ジスルフィド結合
ジスルフィド結合は、2個の硫黄原子が繋がった結合をいう。ジスルフィド基を官能基として有する有機硫黄化合物の総称をジスルフィドと呼び、一般式はR-S-S-R’と表される。
ジスルフィド結合は、真核生物のプロテオーム中のほぼ3分の1を占める約7000個のタンパク質にあり、その多くは分泌タンパク質や細胞表面タンパク質として比較的還元的でない細胞外環境と接触するよう意図されている。ジスルフィド結合の形成には、2つのシステイン残基のSH側鎖間の反応が関与する。一方のSH基のS-アニオンが求核剤として働き、もう一方のシステイン側鎖を攻撃してジスルフィド結合を形成し、その過程で電子(還元当量)を遊離して移動させるのである。
適切なジスルフィド結合はタンパク質に安定性を与えるが、これは折り畳まれていないコンフォメーションや不適切に折り畳まれたコンフォメーションを制限することによる。ジスルフィドループが多ければ多いほど、天然構造の安定性は高まる。
この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号