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Src homology 2 (SH2)

Src homology 2 (SH2)

SH2,SH3

Src homology 2 (SH2) ドメインは、チロシンキナーゼのシグナル伝達経路に関与する多くのタンパク質に存在する約100アミノ酸からり、115個のタンパク質に120個のSH2ドメインが含まれている(文献)。SH2ドメインは、標的タンパク質のチロシンリン酸化配列に結合する機能を持つ。SH2ドメインとチロシンリン酸化された標的との結合は、受容体の活性化を下流のシグナル伝達へと導き、核での遺伝子発現の制御や細胞質全体へのシグナル伝達へとつながる。

srcタンパク質は、SH2(Src homology 2)、SH3(Src homology 3)、キナーゼ触媒ドメイン(SH1)の3つのドメインを有している。SH2とSH3はタンパク質間相互作用を担い、キナーゼ触媒ドメインはキナーゼ活性部位を有している。Srcには2つの主要なリン酸化部位があり、1つはTyr416(Y416)、もう1つはTyr527である。Tyr527は、CSKキナーゼ(リン酸化)やSHP-1ホスホリラーゼ(脱リン酸化)など、様々なタンパク質によってリン酸化や脱リン酸化を受ける。

Srcがキナーゼドメインでリン酸化できる基質の多くは、シグナル伝達カスケードの一部となっている。インテグリンシグナル伝達に重要なFakやCas、成長制御に関与するShcやStat3などが該当する。

Srcは細胞シグナル伝達において重要な役割を担っているが、Srcを欠損させたマウスも生存可能である。Srcファミリーの他のキナーゼメンバーらが構造的に似たSH2、SH3キナーゼドメインを持っており、Srcと同様にシグナル分子として機能することが可能だからである。

しかし、リン酸化と脱リン酸化の絶妙なバランスが崩れると、Srcの活性に変化が生じ、発がんという重大な結果につながることもある。実際、Srcは、癌遺伝子であるv-Srcとして、形質転換ウイルスであるRous Sarcoma Virusから初めて単離された。v-Srcは、細胞内タンパク質(c-Src)のTyr527を含む領域を欠き、継続的に活性化している。

大腸がんでは、src遺伝子に変異が生じ、Tyr527を含む領域が欠損し、Srcが過剰に活性化することが報告されている。また、Srcを制御するタンパク質もがん細胞で異常値を示し、Srcを活性化するもの、不活化するものの双方が確認されている。

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

プロフィール

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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