承認済シンボル:ZMYND8
遺伝子名:zinc finger MYND-type containing 8
参照:
HGNC: 16006
AllianceGenome : HGNC : 16006
NCBI:23613
Ensembl :ENSG00000101040
UCSC : uc002xkf.4
遺伝子OMIM番号615713
●遺伝子のlocus type :タンパク質をコードする
●遺伝子のグループ:Zinc finger proteins
●遺伝子座: 20q13.12
●ゲノム座標: (GRCh38): 20:47,209,214-47,356,699
遺伝子の別名
protein kinase C-binding protein 1
PRKCBP1
RACK7
receptor of activated protein C kinase 7
zinc finger MYND domain-containing protein 8
ZMYND8_HUMAN
遺伝子の概要
ZMYND8(亜鉛フィンガーMYNDドメイン含有タンパク質8)は、エピジェネティック制御において重要な役割を果たすクロマチンリーダータンパク質です。この遺伝子は615アミノ酸からなるタンパク質をコードし、細胞シグナル伝達、転写調節、DNA損傷修復など多様な生物学的機能に関与しています。
ZMYND8タンパク質は複数の機能ドメインを持つ複雑な構造を有しています。N末端には神経フィラメントや細胞骨格タンパク質に保存された塩基性ドメイン、C4型亜鉛フィンガーモチーフ、そしてC末端にはWD40配列を含んでいます。これらのドメイン構造により、ZMYND8は様々なタンパク質と相互作用し、多面的な機能を発揮します。
2022年、国際共同研究により、ZMYND8遺伝子の変異が新規の神経発達障害の原因であることが明らかになりました。この疾患は知的障害、心奇形、自閉症スペクトラム障害などの多様な症状を特徴とし、すべての変異がde novo(新生突然変異)で生じることが確認されました。
ZMYND8は、PKC-beta-1との相互作用を介した細胞シグナル伝達、RACK7としてのエンハンサー制御機能、NuRD複合体との協調によるDNA損傷応答など、細胞の恒常性維持に不可欠な役割を担っています。また、がん抑制因子としても機能し、乳がん、大腸がん、腎細胞がんなどの悪性腫瘍との関連も報告されています。
遺伝子と関係のある疾患
ZMYND8関連神経発達障害
2022年にDiasらによって報告された新規の神経発達障害で、以下の特徴を示します:
主要症状:
・知的障害(10/11例、91%)- 重度1例、中等度2例を含む
・言語発達遅滞・言語障害(9/11例、82%)
・運動発達遅滞(9/11例、82%)
・心奇形(7/11例、64%)- 動脈管開存症、心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、肺動脈狭窄など
・聴覚または視覚障害(7/11例、64%)
・自閉症スペクトラム障害(4例が診断、2例に自閉症的特徴)
・てんかん発作
・顔貌異常
・軽度の骨格異常
遺伝形式:
常染色体優性遺伝
すべての報告例がde novo変異(新生突然変異)
変異の特徴:
・11例中10例がde novo変異、1例がde novo疑い
・2例が切断型変異(タンパク質短縮型)
・9例がミスセンス変異(うち1例は反復変異)
・PWWPドメインのミスセンス変異:Drebrinとの相互作用を消失
・MYNDドメインのミスセンス変異:GATAD2Aとの相互作用を破壊
がんとの関連
ZMYND8は腫瘍抑制因子としても機能し、以下のがんとの関連が報告されています:
大腸がん:
ZMYND8の高発現が予後不良と関連。転写調節とDNA損傷修復における役割が腫瘍進展に影響。
乳がん:
RACK7(ZMYND8)とKDM5Cが共同してエンハンサーの過剰活性化を抑制。RACK7欠損により、細胞の遊走能、浸潤能、腫瘍増殖能が亢進。
明細胞型腎細胞がん:
ZMYND8がリン酸化EZH2に結合し、PRC2依存性からPRC2非依存性へのEZH2機能転換を促進。低酸素環境やVHL欠損細胞において、がん細胞の遊走・浸潤に関与。
遺伝子の発現とクローニング
2000年、Fosseyらの研究により、ZMYND8遺伝子(当時はPRKCBP1と命名)が初めてクローニングされました。この遺伝子は、RACK1(GNB2L1; 176981)に対するモノクローナル抗体を用いてヒト海馬cDNAライブラリーをスクリーニングすることで同定されました。
クローニングされたZMYND8遺伝子は、615アミノ酸から構成されるタンパク質をコードしています。このタンパク質は、以下の特徴的なドメイン構造を持ちます:
・N末端の塩基性ドメイン:神経フィラメントおよび細胞骨格タンパク質に保存された領域
