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感染による流産のリスク:確率・時期・病原体から予防策まで徹底解説【妊婦必読】

感染による流産のリスク:確率・時期・病原体から予防策まで徹底解説【妊婦必読】

この記事でわかること

📖 読了時間:約8-10分


📊 約6,000文字
⭐ 専門医監修

  • 感染症が流産に与える影響とその具体的な確率
  • 流産リスクが高い妊娠の時期とその背景
  • 流産に関わる主な病原体と詳細な感染経路
  • 日常生活で実践できる効果的な感染症予防策
  • 妊婦健診における感染症スクリーニングの重要性
  • ミネルバクリニック独自のNIPTと安心のサポート体制

妊娠中の女性にとって、流産は大きな不安要素の一つです。その原因は多岐にわたりますが、感染症もまた無視できない重要な要因です。特に、妊娠初期の流産の多くが胎児の染色体異常に起因するとされる一方で、特定の感染症は流産リスクを著しく高めることが知られています。本記事では、「感染による流産のリスク」に焦点を当て、その具体的な確率、リスクの高い時期、主要な病原体と感染経路、そして妊婦さんが日常生活で実践できる予防策について、ミネルバクリニックが詳しく解説します。

💡ミネルバクリニックからのメッセージ
ミネルバクリニックは、臨床遺伝専門医が常駐する非認証施設でありながら、2025年6月より産婦人科を併設し、NIPT陽性時の確定検査(羊水・絨毛検査)を自院で行えるようになりました。NIPT検査から確定検査までをワンストップで対応することで、より安心してNIPTを受けていただけるよう、常に患者さんのことを考えて一歩一歩できることを増やしています。

感染症による流産の確率と時期

感染症が流産に寄与する割合は、妊娠の時期によって大きく異なります。特に注目すべきは、妊娠12週未満の早期流産の約15%が感染症を原因としているのに対し、妊娠12週以降22週未満の後期流産では驚くべきことに約66%もの流産が感染症に起因すると報告されている点です。この数値は、妊娠後期になるにつれて感染症が流産の主要な原因となる可能性が著しく高まることを明確に示唆しています。

特定の病原体による流産の発生率も、その脅威の具体的な側面を示しています。例えば、リステリア感染症に関する報告では、約20%のケースで流産もしくは子宮内胎児死亡が認められました。また、ヒトパルボウイルスB19(リンゴ病)に起因する流死産は、妊娠18週を中心とした後期流産に多く見られるとされています。麻疹感染では、胎児死亡や流早産を起こす可能性が20〜40%あるといわれています。サイトメガロウイルス(CMV)については、妊娠初期の初感染では胎児感染率は低いものの、流死産や重篤な脳障害、精神運動障害など、症状がより重症になる可能性があります。

これらの情報から、妊娠時期と感染症の流産リスクの複雑な相関関係が明らかになります。早期流産と後期流産における感染症の寄与率の大きな差は、妊娠時期によって感染症が流産に与える影響の度合いが劇的に異なることを示唆しています。そのため、妊娠期間を通じて継続的な感染予防と、適切な時期のスクリーニング検査が極めて重要となります。

主な感染経路と病原体

母子感染は、流産だけでなく、早産、胎児奇形、または出生後に症状が発現するなど、胎児に様々な障害の原因となる可能性があります。母体から赤ちゃんへの感染様式は主に以下の3つに分類されます。

  • 胎内感染 (Intrauterine Infection): 妊娠中に赤ちゃんが子宮の中にいるときに母体から感染するタイプです。
    • 経胎盤感染 (Transplacental): 胎盤を通って病原体が胎児の血液内に侵入します。特に妊娠初期の感染は、流産や奇形など、胎児の生命に関わる大きな問題となることが多いです。
    • 上行感染 (Ascending): 腟や子宮頸部(子宮の入り口)に存在する病原体が羊水などを介して胎児に感染します。細菌感染による「絨毛膜羊膜炎」は、この上行感染で流産リスクを高める可能性があります。
  • 分娩時感染 (Peripartum Infection): 分娩時、子宮内や産道で赤ちゃんに感染を起こします。
  • 母乳感染 (Breast Milk Infection): 母乳を介して母体の病原体が赤ちゃんに移行する可能性があります。

🚨注意すべき主な感染症(TORCH症候群とその周辺)

