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上皮組織とは?上皮の種類一覧(単層扁平・重層扁平・円柱・多列線毛・移行上皮)と覚え方、場所と働き、表皮との違い、上皮性の意味、上皮にかかわる遺伝の病気まで臨床遺伝専門医が解説

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

上皮組織(じょうひそしき)とは、体の外側の表面や、消化管・気道・血管などの管や体の中の空間の内側を覆う、細胞がすき間なく並んだシート状の組織です。腺(汗やホルモンなどを出す器官)も上皮からできています。上皮の種類は「細胞の並び方(単層・重層・多列)」と「細胞の形(扁平・立方・円柱)」の組み合わせで名前が決まり、名前を見れば場所と働きの見当がつきます。この記事では、上皮組織の種類一覧と覚え方、表皮・内皮・中皮との違い、「上皮性」の意味、そして上皮の部品が生まれつき働かないことで起こる遺伝の病気までを、臨床遺伝専門医が解説します。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. 上皮組織とは何ですか?

体の表面や、管・体腔の内側を覆う細胞のシートです。細胞どうしが密につながり、下の組織とは基底膜で仕切られています。血管はほとんどなく、守る・吸収する・分泌するなどの働きをします。

🧬 Q. 上皮の種類は?

「並び方×形」で名前が決まります。単層扁平上皮(血管・肺胞)、単層立方上皮(腎臓の尿細管)、単層円柱上皮(消化管)、多列線毛円柱上皮(気道)、重層扁平上皮(皮膚・口・食道)、移行上皮(膀胱・尿管)が代表です。

🧬 Q. 上皮と表皮の違いは?

上皮は体中の「覆う組織」の総称で、表皮は皮膚のいちばん外側にある上皮(角化した重層扁平上皮)を指します。表皮は上皮の一種です。

🧬 Q. 「上皮性」とはどういう意味ですか?

「上皮から生じた・上皮の性質をもつ」という意味です。たとえば上皮性の悪性腫瘍が「癌腫(がんしゅ)」です。一方、非上皮性の悪性腫瘍には、骨・軟部組織などに生じる肉腫のほか、リンパ腫なども含まれます。

この記事でわかること
📖 読了時間:約14分
🧬 上皮組織・種類・表皮・上皮性
★ 臨床遺伝専門医監修
  • ➤上皮組織とは → 体の表面と管の内側を覆う細胞のシート(読み方:じょうひそしき)
  • ➤種類 → 並び方(単層・重層・多列)×形(扁平・立方・円柱)+移行上皮
  • ➤覚え方 → 「場所→役目→形」の順につなげると忘れにくい
  • ➤表皮・内皮・中皮 → どれも上皮の一種。覆っている場所が違う
  • ➤遺伝とのつながり → 表皮水疱症・嚢胞性線維症・原発性線毛機能不全症は、上皮の部品の遺伝子の病気

上皮組織の種類一覧と覚え方を、並び方と細胞の形の組み合わせで示したインフォグラフィック

1. 上皮組織とは?読み方・意味と4つの基本組織

上皮組織とは、体の外側の表面を覆い、体の中の空間や通り道の内側を裏打ちし、さらに一部の腺をつくる、細胞のシートのことです。読み方は「じょうひそしき」、英語では epithelial tissue、組織そのものを指すときは epithelium(エピシーリアム)といいます。単に「上皮(じょうひ)」と呼ぶことも多く、意味は同じです。

体をつくる4つの基本組織のひとつ

人の体の組織は、上皮組織・結合組織・筋組織・神経組織の4つに大きく分けられます。解剖学の教科書では、上皮組織は「体の外表面を覆い、内腔や通路の内側を裏打ちし、腺をつくる細胞のシート」、結合組織は「細胞や器官をつなぎ合わせる組織」と説明されています[1]。筋組織と神経組織は、どちらも刺激に反応する「興奮性」をもつのが特徴です[1]。

この4つの組織が組み合わさって、胃や肺、皮膚などの器官ができています。たとえば胃は、内側の粘膜が上皮、その下を支えるのが結合組織、食べ物を動かす壁が筋組織、働きを調節するのが神経組織、という組み立てです。上皮は、どの器官でも「外の世界と接する最前線」を担っています。

📘 4つの基本組織の違い

組織 主な働き 特徴
上皮組織 覆う・守る・吸収する・分泌する 細胞が密に並び、細胞と細胞の間の物質がほとんどない。血管がほぼない
結合組織 つなぐ・支える 細胞の間に線維などの物質が多い(骨・軟骨・血液も含まれる)
筋組織 縮んで動かす 刺激に反応して収縮する
神経組織 情報を伝える 電気的な信号(神経インパルス)を伝える

