アップレギュレーション
生物の遺伝子産物生産において、細胞が外部からの刺激に応答してRNAやタンパク質などの細胞成分の量を増加させる過程をアップレギュレーションという。
受容体をアンタゴニスト(拮抗物質、阻害薬)に慢性的に暴露するとアップレギュレーションがおこり、受容体の数が増加することが報告されている。
アップレギュレーションの例としては、外界からの有害物質にさらされた肝細胞の反応がある。この場合、細胞はチトクロームP450酵素の産生を増加させ、その結果、これらの分子の分解を増加させる。
RNAやタンパク質のアップレギュレーションは、エピジェネティックな変化によって生じることもある。このようなエピジェネティックな変化により、RNAまたはタンパク質の発現が外部からの刺激に応じた変動をしなくなり、これが薬物中毒や抗腫瘍薬への耐性獲得においてみられる。