流産や胎児奇形を引き起こす主要な病原体は多岐にわたり、胎内感染により胎児に重篤な症状を引き起こす感染症は、総称して「TORCH症候群」と呼ばれることがあります。

  • T: トキソプラズマ症 (Toxoplasmosis): 加熱不十分な肉類や猫の糞などから感染。流死産、脳内石灰化などを引き起こす可能性。
  • O: その他 (Other):
    • 梅毒 (Syphilis): 性行為により感染。流産、早産、先天梅毒の原因に。
    • ヒトパルボウイルスB19 (リンゴ病): 飛沫感染。胎児水腫、胎児死亡を引き起こす。
    • リステリア菌 (Listeria): 未殺菌の乳製品や生肉から感染。流産や子宮内胎児死亡の原因に。
    • その他、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、HIV、水痘・帯状疱疹ウイルスなど。
  • R: 風疹 (Rubella): 飛沫感染。聴力障害、視力障害、先天性心疾患(先天性風疹症候群)の原因に。
  • C: サイトメガロウイルス (Cytomegalovirus): 唾液や尿からの接触感染(特に小児から)。難聴や神経学的後遺症、流死産のリスク。
  • H: 単純ヘルペス (Herpes simplex): 性交渉で感染。神経障害や死亡のリスク。

上記以外にも、性器クラミジア、B群溶血性レンサ球菌(GBS)、ウレアプラズマ、淋菌なども流産の原因となる可能性が指摘されています。

表1:流産に関連する主な感染症、感染経路、および胎児への影響
感染症名 病原体タイプ 主な感染経路 胎児への主な影響 流産との関連性
トキソプラズマ症 原虫 経口(加熱不十分な肉、土、猫の糞) 流死産、脳内石灰化、水頭症、精神運動障害 妊娠初期の重症化リスク
梅毒 細菌 性交渉、経胎盤 流産、早産、子宮内死亡、先天梅毒(脳、骨、聴覚、視覚異常) 全妊娠期間、早期治療が重要
サイトメガロウイルス ウイルス 接触(唾液、尿)、経胎盤、産道、母乳 低出生体重、黄疸、難聴、神経学的後遺症、流死産 妊娠初期の重症化リスク
ヒトパルボウイルスB19 ウイルス 飛沫、経胎盤 胎児水腫、胎児死亡、貧血 妊娠8~20週に特に注意、後期流産に寄与
リステリア症 細菌 経口(未殺菌乳製品、生肉) 流産、子宮内胎児死亡、新生児感染症(肺炎、敗血症) 妊娠初期の予後不良
風疹 ウイルス 飛沫、経胎盤 先天性風疹症候群(聴力障害、視力障害、心疾患) 妊娠初期の感染でリスク大
性器クラミジア感染症 細菌 性交渉、産道 流産、早産、新生児肺炎、結膜炎 全妊娠期間
B群溶血性レンサ球菌 (GBS) 細菌 上行性、産道 新生児肺炎、敗血症、細菌性髄膜炎、死亡、後遺症 分娩時感染リスク
麻疹 ウイルス 飛沫、経胎盤 胎児死亡、流早産 全妊娠期間
単純ヘルペス ウイルス 性交渉、経胎盤、産道 神経障害、死亡、新生児ヘルペス 全妊娠期間
HIV ウイルス 性交渉、経胎盤、産道、母乳 エイズ発症、免疫不全 全妊娠期間

妊娠中の感染症予防策と注意点

妊娠中の感染症リスクを低減するためには、日常生活における多角的な予防策と注意深い行動が不可欠です。

日常生活における予防の基本

  • 手洗いとうがいを徹底する: 特に食事の前、調理時(生肉を扱った後)、ガーデニングや動物の糞処理後には、石鹸と流水で丁寧に手を洗いましょう。
  • 人ごみを避け、マスクを着用する: 風疹やインフルエンザなど、飛沫で感染する病気が流行している時期は、人ごみを避け、外出時にはマスクを着用することが推奨されます。
  • 十分な休息とストレス管理: 免疫力を維持し、切迫流産のリスクを低減するためにも非常に重要です。
  • 喫煙・飲酒を避ける: 喫煙や過度のアルコール摂取は流産のリスクを高めることが知られています。家族の協力も得て禁煙を促しましょう。

