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がんと遺伝の検査・セカンドオピニオン|遺伝性がんの遺伝子検査・リキッドバイオプシー

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仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

がんと遺伝の検査・セカンドオピニオン

ミネルバクリニックで受けられる、がんに関する検査と相談は3つです。遺伝性がんの遺伝子検査、血液でがんのDNAを調べるリキッドバイオプシー、そしてがんのセカンドオピニオンです。どれも、臨床遺伝専門医・がん薬物療法専門医の院長が担当します。当院ではがんの治療(抗がん剤の処方や点滴など)は行っていません。治療は主治医のもとで続けていただき、その判断に役立つ「遺伝の情報」と「別の専門医の意見」をお届けするのが、当院の役割です。このページでは、3つのサービスの違いと選び方、費用、受けたあとにできることをまとめています。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. ミネルバクリニックでは、がんについて何ができますか?

①遺伝性がんの遺伝子検査(154遺伝子)、②血液でがんのDNAを調べるリキッドバイオプシー、③がんのセカンドオピニオン(オンラインで全国から)の3つです。がんの治療や、治療方針を継続して相談する外来は行っていません。

🧬 Q. どんな人に向いていますか?

若い年齢でがんになった方・1人で複数のがんになった方・ご家族にがんの方が多い方は遺伝性がんの遺伝子検査、がんの治療中や治療後で経過を血液でも確かめたい方はリキッドバイオプシー、主治医の治療方針に別の専門医の意見を聞きたい方はセカンドオピニオンです。

🧬 Q. 費用はどれくらいですか?

セカンドオピニオンは45,000円(税込49,500円)で、30分を超えても追加の料金はかかりません。遺伝性がんの遺伝子検査は税込330,000円、リキッドバイオプシーは税込242,000円で、検査には遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。当院の診療はすべて自費診療です(2026年10月時点)。

🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?

検査の結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングでご説明してからマイページにアップします。遺伝性がんとわかれば、ご本人の治療薬の選択、ほかのがんへの備え、ご家族の検査につながります。治療そのものは主治医のもとで受けていただきます。

\ 生まれ持った遺伝子は一生変わりません。一度の検査を、治療とご家族の備えに /

📅遺伝カウンセリング・セカンドオピニオンを予約する

臨床遺伝専門医・がん薬物療法専門医の院長が、検査の前の遺伝カウンセリングから結果のご説明まで担当します。

お問い合わせはこちら | 遺伝性がん遺伝子検査(154遺伝子)を見る

1. 当院でできること:がんと遺伝の3つの入口

当院でがんについてお受けしているのは、「遺伝性がんの遺伝子検査」「リキッドバイオプシー」「がんのセカンドオピニオン」の3つです。調べるもの・向いている方・費用がそれぞれ違うので、下の表で目的に合うものを選んでください。迷う場合は、遺伝カウンセリングでご相談いただければ、どれが合うかを一緒に考えます。

🧭 当院のがんに関する検査・相談(2026年10月時点)

サービス 何を調べる・何をする 向いている方 費用(税込)
遺伝性がんの遺伝子検査(154遺伝子) 生まれつきの遺伝子(生殖細胞系列)に、がんになりやすさに関わる変化がないかを調べる。検体は血液・唾液・口の内側の粘膜 若い年齢でがんになった方、1人で複数のがんになった方、ご家族にがんの方が多い方 330,000円+遺伝カウンセリング料
リキッドバイオプシー 血液(血漿)の中に流れ出たがん由来のDNA(ctDNA)を調べる。検体は血液10ml がんの治療中・治療後で、治療の効果や再発の兆しを血液でも確かめたい方 242,000円+遺伝カウンセリング料
がんのセカンドオピニオン 主治医の紹介状や検査結果をもとに、診断や治療方針について専門医としての意見をお伝えする(来院またはオンライン) 治療法を選ぶ前、再発したとき、次の治療を選ぶときに、別の専門医の意見を聞きたい方 30分45,000円(税込49,500円)

※遺伝カウンセリング料は30分22,000円(税込)で、検査費用とは別にかかります。当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。検査の詳しい内容は、それぞれの検査ページでご確認ください。

