尤度(ゆうど)
パラメーターがある値をとる場合、その計測中の事象が起こりうる確率のことを尤度(ゆうど)という。尤度はパラメーターの関数として表すことができるのでこの関数を尤度関数と言う。尤度の尤は『もっともらしい』の”もっとも”である。
尤度関数(ゆうどかんすう)は英語では likelihood functionといい、ある前提条件に従って結果が出現する場合に、逆に観察結果からみて前提条件がどういうものであったのかを推測する尤もらしさ(もっともらしさ)を表す数値を、前提条件を変数とする関数として捉えた統計学上の概念である。また単に尤度ともいう。
赤白青のボールが全部で30個ある箱を考えてみる。各色のボールの数は不明である。つまり、各色のボールの数がこの場合『変数』にあたる。この箱からボールを10個取り出した時、赤が3個、白が5個、青が2個だったとき、この箱の中には各色がどれぐらいの個数ずつ入っていると考えるとよいのか。
30個のボールから10個を選ぶ組み合わせの数は 30C10
赤白青のボールがいくつ入っているかはわかっていないので、これをxyzとする。
10個のボールから3個を選ぶ組み合わせの数は 10Cx
10個のボールから5個を選ぶ組み合わせの数は 10Cy
10個のボールから2個を選ぶ組み合わせの数は 10Cz
[xC2][yC5][zC2] / [30C10]
これを尤度(尤度関数)と呼ぶ。
この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号