遺伝子パネル
遺伝子パネルgene panelとは、複数の遺伝子を一度に解析し、疾患に関連する変異を調べる検査です。
遺伝子パネルは、BRCA1のように病気のリスクに関係することが確実な単一の遺伝子の配列を調べることと、ゲノム上のすべての遺伝子の配列を調べることの中間的な方法です。
遺伝子検査の種類
単一遺伝子検査
単一遺伝子検査では、1つの遺伝子のみの変化を調べます。単一遺伝子検査は、あなたやあなたのお子さんに特定の疾患や症候群の症状があると医師が判断した場合に行われます。デュシャンヌ型筋ジストロフィーなどがその例です。単一遺伝子検査は、家族の中に既知の遺伝子変異がある場合にも行われます。
パネル検査
パネル遺伝子検査は、1回の検査で多くの遺伝子の変化を調べます。遺伝子検査のパネルは、通常、異なる種類の医学的関心事に基づいて、たとえば遺伝性がん、遺伝性神経筋疾患、保因者検査などのそれぞれのカテゴリーに分類されています。また、パネル遺伝子検査は、乳がんや大腸がんのように、ある種のがんの発症リスクが高いと関連する遺伝子ごとにグループ化することもできます。
大規模遺伝子検査またはゲノム検査
大規模遺伝子検査には2つの異なる種類があります。
エクソーム解析は、DNAに含まれるすべての遺伝子を調べるもの(全エクソーム)と、病状に関連する遺伝子だけを調べるもの(クリニカルエクソーム)があります。
全ゲノムシークエンスは、最も大規模な遺伝子検査で、遺伝子だけでなく、人のDNAすべてを調べます。
エクソームシーケンスやゲノムシーケンスは、複雑な病歴を持つ人に対して医師がオーダーします。また、大規模なゲノム検査は、疾患の遺伝的原因を知るための研究にも用いられます。
大規模な遺伝子検査では、そもそも検査を依頼した理由とは関係のない所見が得られることがあります(二次所見)。二次所見の例としては、子供の発達障害を説明するために遺伝子診断を探していたときに、まれな心臓病に関連する遺伝子の病的変異が見つかるなどの場合が挙げられます。
この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号