⚠️ 当院で行っていないこと

当院では、がんの治療(抗がん剤の処方・点滴など)、治療方針や抗がん剤の効果・副作用を継続して相談する外来、がんの組織を使った遺伝子パネル検査(がんゲノムプロファイリング検査)は行っていません。治療とこれらの検査は、主治医の医療機関でご相談ください。療養生活やお金、仕事のことは、全国のがん診療連携拠点病院にある「がん相談支援センター」でも相談できます。

2. 遺伝性がん(遺伝性腫瘍)とは

遺伝性がん(遺伝性腫瘍)とは、生まれつき持っている遺伝子の変化が、がんのなりやすさに大きく関わっているがんのことです。がんそのものが親から子へうつるのではなく、「がんになりやすい体質」が受け継がれることがある、という意味です。くわしくは、コラム「がんは遺伝する?遺伝しやすいがんと確率・調べ方」でも解説しています。

がんのうち、遺伝が大きく関わるのはどれくらいか

国立がん研究センターの最新がん統計では、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、男性61.1%・女性50.1%と推計されています(2023年のデータ、2026年10月時点で確認)。がんはとても身近な病気ですが、その多くは年齢を重ねることや生活の影響などで起こるもので、生まれつきの遺伝子の変化が大きく関わるのは一部です。

33種類のがんの成人患者10,389人の遺伝子を調べた米国の大規模な研究では、約8%の方に、がんの原因となる(またはその可能性が高い)生まれつきの遺伝子の変化が見つかりました[1]。逆にいえば、残りの多くのがんは、生まれつきの体質ではなく、体の細胞に後から起きた遺伝子の変化で生じています。この「生まれつきの変化」と「後から起きた変化」の違いは、あとで説明するリキッドバイオプシーとの違いを考えるうえでも大切です。がんのなりやすさに関わる遺伝子の多くは、細胞が増えすぎないようにブレーキをかけるがん抑制遺伝子です。

代表的な遺伝性がん:HBOC・リンチ症候群など

代表的な遺伝性がんは、遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)とリンチ症候群です。どちらも、親が原因の変化をもっていれば、お子さん1人あたり2分の1の確率で受け継がれる常染色体顕性(優性)遺伝のしかたをとります。

🧬 代表的な遺伝性がん

病名 主な原因遺伝子 リスクが高まるがん
遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC) BRCA1、BRCA2 乳がん、卵巣がん。前立腺がん・膵がんのリスクが上がることを示す報告もある[2]
リンチ症候群 MLH1、MSH2、MSH6、PMS2、EPCAM(欠失) 大腸がん。ほかに子宮内膜(子宮体部)・卵巣・胃・小腸・尿路・胆道・脳・皮膚・膵臓・前立腺のがん[3]
リ・フラウメニ症候群 TP53 軟部肉腫、骨肉腫、閉経前の乳がん、脳腫瘍、副腎皮質がんなど、生涯を通じて多くの種類のがん[2]

※HBOCとリ・フラウメニ症候群は米国NCCNのガイドライン[2]、リンチ症候群はGeneReviews[3]による。このほかにも多くの遺伝性がんがあり、当院の遺伝性がん遺伝子検査ではまとめて154遺伝子を調べます。

遺伝子検査を考える目安

当院の遺伝性がん遺伝子検査では、次のような方を検査を考える目安として挙げています。

  • ●50歳より前にがんと診断された方
  • ●1人で複数のがんになった方
  • ●ご家族(血縁者)に、がんになった方が何人もいる方

ただし、家族歴がはっきりしない方でも、生まれつきの変化が見つかることはあります。ご家族の人数が少ない、ご家族の病名がわからない、という方も少なくありません。見た目や家族歴だけでは判断できないので、迷ったら遺伝カウンセリングで状況をお聞かせください。