食事からの感染予防

  • 生肉や加熱不十分な肉を避ける: トキソプラズマやリステリア菌感染のリスクがあるため、ユッケ、馬刺し、生ハム、サラミ、レアな肉などは食べないようにし、肉は中心部までしっかりと加熱しましょう。
  • 未殺菌の乳製品を避ける: リステリア菌などのリスクがあるため避けましょう。
  • 生野菜はしっかりと洗う: 食中毒菌の除去のため、食べる前にしっかりと洗いましょう。
  • 子どもの食べ残しや食器の共有を避ける: サイトメガロウイルス感染予防のため、小さな子どもの食べ残しを食べたり、同じ箸やスプーンなどの食器を共有したりすることは避けましょう。

性生活における注意点

  • 性行為の際は必ずコンドームを着用する: 細菌感染や性感染症の予防に強く推奨されます。絨毛膜羊膜炎は流産リスクを高める可能性があります。
  • デリケートゾーンを清潔に保つ: ただし、温水洗浄便座での過度な洗浄は控えるようにしましょう。
  • 無理な体位や乳頭刺激を避ける: 子宮の張りを誘発することがあるため、注意が必要です。

ペットや環境からの感染リスク管理

  • 猫のトイレ掃除を避ける: トキソプラズマ感染のリスクがあるため、汚れた猫のトイレに触れるのは避け、行う場合は使い捨ての手袋を着用し、作業後は十分に手を洗いましょう。
  • げっ歯類やその排泄物に触れない: ネズミなどの動物やその排泄物との接触を避けましょう。
  • 感染している鳥との接触を避ける: オウム病などに感染している鳥(オウム・インコなど)との接触にも注意が必要です。

妊婦健診とスクリーニング検査の重要性

妊娠期間中は、症状や異常があった場合はすぐに医療機関を受診することが非常に重要です。妊婦健診では、母子感染症の原因となる感染症について、様々なスクリーニング検査が推奨されています。

  • 妊娠初期: 血液型、血糖、B型肝炎抗原、C型肝炎抗体、HIV抗体、梅毒血清反応、風疹ウイルス抗体などの検査が実施されます。子宮頸がん検診も妊娠初期に一度実施されます。
  • 妊娠中期以降: B群溶血性レンサ球菌(GBS)検査(妊娠24週から35週の間)、性器クラミジア検査(妊娠30週頃まで)が実施されます。

これらの検査結果は、胎児への影響を最小限に抑える上で極めて重要です。例えば、妊娠初期に梅毒への感染が判明した場合、早期に治療を開始することで、流産・死産・胎児発育不全や先天梅毒のリスクを大幅に低減できます。また、風疹抗体がない場合、妊娠中はワクチン接種ができないため、同居の家族に麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)を接種してもらうことが推奨されます。

表2:妊娠中の感染症予防のための具体的な行動リスト
カテゴリ 具体的な行動 理由/目的
日常生活の基本 こまめな手洗い・うがいを徹底する 食中毒菌やウイルス感染の予防
人ごみを避け、外出時はマスクを着用する 飛沫感染症(風疹、インフルエンザなど)の予防
ストレスを管理し、十分な休息を取る 免疫力維持、切迫流産リスクの低減
喫煙、アルコール、違法薬物を避ける 流産リスクの増加を避ける
食事の注意 生肉や加熱不十分な肉を食べない トキソプラマ症、リステリア症の予防
未殺菌の乳製品を避ける リステリア症などの予防
生野菜は食べる前にしっかり洗う 食中毒菌の除去
小さな子どもの食べ残しや食器の共有を避ける サイトメガロウイルス感染の予防
性生活の注意 性行為の際は必ずコンドームを使用する 細菌感染(絨毛膜羊膜炎)や性感染症の予防
デリケートゾーンを清潔に保つ(過度な洗浄は控える) 細菌感染の予防
無理な体位や乳頭刺激を避ける 子宮の張りの誘発を防ぐ
ペット・環境との関わり 猫のトイレ掃除は避け、行う場合は手袋を使用し、後で手を洗う トキソプラズマ症の予防
げっ歯類やその排泄物に触れない 感染症のリスク回避
感染している鳥との接触を避ける オウム病などの予防
医療機関との連携 定期的な妊婦健診を必ず受診する 胎児と母体の健康状態の確認、異常の早期発見
推奨されるスクリーニング検査を適切に受ける 自覚症状のない感染症の早期発見と治療
体調に異変を感じたら速やかに医療機関に相談する 早期診断と適切な治療による予後改善
医療スタッフや家族に悩みを相談し、サポートを得る 精神的負担の軽減、適切な情報と支援の獲得