※OpenStax Anatomy and Physiology 2e[1][2]をもとに作成。

上皮組織の特徴:密・血管がない・基底膜・向きがある

上皮組織には、ほかの組織と見分けるための共通の特徴が5つあります。どれも「境界をつくる組織」という役割から説明がつきます。

1つ目は、細胞が密に並び、細胞の間の物質(細胞外基質)がほとんどないことです[2]。すき間だらけでは、外のものが体の中へ入り放題になってしまうからです。2つ目は、ほぼ血管がないことです[2]。上皮の細胞は、下にある結合組織の血管から、しみ出してくる栄養と酸素を受け取って生きています。

3つ目は、上皮の底が基底膜という薄い膜で下の結合組織と仕切られていることです[2]。基底膜は、上皮をつなぎとめる「のりしろ」のような役割をしています。4つ目は、細胞に「向き(極性)」があることです。外や管の中に面した側(頂端面)と、基底膜側(基底面)とで、形も働きも違います[2]。線毛などの突起は、頂端面にだけ出ています。

5つ目は、細胞どうしが特別な結合でつながっていることです。密着結合(タイトジャンクション)は隣り合う細胞の間をすき間なく封じ、細胞の間を通る物質の出入りを制限する結合で、デスモゾームは細胞膜に点々とある強い留め具です[2]。さらに、多くの上皮は傷んだ細胞や死んだ細胞をすばやく入れ替えることができます[2]。すり傷が治るときに表面が新しい上皮で覆われていくことを、医療の現場では「上皮化」と呼びます。

「上皮性」とは? 上皮性腫瘍(癌腫)と非上皮性(肉腫)

「上皮性」とは、「上皮から生じた」「上皮の性質をもつ」という意味です。医療でこの言葉がいちばんよく出てくるのは、腫瘍の分類です。腫瘍が上皮から生じたのか、上皮以外から生じたのかで、名前と性質が大きく変わるからです。

米国国立がん研究所(NCI)の教育資料では、癌腫(carcinoma)は「上皮に由来する悪性腫瘍、つまり体の内側や外側の表面を覆う組織のがん」と定義され、がん全体の80〜90%を占めるとされています[3]。癌腫には、器官や腺に生じる腺癌(せんがん)と、扁平上皮に生じる扁平上皮癌の2つの大きな型があります[3]。一方、骨・軟骨・脂肪・筋肉など、支える組織や結合組織から生じるがんは肉腫(sarcoma)と呼ばれます[3]。上皮以外から生じる悪性腫瘍には、肉腫のほかに白血病やリンパ腫など血液のがんもあり、非上皮性=肉腫というわけではありません[3]。

🔬 上皮性と非上皮性の比較(腫瘍の場合)

項目 上皮性 非上皮性
生じる組織 体の表面や管の内側を覆う上皮・腺 骨・軟骨・脂肪・筋肉など支える組織や結合組織、血液をつくる組織など
悪性腫瘍の名前 癌腫(がんしゅ):腺癌・扁平上皮癌など 肉腫(にくしゅ)、白血病・リンパ腫など
がん全体に占める割合 80〜90% 上皮性より少ない

※NCI SEER Training Modules「Cancer Classification」[3]による。

ひらがなの「がん」は悪性腫瘍全体を指し、漢字の「癌」は上皮性の悪性腫瘍(癌腫)を指す、という使い分けもよく見られます。検査結果に「上皮性」と書かれているときは、どの組織から生じたものかを示している、と読むと理解しやすくなります。

2. 上皮の種類一覧:細胞の形×並び方で名前が決まる

上皮の種類は、細胞の形と、細胞が何層に並んでいるかの2つで分類され、その組み合わせがそのまま名前になります。解剖学の教科書でも、上皮は細胞の形と層の数で分類すると説明されています[2]。

名前の決まり方:「並び方」+「形」+上皮

細胞の形は3つです。平たいうろこのような扁平(へんぺい)、さいころのような立方(りっぽう)、幅より背が高い円柱(えんちゅう)です[2]。並び方は、1層だけの単層(たんそう)と、2層以上重なった重層(じゅうそう)に分かれます[2]。これに、重なって見えるのに実は1層の「多列(偽重層)」と、伸び縮みで形が変わる「移行上皮」が加わります。

並び方単層/重層/多列
+
細胞の形扁平/立方/円柱
▶
名前例:単層扁平上皮
▶
場所と働きの見当例:薄い→物を通す

重層上皮の名前は、いちばん表面にある細胞の形で決めます。たとえば皮膚の上皮は、底のほうの細胞は丸みがあっても、表面の細胞が平たいので「重層扁平上皮」と呼びます。表面の細胞がケラチンというたんぱく質で硬くなっている(角化している)かどうかで、さらに「角化」と「非角化」に分けます。

