります。

結果が出るまでの期間

2~3週間
※至急オプションを利用すると、結果が出るまでの期間が約7日短くなります。

料金

税込み275,000円
遺伝カウンセリング料金は別途30分16,500円(税込)

よくあるご質問

どのような症状があれば検査を受けるべきですか?
低カリウム血症と代謝性アルカローシスが持続している方、高レニン・高アルドステロン血症があるが血圧が正常~低値の方におすすめします。また、多飲・多尿、成長障害、羊水過多で出生した方、感音性難聴を伴う方も検査をご検討ください。家族に同様の症状がある場合も重要な手がかりとなります。
検査はどのように行いますか?
血液採取(4ml×2本)または唾液・頬粘膜スワブで検査可能です。唾液や頬粘膜の場合はオンライン診療も可能で、遠方の方でもクリニックにお越しいただかずに検査を受けられます。
ギッテルマン症候群との違いは何ですか?
従来、バーター症候群とギッテルマン症候群は別の疾患として分類されていましたが、近年はこれらを「遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症」として一つの疾患概念で捉える傾向にあります。当検査により原因遺伝子を特定することで、より正確な診断と病型分類が可能になります。
家族も検査を受ける必要がありますか?
バーター症候群は大多数が常染色体劣性遺伝形式をとります。ご両親がともに保因者である場合、兄弟姉妹が発症するリスクは25%、保因者となるリスクは50%です。ご家族の検査により、将来の家族計画に重要な情報を提供できます。
検査で異常が見つからなかった場合はどうなりますか?
検査で病原性変異が検出されなくても、疾患を完全に否定することはできません。二次的要因による偽性バーター症候群の可能性や、未だ同定されていない原因遺伝子の可能性もあります。臨床症状と生化学検査に基づいた診断と管理が引き続き重要です。
保険は適用されますか?
当検査は自費診療となり、保険適用外です。費用は税込み275,000円、別途遺伝カウンセリング料金(30分16,500円)が必要です。
結果はどのように説明されますか?
検査結果は遺伝カウンセリングにて詳しくご説明いたします。結果の意味、今後の対応、ご家族への影響、治療・管理選択肢などについて、専門的な観点から分かりやすくお伝えします。
子どもや将来の妊娠への影響はありますか?
常染色体劣性遺伝のため、患者さんご本人からお子さんに遺伝する可能性はほとんどありません。ただし、両親がともに保因者である場合、次の子どもが発症する確率は25%です。検査結果により、出生前診断や着床前診断など、将来の家族計画についてもご相談いただけます。
バーター症候群の治療はどのように行われますか?
現在のところ根本的な治療法はありませんが、電解質補充(カリウム、ナトリウム、マグネシウム)、NSAIDs(インドメタシンなど)、カリウム保持性利尿薬、成長ホルモン療法などが行われます。生涯にわたる電解質管理と定期的なモニタリングが必要です。
予後はどうですか?
適切な治療と管理により、多くの患者さんは日常生活を維持できます。ただし、バーター症候群の一部は末期腎不全に進行するリスクがあります。特に新生児型では腎機能障害のリスクが高くなります。ギッテルマン症候群は比較的軽症で、腎予後は良好です。
他の医療機関での検査との違いは何ですか?
当院では臨床的に重要な29の原因遺伝子を一度に検査でき、従来の単一遺伝子検査と比べて費用・時間を短縮できます。また、臨床遺伝専門医が常駐しており、すべての患者さんに対して専門医が必ず診療と遺伝カウンセリングを行います。オンライン診療にも対応しており、全国どこからでも専門的な診療を受けることが可能です。


プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。

仲田洋美のプロフィールはこちら