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酸素流量、FiO2

酸素流量、FiO2

肺炎になったりすると、酸素飽和度を維持するために、より多くの酸素が必要となることがあります。このような場合には、経鼻から人工呼吸器まで、さまざまな酸素供給装置を使って酸素を投与して治療します。

患者さんに補助酸素を投与する際には、2つの重要なポイントがあります。酸素流量とFiO2です。

酸素流量は、酸素流量計に表示される数値で、通常は1~15L/minの間です。

FiO2(the fraction of inspired oxygen 吸気酸素分率)は、人が吸い込む酸素の割合または濃度として定義されます。

たとえば私たちが日常的に吸い込んでいる大気は、21%の酸素、78%の窒素、1%の微量元素(アルゴン、二酸化炭素、ネオン、ヘリウム、メタンなど)で構成されているので、空気のFiO2は21%という事になります。

それでは、酸素流量計からの酸素のFiO2はどうかんがえたらいいのでしょうか?酸素流量計は、酸素ボトルまたは医療用壁掛け式の酸素供給装置に接続されていますので、この酸素は純度が高く、100%の酸素です。そのため、酸素流量計から供給される酸素のFiO2は100%です。

しかし、以下のことを考える必要があります。
酸素流量を〇L/minに設定した場合、〇L/minの100%酸素が得られます。
でも、鼻孔から1L/minの酸素を投与されている患者さんは、実際にはFiO2が100%の状態で呼吸しているわけではありません。ヒトの通常の吸気最大流量は20〜30L/minの範囲内にあります。このピーク吸気流量で通常の呼吸速度で呼吸すると、呼吸筋は快適で疲れません。ここで、「呼吸が苦しい」または「呼吸の仕事が増えた」患者を考えてみましょう。彼らは、より速く、より深く呼吸して体に必要な酸素を確保しようとします。

これはピーク吸気流量要求量が増加していることを意味します。

FiO2が100%の状態で、フェイスマスクから10L/minの酸素を吸入しているとき、通常のピーク吸気流量は30L/minですが、10L/minの酸素がフェイスマスクを介して顔に吹き付けられています。したがって、必要な吸気流量を満たすためには、さらに20L/minが必要になり、この量をFiO2が21%の周囲の大気から吸うことになります。

(10×1)+(20×0.21)/ 30 = 0.47

がこの場合のFiO2となります。

患者の吸気流量の要求と、室内空気中のFiO2 21%で供給される純酸素をどれだけ「希釈」したかで経鼻やフェイスマスクによる酸素投与の実際のFiO2は変化するため、患者のピーク吸気流量を正確に把握しない限り、患者のFiO2を正確に把握することはできません。

患者の酸素飽和度を高めるのは、酸素流量ではなく、FiO2 の増加であり、一貫した FiO2 を維持するためには、患者のピーク吸気要求が変われば、酸素流量の要求も変わることを理解すべきです。

また、低酸素は良いことではありませんが、FiO2 が多すぎてもいけません。酸素による組織傷害もあるためです。

効果的な酸素療法においては、患者の正常な酸素飽和度を達成するために最低のFiO2を供給することとのバランスをとることが非常に重要となります。

この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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