18p
18p微小欠失症候群の概要
18p-症候群は、1963年にde Grouchyらによって初めて報告された(de Grouchy and Turleau, 1984)。主な臨床症状は、精神遅滞、成長遅延、丸顔、耳の形成不全、広い口、歯の異常などの頭蓋顔面形態異常、および四肢、生殖器、脳、眼、心臓の異常でである。新生児期や小児期に特徴的な丸顔が、顔の高さが直線的に伸びて長顔に変化することがあると指摘されている。
18p欠失症候群の推定頻度は、出生児50,000人に1人で、男性よりも女性の方が多く発症しています。欠失の大きさは、18番染色体の短腕全体から微小欠失まで様々である。末端欠失は、約3分の2の症例で新規に発生する。残りの症例は、18pの消失を伴うde novoの不均衡転座、または親染色体の再配列(均衡転座または逆位)やリング状の18番染色体の不整合に起因するものである。del(18p)症候群の家族内発生が報告されている。18p欠失は通常の細胞遺伝学的解析で診断できるが、現在ではアレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(aCGH)検査で検出されることが多い。
表現型は、欠失した領域の大きさと位置に応じて変化する。主な臨床的特徴としては、低身長、低身長症、小頭症および多頭症、短い口唇を持つ丸顔、口蓋垂、耳が大きくて耳介が外れている、口角が下がっている、言語遅延を伴う軽度から中等度の認知障害などが挙げられる。症例の約10~15%が全前脳胞症症(HP)を呈する。HPの患者の中には、両側の口唇口蓋裂を呈する者もいれば、上顎中切歯が1本の場合もあり、HPの多彩な症状を示す。18p11.3に位置するTGIF遺伝子の変異はHPと関連しているが、TGIFを欠失した患者のすべてがHPを有するわけではなく、より複雑な相互作用を示している。約10%の症例が先天性心疾患を呈する可能性がある。重度の毛孔性角化症や眉毛瘢痕性潰瘍、自己免疫疾患、抗体欠損症も報告されている。
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この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号