9q34.3 クリーフストラ症候群 Kleefstra症候群
9q34.3 クリーフストラ症候群 Kleefstra症候群の概要
染色体9qサブテロメリック欠失症候群の患者に共通する特徴は、重度の精神遅滞、筋緊張低下、小頭、てんかん発作、眼間乖離を伴う扁平顔、鯉状の口、巨舌、心臓欠損である。
この欠失を持つ患者は、しばしば先天性心疾患(主に心房中隔欠損ASDまたは心室中隔欠損VSD、ファロー四徴症、大動脈奇形、大動脈弁二尖症、肺動脈狭窄症)を有する。また、約半数の患者が発作(強直間代性発作、欠神発作、複雑部分発作、病巣を伴う全般発作)を有する。行動異常には、不適応行動(攻撃性、多動性、自傷行為)および自閉症スペクトラムの特徴がある。。睡眠障害が報告され、重度になることもある。その他の特徴として、大・小の眼、耳、生殖器、四肢の異常がある。
9q34.3欠失症候群はEHMT1遺伝子のハプロ不全によって引き起こされると考えられている。この遺伝子の産物はヒストンのメチル化に関与するヒストンH3 Lys 9(H3-K9)メチル化酵素である。クレフストラ症候群の患者の多くはこの微小欠失を有しているが、EHMT1遺伝子の変異を有する者もいる。同じ領域にある他の遺伝子の欠損は、さらなる臨床症状を引き起こす可能性がある。第9染色体の遠位長腕の欠失は、サブテロメリック蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)またはアレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)で検出することができる。
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この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号