バイオインフォマティクス
バイオインフォマティクスは、遺伝学やゲノム学に関連する科学分野で、生物学的データの取得と解釈に計算と解析のツールを適用することと定義されています。DNAやアミノ酸の配列、あるいはそれらの配列に関する注釈などの生物学的データや情報の収集・保存・分析・普及のためにコンピュータ技術を利用することを意味します。科学者や臨床医は、健康や病気についての理解を深めるため、また場合によっては診療に利用するため、このような生物学的情報を整理し、データベースを使用しています。
生物学研究とバイオインフォマティクスの関係は、情報そのものとインターネットの時代におけるデータ解析の役割と比較することができます。インターネットがない時代には、情報にたどり着くことが一義的な課題でした。
ゲノムにおいても、次世代シークエンサーができて、ゲノムを構成する塩基配列を読み取る技術が進歩したことで、DNAの情報にたどり着くこと自体に対する障壁は大幅に低くなりました。そうすると今度は、収集した情報をどのように理解し、解釈するかが課題となってきます。ヒトゲノム情報は、データセットが大きいため、解析や解釈にはコンピュータを使った手法が主流となっています。コンピュータを使用して、ヒトゲノムのデータを扱うのがバイオインフォマティクスであり、ヒトの健康や生物学に関する実用的な洞察を、発見したり解決すうことを目的にしています。
この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号