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2024.10.10|院長監修のNIPT記事がyahoo newsに掲載されました

yahooニュース掲載情報2024.10

院長の監修のNIPTに関する記事(「ダウン症」は事前に検査で調べられることをご存じですか? 受ける時期や費用の目安も医師が解説!)が、ヤフーニュースに掲載されましたので、引用いたします。
URL: news.yahoo.co.jp/articles/64a5b6fe842fde5b55ad913a0a488d0250c31186?page=1

引用:「ダウン症」は事前に検査で調べられることをご存じですか? 受ける時期や費用の目安も医師が解説!

高齢出産が増えていることから、出生前診断を受ける妊婦さんの数が増えています。特に、ダウン症候群などの可能性を探る遺伝検査は、血液検査だけでおこなえることもあり、注目を集めています。一体、遺伝検査ではどのようなことを調べられるのか、「ミネルバクリニック」の仲田先生に解説していただきました。

NIPT(出生前診断)とは?
編集部:
まず、NIPTについて教えてください。

仲田先生:
「出生前検査」の1つで、母体の血液から胎児の染色体異常について調べる検査のことです。一般的には、主に「トリソミー」の可能性について調べます。

編集部:
トリソミーとはなんでしょうか?

仲田先生:
染色体は細胞の核に存在し、様々な遺伝子を記録しています。染色体の数は生物によって異なりますが、人間では通常2本で1対となっており、合計で23対46本存在します。しかし、なかには3本で1対を構成している場合もあり、この状態をトリソミーと言います。

編集部:
トリソミーになると、どうなるのですか?

仲田先生:
何番目の染色体にトリソミーが発生するかによって、出現する病気が異なります。例えば、13番目の染色体にトリソミーがあれば「パトー症候群」、18番なら「エドワーズ症候群」、21番は「ダウン症候群」です。

編集部:
NIPTでは、これらの疾患の可能性を知ることができるのですね。

仲田先生:
はい。基本的にはこの3つ疾患について調べますが、さらに多くの項目を調べることができるNIPTもあります。具体的には、NIPTをおこなう医療機関には「認証医療機関」と「非認証医療機関」があり、それぞれ検査項目の規定が異なります。

認証医療機関と非認証医療機関の違い、それぞれでわかること
編集部:
検査項目が違うというのは、どういうことですか?

仲田先生:
認証医療機関とは、一定の基準を満たしており、認証された医療機関と検査分析機関を指します。認証医療機関では、13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーの可能性について調べることができます。また、検査前と検査後には遺伝カウンセリングがおこなわれ、妊婦さんの不安や悩みに寄り添う体制も整えられています。

編集部:
一方、非認証医療機関ではどのようなことがわかるのですか?

仲田先生:
非認証医療機関では、13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーに加えて、様々な疾患の発症リスクを調べることができます。例えば当院では、微小欠失12種類による13疾患についても調べることができます。微小欠失とは、染色体の一部がなくなった状態でほんの少し短くなっていることを言い、微小欠失によって成長障害や重度精神発達の遅れ、特徴的顔貌、摂食障害、免疫低下、口蓋裂などの可能性を調べることができます。

編集部:
そのほか、非認証医療機関でおこなうNIPTでは、どのようなことがわかりますか?

仲田先生:
検査項目は医療機関によって異なりますが、一例として当院では全染色体の部分欠失・部分重複や、大事な遺伝子の突然変異を調べることもできます。これにより自閉症、染色体に異常がある重度の知的障害、染色体や遺伝子に異常がある重度の発達障害などの可能性がわかります。そのほか、全染色体についてトリソミーを調べたり、性染色体検査により性別判定をおこなったり、性染色体の数の異常を調べたりすることもできます。

編集部:
非認証医療機関の方が、検査でわかることが多いのですね。認証機関と比べて、精度についてはいかがでしょうか?

仲田先生:
一般的に、非認証医療機関の方が検査制度は高いとされています。また、認証医療機関では遺伝カウンセリングがおこなわれますが、非認証医療機関でも遺伝カウンセリングをおこなっているところがあります。例えば当院では、万が一、検査結果が陽性と判定され、疾患を確定するために羊水検査を受ける場合には、羊水検査の費用は互助会で全額負担するほか、独自のネットワークで、各所の産婦人科と連携して妊婦さんをサポートする体制を構築しています。

NIPTを受ける際の注意点
編集部:
NIPTを受ける際の注意点はありますか?