・推定C4型亜鉛フィンガーモチーフ:DNA結合や転写調節に関与
・C末端のWD40配列:タンパク質間相互作用に重要
ノーザンブロット解析により、約3.1kbの転写産物が検出されました。発現解析の結果、ZMYND8は脳、肺、膵臓、胎盤で特に高い発現を示し、検査したすべてのヒト組織で発現が確認されました。RT-PCR解析およびESTデータベース解析からも、ZMYND8が遍在的に発現していることが示唆されました。
脳における高発現は、後に明らかになる神経発達障害との関連を予見させるものでした。特に、ZMYND8は脳のすべての領域の細胞型において広く発現しており、脳発生の初期段階で最も高い発現を示すことが、後の研究で明らかにされています。
マッピング
Fosseyら(2000年)による研究で、放射線ハイブリッド解析およびゲノム配列解析により、ZMYND8遺伝子が染色体20q12-q13.1領域にマッピングされました。
その後、Gross(2014年)により、ZMYND8遺伝子の配列(GenBank AF233453)とゲノム配列(GRCh37)のアライメント解析に基づき、より正確な位置が20q13.12と決定されました。
現在のゲノム座標(GRCh38)では、ZMYND8遺伝子は20:47,209,214-47,356,699に位置しています。この遺伝子は9つのコーディングエクソンを含み、34kbを超える領域にまたがっています。
染色体20q13.12領域は、複数の発達関連遺伝子が存在する重要な領域であり、ZMYND8の神経発達における役割と一致しています。この正確な位置情報は、ZMYND8変異に関連する神経発達障害の遺伝的診断や解析において重要な基盤となっています。
生化学的特徴
タンパク質相互作用
Fosseyら(2000年)の研究により、ZMYND8(PRKCBP1)のC末端WD40ドメインがPKC-beta-1(PRKCB1; 176970)と特異的に相互作用することが、免疫沈降法およびタンパク質プルダウンアッセイにより実証されました。この相互作用は、細胞シグナル伝達とアクチン動態の調節において重要な役割を果たします。
Westendorf and Koka(2004年)は、酵母2ハイブリッドスクリーニングにより、ZMYND8(PRKCBP1)がFHOD1(606881)の中央部分と相互作用することを発見しました。FHOD1は遺伝子転写、アクチン細胞骨格構造、細胞遊走を調節する重要なタンパク質です。
エピジェネティック制御機能
Shenら(2016年)による重要な研究では、ZMYND8(RACK7として報告)とヒストン脱メチル化酵素KDM5C(314690)が協調して活性エンハンサーの制御に関与することが明らかになりました。
ヒト乳がん細胞において、RACK7とKDM5Cはほとんどすべてのスーパーエンハンサーを含む多数の活性エンハンサー部位を占有していました。RACK7またはKDM5Cの欠損により、以下のエンハンサー過剰活性化が生じました:
・ヒストンH3リジン4トリメチル化(H3K4me3)の蓄積
・H3K27アセチル化(H3K27Ac)の増加
・H3K4モノメチル化(H3K4me1)の減少
・エンハンサーRNAおよび近傍遺伝子の転写増加
RACK7欠損により、KDM5Cのエンハンサーへの動員が著しく阻害されました。この発見により、RACK7とKDM5Cが活性エンハンサーの「ブレーキ」として機能し、H3K4me1とH3K4me3の動的な相互変換を制御していることが示されました。
DNA損傷応答
Spruijtら(2016年)の研究により、ZMYND8がDNA損傷部位においてポリ(ADP-リボース)依存的にGATAD2A/NuRD複合体を動員することが示されました。ZMYND8はNuRD複合体と標的遺伝子上で共局在し、クロマチンリモデリングとDNA修復において重要な役割を果たします。
リン酸化制御
Toskaら(2017年)の研究では、PI3K-アルファとエストロゲン受容体(ER)の相互作用におけるZMYND8(MLL4として報告)の役割が明らかになりました。AKTがZMYND8に結合してリン酸化し、メチルトランスフェラーゼ活性とER機能を減弱させます。一方、PI3K-アルファ阻害はZMYND8活性を増強します。
遺伝子の機能
ZMYND8は、多様な細胞プロセスにおいて中心的な役割を担う多機能タンパク質です。その主要な機能は以下の通りです。
エピジェネティック制御とエンハンサー調節
ZMYND8(RACK7)は、活性エンハンサーの制御において極めて重要な役割を果たします。KDM5Cと共同して、エンハンサーの過剰活性化を防ぐ「ブレーキ」として機能します。この制御は、ヒストンH3K4のメチル化状態の動的な調節を通じて行われ、適切な遺伝子発現パターンの維持に不可欠です。
