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コドンのウォブルポジション wobble position

DNAの塩基対
コドンのウォブルポジションwobble positionとは、コドンの3番目のヌクレオチドのことを指します。この位置のヌクレオチドは2つの重要な特徴を持っています。

まず、コドンの3番目の位置にあるヌクレオチドは、mRNAのコドンとそれに対応するtRNAの結びつきが緩いため、通常のグアニンとシトシン、アデニンとチミンとは異なる種類の塩基対が形成されることがあります。

さらに、遺伝暗号には冗長性があり、異なるコドンが同じアミノ酸を指示することがあります。この冗長性は、特にコドンの3番目の位置で見られ、最初の2つのヌクレオチドが同じである場合、3番目のヌクレオチドが異なっていても同じアミノ酸をコードすることが多いのです。
tRNAとアンチコドン

コドンのウォブルポジションとは、tRNAのアンチコドンとmRNAのコドンが対合する際に、アンチコドンの第一塩基(コドンの第三塩基に対応する)が通常の塩基対形成の規則から逸脱して、複数の異なる塩基と対合できる現象を指します[5][6][7]. この「ウォブル」の原則により、tRNAはコドンの第三塩基に対して柔軟性を持ち、限られた数のtRNAで多様なコドンを認識し、アミノ酸を適切に組み込むことが可能になります。

例えば、アンチコドンのウリジン(U)は、コドンのアデニン(A)やグアニン(G)とも対合することができます。このようなウォブル対合は、特にミトコンドリアのtRNAで顕著であり、限られた種類のtRNAで全てのコドンを解読するために要です[7]. また、ウォブルポジションにおける塩基の修飾も、コドンとの対合の性質を変化させ、コドン選択性に影響を与えることが指摘されています[1][6].

[1] www.nig.ac.jp/museum/evolution04.html
[5] www.ach.ehime-u.ac.jp/seminar/gist/98_1.pdf
[6] www.jstage.jst.go.jp/article/vivaorigino/42/4/42_47/_pdf
[7] gakui.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/gazo.cgi?no=114331

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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