わかると何ができるか:ご本人の治療・ほかのがんへの備え・ご家族

遺伝性がんとわかることは、「わかって終わり」ではありません。次の3つの行動につながります。

  • ●ご本人の治療薬を選ぶ手がかりになる:生まれつきBRCA1・BRCA2に病的な変化がある転移性乳がんの方を対象にした臨床試験では、PARP阻害薬のオラパリブが、標準的な化学療法より、がんが進むまでの期間(無増悪生存期間)を延ばしました[4]。どの薬が使えるかは、がんの種類や進み方、国内の承認状況によって変わるので、主治医とご相談ください。
  • ●ほかのがんへの備えができる:米国NCCNのガイドラインは、BRCA1・BRCA2の病的な変化をもつ方では、乳がん・卵巣がんのリスクが高いため、より手厚い検診や予防の方法を検討すべきとしています[2]。検診を始める年齢や間隔を、一般の方とは別に考えられるようになります。
  • ●ご家族が自分の状態を知る手がかりになる:ご本人で原因の変化がわかると、ご両親・きょうだい・お子さんは同じ場所を調べることで、受け継いでいるかどうかを確かめられます。あなたの1回の検査が、ご家族の健康管理の出発点になります。

3. 遺伝性がんの遺伝子検査(154遺伝子)

当院の遺伝性がん遺伝子検査は、がんのなりやすさに関わる154の遺伝子を一度に調べる検査です。BRCA1・BRCA2やリンチ症候群の遺伝子だけでなく、多くの遺伝性がんの遺伝子をまとめて調べられます。生まれ持った遺伝子は一生変わらないので、一度の検査でわかったことは、ご自身の検診や治療だけでなく、これから先のご家族の健康を考えるときにも使える情報になります。

🔬 遺伝性がん遺伝子検査の概要(当院の検査ページの記載より・2026年10月時点)

項目 内容
調べる遺伝子 154遺伝子(がんのなりやすさに関わる生まれつきの変化)
検体 血液・唾液・口の内側の粘膜
検査費用 330,000円(税込)
遺伝カウンセリング料 30分22,000円(税込)※検査費用とは別
オンライン 唾液・口の内側の粘膜の検体なら、ビデオ通話の遺伝カウンセリングのあと、検体を郵送して受けられます

※結果までの日数・急ぎのオプションなどは遺伝性がん遺伝子検査のページでご確認ください。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。

この検査でわかること・わからないこと

この検査でわかるのは、調べる154遺伝子に、がんのなりやすさに関わる生まれつきの変化があるかどうかです。一方で、次のような限界があります。

  • ●今がんがあるかどうかはわかりません:わかるのは「なりやすさ」で、がんの有無を調べる検査ではありません。
  • ●陰性でも、がんにならないという意味ではありません:多くのがんは生まれつきの体質とは関係なく起こります。調べていない遺伝子や、今の技術では見つけにくい変化が残る可能性もあります。
  • ●意義がまだわからない変化(VUS)が見つかることがあります:VUSは、それだけで診断に使ったり、ご家族の検査に使ったりはしません。研究が進んで、のちに意味がはっきりすることもあります。

結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけをお送りすることはありません。結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。報告書の読み方は遺伝子検査の結果の見方で解説しています。調べた目的とは別の病気の原因が見つかった場合の扱いは、二次的所見の開示方針をご覧ください。

がんだけでなく、心臓の病気なども一緒に調べたい方

見つかったときに予防・検診・治療などの対策がとれる遺伝子(アクショナブル遺伝子)をまとめて調べるアクショナブル遺伝子パネル(81遺伝子)もあります。BRCA1・BRCA2やリンチ症候群の遺伝子に加えて、心臓の病気に関わる遺伝子も含みます。がんの遺伝子を幅広く調べたい方は154遺伝子の検査、がんと心臓などの対策がとれる病気を中心に調べたい方はアクショナブル遺伝子パネル、という選び方になります。

\ あなたの1回の検査が、ご家族の備えの出発点に /

📅遺伝カウンセリングを予約する(遺伝性がんの検査)

唾液・口の内側の粘膜の検体なら、オンラインの遺伝カウンセリングのあと、ご自宅から検体を郵送して受けられます。

お問い合わせはこちら | 遺伝性がん遺伝子検査(154遺伝子)の詳細

4. リキッドバイオプシー:血液でがんのDNAを調べる

リキッドバイオプシーは、採血した血液の中に流れ出た、がん由来のDNA(循環腫瘍DNA:ctDNA)を調べる検査です。がんの組織を取る(生検)代わりに血液で調べられることから、「液体の生検」と呼ばれます。しくみや研究の動きは、リキッドバイオプシーとはでくわしく解説しています。