ZMYND8の欠損は、エンハンサーの過剰活性化を引き起こし、H3K4me3とH3K27アセチル化の異常な蓄積、エンハンサーRNAの過剰転写をもたらします。これにより、細胞の遊走能、浸潤能、腫瘍増殖能が亢進します。
転写調節
ZMYND8は、転写共調節因子複合体の構成要素として機能し、異なるシグナル依存的プログラムと相互作用することで、転写の活性化または抑制に関与します。特に、メチル化および/またはアセチル化されたヒストンを認識するクロマチンリーダーとして、転写活性化シグネチャー(H3.1K36Me2/H4K16Ac)を認識し、遺伝子発現を活性化します。
DNA損傷応答とゲノム安定性
ZMYND8は、クロマチンとDNA損傷修復活動を結びつける重要な因子です。DNA損傷部位において、ポリ(ADP-リボース)依存的にNuRD複合体を動員し、クロマチンリモデリングとDNA修復を促進します。この機能は、ゲノム安定性の維持と腫瘍抑制に貢献しています。
免疫システムにおける役割
ZMYND8は、B細胞における免疫グロブリン重鎖(IGH)遺伝子座での体細胞超変異に必要です。これは免疫調節との関連を示唆しており、適応免疫応答における重要性を示しています。
細胞シグナル伝達とアクチン動態
PKC-beta-1との相互作用を通じて、ZMYND8は細胞シグナル伝達経路に関与します。また、FHOD1との相互作用により、アクチン細胞骨格の構造と細胞遊走の調節にも寄与します。
神経発達における役割
ショウジョウバエにおけるZMYND8オルソログの神経細胞特異的ノックダウンにより、慣れ学習(habituation learning)の低下が観察されました。これは、ZMYND8が認知機能において重要な役割を果たすことを示しています。
ZMYND8は脳のすべての領域で広く発現しており、特に脳発生の初期段階で最も高い発現を示します。この発現パターンは、神経発達障害との関連を強く支持しています。
分子遺伝学
ZMYND8関連神経発達障害
Diasら(2022年、PMID: 35916866)は、国際共同研究により、11人の関連のない個人においてZMYND8遺伝子の変異を同定しました。このうち10例はde novo変異、1例はde novo疑いでした。
変異の種類と分布
切断型変異(2例):
タンパク質の短縮を引き起こすナンセンス変異またはフレームシフト変異。これらの変異は機能喪失型と考えられます。
ミスセンス変異(9例、うち1例は反復変異):
・PWWPドメインのミスセンス変異:Drebrinとの相互作用を完全に消失
・MYNDドメインのミスセンス変異:GATAD2Aとの相互作用を破壊
臨床的特徴
11例の患者において、以下の特徴が観察されました:
・言語発達遅滞/言語障害(9/11例、82%)
・運動発達遅滞(9/11例、82%)
・知的障害(10/11例、91%)- 重度1例、中等度2例
・先天性心疾患(7/11例、64%)- 動脈管開存症、心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、肺動脈狭窄など
・聴覚または視覚障害(7/11例、64%)
・自閉症スペクトラム障害(4例が診断、2例に自閉症的特徴)
・てんかん発作
・顔貌異常
・軽度の骨格異常
機能的証拠
分子モデリングおよび酵母2ハイブリッドシステムにより、PWWPドメインのミスセンス変異がDrebrinとの相互作用を破壊し、MYNDドメインの変異がGATAD2Aとの相互作用を破壊することが示されました。
ショウジョウバエにおける神経細胞特異的なZmynd8オルソログのノックダウンにより、慣れ学習の欠陥が生じました。これは、ZMYND8が認知機能において重要な役割を果たすことを示しています。
自閉症スペクトラム障害との関連
ZMYND8遺伝子のde novo変異(2つのタンパク質切断型変異を含む)が、Simons Simplex Collection、Autism Sequencing Consortium、Autism Genetic Resource Exchangeの自閉症プロバンドにおいて同定されています。
Satterstromら(2020年)によるTADA解析では、ZMYND8が偽発見率(FDR)0.01から0.05の候補遺伝子として同定されました。これは、ZMYND8が自閉症スペクトラム障害の原因遺伝子の1つである可能性を示唆しています。
がんにおける体細胞変異
ZMYND8は、様々ながんにおいて体細胞変異が報告されており、腫瘍抑制因子としての役割が示唆されています。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫や濾胞性リンパ腫などの血液悪性腫瘍において、ZMYND8の不活性化変異が高頻度に見られます。
遺伝カウンセリングの重要性
