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一次免疫のやさしい概要と応用:免疫系の役割と応答を解説

一次免疫に関して、その基本的な役割、LPSによる反応、液性免疫と細胞性免疫の関係についてやさしく解説します。抗体の生成から炎症反応まで、一次免疫の重要な概要とその応用を詳しく紹介。
一次免疫応答と二次免疫応答

第1章 免疫の基本概念

免疫とは:体を守るシステムの概要

免疫システムは、私たちの体を病原体や異物から守るための複雑な防御機構です。このシステムは、自然免疫と獲得免疫の二つの主要な部分から成り立っています。

● 自然免疫

自然免疫は、生まれながらにして備わっている免疫の形態で、体に侵入した異物を迅速に認識し、攻撃します。このシステムは、病原体の種類を問わず、一般的な特徴を持つ異物に対して反応します。自然免疫の主な構成要素には、皮膚や粘膜などの物理的なバリア、マクロファージNK細胞ナチュラルキラー細胞)、樹状細胞などがあります。これらの細胞や機構は、病原体が体内に侵入した際に最初に反応し、迅速に排除を試みます[1][2][3][4][5]。

● 獲得免疫

獲得免疫は、特定の病原体に対して特化した反応を提供します。このシステムは、体が初めて病原体に曝露された後に発展し、その病原体に対する記憶を形成します。これにより、同じ病原体が再び侵入した場合、体はより迅速かつ効果的に反応することができます。獲得免疫の主要な構成要素には、B細胞とT細胞があります。B細胞は抗体を産生し、T細胞は感染した細胞を直接攻撃するか、他の免疫細胞を活性化させる役割を担います[1][2][3][4][5]。

● 免疫システムの重要性

免疫システムは、感染症や疾患から私たちの体を守るために不可欠です。適切に機能する免疫システムは、健康を維持するために重要であり、免疫機能が低下すると、感染症や自己免疫疾患などのリスクが高まります。また、免疫システムはがん細胞の監視と排除にも関与しています[1][2][3][4][5]。

● 免疫力を高める生活習慣

免疫力を維持するためには、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレスの管理など、健康的な生活習慣が重要です。これらの生活習慣は、免疫システムの正常な機能を支え、病気への抵抗力を高めるのに役立ちます[2][8]。

免疫システムは、私たちの体を守るために複雑に組み合わさったシステムであり、その効果的な機能は健康維持に不可欠です。

[1] www.jsi-men-eki.org/immunology-system/
[2] medipalette.lotte.co.jp/bodycondition/3141
[3] metagen.co.jp/service/topics/gut-immunity/
[4] www.chugai-pharm.co.jp/ptn/medicine/karada/karada023.html
[5] blog.cellsignal.jp/immunology-overview-how-does-our-immune-system-protect-us
[8] jp.glico.com/boshi/futaba/no84/con01_03.html

自然免疫と獲得免疫:二つの免疫応答の違いと役割

自然免疫と獲得免疫は、免疫システムの二つの主要な構成要素です。

● 自然免疫

自然免疫は、生まれつき備わっている基本的な生体防御システムです。[1][2] 自然免疫は、皮膚や粘膜といった物理的な障壁、胃酸や正常な腸内細菌叢といった化学的・生物学的な障壁を含んでいます。[1] これらの自然免疫の要素は、病原体の侵入を素早く阻止します。自然免疫は、特定の抗原を認識せずに広範囲の異物に反応するため、即座に作用することができます。[2]

● 獲得免疫

一方、獲得免疫は、特定の抗原に対する免疫記憶を持つ、より高度な免疫応答です。[1][2] 獲得免疫は、T細胞やB細胞といった免疫細胞が関与し、特定の抗原に対して高度に特異的な反応を示します。[2] 獲得免疫は、初回感染時よりも2度目の感染時の方が迅速かつ強力な免疫反応を引き起こします。[2]

● 自然免疫と獲得免疫の関係

自然免疫と獲得免疫は密接に関連しており、相互に作用しながら体を感染症から守っています。[1] 自然免疫が先行し、その後に獲得免疫が作動するという従来の考え方は改められ、自然免疫が獲得免疫の発動を制御していることが明らかになってきました。[2]