上皮の種類一覧表(形・場所・働き)

代表的な上皮は次の表の7種類で、場所と働きはセットで覚えるのが近道です。表の場所は、教科書に記載のある代表例です[2]。

🧬 上皮組織の種類一覧

種類(読み方) 形と並び方 代表的な場所 主な働き
単層扁平上皮(たんそうへんぺいじょうひ) 平たい細胞が1層 血管・リンパ管の内側(内皮)、肺胞、漿膜の表面(中皮) ガスや物質を通す・なめらかにすべらせる
単層立方上皮(たんそうりっぽうじょうひ) さいころ形の細胞が1層 腎臓の尿細管、腺の導管 分泌・再吸収
単層円柱上皮(たんそうえんちゅうじょうひ) 背の高い細胞が1層(線毛をもつ型もある) 胃・腸などの消化管、卵管(線毛あり) 吸収・分泌、線毛で物を運ぶ
多列線毛円柱上皮(たれつせんもうえんちゅうじょうひ)=偽重層円柱上皮 高さの違う細胞が1層に並び、重なって見える 気道(鼻腔から気管・気管支) 粘液でとらえた異物を線毛でのどの方へ運ぶ
重層扁平上皮(じゅうそうへんぺいじょうひ) 何層も重なり、表面が平たい 角化:皮膚(表皮)/非角化:口の中・食道・腟 こすれや乾燥から守る
重層立方上皮・重層円柱上皮 何層も重なり、表面が立方または円柱 一部の腺や導管 導管の壁を守る
移行上皮(いこうじょうひ)=尿路上皮 重層で、伸びると平たく、縮むと厚くなる 腎盂・尿管・膀胱などの尿路 尿がたまったときに伸び広がる

※OpenStax Anatomy and Physiology 2e, 4.2 Epithelial Tissue[2]をもとに作成。

単層扁平上皮は、細胞1層ぶんの薄さしかありません。肺胞で酸素と二酸化炭素がこの上皮を通り抜けて交換されるのは、この薄さのおかげです[2]。反対に、重層扁平上皮は何層もの厚みで、こすれる場所や乾く場所を守ります。哺乳類の皮膚は、乾いた角化型の重層扁平上皮の代表例とされています[2]。

偽重層上皮(多列上皮)とは?

偽重層上皮(ぎじゅうそうじょうひ)とは、細胞が何層も重なっているように見えて、実際にはすべての細胞が基底膜についている1層の上皮です。多列上皮とも呼びます。細胞の背の高さがばらばらで、核の位置が上下にずれて並ぶため、顕微鏡で見ると重層のように見えます。

代表は気道の上皮で、表面に線毛をもつ細胞が混じっています[2]。そのため「多列線毛円柱上皮」とも呼ばれます。気道の上皮には、粘液を出す杯細胞(さかずきさいぼう)という細胞も混じっています。杯細胞は、粘膜の円柱上皮の細胞の間に点在する、粘液を出す1個の細胞でできた「腺」です[2]。吸い込んだほこりや細菌は粘液にとらえられ、線毛の動きでのどの方へ運び出されます。この仕組みが働かないと何が起こるかは、第7章の原発性線毛機能不全症で説明します。

移行上皮(尿路上皮)とは?

移行上皮とは、腎盂・尿管・膀胱などの尿路の内側を覆い、伸び縮みに合わせて形が変わる上皮です。移行上皮をつくる細胞(移行細胞)は、腎盂や尿管の内側を覆っています[4]。泌尿器の器官が広がったり伸びたりできるようにすることが、この上皮の働きです[2]。膀胱が空のときは表面の細胞が丸く厚みのある層になり、尿がたまると細胞が平たく引き伸ばされて薄い層になります。形が「移り変わる」ことから移行上皮と呼ばれ、尿の通り道を覆うことから尿路上皮とも呼ばれます。

腺上皮:外分泌腺と内分泌腺

腺は、上皮の細胞が分泌に特化して集まった構造で、分泌物の出し方で外分泌腺と内分泌腺に分かれます。外分泌腺は、管(導管)を通して分泌物を体の外や消化管の中へ出す腺です。汗腺や唾液腺がその例です。内分泌腺は管をもたず、分泌物を周りの組織や体液の中へ直接出す腺で、その分泌物がホルモンです[2]。

