残基(Residue)は、生化学や分子生物学などの科学分野で使用される用語で、タンパク質や核酸の構造において重要な概念です。残基は以下の2つの主要な文脈で使用されます。
●タンパク質の残基(アミノ酸残基):
タンパク質はアミノ酸と呼ばれる基本的な化学物質から構成されています。
タンパク質の構造はアミノ酸が鎖状に連なったもので、各アミノ酸はポリペプチド鎖内の位置を表す「残基」として考えられます。
タンパク質の機能や立体構造の解析では、残基の配置や性質が重要です。たとえば、特定の残基がタンパク質の活性部位を形成したり、相互作用したりすることがあります。
●核酸の残基(ヌクレオチド残基):
核酸(DNAやRNA)も、ヌクレオチドと呼ばれる基本単位から構成されます。
核酸鎖はヌクレオチドが連なったもので、各ヌクレオチドは「残基」として扱われます。
核酸の配列は、ヌクレオチド残基の順序によって決まり、遺伝情報を保持します。DNAの塩基配列やRNAの塩基配列が残基の配置によって記述されます。
つまり、残基は生物分子(タンパク質や核酸)の構造を記述し、それらの分子がどのように機能するかを理解する上で重要な単位です。残基の種類、配置、相互作用は生物学的プロセスや分子の挙動を理解する鍵となります。
この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号