つまり、自然免疫と獲得免疫は協調して機能し、感染症から体を守る重要な役割を果たしているのです。[1][2]
[1] lpi.oregonstate.edu/book/export/html/2501
[2] www.ifrec.osaka-u.ac.jp/en/topics/upload_img/SSH_Handout.pdf

第2章 一次免疫の仕組み

LPSと免疫応答:一次免疫が反応する仕組み

LPS(リポ多糖)は、グラム陰性細菌の外膜の主要成分であり、強力な免疫応答を引き起こすことが知られています。LPSに対する免疫応答は、主に自然免疫系によって行われますが、獲得免疫系も関与しています。以下では、LPSが一次免疫(自然免疫)によってどのように認識され、反応が引き起こされるのかについて説明します。

● 自然免疫におけるLPSの認識と反応

自然免疫系は、生まれながらにして備わっている免疫応答であり、特定の病原体に対する事前の感染経験を必要としません。自然免疫系の細胞は、病原体に共通する分子パターンを認識するパターン認識受容体(PRR)を持っています。LPSは、これらのパターンの一つであり、特にToll様受容体4(TLR4)によって認識されます[3][13]。

1. LPSの認識:LPSは、グラム陰性細菌の細胞壁成分として、宿主の免疫細胞によって直接認識されます。この認識は、主にマクロファージや樹状細胞などの免疫細胞表面に存在するTLR4によって行われます[3][13]。

2. 免疫応答の活性化:LPSがTLR4に結合すると、細胞内のシグナル伝達経路が活性化され、核因子κB(NF-κB)などの転写因子が核内に移行します。これにより、炎症性サイトカイン(例:TNF-α、IL-6、IL-1βなど)の産生が促進されます[3][13]。

3. 炎症反応の誘導:産生された炎症性サイトカインは、炎症反応を引き起こし、他の免疫細胞を感染部位に誘導します。これにより、病原体の排除と感染の拡大防止が図られます[3][13]。

4. 免疫記憶の形成:自然免疫応答によっても、一部の免疫細胞は病原体に対する記憶を形成します。これにより、同じ病原体に再度感染した場合には、より迅速かつ効果的に免疫応答を行うことができます[13]。

LPSに対する免疫応答は、病原体の排除と感染の拡大防止に不可欠な役割を果たしています。しかし、過剰なLPSの認識と免疫応答は、エンドトキシンショックなどの重篤な炎症反応を引き起こす可能性もあるため、免疫系のバランスが重要です[3][13]。

[3] www.glycoforum.gr.jp/glycoword/immunity/IS-A01J.html
[13] ruo.mbl.co.jp/bio/product/allergy-Immunology/article/Natural-immunity-Acquid-immunity.html

液性免疫と細胞性免疫:一次免疫の二つの主要な形態

液性免疫と細胞性免疫は、獲得免疫応答の二つの主要な形態です。これらは体が病原体に対抗するために発展させた防御機構であり、それぞれ異なる役割を担っています。

● 液性免疫(体液性免疫)

液性免疫は、抗体を中心とした免疫応答です。Bリンパ球が成熟して形質細胞になると、抗体を産生し始めます。抗体はY字型の構造をしており、その先端部分で特定の病原体や異物(抗原)に結合します。抗体は病原体を中和したり、食細胞による貪食を促進するオプソニン化を行ったりします。また、抗体は補体系を活性化させることで、病原体の破壊を助けます。液性免疫は、体液中を循環し、全身に広がることができるため、広範囲の防御に効果的です[12][14][16]。

● 細胞性免疫

細胞性免疫は、Tリンパ球が中心となる免疫応答です。特に細胞傷害性T細胞(CTL)やマクロファージが、病原体に感染した細胞や異常細胞を直接攻撃し、排除することに特化しています。ヘルパーT細胞(特にTh1細胞)は、サイトカインを産生し、CTLやマクロファージを活性化させる役割を担います。細胞性免疫は、病原体が細胞内に侵入した場合に特に重要であり、局所的な免疫反応において効果を発揮します[14]。

両方の免疫応答は、病原体に対する防御において相互に作用し、協力して体を守ります。液性免疫は抗体を介して病原体を排除するのに対し、細胞性免疫は細胞が直接病原体を攻撃することで防御します。また、獲得免疫応答は、特異性と記憶機能を持ち、一度感染した病原体に対して迅速かつ効果的な反応を示すことができます[13][14]。

