QDPR
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遺伝子名 | QDPR |
遺伝子座MIM番号 | 612676 |
遺伝子座 | 4p15.32 |
遺伝形式 | 常染色体劣性 |
疾患名 | BH4欠乏による高フェニルアラニン(Phe)血症 |
疾患頻度 | 高Phe血症(PKU、BH4反応性高Phe血症、BH4欠損症を含む)の発生頻度は約7万人に1例で全国で年間20人前後発見される。BH4欠損症は170万人に1例の発生頻度と推定されている。 |
症状 | 正常では食事で摂取された過剰な必須アミノ酸のフェニルアラニン(すなわちタンパク合成に利用されない分)はフェニルアラニン水酸化酵素(PAH)によってチロシンに変換されるが、この反応には補因子としてテトラヒドロビオプテリン(BH4)が不可欠である。いくつかある遺伝子変異の1つによってフェニルアラニン水酸化酵素が欠乏または欠損することにより食事で摂取されたフェニルアラニンが血中に蓄積しチロシンが少なくなる。フェニルアラニンは脳が主な障害臓器であり、これは髄鞘形成の障害が原因と考えられる。この過剰なフェニルアラニンの一部がフェニルケトンに代謝され,尿中に排泄されることからフェニルケトン尿症(PKU)という名称が用いられている。酵素欠損の程度とその結果としての高フェニルアラニン血症の重症度は個々の遺伝子変異に依存して患者毎に異なっている。出生時にはフェニルケトン尿症の小児の大半が正常であるがフェニルアラニンの蓄積に伴い数カ月かけて症状と徴候が徐々に出現してくる。無治療のPKUの特徴は重度の知的障害である。患児は極度の多動性、歩行障害、精神病症状を呈し尿および汗に含まれるフェニル酢酸(フェニルアラニンの分解産物)によるネズミの匂いに似た不快な体臭がしばしば認められる。チロシンが少なくなると色素が作れなくなるため患児は罹患していない家族と比べて皮膚、毛髪、および眼の色が薄くなる傾向にあり症例によっては乳児湿疹に類似した発疹がみられることもある。PAHはPAH 遺伝子の異常により酵素活性の低下を引き起こす。さらに、PAHは補酵素としてテトラハイドロビオプテリン(BH4)を利用するため、BH4の合成系あるいは再生系の代謝経路の異常によってもPAH酵素活性が低下する。BH4はPAHの補酵素として利用される以外に、脳内のチロシン水酸化酵素にも利用されるため、BH4の低下は、ドーパの産生低下を生じ、ドパミン、ノルエピネフリン、エピネフリンの低下を引き起こす。またトリプトファン水酸化酵素の異常によるセロトニンの低下が起こるため、高Phe血症による中枢神経障害だけでなく、神経伝達物質の低下による重篤な中枢神経症状が出現する。 |
表現型MIM番号 | 261630 |
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