仲田先生:
非認証医療機関でおこなうNIPTは検査項目が多岐にわたり、一度の検査でたくさんのことを理解することができます。その反面、医療機関によって検査精度にばらつきがあり、非常に正確なデータを提供してくれるところから、あまり精度が高くないところまで様々です。そのため、NIPTを受けるときには「どこの医療機関で受けるか?」ということを慎重に考慮する必要があります。

編集部:
医療機関の良し悪しを見分けるには、どうしたらいいのでしょうか?

仲田先生:
ポイントとなるのが、「その医療機関はどの検査機関と提携しているか?」ということです。通常、NIPTの検査を受けると、その血液は医療機関から検査機関に渡され、そこで分析されることになりますが、実際は検査機関によって分析の精度が全く異なります。簡単に言えば、日本国内よりも海外でおこなう検査の方が、信頼性が高いのです。アメリカやヨーロッパでは、保健当局の審査を受けないとNIPTが提供できない一方で、日本では厚生労働省の認証した検査が1つもありません。そのため、NIPTを受ける場合には「検査機関が海外にあるか、それとも国内か」を必ず確認するようにしましょう。

編集部:
そのほか、気をつけることはありますか?

仲田先生:
検査の前や後で、妊婦さんのフォローやケアをしっかりおこなう体制が構築されているかどうかも重要なポイントです。過去の患者さんの例ですが、「他院でNIPTを受けたら異常が見つかって中絶した。もう怖くて妊娠できない」という女性がいらっしゃいました。残念ながら、他院では検査後のアフターケアが万全ではなく、彼女は妊娠に対して大きなトラウマを抱えてしまったのです。「NIPTはあくまでも疾患のスクリーニング。それに、次回妊娠しても、また同じ検査結果になるわけではありません。だから安心して、また妊活を頑張りましょう!」と私がアドバイスすると、彼女はパッと表情が明るくなり、その後に3人元気なお子さんをご出産されました。

編集部:
検査後のアフターフォローがとても大事なのですね。

仲田先生:
そう思います。女性にとって、NIPTの検査と診断は一生を左右し得る重要なものです。そのため、万が一陽性と判断されたときのフォローはとても重要です。サポート体制がしっかり構築されている医療機関で検査を受けると安心ですよね。

編集部:
NIPTの検査は、いつから受けることができるのですか?

仲田先生:
一般には妊娠9~12週から受けられるとされています。しかし、なかには「もっと早く知りたい」という人もいらっしゃると思います。そうしたニーズに応えるため、より早い時期に検査を受けられる医療機関もあります。例えば、当院では臨床研究として、6週からお受けしています。詳しい検査内容は、対応している医療機関までお問合せください。

編集部:
NIPTの検査はいくらで受けることができるのですか?

仲田先生:
多くの医療機関では、10~20万円が目安です。参考までに、当院の場合は17.6万円ですが、13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーという3つのトリソミーの診断に加え、性別の診断がついています。医療機関によって費用に幅がありますし、内容も異なります。検査を希望する際には内容や項目をよく調べ、納得してから検査を受けるようにしましょう。

編集部:
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

仲田先生:
以前、中国でNIPTを扱う検査機関が結果を詐称し、偽陰性(実際は子どもに疾患があるのに、陰性と判断すること)を避けるために陽性をたくさん出し、集団訴訟になったことがありました。つまり、検査結果は判定基準を変えることで容易に操作できるということです。NIPTを受けることは、妊婦さんにとって非常に重要なことですし、万一陽性の判定が出たら、出産を諦めて中絶を選ぶ人もいるかもしれません。そう考えれば、NIPTを受ける医療機関は慎重に選ばなければならないということがわかるはずです。「検査機関は海外か、日本か」「陽性になったときにサポートやケアを受けられるか」といったことをしっかり考慮し、納得して医療機関を選びましょう。

[この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]

編集部まとめ
ミネルバクリニック(東京都港区)

NIPTの検査をおこなう医療機関は様々あり、選択に悩んでいる人も多いと思います。しかし、「検査結果がすぐにわかる」「アフターフォロー充実」など耳障りのいい言葉に引っかかるのではなく、その医療機関がどのような検査機関と提携し、どれくらい質の高い検査をおこなっているか、しっかり確認することが大切とのことでした。不安なことがあれば必ず医師に確認し、納得したうえで検査を受けましょう。

監修医師:
仲田 洋美 先生(ミネルバクリニック)

仲田 洋美 先生(ミネルバクリニック)
高知医科大学医学部(現・高知大学医学部)卒業。その後、高知医科大学内科・外科、兵庫医科大学病院臨床遺伝部などで経験を積む。2014年、「新宿ミネルバクリニック」を開院。2018年、「ミネルバクリニック」を北青山に移転、現在に至る。日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医。

これからも、みなさまのお役に立てる情報発信をしていきたいと思います。

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