[12] jaci.jp/patient/immune-cell/immune-cell-03/
[14] ruo.mbl.co.jp/bio/product/allergy-Immunology/article/Cellular-immunity-Humoral-immunity.html
[16] ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B6%B2%E6%80%A7%E5%85%8D%E7%96%AB

第3章 免疫系の活性化と調節

T細胞と免疫反応:細胞性免疫のキープレイヤー

T細胞は、人体の免疫システムにおいて中心的な役割を果たすリンパ球の一種です。これらの細胞は、特定の病原体に対する免疫応答を調節し、体液性免疫と細胞性免疫の両方に関与しています。細胞性免疫は、主に細胞による直接的な攻撃を特徴とし、T細胞がその中心を担っています。

● T細胞の種類と機能

T細胞は、その機能に応じていくつかのサブセットに分類されます。主なものには以下のような種類があります。

– ヘルパーT細胞(CD4陽性T細胞): これらの細胞は、免疫応答を促進する役割を持ち、他の免疫細胞の活性化を助けます。ヘルパーT細胞は、抗原提示細胞から提示される抗原を認識し、サイトカインと呼ばれるシグナル分子を放出して、B細胞やキラーT細胞の活性化を促します。
– 細胞傷害性T細胞(CD8陽性T細胞): これらの細胞は、感染した細胞やがん細胞を直接攻撃して殺す能力を持ちます。細胞傷害性T細胞は、感染細胞が提示するMHCクラスI分子と結合した抗原を認識し、パーフォリンやグランザイムといった分子を用いて標的細胞を破壊します。
– 制御性T細胞(Treg細胞): これらの細胞は、免疫応答を抑制することで自己免疫疾患や過剰な免疫反応を防ぎます。制御性T細胞は、免疫応答を適切に調節することで、体のバランスを保つ重要な役割を果たします。

● T細胞の活性化と免疫応答

T細胞は、胸腺で成熟し、ナイーブT細胞として末梢組織に放出されます。ナイーブT細胞は、抗原提示細胞によって提示される抗原とその表面のT細胞受容体TCR)が結合することで活性化されます。活性化されたT細胞は、分裂して増殖し、免疫応答における各種の役割を果たします。

● 細胞性免疫の重要性

細胞性免疫は、ウイルスや細菌などの病原体に対する感染免疫だけでなく、移植時の拒絶反応や腫瘍免疫、自己免疫疾患などにも関与しています。T細胞は、これらの病原体や異常細胞を識別し、適切な免疫応答を誘導することで、体を守るための重要な防御機構を提供します。

T細胞と細胞性免疫の研究は、ワクチン開発や免疫療法など、感染症やがん治療における新たな治療法の開発に不可欠です。T細胞の働きを理解することは、免疫系の機能を最適化し、病気の予防と治療に役立てるために重要なのです。

抗体生成の流れ:免疫系がどのように抗体を作り出すか

抗体生成とは、免疫系が異物の侵入に応答して特定の抗体を産生する過程です。この過程は、主にB細胞によって行われ、病原体などの異物による体内への侵入に対する防御機構の一環として機能します。以下に、抗体生成の流れを詳細に説明します。

● 免疫応答の開始

異物(抗原)が体内に侵入すると、免疫系はこれを非自己として識別し、免疫応答を開始します。抗原は、抗原提示細胞によって取り込まれ、ペプチドに分解された後、主要組織適合抗原(MHCクラスII)と複合体を形成して細胞表面に提示されます[3][6][7][13][18]。

● T細胞とB細胞の活性化

抗原提示細胞上のMHCクラスIIと抗原ペプチドの複合体は、T細胞受容体(TCR)を持つヘルパーT細胞によって認識されます。ヘルパーT細胞は活性化され、B細胞に抗体産生を促すサイトカインを産生します[6][7]。

● B細胞の分化と抗体産生

活性化されたB細胞は、抗原に特異的な抗体を産生するようになります。B細胞は、抗体の産生を引き起こした抗原に結合し、抗原の除去を助ける役割を持ちます[10][12][13]。B細胞は、抗原受容体(BCR)としても機能する抗体を表面に発現しており、抗原との結合によってさらに活性化されます[6]。