教科書が上皮組織を「腺をつくる組織」とも定義しているのはこのためで、腺の導管にも単層立方上皮や重層立方上皮・重層円柱上皮がみられます[1][2]。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【名前は「設計図」として読む】

上皮の名前は暗記の対象と思われがちですが、私は「その場所に何が求められているかを書いた設計図」だと考えています。物を通したい場所は薄い単層、守りたい場所は厚い重層、物を運びたい場所は線毛つき、伸びたい場所は移行上皮、と形が役目に合わせて決まっているからです。

この見方は遺伝学にもつながります。上皮の形と働きを保っているのは、細胞どうしや基底膜をつなぐたんぱく質、線毛を動かすたんぱく質などで、その一つひとつに設計図となる遺伝子があります。どこかの部品が生まれつき作られないと、その上皮が担う役目の部分に症状が出ます。上皮の種類を知っておくと、遺伝の病気の症状がどこに出るかも理解しやすくなると考えています。

3. 上皮組織の覚え方:「場所→役目→形」でつなげる

上皮組織は、名前を丸暗記するより「場所→そこで求められる役目→その役目に合う形」の順につなげて覚えると忘れにくくなります。語呂合わせは名前を思い出す助けになりますが、試験では「なぜその場所にその上皮があるのか」が問われることも多いため、理由とセットで覚えておくと応用がききます。

🧠 「場所→役目→形」で覚える上皮組織

場所 求められる役目 だからこの形
肺胞・血管 物をすばやく通す いちばん薄い単層扁平上皮
腎臓の尿細管 必要な物を取り戻す(再吸収) 細胞の中に仕事場がある単層立方上皮
胃・腸 消化液を出す・栄養を吸収する 背の高い単層円柱上皮
気管・気管支 異物を運び出す 線毛と粘液をもつ多列線毛円柱上皮
皮膚・口・食道 こすれ・乾燥から守る 厚く重なる重層扁平上皮(皮膚は角化)
膀胱・尿管 伸び縮みする 形が変わる移行上皮

※場所はOpenStax[2]の記載による。覚え方の並べ方は当院で作成。

もう一つのコツは、「口から肛門まで」「鼻から肺まで」のように、通り道をたどって上皮の変わり目を覚えることです。口の中と食道は食べ物がこすれるので重層扁平上皮、胃から先は消化と吸収をする円柱上皮、と切り替わります。気道は、鼻から気管支までが多列線毛円柱上皮で、ガス交換をする肺胞で単層扁平上皮になります。通り道ごとに「どこで役目が変わるか」を意識すると、上皮の名前も自然に入ってきます。

看護師・臨床検査技師・管理栄養士などの国家試験では、「最も伸縮性が高い上皮はどれか」(答え:移行上皮)、「気管の上皮はどれか」(答え:多列線毛円柱上皮)のように、場所と働きの組み合わせが問われることがあります。上の表の3列をつなげて言えるようにしておくと、どの聞かれ方にも対応できます。

4. 上皮と表皮・内皮・中皮の違い

表皮・内皮・中皮は、どれも上皮の一種で、覆っている場所によって呼び名が変わっているだけです。上皮がいちばん大きなくくりで、その中に表皮・内皮・中皮が含まれる、という関係です。

📋 上皮・表皮・内皮・中皮の違い

名前(読み方) 覆っている場所 上皮の種類
上皮(じょうひ) 体の表面、管や体腔の内側、腺(総称) すべての種類を含む
表皮(ひょうひ) 皮膚のいちばん外側の層 角化した重層扁平上皮
内皮(ないひ) 血管・リンパ管の内側 単層扁平上皮
中皮(ちゅうひ) 胸膜・腹膜・心膜などの漿膜の表面 単層扁平上皮

※OpenStax[2]による。

上皮と表皮の違いは?

表皮は皮膚の上皮だけを指す言葉で、上皮は体中の覆う組織すべてを指す言葉です。皮膚は、外側の表皮と、その下の真皮という結合組織からできています。表皮は、表面の細胞が角化した重層扁平上皮で、乾燥やこすれ、細菌の侵入から体を守ります[2]。

「上皮」と「表皮」は漢字が似ているため混同されがちですが、「表皮は上皮の一種」と覚えておけば迷いません。口の中や食道の上皮も同じ重層扁平上皮ですが、角化していないため表皮とは呼びません。

内皮・中皮とは?