ミネルバクリニックのNIPTと安心のサポート

ミネルバクリニックでは、妊婦さんが安心してNIPTを受け、その後の妊娠期間を過ごせるよう、多角的なサポート体制を整えています。

ミネルバクリニックの特徴

  • COATE法による最高精度NIPT: 最新の次世代NIPT技術であるCOATE法を採用し、自院採用検査の中で最高精度を実現しています。微細欠失症候群の陽性的中率が従来の70%台から99.9%以上と飛躍的に向上しました。
  • 臨床遺伝専門医常駐: 専門医による遺伝カウンセリングを丁寧に実施し、患者様一人ひとりの状況に合わせた最適な情報提供とサポートを行います。
  • オンライン対応: 全国どこからでもNIPT検査を受けていただくことが可能です。遠方にお住まいの方も安心してご相談ください。
  • 24時間サポート体制:: NIPT陽性時にも手厚いフォロー体制で24時間サポート。不安な気持ちに寄り添い、迅速に対応いたします。
  • 2025年6月より陽性時の確定検査を自院で実施可能: ミネルバクリニックは非認証施設で唯一、産婦人科を併設し、NIPT検査から陽性時の確定検査(羊水・絨毛検査)までをワンストップで対応できるようになりました。これにより、よりスムーズで安心な確定診断を提供します。
  • 2022年11月よりNIPT前の4Dエコーが可能: NIPT受検前に胎児の当日の状態を4Dエコーで確認できるようになり、より安心して検査を受けていただけるようになりました。
  • 胎児分画が低い場合の返金対応(2025年1月より): 胎児分画が低いと偽陰性の可能性が高まるため、検査結果を出せない場合があります。再検査が不可能な方(例:流産の場合)には、検査代金を返金する制度を開始し、安心して検査を受けていただけると好評です。
  • 陽性時の確定検査は互助会でフルカバー: NIPT取り扱い当初から、陽性時の確定検査費用を互助会でフルカバーする制度を設けています。経済的な負担を軽減し、安心して次のステップへ進んでいただけます。

ミネルバクリニックは、常に患者さんのことを考えて、一歩一歩できることを増やしています。

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感染症のリスクだけでなく、胎児の健康についてご不安な点があれば、お気軽にご相談ください。ミネルバクリニックは、皆様の安心な妊娠生活をサポートいたします。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 妊娠中に感染症にかかったら、必ず流産しますか?

A1. 必ずしも流産するわけではありません。感染症の種類、感染した時期、症状の重さ、そして適切な治療を速やかに受けられたかによって、流産のリスクは異なります。しかし、一部の感染症は流産や胎児への深刻な影響を与える可能性があるため、感染が疑われる場合は速やかに医療機関を受診することが重要です。

Q2. 妊娠中に最も気を付けるべき感染症は何ですか?

A2. トキソプラズマ症、サイトメガロウイルス、風疹、梅毒、ヒトパルボウイルスB19、リステリア菌などが特に注意が必要です。これらは流産や胎児奇形、発達障害など、赤ちゃんに深刻な影響を与える可能性があります。それぞれの感染経路を理解し、適切な予防策を講じることが大切です。

Q3. 妊娠中の感染症はどのように検査されますか?

A3. 妊婦健診の際に、血液検査などによってスクリーニング検査が行われます。B型肝炎、C型肝炎、HIV、梅毒、風疹抗体などの検査が一般的に実施されます。また、必要に応じて特定の感染症に対する追加検査が行われることもあります。自覚症状がなくても検査を受けることで、早期発見・早期治療につながります。

Q4. 妊娠中の感染症予防で、特に食事で注意することはありますか?

A4. はい、特に注意が必要です。トキソプラズマ症やリステリア菌感染を防ぐため、生肉や加熱が不十分な肉、未殺菌の乳製品は避けてください。生野菜や果物は食べる前によく洗い、小さな子どもの食べ残しや食器の共有はサイトメガロウイルス感染のリスクがあるため控えましょう。

Q5. ペットを飼っていますが、感染症のリスクはありますか?

A5. はい、特に猫を飼っている場合、トキソプラズマ症のリスクがあります。猫の糞にはトキソプラズマのオーシストが含まれることがあるため、猫のトイレ掃除は他の家族に任せるか、使い捨て手袋を使用し、作業後は十分に手洗いを行ってください。げっ歯類や鳥など他の動物からも感染症のリスクがあるため、直接的な接触は避けましょう。

Q6. 膣内の常在菌が原因で流産することはありますか?