当院のリキッドバイオプシーで調べること・使う場面

当院のリキッドバイオプシー検査では、血漿の中のctDNAについて、ゲノム全体の染色体の大きな部分の増減(コピー数の変化)と、がんの増殖に関わるドライバー遺伝子の変化(最大50遺伝子)を調べます。検体は血液1本(10ml)です。当院の検査ページでは、次のような場面での利用を挙げています。

  • ●抗がん剤治療や免疫療法の効果を確かめたいとき
  • ●手術のあとや、症状が落ち着いている時期に、再発や残っているがんの兆しを見たいとき
  • ●組織を取る検査が難しいとき
  • ●治療が効きにくくなったとき、次の治療や臨床試験を考える材料がほしいとき

リキッドバイオプシーでわからないこと

リキッドバイオプシーは、がんの診断の代わりにはなりません。陰性でも、がんがないことの保証にはなりません。当院の検査ページでも、最初の診断は組織の検査が基本であること、血液中にDNAをあまり出さないがんは見つけにくいこと、陽性のときは追加の検査が必要になることを明記しています。

米国臨床腫瘍学会(ASCO)と米国病理学会(CAP)の合同レビュー(2018年)は、ctDNAの結果とがん組織の遺伝子の結果は一致しないことがあり、ctDNAで変化が見つからなかったときは組織の検査で確かめることを支持するとしています。また、臨床試験以外でがん検診(がんがあるかを見つけるため)に使うことを支持する根拠はない、としています[5]。同じレビューは、早期がんや治療のモニタリング、残っているがんの検出での有用性について、当時の根拠はまだ少ないとも述べています[5]。研究が進んでいる分野なので、結果は単独で判断せず、主治医の画像検査や腫瘍マーカーなどとあわせて読むことが大切です。

遺伝性がんの遺伝子検査とリキッドバイオプシーの違い

名前が似ていて迷いやすい2つの検査ですが、調べている遺伝子の変化の種類がまったく違います。遺伝性がんの遺伝子検査は「生まれつきの変化(ご家族と共通しうる)」を、リキッドバイオプシーは「がん細胞に後から起きた変化(ご家族には関係しない)」を調べます。

🔍 2つの検査の違い

項目 遺伝性がんの遺伝子検査 リキッドバイオプシー
調べる変化 生まれつきの遺伝子の変化(生殖細胞系列) がん細胞に後から起きた変化(体細胞)
わかること がんのなりやすさ(体質) 血液中のがん由来DNAの変化
受ける時期 基本的に一生に一度でよい(遺伝子は一生変わらない) 治療の経過に合わせて、くり返し調べることがある
ご家族への影響 ある(ご家族が同じ変化をもつ可能性) 基本的にない(遺伝性がんを調べる検査ではない)
向いている方 がんになった方・がんになっていない方の両方 すでにがんと診断されている方が中心

※リキッドバイオプシーは遺伝性がんを調べる検査ではありません(当院の検査ページの記載)。ご家族への影響が気になる方は、遺伝性がんの遺伝子検査をご検討ください。

5. がんと遺伝の両方の専門医が担当します

当院のがんに関する検査とセカンドオピニオンは、院長の仲田洋美が担当します。院長は、日本人類遺伝学会の臨床遺伝専門医、日本内科学会の総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会のがん薬物療法専門医の資格をもち、厚生労働省の指針に基づく緩和ケア研修会も修了しています。

がん薬物療法専門医は、がんを内科の立場から、臓器を問わず診る医師の専門医資格です。院長は、がんができた臓器ごとに分けるのではなく、臓器の垣根を越えてがんを診療してきました。そのなかで遺伝性腫瘍の患者さんとご家族に向き合う機会が重なり、臨床遺伝専門医の資格も取得しています。

遺伝性がんの検査結果は、遺伝の話だけでは完結しません。「この結果は、今の治療やこれからの検診にどう関わるのか」まで考える必要があります。がんの診療と遺伝の両方の視点から、検査の結果やセカンドオピニオンの内容をお伝えできることが、当院の特徴です。治療は主治医のもとで続けていただき、その判断の材料を整えるお手伝いをします。

