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ハイブリダイゼーション

ハイブリダイゼーションとは

ハイブリダイズとは、核酸(DNAまたはRNA)の分子が相補的に複合体を形成する過程を指します。この現象は、ハイブリダイゼーションとも呼ばれ、生物学や遺伝学の分野で広く利用されています。相補的とは、例えば、DNAの場合、アデニン(A)はチミン(T)と、シトシン(C)はグアニン(G)と水素結合で結びつくことを意味します。この特性を利用して、特定のDNAやRNAの配列を検出したり、その存在を確認することができます。

ハイブリダイゼーション(Hybridization)とは、核酸(DNAまたはRNA)の分子が相補的に複合体を形成することをいいます。動詞はハイブリダイズです。
相補的、というのは
アデニンAとチミンT
シトシンCとグアニンG
が水素結合でくっつくことを言います。

核酸の構造を見ていきましょう。

核酸の化学構造式

こんな感じです。
くっつくための手が2本なのがAT、3本なのがGCなので、手の本数が同じほうが化学的に安定だし自然ですよね?
かくして、くっつく相手は決まっていて、この組み合わせを相補的といいます。

核酸の水素結合

遺伝子の検査のために、人工的に相補的な核酸と結合させることをハイブリダイゼーションといいます。

原理

核酸分子に含まれる塩基はAとTまたはU(RNAの場合はチミンではなくウラシルになります)、GとCというふうに結合する相手が決まっています。上に述べた通り、結合するための水素結合の数の違いにより結合できる相手が決まっているのです。
ハイブリダイゼーションは核酸のこの「くっつく相手が決まっている」という性質を利用しています。

生物のゲノムは互いに相補的なDNA分子が1対水素結合して二重らせん構造で存在しています。
DNA二重らせんのイメージ図

DNAが複製されるときや、DNAからRNAへの転写が行われる場合も、元の核酸を鋳型として相補的な塩基配列で作られる。この相補性こそが、生物が遺伝情報を維持することを可能としているのです。

方法

まず、核酸の水素結合を切り分子を引き離す(変性)。
一般には加熱が用いられます。
次に少しずつ温度を下げることで分子を再結合させる(アニーリングといいます)。
核酸分子の解離・結合は配列に特徴的な特定の温度で起こります。

種類

1.特定の配列を持つ核酸を検出する方法

①電気泳動によるサザンハイブリダイゼーション(DNAを対象とする)
②ノーザンハイブリダイゼーション(RNAを対象とする)
③DNAマイクロアレイ(DNA チップ):多種の配列を同時に検出・定量する方法

2.細胞・組織などの標本をそのまま用いて検出する方法

①In situ ハイブリダイゼーション:DNA や RNA を抽出せずに、in situ(それらが存在する本来の場所でという意味です。つまり、細胞中もしくは組織中でという意味になります。)ハイブリダイゼーションによって検出します。
②蛍光 in situ ハイブリダイゼーション:蛍光物質や酵素などで標識したオリゴヌクレオチドプローブを使って、目的の遺伝子とハイブリダイゼーションさせて蛍光顕微鏡で検出します。医学分野等では遺伝子のマッピングや染色体異常の検出などで用いられている。

3.遺伝子の増減を検出する方法

CGH(比較ゲノムハイブリダイゼーション)

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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