胎児膀胱肥大
胎児膀胱肥大(巨大膀胱)は、妊娠10~14週における膀胱の長径が7mm以上あることと定義される。
胎児膀胱肥大(巨大膀胱)は、1/1500の確率で発生する。染色体異常、遺伝的症候群、および尿路の異常と関連しているが、自然消退することもあり、おおむね良好な転帰を示す。
胎児膀胱肥大(巨大膀胱)患者98人のレトロスペクティブ・コホート研究では、染色体異数性のあった胎児は12%で、18トリソミーが50%、13トリソミーと21トリソミーがそれぞれ25%を占めていた。
巨大膀胱が孤立性(単独性)にある場合とNT測定値<95パーセンタイルの胎児のサブグループでは、異数性の症例は確認されず、96%が巨大膀胱の自然消失をみていた。巨大膀胱が消失した51例のうち、80%は正常な転帰を示し、6%は脊椎欠損、肛門閉鎖、心臓欠損、気管食道瘻、腎臓異常、四肢異常などを認め、14%はその他の泌尿器疾患を認めた。膀胱長径12mm未満の胎児では下部尿路閉塞の症例はなかった。
この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号