AP2S1, ATP6V1B1, BSND, CA2, CASR, CLCNKA, CLCNKB, CLDN16, CLDN19, FXYD2, GNA11, HNF1B, HSD11B2, KCNJ1, KCNJ10, KLHL3, MAGED2, NR3C2, SCNN1A, SCNN1B, SCNN1G, SLC12A1, SLC12A2, SLC12A3, SLC26A3, SLC4A1, SLC4A4, WNK1, WNK4 ( 29遺伝子 )
各遺伝子の詳細:
・SLC12A1遺伝子:
Na-K-2Cl共輸送体(NKCC2)をコードする遺伝子。バーター症候群1型の原因。ヘンレ係蹄の太い上行脚で発現し、NaCl再吸収に重要な役割を果たします。
・KCNJ1遺伝子:
腎外髄カリウムチャネル(ROMK)をコードする遺伝子。バーター症候群2型の原因。カリウムの分泌に関与します。
・CLCNKB遺伝子:
塩素イオンチャネル(ClC-Kb)をコードする遺伝子。バーター症候群3型の原因。ヘンレ係蹄の太い上行脚と遠位尿細管に発現します。
・BSND遺伝子:
バーチンをコードする遺伝子。バーター症候群4型の原因。ClC-KaおよびClC-Kbチャネルの機能発現に必要で、変異により感音性難聴を必発で伴います。
・CLCNKA遺伝子:
塩素イオンチャネル(ClC-Ka)をコードする遺伝子。CLCNKB遺伝子と同時に変異がある場合、バーター症候群4b型(5型)となります。
・CASR遺伝子:
カルシウム感知受容体をコードする遺伝子。低カルシウム血症を伴うバーター症候群の原因となります。
・SLC12A3遺伝子:
Na-Cl共輸送体(NCCT)をコードする遺伝子。ギッテルマン症候群の原因。遠位尿細管でのNaCl再吸収に関与します。
・ATP6V1B1遺伝子:
H⁺-ATPaseのサブユニットをコードする遺伝子。遠位尿細管での酸分泌に関与し、難聴を伴うことがあります。
・SCNN1A, SCNN1B, SCNN1G遺伝子:
上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)のサブユニットをコードする遺伝子。偽性低アルドステロン症1型(PHA1)の原因となります。
・NR3C2遺伝子:
ミネラルコルチコイド受容体をコードする遺伝子。偽性低アルドステロン症1型の原因となります。
・WNK1, WNK4遺伝子:
WNKキナーゼファミリーをコードする遺伝子。偽性低アルドステロン症2型(Gordon症候群)やバーター症候群類似の病態の原因となります。
・KLHL3遺伝子:
Kelch様タンパク質3をコードする遺伝子。偽性低アルドステロン症2型の原因となります。
・HSD11B2遺伝子:
11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ2型をコードする遺伝子。見かけのミネラルコルチコイド過剰症候群(AME)の原因となります。
・CLDN16, CLDN19遺伝子:
クローディンをコードする遺伝子。家族性低マグネシウム血症の原因となり、バーター症候群類似の症状を呈します。
・FXYD2遺伝子:
Na-K-ATPaseの制御サブユニットをコードする遺伝子。低マグネシウム血症を伴う尿細管異常の原因となります。
・KCNJ10遺伝子:
内向き整流性カリウムチャネルをコードする遺伝子。EAST/SeSAME症候群の原因となります。
・CA2遺伝子:
炭酸脱水酵素IIをコードする遺伝子。骨硬化症と尿細管性アシドーシスを伴う症候群の原因となります。
・SLC4A1遺伝子:
陰イオン交換体1(AE1)をコードする遺伝子。遠位尿細管性アシドーシスの原因となります。
・SLC4A4遺伝子:
ナトリウム-重炭酸イオン共輸送体をコードする遺伝子。近位尿細管性アシドーシスの原因となります。
・SLC26A3遺伝子:
塩素/重炭酸イオン交換体をコードする遺伝子。先天性塩素性下痢症の原因となります。
・HNF1B遺伝子:
肝細胞核因子1βをコードする遺伝子。腎嚢胞・糖尿病症候群(RCAD)の原因となり、電解質異常を伴うことがあります。
・GNA11遺伝子:
Gタンパク質α11サブユニットをコードする遺伝子。低カルシウム血症と関連します。
・MAGED2遺伝子:
MAGE family member D2をコードする遺伝子。X連鎖性の電解質異常の原因となります。
・AP2S1遺伝子:
アダプタータンパク質複合体2のσ1サブユニットをコードする遺伝子。家族性高カルシウム血症性低カルシウム尿症3型の原因となります。
・SLC12A2遺伝子:
Na-K-2Cl共輸送体(NKCC1)をコードする遺伝子。難聴などの症状と関連します。