内皮は血管とリンパ管の内側を覆う単層扁平上皮、中皮は漿膜の表面をつくる単層扁平上皮です。どちらも細胞1層の薄い上皮で、教科書でも単層扁平上皮の例として挙げられています[2]。内皮は血液がなめらかに流れる面をつくり、中皮は肺や腸などの臓器が胸や腹の中でこすれ合わずに動けるようにしています。

血管の内皮は、皮膚や消化管の上皮とは生まれ方が違い、中胚葉からできます[2]。上皮がどの胚葉から生まれるかは第6章で説明します。

5. 上皮細胞の表面の構造:微絨毛と線毛の違い

上皮細胞の表面には、吸収の面積を広げる微絨毛と、物を運んだり外の信号を感じ取ったりする線毛があります。どちらも細胞の頂端面(外や管の中に面した側)に出ています。線毛には、気道や卵管で動いて物を運ぶ線毛と、動かずに信号を受け取る一次線毛があります。

微絨毛(びじゅうもう)は、長さ1µmほどの細胞膜の細かい突起で、中を細いアクチンの線維が支えています[5]。小腸の上皮では微絨毛がびっしり並び、顕微鏡では刷毛(はけ)のように見えるため「刷子縁(さっしえん)」と呼ばれます。微絨毛は細胞膜の表面積を大きく広げることで吸収を高め、表面についた酵素が糖やたんぱく質の消化の仕上げもしています[5]。微絨毛は自分では動きません。

線毛(せんもう)は、細胞膜が外へ伸びた突起で、中を微小管という管状の骨組みが支えています[2]。「繊毛」と書くこともあります。気道や卵管の上皮の線毛は、波打つように一方向へ打ち続け、気道では粘液をのどの方へ、卵管では卵子を子宮の方へ運びます。運動会の大玉送りで、並んだ人が手で玉を送っていく様子を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。

🔍 微絨毛と線毛の違い

項目 微絨毛 線毛
中の骨組み アクチンの線維(マイクロフィラメント) 微小管
動くか 動かない 気道・卵管などの線毛は動く
主な働き 表面積を広げて吸収を高める 粘液や卵子を一方向へ運ぶ
代表的な場所 小腸の上皮(刷子縁) 気道(鼻〜気管支)、卵管

※OpenStax[2][5]による。

線毛には、気道の線毛のように動くもののほかに、動かずにアンテナのように外の信号を受け取る一次線毛もあります。線毛のつくりや働きの異常で起こる病気をまとめてシリオパチー(線毛病)と呼び、全身のさまざまな器官に症状が出ることがあります。

6. 上皮はどこからできる?外胚葉・内胚葉・中胚葉とのつながり

上皮は、受精卵から体ができていく途中にできる3つの胚葉(外胚葉・中胚葉・内胚葉)のすべてから生まれる、珍しい組織です。神経組織はおもに外胚葉から、筋組織はおもに中胚葉からできるのに対し、上皮組織は3つの胚葉すべてからできます[1]。

🌱 胚葉と上皮の対応

胚葉 その胚葉からできる上皮の例
外胚葉 皮膚、口や鼻の一部、肛門を覆う上皮
内胚葉 気道と、消化管の大部分を覆う上皮
中胚葉 血管・リンパ管の内側を覆う上皮(内皮)など

※OpenStax[2]による。

この表から、同じ「上皮」でも生まれが違うことがわかります。皮膚の表皮と気道の上皮は見た目も働きも違いますが、それはもともと別の胚葉から来ているからでもあります。生まれつきの病気では、ある胚葉からできる組織にまとめて症状が出ることがあり、皮膚・毛・歯・汗腺などに症状が出る病気のまとまりは外胚葉異形成症と呼ばれます。

上皮の細胞は、ふだんは細胞どうしが強く結びついたシートですが、発生の途中や傷が治るとき、またがんが広がるときには、結びつきをゆるめて動き回る性質(間葉系の性質)に変わることがあります。この変化を上皮間葉転換(EMT)といいます。詳しくは上皮間葉転換(EMT)の解説をご覧ください。

7. 上皮にかかわる遺伝の病気(遺伝・医療とのつながり)

上皮の形と働きは、細胞どうしや基底膜をつなぐたんぱく質、物を通すチャネル、線毛を動かすたんぱく質などで保たれており、その遺伝子に生まれつきの変化があると、上皮の病気が起こります。ここでは、上皮の種類ごとに代表的な遺伝の病気を見ていきます。どの病気も「どの上皮の、どの部品が働かないか」で症状を理解できます。