6. がんのセカンドオピニオン外来

セカンドオピニオンとは、今の主治医とは別の専門医に、診断や治療方針について意見を求めることです。意見を求められた医師は、紹介状や検査結果などの医療記録を検討したうえで、考えられる治療の選択肢について意見をお伝えします。主治医と同じ意見になることもあれば、別の選択肢が示されることもあります。どちらの場合も、患者さんが納得して治療を選ぶための大切な材料になります。

当院では、オンライン診療により全国どこからでもセカンドオピニオンをお受けできます。来院しなくても、がん薬物療法専門医である院長のセカンドオピニオンを受けていただけます。当院ではがんの治療は行っていないため、治療そのものは、これまでどおり主治医のもとで受けていただきます。

セカンドオピニオンが役立つ場面

  • ●治療法が複数ある:がんの多くには、根拠に基づく治療法が複数あります。どれが自分に合うかを考えるうえで、別の専門医の意見が役立ちます。
  • ●手術など大きな決断を前にしている:体への負担や生活への影響が大きい治療を選ぶ前に、ほかの選択肢がないか確認できます。
  • ●希少ながんや、診断が難しいと言われた:別の視点から病状を整理することで、理解が深まることがあります。
  • ●遺伝性がんの可能性を言われた・気になる:治療の話と遺伝の話を、同じ医師から続けて聞くことができます。

国の「がん診療連携拠点病院」の整備指針でも、すべてのがん患者さんとご家族に、ほかの施設でセカンドオピニオンを受けられることを説明するよう求めています。セカンドオピニオンは主治医を否定するものではなく、患者さんご自身が病気と治療への理解を深め、納得して治療に臨むためのものです。

セカンドオピニオンを受けるタイミング

おすすめは、治療が始まる前、つまり診断がつき、主治医から治療方針の説明を受けた段階です。治療が始まってからでは選べる選択肢が限られることがあるためです。

ただし、がんの種類や進み具合によっては、治療開始を急いだほうがよい場合もあります。セカンドオピニオンのために治療開始をどのくらい待てるかは、主治医に確認してください。また、再発したときや、治療の効果が思わしくなく次の治療を選ぶときも、セカンドオピニオンを考えるよいタイミングです。

セカンドオピニオンで聞きたいことを準備する

いざ医師を前にすると、緊張して聞きたかったことの半分も聞けなかった、ということはよくあります。質問したいことをあらかじめメモしておき、説明も書き留めておくことをおすすめします。たとえば次のような質問です。

  • ●私の場合、どのような治療法が考えられますか?
  • ●それぞれの治療法のメリット・デメリットを教えてください
  • ●起こりうる副作用や、重大なリスクはありますか?
  • ●臨床試験(治験)への参加も検討したほうがよいですか?
  • ●治療が妊よう性(妊娠する力)に影響しますか?影響する場合、守る方法はありますか?
  • ●私のがんは、遺伝性がんの検査を考えたほうがよいですか?

ミネルバクリニックのセカンドオピニオンの方針

院長は「良いことも悪いことも、率直にお伝えする」ことを大切にしています。不安を抱えて相談に来られた方に隠し事をしては、信頼関係は築けないと考えているからです。一方で、伝え方ひとつで絶望を深めてしまうこともあるため、患者さんのお気持ちに配慮しながらお話しします。

また、セカンドオピニオンの目的は、主治医との信頼関係を損なうことではありません。患者さんのお気持ちや疑問をしっかりうかがい、主治医のもとで納得して治療を続けられるよう、橋渡しをすることを方針としています。

7. セカンドオピニオンの流れ・必要なもの・費用

セカンドオピニオンの費用は30分45,000円(税込49,500円)で、来院でもオンラインでもお受けします。健康保険は使えない自費の相談です。セカンドオピニオンは主治医の紹介状と検査結果をもとに行うため、紹介状がない場合は難しくなります。ご予約の前に、主治医に紹介状と画像・病理の検査結果を用意していただいてください。

主治医に伝える紹介状・検査結果
▶
ご予約来院またはオンライン
▶
セカンドオピニオン院長が担当
▶
主治医に報告治療方針を相談
  1. 主治医の説明をよく理解する:まずは今の診断と治療方針(ファーストオピニオン)を整理します。
  2. 主治医に伝え、資料を用意してもらう:紹介状(診療情報提供書)と、画像・病理の検査結果を用意してもらいます。
  3. 予約する:当院では、来院またはオンラインでお受けします。
  4. セカンドオピニオンを受ける:聞きたいことをメモしておき、できれば信頼できるご家族などに同席してもらいましょう。
  5. 結果を主治医に報告する:セカンドオピニオンの内容を主治医に伝え、あらためて治療方針を相談します。