● 抗体のクラススイッチ

初期の免疫応答では、主にIgM型の抗体が産生されますが、免疫応答が進行するにつれて、IgGなど他のクラスの抗体へのクラススイッチが行われます。これにより、抗体の結合能力が向上し、より効果的な免疫応答が可能になります[8]。

● メモリーB細胞の形成

抗体産生B細胞は、一度認識した抗原を記憶し、二度目以降の感染で迅速に抗体産生能を獲得するメモリーB細胞へと分化します。これにより、再感染時には迅速かつ大量の抗体を産生して体を防御することができます[6]。

● 抗体の構造と機能

抗体は、2本の重鎖(H鎖)と2本の軽鎖(L鎖)からなるY字型の構造をしており、抗原結合部位である可変領域(V領域)と、免疫細胞のFc受容体に結合する定常領域(Fc領域)を持ちます[9]。抗体は、病原体と結合して侵入を防ぐだけでなく、巨噬細胞などの免疫細胞による包裹・清除を促進し、補体系などの免疫応答を刺激する役割も担います[17]。

以上が、免疫系が抗体を作り出す一連の流れです。抗体は、免疫系の重要な成分であり、体を病原体から守るための多様な機能を果たします。
[3] www.kyowakirin.co.jp/antibody/basics/index.html
[4] www.chugai-pharm.co.jp/ptn/bio/antibody/antibodyp12.html
[6] www.jst.go.jp/crest/immunesystem/result/02.html
[7] ruo.mbl.co.jp/bio/product/allergy-Immunology/article/Acquired-immunity-Antibody.html
[8] ruo.mbl.co.jp/bio/support/method/antibody-production.html
[10] www.sigmaaldrich.com/US/en/technical-documents/technical-article/protein-biology/elisa/generation-of-antibodies
[13] www.thermofisher.com/us/en/home/life-science/antibodies/antibodies-learning-center/antibodies-resource-library/antibody-methods/antibody-production-immunogen-preparation.html
[18] www.thermofisher.com/de/de/home/life-science/antibodies/antibodies-learning-center/antibodies-resource-library/antibody-methods/antibody-production-immunogen-preparation.html

第4章 一次免疫の応用とその役割

炎症反応の重要性:体を守るための炎症の役割

炎症反応は、体が外部からの侵入や内部の損傷に対して起こす自然な防御機構です。この反応は、細菌感染や組織損傷などに対処するための生体防御反応の一種であり、発熱、痛み、赤み、腫れといった症状を特徴とします[3]。炎症は、細菌やウイルスなどの病原体から体を守る上で重要な役割を果たしますが、炎症プロセスの不適切な活性化は多くの疾患の原因となることもあります[8]。

炎症反応は、異物や死んだ自分の細胞を排除して生体の恒常性を維持しようとする反応と考えられています。例えば、細菌やウイルスが体内に侵入した際には、さまざまな細胞や生体内成分がその排除に働き、炎症性反応が起こります[9]。炎症反応には、直ちに働く成分による反応と、時間をかけて攻撃する成分による反応があり、それぞれが炎症を誘導します[9]。

炎症反応の中で特に重要な役割を果たすのがサイトカインです。サイトカインは、細胞間情報伝達分子の一種であり、炎症を引き起こす分子が免疫細胞を活性化し、急性の炎症反応を誘導します[3]。サイトカインは様々な細胞から産生され、炎症全般を支配する重要な炎症メディエーターとされています[7]。

炎症反応は、生体の恒常性を維持するための重要なシステムであり、急性炎症が生じた後、組織修復が不完全な場合や、ストレスが完全に除去されず過剰な炎症が持続すると、慢性炎症性疾患やがんなどの疾患と深く関連することが示されています[2][4]。

炎症反応は、効率的・戦略的な戦力配分のもと、様々な炎症メディエーターによりダイナミックに制御されており、炎症時の好中球反応の概略や炎症の特徴、炎症に関する細胞メディエーターなどが研究されています[7]。

炎症反応は、病原体侵入に対する最初の防御系として働いており、生命維持に必須の生体防御反応です。炎症反応がないと、私たちは生きていけないほど重要な役割を担っています[7]。また、炎症は必然的に自己組織の犠牲を伴うため、過剰な組織傷害が起こると組織や臓器の機能は損なわれ、治療の対象になることもあります[7]。