🧬 上皮の部品と遺伝の病気

病気 かかわる上皮 働かない部品(遺伝子の例) 遺伝形式
表皮水疱症(栄養障害型) 皮膚の表皮と真皮のつなぎ目 Ⅶ型コラーゲン(COL7A1) 常染色体潜性(劣性)と常染色体顕性(優性)の型がある
表皮水疱症(接合部型) 表皮と下の層のつなぎ目 ラミニン332(LAMA3・LAMB3・LAMC2)、COL17A1、ITGB4 常染色体潜性(劣性)
嚢胞性線維症 気道・膵臓などの上皮、汗腺 塩化物イオンのチャネル(CFTR) 常染色体潜性(劣性)
原発性線毛機能不全症 気道の線毛上皮、卵管、精子の鞭毛 動く線毛の構造や働きにかかわるたんぱく質(DNAI1・DNAH5など、多数の原因遺伝子) 多くは常染色体潜性(劣性)

※MedlinePlus Genetics[6][7][8]、GeneReviews[9]による。

表皮水疱症:上皮と下の層をつなぐ「留め具」の病気

表皮水疱症は、表皮を下の層につなぎとめるたんぱく質が生まれつき働かないために、こすれなどのわずかな刺激で皮膚がはがれ、水ぶくれ(水疱)ができる病気です。上皮の特徴の一つ「基底膜で下の組織とつながっている」が崩れた状態と考えると理解しやすくなります。

栄養障害型表皮水疱症は、すべての型がCOL7A1遺伝子の変化で起こります。COL7A1はⅦ型コラーゲンの部品の設計図で、Ⅶ型コラーゲンは表皮をその下の層につなぎとめる「係留線維(アンカリング線維)」の主な材料です[6]。このたんぱく質がないか異常だと係留線維がうまくできず、摩擦や軽い外力で層がはがれて水疱ができます[6]。栄養障害型には、常染色体潜性(劣性)遺伝の型と常染色体顕性(優性)遺伝の型があり、顕性の型では約70%が親から受け継いだもので、残りは新生突然変異によるものとされています[6]。

接合部型表皮水疱症は、LAMA3・LAMB3・LAMC2・COL17A1・ITGB4の遺伝子の変化で起こり、常染色体潜性(劣性)遺伝です[7]。LAMA3・LAMB3・LAMC2は、表皮を下の層につなぐラミニン332というたんぱく質の部品をつくっています[7]。GeneReviewsも接合部型の原因遺伝子としてこの5つを挙げ、幽門閉鎖を伴う表皮水疱症ではまれにITGA6の変化がかかわるとしています[10]。原因となる遺伝子をまとめて調べる検査は、表皮水疱症の遺伝子パネル検査のページで説明しています。

嚢胞性線維症:上皮のチャネル(CFTR)の病気

嚢胞性線維症(のうほうせいせんいしょう)は、上皮の細胞膜で塩化物イオンを出し入れするチャネル(CFTR)が働かず、気道や膵臓などの粘液がねばねばになる病気です。CFTR遺伝子がつくるのは、塩化物イオンを細胞の内外へ運ぶチャネルで、これが水の動きも調節し、粘液をさらさらに保っています[8]。

このチャネルが働かないと、肺や膵臓などを覆う細胞が濃くねばつく粘液をつくります。気道では粘液が詰まって感染をくり返し、膵臓が傷むと消化酵素が十分に出ず、栄養の吸収が悪くなります[8]。男性の多くでは精管が両側とも生まれつきなく、不妊の原因になります[8]。汗に含まれる塩分にも塩化物イオンがかかわるため、汗の塩分が濃くなります。

常染色体潜性(劣性)遺伝で、両親はそれぞれ変化のある遺伝子を1つずつもつ保因者で、ふつうは症状がありません[8]。米国の白人では新生児2,500〜3,500人に1人と多い一方、米国のアジア系では約31,000人に1人と少ないことが報告されています[8]。これは米国のデータで、日本人の頻度ではありません。頻度が低い集団でも、両親がともに保因者であれば起こりうる点は変わりません。詳しくは嚢胞性線維症(CF)とCFTR遺伝子のページをご覧ください。

原発性線毛機能不全症:線毛上皮が動かない病気

原発性線毛機能不全症(PCD)は、気道の線毛上皮の線毛が生まれつき正しく動かないため、粘液と細菌が気道にたまり、慢性の副鼻腔炎や気管支の病気をくり返す病気です。第2章で見た「多列線毛円柱上皮が異物を運び出す仕組み」が働かない状態です。

GeneReviewsによると、PCDでは気道の動く線毛と精子の鞭毛の構造と働きに異常があり、湿った咳、副鼻腔炎、中耳炎、気管支拡張症などが起こります[9]。男性では精子の運動の異常などによる不妊がみられることがあり、女性では卵管の線毛の異常に伴って子宮外妊娠の危険が高くなることがあります[9]。PCDの人の約40〜50%では、内臓の左右が鏡に映したように反対になる全内臓逆位がみられます[9]。原因遺伝子は多数知られており、多くは常染色体潜性(劣性)遺伝ですが、まれにX連鎖などの遺伝形式もあります[9]。気管支の上皮で何が起きているかを知ると、症状のつながりが見えてきます。代表的な型は原発性線毛機能不全症1型(CILD1)で解説しています。