セカンドオピニオンは、主治医のもとで治療を続けることを前提に意見を聞くもので、転院とは違います。セカンドオピニオンを聞いたうえで転院を希望される場合は、あらためて主治医とご相談ください。

💴 セカンドオピニオンの必要なもの・費用・時間

項目 内容
必要なもの ご本人の保険証(コピー可)※保険診療ではありませんが、本人確認のためにお持ちください。
紹介状(セカンドオピニオン用の診療情報提供書)※紹介状がない場合、セカンドオピニオンは難しくなります。
画像検査の結果
病理組織所見・病理診断の結果
ご家族のみでご相談される場合 患者さんご本人の同意書、面談されるご家族全員の身分証明書
費用 30分 45,000円(税込49,500円)
時間 紹介状などを確認して報告書を作成する時間も含め、1時間を目安にしてください。時間が30分を超えても、料金は45,000円(税込49,500円)のままで、追加の料金はいただきません。事前にご質問の内容をお知らせいただけると、より充実したご相談になります。

※当院の診療はすべて自費診療です。遺伝性がんの検査・リキッドバイオプシーを受ける場合は、検査費用とは別に遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)がかかります。

\ 納得して治療を選ぶために、別の専門医の意見を /

📅セカンドオピニオンを予約する

オンライン診療で全国からお受けします。がん薬物療法専門医・臨床遺伝専門医の院長が担当します。

お問い合わせはこちら | 遺伝カウンセリングとは

8. 院長コラム

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【治療は主治医と、遺伝の情報は一度の検査で】

がんと診断されると、目の前の治療のことで頭がいっぱいになります。それは当然のことです。ただ、がんの一部には生まれつきの体質が関わっていて、それがわかると、使える薬の選び方や、ほかのがんへの備え方が変わることがあります。そして、その情報はご本人だけでなく、ご両親・きょうだい・お子さんにも関わります。

私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。

遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。家族歴がはっきりしないから大丈夫、と見た目の印象だけで決めてしまわないでほしいと考えています。

当院はがんの治療をする場所ではありません。治療は主治医と一緒に進めていただき、その判断に役立つ遺伝の情報と、別の専門医としての意見をお届けすることが、私たちの役割だと考えています。わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。

よくある質問(FAQ)

Q1. ミネルバクリニックで、がんの治療や抗がん剤の相談はできますか?

当院では、がんの治療(抗がん剤の処方・点滴など)や、治療方針・抗がん剤の効果や副作用を継続して相談する外来は行っていません。当院でお受けしているのは、遺伝性がんの遺伝子検査、リキッドバイオプシー、がんのセカンドオピニオンの3つです。治療は主治医のもとで受けていただきます。

Q2. がんになっていなくても、遺伝性がんの遺伝子検査は受けられますか?

受けられます。ご家族(血縁者)にがんになった方が何人もいる方などが検査を考える目安になります。検査の前に臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、検査でわかること・わからないこと、結果がご家族にとってどういう意味をもつかをご説明します。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。

Q3. リキッドバイオプシーで「がんがない」ことはわかりますか?

わかりません。リキッドバイオプシーはがんの診断の代わりにはならず、陰性でもがんがないことの保証にはなりません。血液中にDNAをあまり出さないがんは見つけにくく、陽性のときは追加の検査が必要になることがあります。米国臨床腫瘍学会と米国病理学会の合同レビュー(2018年)も、臨床試験以外でがん検診に使うことを支持する根拠はないとしています。

Q4. 遺伝性がんの遺伝子検査とリキッドバイオプシーは何が違いますか?

遺伝性がんの遺伝子検査は、生まれつきの遺伝子の変化を調べて、がんのなりやすさ(体質)を知る検査で、結果はご家族にも関わります。リキッドバイオプシーは、血液中に流れ出たがん細胞由来のDNAの変化を調べる検査で、すでにがんと診断されている方の治療の効果や再発の兆しを見るときに使います。遺伝性がんを調べる検査ではありません。

Q5. がんの組織を使った遺伝子パネル検査(がんゲノムプロファイリング検査)は受けられますか?

