10p14-p13 DiGeorge症候群Ⅱ型
10p14-p13 DiGeorge症候群Ⅱ型の概要
10p14-p13欠失症候群はDiGeorge症候群Ⅱ型とも呼ばれる。DiGeorge症候群(DGS; 188400)やvelocardiofacial症候群(VCFS; 601362)は、心疾患、副甲状腺機能低下症、T細胞免疫不全症、顔面形態異常など、多くの臨床的問題を呈することがある。これらの症候群は、22q11.2内の欠失を伴うことが多いが(CATCH22と呼ばれる理由の一つ)、この領域に検出可能な分子欠損がない症例も多数存在する。
10pの欠失を伴う多くの単一症例報告がDGSの遺伝的異質性を示唆していることが明らかとなった。10pの末端欠失を持つ4人の患者(副甲状腺機能低下症の患者1人、DGSの患者3人)と、VCFSで大きな間質性欠失を持つ1人の患者のヘミ接合領域を比較したところ、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)分析により、これらの患者には10p13/10p14境界に重複する欠失があることが明らかになった。欠失の重なりの最短領域(SRO)を含むYACコンティグを作成し、SROの大きさを2Mbに近似することができた。22q11の欠失と同様に、表現型は罹患した患者によってかなり異なっていた。10p(DGS2遺伝子座)内の遺伝子のハプロ不全がDGS/VCFSスペクトルの奇形を引き起こすと考えられている。
これらの患者は感音性難聴も有しており、これはDiGeorge症候群I型(22q1.2微小欠失)には認められないものである。
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この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号