上皮から生じるがん(癌腫)と遺伝性腫瘍

がんの80〜90%は上皮から生じる癌腫で、遺伝性腫瘍として知られるがんの多くも、乳腺・卵巣・大腸などの上皮から生じます。第1章で見たとおり、癌腫は上皮に由来する悪性腫瘍です[3]。癌腫には、腺に生じる腺癌と、扁平上皮に生じる扁平上皮癌があります[3]。

生まれつき、がんを抑える働きをもつ遺伝子に変化があると、特定のがんにかかりやすくなります。乳がん・卵巣がんにかかりやすくなる遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)や、大腸がん・子宮体がんなどにかかりやすくなるリンチ症候群が代表です。「がんは遺伝するのか」という疑問については、遺伝しやすいがんの解説で整理しています。

生まれる前に分かる:両親の保因者検査

上で紹介した病気のうち、常染色体潜性(劣性)遺伝の型は、両親がともに保因者のときに子どもに起こり、その確率は妊娠ごとに4分の1です。GeneReviewsでも、両親がともに保因者の場合、子どもがそれぞれ罹患する確率は25%とされています[9]。保因者はふつう症状がないため、家族に患者さんがいなくても、初めての子どもで病気がわかることがあります。仕組みは常染色体潜性遺伝と劣性遺伝(潜性遺伝)の解説で詳しく説明しています。

両親が保因者かどうかは、妊娠の前に調べることができます。当院の拡大版保因者検査は、女性787遺伝子と男性714遺伝子、女性1009遺伝子と男性911遺伝子の2つの組み合わせがあります。女性1009遺伝子は女性787遺伝子をすべて含み、男性版は女性版からX連鎖の遺伝子を除いたものです。

👫 この記事の病気の遺伝子と、当院の保因者検査

病気 女性787・男性714に入っている遺伝子 女性1009・男性911だけに入っている遺伝子
嚢胞性線維症 CFTR -
表皮水疱症(潜性の型) COL7A1、LAMA3、LAMB3、LAMC2、COL17A1、ITGB4 -
原発性線毛機能不全症 DNAI1、DNAI2、DNAH5、CCDC39 など DNAH11

※当院の女性787遺伝子・女性1009遺伝子の一覧で確かめた遺伝子です。いずれもX連鎖ではないため、男性714・男性911にも同じく入っています。原発性線毛機能不全症の原因遺伝子のすべてが入っているわけではありません。

4つの検査はいずれもオンライン診療で受けることができ、検体は唾液や頬の粘膜でもかまいません。妊娠中で、NIPT(新型出生前診断)と同じ日に採血して保因者検査も受けたい方には、ファミリーセーフティ プラスがあります(NIPTと同じ日に採血するもので、単独では受けられません)。検査の考え方は保因者スクリーニング検査とはで説明しています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「家族にいない」は「起こらない」ではない】

嚢胞性線維症も、接合部型の表皮水疱症も、原発性線毛機能不全症も、両親が保因者であることに気づかないまま、子どもが生まれて初めてわかることの多い病気です。保因者は症状がないので、家系をさかのぼっても手がかりがないのがふつうだからです。

私は、頻度が低い病気ほど「自分には関係ない」と思われやすく、だからこそ妊娠の前に夫婦で調べておく意味があると考えています。結果がわかれば、妊娠中の検査や出産後の備えを、時間に追われずに選ぶことができます。上皮という身近な組織の病気が、遺伝子の一つひとつにつながっていることを知っていただければと思います。

遺伝の病気について、検査の結果が本人や家族にとって何を意味するかを専門医と整理する場として、遺伝カウンセリングがあります。当院では臨床遺伝専門医が担当します。

よくある質問(FAQ)

Q1. 上皮組織の読み方は?

「じょうひそしき」と読みます。英語では epithelial tissue、上皮そのものは epithelium といいます。単に「上皮(じょうひ)」と呼ぶことも多く、意味は同じです。

Q2. 上皮と表皮の違いは何ですか?

上皮は体の表面や管の内側を覆う組織の総称で、表皮は皮膚のいちばん外側にある上皮だけを指します。表皮は角化した重層扁平上皮で、上皮の一種です。

Q3. 偽重層上皮(多列上皮)とは何ですか?