ZMYND8関連神経発達障害のすべての報告例がde novo変異であることから、両親が同じ変異を持っている可能性は極めて低く、同胞が同じ疾患を発症するリスクも低いと考えられます。ただし、生殖細胞系列モザイク現象の可能性については考慮する必要があります。
遺伝子型と表現型の相関
ZMYND8関連神経発達障害における遺伝子型と表現型の相関については、現在のところ限られた症例数のため、明確なパターンの確立には至っていません。しかし、変異の位置と種類により、いくつかの重要な知見が得られています。
変異の種類による違い
切断型変異(ナンセンス変異、フレームシフト変異):
2例で報告されており、これらの変異はタンパク質のハプロ不全を引き起こすと考えられます。両例とも神経発達障害の症状を呈していますが、症例数が少ないため、ミスセンス変異との明確な表現型の違いは確立されていません。
ミスセンス変異:
9例で報告されており、変異の位置により機能的影響が異なります。
ドメイン特異的な影響
PWWPドメインの変異:
このドメインの変異は、Drebrinとの相互作用を完全に消失させることが示されています。Drebrinはアクチン結合タンパク質であり、神経細胞の形態形成や樹状突起の発達に重要です。PWWPドメインの変異を持つ患者では、神経発達の異常がより顕著である可能性があります。
MYNDドメインの変異:
このドメインの変異は、GATAD2Aとの相互作用を破壊します。GATAD2AはNuRD複合体の構成要素であり、転写抑制とクロマチンリモデリングに関与します。このドメインの変異は、エピジェネティック制御の異常を通じて、広範な発達への影響を及ぼす可能性があります。
表現型の多様性
ZMYND8関連神経発達障害は高い表現型の多様性を示します:
・知的障害の重症度:軽度から重度まで幅広い
・心奇形の有無と種類:約64%に認められるが、種類は多様
・自閉症的特徴:一部の患者のみに認められる
・てんかんの有無:すべての患者に見られるわけではない
この表現型の多様性は、ZMYND8が多様な細胞プロセスに関与する多機能タンパク質であることを反映していると考えられます。また、遺伝的背景や環境因子などの修飾因子が表現型に影響を与えている可能性も示唆されます。
他の疾患との鑑別
ZMYND8関連神経発達障害の症状は、他の神経発達障害と重複するため、遺伝子検査による確定診断が重要です。特に、知的障害、心奇形、自閉症的特徴を併せ持つ場合、ZMYND8変異の可能性を考慮する必要があります。
動物モデル
ショウジョウバエモデル
Diasら(2022年)の研究では、ショウジョウバエにおけるZMYND8オルソログの機能解析が行われました。
神経細胞特異的にショウジョウバエZMYND8オルソログをノックダウンした結果、慣れ学習(habituation learning)の低下が観察されました。慣れ学習は、繰り返される無害な刺激に対する反応が徐々に減少する基本的な学習形態であり、認知機能の重要な指標です。
この発見は、ZMYND8が認知機能において重要な役割を果たすことを示しており、ヒトにおける知的障害との関連を支持しています。ショウジョウバエは神経生物学研究において広く用いられるモデル生物であり、この結果はZMYND8の神経発達における保存された機能を示唆しています。
発現パターン解析
ヒト脳組織の解析により、ZMYND8が脳のすべての領域において広く発現していることが明らかになっています。特に注目すべきは、脳発生の初期段階において最も高い発現を示すことです。
この発現パターンは、以下の点で重要です:
・ZMYND8が脳の発生過程において広範な役割を果たすことを示唆
・神経発達の初期段階での重要性が、後の神経発達障害につながる可能性
・様々な脳領域での発現が、多様な神経学的症状を説明する可能性
細胞レベルでの発現
ZMYND8は、脳のすべての細胞型において発現しています。これは、ニューロンだけでなく、グリア細胞などの支持細胞においても機能していることを示唆しており、脳の発達と機能において包括的な役割を果たしていることを示しています。
今後の研究の必要性
現在のところ、ZMYND8のマウスモデルやゼブラフィッシュモデルにおける詳細な表現型解析は報告されていません。これらのモデル生物における研究により、以下の点が明らかになることが期待されます:
・心臓発生におけるZMYND8の具体的な役割
・神経発達の詳細な過程におけるZMYND8の機能
・知的障害や自閉症的行動の分子メカニズム
・治療標的の同定
条件的ノックアウトマウスの作製により、組織特異的および時期特異的なZMYND8の機能を解明することが、今後の重要な研究課題となっています。
アレリックバリアント
アレリック・バリアント:Clinvarはこちら
2022年のDiasらの報告により、11例の患者において以下のような変異が同定されています:
- 切断型変異