A6. 膣内の常在菌は通常は無害ですが、そのバランスが崩れることで異常増殖し、細菌性膣炎などを引き起こすことがあります。特定の細菌(例えば、B群溶血性レンサ球菌(GBS)やウレアプラズマ、マイコプラズマなど)が子宮内に上行感染することで、絨毛膜羊膜炎を引き起こし、流産や早産のリスクを高めることが報告されています。特に妊娠後期においては、感染症が流産の主要な原因の一つとなるため、異常を感じた場合は速やかに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

Q7. 妊娠中の感染症予防のためにできることはありますか?

A7. 妊娠中の感染症予防には、以下のような多角的な対策が重要です。

  • こまめな手洗い・うがい
  • 人ごみを避け、マスクを着用する
  • 生肉や加熱不十分な肉、未殺菌の乳製品を避ける
  • 猫のトイレ掃除を避ける(行う場合は手袋着用、手洗い徹底)
  • 性行為の際はコンドームを着用する
  • 十分な休息とストレス管理
  • 定期的な妊婦健診を受け、必要なスクリーニング検査を行う
  • 体調に異変を感じたら速やかに医療機関を受診する

これらの具体的な予防策を日々の生活に取り入れることで、感染症リスクを低減し、安心な妊娠生活を送ることができます。

まとめと推奨事項

感染症は流産の重要な原因の一つであり、特に後期流産においてその寄与率が高いこと、また特定の病原体によっては妊娠初期の感染が胎児に重篤な結果を招く可能性があることを本記事で詳細に解説しました。流産の原因が多様である中で、感染症は予防策によってリスクを低減できる数少ない要因であり、妊婦さん自身が積極的に関与できる領域です。妊娠期間を通じて、日常生活、食事、性生活、環境管理など、多岐にわたる予防策を継続的に実践することの重要性を改めて強調します。

妊娠中の感染症対策は、単に「感染しないようにする」という予防努力だけでなく、「万が一感染した場合でも、早期に発見し、適切な医療介入によって胎児への影響を最小限に抑える」という二段構えの戦略が不可欠です。このため、定期的な妊婦健診の受診と、推奨されるスクリーニング検査を適切に受けることは不可欠です。

少しでも体調に異変を感じた場合や、感染症に関する不安がある場合は、迷わず医療機関に相談することが重要です。早期の相談が、適切な診断と治療に繋がり、予後を改善する鍵となります。ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医をはじめ、様々な医療スタッフが皆様の相談に応じますので、一人で悩みを抱え込まず、専門家のサポートを積極的にご利用ください。

参考文献

  1. 日本産婦人科医会. 流産と死産について. (参照 2025-06-22).
  2. MSDマニュアル プロフェッショナル版. 自然流産. (参照 2025-06-22).
  3. 東京都多摩小平保健所. 流産・死産. (参照 2025-06-22).
  4. 公益社団法人 日本産科婦人科学会. 自然流産. (参照 2025-06-22).
  5. 産婦人科オンライン. 流産の兆候や症状、原因、予防法は?「流産」を正しく知って、不安を解消しよう. (参照 2025-06-22).
  6. 国立感染症研究所. 妊娠中の感染症と母子感染. (参照 2025-06-22).
  7. 公益社団法人 日本産婦人科医会. 流産とはどのような病気ですか. (参照 2025-06-22).
  8. 小児感染症.com. リステリア症. (参照 2025-06-22).
  9. 国立感染症研究所. ヒトパルボウイルスB19感染症とは. (参照 2025-06-22).
  10. 日本周産期・新生児医学会. 妊娠中の母体感染症. (参照 2025-06-22).
  11. 国立感染症研究所. 麻疹とは. (参照 2025-06-22).
  12. 公益財団法人母子衛生研究会. TORCH症候群とは. (参照 2025-06-22).
  13. 東京都福祉保健局. 妊娠中の感染症予防について. (参照 2025-06-22).
  14. 厚生労働省. トキソプラズマ症に関するQ&A. (参照 2025-06-22).
  15. 農林水産省. 妊娠中と加熱不十分な食肉について. (参照 2025-06-22).
  16. 日本産婦人科医会. 妊婦と感染症. (参照 2025-06-22).
  17. 日本産婦人科医会. 妊婦健康診査. (参照 2025-06-22).


プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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