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スクリーニング検査

スクリーニング検査

スクリーニング検査は、病気の症状が出ていない人の健康障害や病気の可能性を発見するために行われるものです。その目的は、早期発見とライフスタイルの変更またはサーベイランス、病気のリスクの低減、または最も効果的な治療のための早期発見です。スクリーニング検査は診断とはみなされませんが、疾患の有無を判断するために追加検査を受けるべき集団の一部を特定するために行われます。

スクリーニング検査はしばしば診断検査の前に使用され、病気の早期の証拠を発見することを意図して、固定された特徴や性質に応じて病気の可能性のある人を分離するように設計されているものをいいます。

スクリーニング検査の定義は、「迅速に実施可能な検査・手技を用いて無自覚の疾病または障害を暫定的に識別すること」 と記載されています。
The CCI Conference on Prevention Aspects of Chronic Disease, 1951

迅速に実施可能な検査その他の手技(視診・聴診・触診・打診・問診)により、無自覚の疾病罹患者または異常所見がある者を暫定的に識別すること。
したがって、スクリーニング検査だけでは疾病の診断はできません。

スクリーニング検査で正常の範囲にないと識別された個体に対する精密検査によって、最終診断を確定し、早期治療に役立てる(二次予防)や、ハイリスクの人たち(群)を検出する(一次予防)ことを意図しています。

よいスクリーニング検査の条件

有効性Validity
感度と特異度が高いこと
感度Sensitivity(ST):罹患している者を陽性または異常と判定する確率
特異度Specificity(SP):罹患していない者を陰性または異常なしと判定する確率
信頼性Reliability
検査方法による変動、測定者による変動、複数回の検査の不一致が少ないこと
簡易性Simlicity
簡単で短時間に実施可能。
費用Cost
費用対効果がよいこと。

臨床検査の精度

臨床検査の精度とは一般的には感度と特異度をさします。

感度・特異度の求め方

 疾患陽性疾患陰性
検査陽性ab
検査陰性cd

感度 a/(a+c)
特異度 d/(b+d)
陽性的中率 a/(a+b)
陰性的中率 c/(c+d)

感度(かんど)とは

ある検査について「陽性と判定されるべきものを正しく陽性と判定する確率」として定義されます。
感度 = 真陽性の数 / 本当に陽性の人の合計

特異度(とくいど)とは

ある検査について「陰性と判定されるべきものを正しく陰性と判定する確率」として定義されます。
特異度 = 真陰性の数 / 本当に陰性の人の合計

陽性的中率(ようせいてきちゅうりつ)とは

英語ではPositive Predictive Value(PPV)といい、検査において「陽性と判定された場合に、真の陽性である確率」として定義されている検査の事後確率です。
陽性適中率 =真陽性の数/検査陽性の数

陰性的中率(いんせいてきちゅうりつ)とは

英語ではNegative Predictive Value(NPV)といい、検査において「陽性と判定された場合に、真の陽性である確率」として定義されている検査の事後確率です。
陰性適中率 =真陰性の数/検査陰性の数

この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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