細胞の背の高さがばらばらで核の位置がずれているため何層にも見えますが、実際にはすべての細胞が基底膜についている1層の上皮です。気道の上皮が代表で、線毛をもつため多列線毛円柱上皮とも呼ばれます。

Q4. 上皮組織に血管はありますか?

上皮組織にはほとんど血管がありません。上皮の細胞は、基底膜の下にある結合組織の血管からしみ出してくる栄養と酸素を受け取っています。

Q5. 上皮性とはどういう意味ですか?

「上皮から生じた」「上皮の性質をもつ」という意味です。腫瘍の分類でよく使われ、上皮性の悪性腫瘍を癌腫と呼びます。非上皮性の悪性腫瘍には、骨・軟部組織などに生じる肉腫やリンパ腫などが含まれます。

Q6. 単層扁平上皮はどこにありますか?

血管とリンパ管の内側(内皮)、肺胞、胸膜や腹膜などの漿膜の表面(中皮)にあります。細胞1層の薄い上皮なので、ガスや物質を通しやすいのが特徴です。

Q7. 上皮組織と結合組織の違いは何ですか?

上皮組織は細胞が密に並び、細胞の間の物質がほとんどなく、血管もほぼありません。結合組織は細胞の間に線維などの物質が多く、組織や器官をつなぎ支えます。上皮と結合組織の間は基底膜で仕切られています。

Q8. 上皮の病気には遺伝するものがありますか?

あります。表皮水疱症、嚢胞性線維症、原発性線毛機能不全症などは、上皮の部品となるたんぱく質の遺伝子の変化で起こります。常染色体潜性(劣性)遺伝の型では、両親がともに保因者のとき、子どもに起こる確率は妊娠ごとに4分の1です。

まとめ

上皮組織(じょうひそしき)とは、体の表面や、管・体腔の内側を覆い、腺をつくる細胞のシートです[1]。細胞が密に並び、血管がほとんどなく、基底膜で下の組織とつながり、表と裏で働きが違うという特徴があります[2]。種類は「並び方(単層・重層・多列)×形(扁平・立方・円柱)」と移行上皮で、場所と役目をセットで覚えると忘れにくくなります。表皮・内皮・中皮はどれも上皮の一種で、「上皮性」は上皮から生じたという意味です。

上皮の形と働きは、つなぎとめるたんぱく質、チャネル、線毛のたんぱく質などで保たれています。その遺伝子の生まれつきの変化で、表皮水疱症、嚢胞性線維症、原発性線毛機能不全症などの病気が起こり、常染色体潜性(劣性)遺伝の型は妊娠前の保因者検査で調べることができます。

🧬 生まれる前に、夫婦で知っておく

嚢胞性線維症(CFTR)、表皮水疱症の潜性の型(COL7A1・LAMA3・LAMB3・LAMC2・COL17A1・ITGB4)、原発性線毛機能不全症(DNAI1・DNAH5など)の遺伝子は、当院の拡大版保因者検査(女性787・男性714、女性1009・男性911)に入っています。オンライン診療で受けられ、検体は唾液や頬の粘膜でもかまいません。検査の結果の読み方は臨床遺伝専門医が説明します。まだ受けるかどうか決めていない方は、先に保因者スクリーニング検査とはをご覧ください。

参考文献

  • [1] 4.1 Types of Tissues. Anatomy and Physiology 2e. OpenStax. [OpenStax]
  • [2] 4.2 Epithelial Tissue. Anatomy and Physiology 2e. OpenStax. [OpenStax]
  • [3] Cancer Classification. SEER Training Modules. National Cancer Institute. [NCI SEER]
  • [4] Transitional Cell Cancer of the Renal Pelvis and Ureter Treatment (PDQ®)–Patient Version. National Cancer Institute. [NCI PDQ]
  • [5] 23.5 The Small and Large Intestines. Anatomy and Physiology 2e. OpenStax. [OpenStax]
  • [6] Dystrophic epidermolysis bullosa. MedlinePlus Genetics. National Library of Medicine. [MedlinePlus]
  • [7] Junctional epidermolysis bullosa. MedlinePlus Genetics. National Library of Medicine. [MedlinePlus]
  • [8] Cystic fibrosis. MedlinePlus Genetics. National Library of Medicine. [MedlinePlus]
  • [9] Primary Ciliary Dyskinesia. GeneReviews. University of Washington, Seattle (last update: 2019-12-05). [GeneReviews NBK1122]
  • [10] Junctional Epidermolysis Bullosa. GeneReviews. University of Washington, Seattle (last update: 2018-12-20). [GeneReviews NBK1125]

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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