当院では、がんの組織を使った遺伝子パネル検査は行っていません。主治医の医療機関でご相談ください。当院でお受けしている「遺伝性がんの遺伝子検査」は、生まれつきの遺伝子の変化を調べる検査で、がんの組織の検査とは目的が違います。

Q6. 主治医にセカンドオピニオンを受けたいと言いにくいのですが…

セカンドオピニオンは、患者さんが納得して治療を選ぶための正当な権利で、多くの医師が当然のこととして受け止めています。がん診療連携拠点病院にもセカンドオピニオンに対応する体制が求められています。「納得して治療を受けたいので、別の専門医の意見も聞きたい」とそのまま伝えていただいて大丈夫です。

Q7. 主治医に内緒でセカンドオピニオンを受けられますか?

セカンドオピニオンは、主治医が作成する紹介状と検査結果をもとに意見をお伝えするものです。紹介状や検査結果がないと、ご本人の病状に合わせた意見をお伝えすることが難しいため、主治医にお伝えいただき、資料を用意していただくようお願いしています。

Q8. セカンドオピニオンはなぜ保険がきかないのですか?

セカンドオピニオンは、診察や検査、治療を行うのではなく、ほかの医療機関の資料をもとに意見を述べる「相談」にあたるため、健康保険の対象外(自費)となります。なお、主治医が紹介状を作成する費用には健康保険が使えます。

Q9. 紹介状(診療情報提供書)がなくても相談できますか?

セカンドオピニオンは、紹介状(セカンドオピニオン用の診療情報提供書)と、画像検査・病理検査の結果をお持ちいただくことが前提です。紹介状がないと、ご本人の病状に合わせた意見をお伝えすることは難しくなります。まずは主治医に、セカンドオピニオンを受けたいとお伝えください。紹介状の作成費用には健康保険が使えます。

Q10. 家族だけで相談することはできますか?

可能です。患者さんご本人の同意書と、面談されるご家族全員の身分証明書をお持ちください。

Q11. ミネルバクリニックで治療を受けられますか?

セカンドオピニオンは、診断や治療方針について専門医としての意見をお伝えするものです。当院ではがんの治療は行っておらず、治療そのものは、これまでどおり主治医のもとで受けていただくことを前提としています。

🧬 がんと遺伝の情報を、治療とご家族の備えに

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。遺伝性がんかどうかがわかれば、ご本人の治療薬の選択やほかのがんへの備えだけでなく、ご家族が自分の状態を知る手がかりにもなります。当院では臨床遺伝専門医・がん薬物療法専門医の院長が、遺伝性がんの遺伝子検査の前後の遺伝カウンセリングと、がんのセカンドオピニオン(オンラインで全国から)を担当します。

お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768

参考文献

  • [1] Huang KL, Mashl RJ, Wu Y, et al. Pathogenic Germline Variants in 10,389 Adult Cancers. Cell. 2018;173(2):355-370.e14. [DOI: 10.1016/j.cell.2018.03.039](PMID: 29625052)
  • [2] Daly MB, Pal T, Berry MP, et al. Genetic/Familial High-Risk Assessment: Breast, Ovarian, and Pancreatic, Version 2.2021, NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology. J Natl Compr Canc Netw. 2021;19(1):77-102. [DOI: 10.6004/jnccn.2021.0001]
  • [3] Idos G, Valle L. Lynch Syndrome. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 2004 (Updated 2021 Feb 4). [NCBI Bookshelf NBK1211]
  • [4] Robson M, Im SA, Senkus E, et al. Olaparib for Metastatic Breast Cancer in Patients with a Germline BRCA Mutation. N Engl J Med. 2017;377(6):523-533. [DOI: 10.1056/NEJMoa1706450](PMID: 28578601)
  • [5] Merker JD, Oxnard GR, Compton C, et al. Circulating Tumor DNA Analysis in Patients With Cancer: American Society of Clinical Oncology and College of American Pathologists Joint Review. J Clin Oncol. 2018;36(16):1631-1641. [DOI: 10.1200/JCO.2017.76.8671]

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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