炎症反応は、体内で発生した、あるいは外部から体内に侵入した病原刺激を除去し、傷害を受けた組織を取り除く生体反応であり、特に微生物侵入に対する最初の防御系として働いています[7]。炎症反応が適切に機能することで、私たちの健康が保たれるのです。

[2] www.jstage.jst.go.jp/article/jtwmu/90/1/90_1/_pdf/-char/ja
[3] institute.yakult.co.jp/dictionary/word_6651.php
[4] epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8906.html
[7] www.okayama-u.ac.jp/user/byouri/pathology-1/pg548.html
[9] www.jst.go.jp/crest/inflam/inflam/mechanism.html

免疫応答の調節:アレルギーや自己免疫疾患の予防

免疫応答の調節は、アレルギーや自己免疫疾患の予防と治療において重要な役割を果たします。免疫系は、体を病原体から守るために不可欠ですが、過剰反応や誤った反応を起こすことで、アレルギーや自己免疫疾患を引き起こすことがあります。このような疾患の予防と治療には、免疫応答の適切な調節が必要です。

● 免疫応答の基本

免疫応答は大きく分けて、自然免疫と適応免疫に分類されます。自然免疫は迅速に反応し、病原体を排除しますが、特異性は低いです。一方、適応免疫は特異的な病原体に対して高い特異性を持ち、記憶機能を有しています。適応免疫応答の主要な調節者は、Bリンパ球(B細胞)とTリンパ球(T細胞)です。B細胞は抗体を生産し、T細胞は免疫応答を調節する役割を担います[10]。

● アレルギーと自己免疫疾患

アレルギー疾患や自己免疫疾患は、免疫系が過剰に反応することで発症します。アレルギー疾患では、本来無害な物質(アレルゲン)に対して免疫系が過剰反応し、炎症やアレルギー反応を引き起こします。自己免疫疾患では、免疫系が体自身の細胞や組織を異物と誤認し、攻撃してしまいます[8]。

● 免疫応答の調節による予防と治療

免疫応答の調節には、制御性T細胞(Treg細胞)が重要な役割を果たします。Treg細胞は、過剰な免疫反応を抑制し、免疫系のバランスを保つことで、アレルギーや自己免疫疾患の予防に寄与します[2][4][5]。また、腸内細菌のバランスも免疫応答に影響を与え、特定の腸内細菌がTreg細胞の増加を促し、免疫応答を調節することが示されています[2]。

● 新たな治療法の開発

免疫応答の調節を目的とした新たな治療法の開発が進められています。例えば、転写因子JunBが制御性T細胞の機能を促進し、炎症を抑制することが明らかにされており、自己免疫疾患やアレルギー疾患の治療につながる可能性があります[5]。また、免疫チェックポイント分子PD1とCTLA4が過剰な免疫反応を抑える重要なメカニズムであることが示されており、これらをターゲットとした治療法が期待されています[5]。

免疫応答の適切な調節によるアレルギーや自己免疫疾患の予防と治療は、今後の医学の発展において重要なテーマです。研究が進むことで、より効果的な治療法の開発が期待されます。

[2] www.hsl-kyousei.com/blog/detail.html?id=352
[4] www.med.keio.ac.jp/features/2021/8/8-81824/index.html
[5] www.oist.jp/ja/news-center/press-releases/33433
[8] www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB/12-%E5%85%8D%E7%96%AB%E5%AD%A6%EF%BC%9B%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E7%96%BE%E6%82%A3/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E6%80%A7%EF%BC%8C%E8%87%AA%E5%B7%B1%E5%85%8D%E7%96%AB%EF%BC%8C%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96%E3%81%AE%E9%81%8E%E6%95%8F%E6%80%A7%E7%96%BE%E6%82%A3/%E8%87%AA%E5%B7%B1%E5%85%8D%E7%96%AB%E7%96%BE%E6%82%A3
[10] lpi.oregonstate.edu/jp/mic/%E5%81%A5%E5%BA%B7%E3%81%A8%E7%96%BE%E6%82%A3/%E5%85%8D%E7%96%AB

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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