- 2例で報告されたナンセンス変異またはフレームシフト変異。これらの変異はタンパク質の早期終止を引き起こし、機能喪失型変異と考えられます。すべてde novo変異として同定されました。
- ミスセンス変異(PWWPドメイン)
- PWWPドメインに位置するミスセンス変異が複数報告されています。これらの変異は、Drebrinとの相互作用を完全に消失させることが分子モデリングおよび酵母2ハイブリッドシステムにより実証されています。Drebrinはアクチン結合タンパク質であり、神経細胞の樹状突起発達に重要な役割を果たします。
- ミスセンス変異(MYNDドメイン)
- MYNDドメインに位置するミスセンス変異も複数報告されています。これらの変異は、GATAD2Aとの相互作用を破壊することが示されています。GATAD2AはNuRD複合体の構成要素であり、転写抑制とクロマチンリモデリングに関与します。このドメインの変異は、エピジェネティック制御の異常を引き起こすと考えられます。
- 反復変異
- 1つのミスセンス変異が2人の関連のない患者で同定されており、この部位が変異のホットスポットである可能性が示唆されています。
すべての変異は以下の特徴を持ちます:
・10例がde novo変異、1例がde novo疑い
・両親のDNAが利用可能な症例では、すべて両親には変異が認められない
・遺伝形式:常染色体優性遺伝
・浸透率:高いと考えられるが、まだ確立されていない
詳細な変異情報、病原性評価、および症例報告については、ClinVarデータベースを参照してください。新規変異の報告も継続的に追加されているため、最新の情報を確認することが重要です。
参考文献
ZMYND8遺伝子の同定とクローニング:
Fossey, S. C., Kuroda, S., Price, J. A., Pendleton, J. K., Freedman, B. I., Bowden, D. W. Identification and characterization of PRKCBP1, a candidate RACK-like protein. Mammalian Genome 11: 919-925, 2000. PMID: 11003709
ZMYND8関連神経発達障害:
Dias, K. R., Huang, N., Stenton, S. L., et al. De novo ZMYND8 variants result in an autosomal dominant neurodevelopmental disorder with cardiac malformations. Genet Med. 2022;24(10):2083-2094. PMID: 35916866
エンハンサー制御機能:
Shen, H., Xu, W., Guo, R., et al. Suppression of enhancer overactivation by a RACK7-histone demethylase complex. Cell. 2016;165(2):331-342. PMID: 27058665
DNA損傷応答:
Spruijt, C. G., Luijsterburg, M. S., Menafra, R., et al. ZMYND8 Co-localizes with NuRD on Target Genes and Regulates Poly(ADP-Ribose)-Dependent Recruitment of GATAD2A/NuRD to Sites of DNA Damage. Cell Rep. 2016;17(3):783-798. PMID: 27732854
大腸がんとの関連:
Chen, J., He, Q., Wu, P., et al. ZMYND8 expression combined with pN and pM classification as a novel prognostic prediction model for colorectal cancer: Based on TCGA and GEO database analysis. Cancer Biomark. 2020;28(3):299-311. PMID: 32390626
自閉症スペクトラム障害との関連:
Satterstrom, F. K., Kosmicki, J. A., Wang, J., et al. Large-Scale Exome Sequencing Study Implicates Both Developmental and Functional Changes in the Neurobiology of Autism. Cell. 2020;180(3):568-584.e23. PMID: 31981491



