ディプロテン diplotene(複糸期)
ディプロテンdiplotene(複糸期)は減数分裂の第一期の後期で、相同性のある染色体対が分離し始め、キアズマを除いて互いに離れていく段階。”2本の糸 “を意味するギリシャ語に由来する。
減数分裂は、遺伝的に異なる性細胞(配偶子)を生み出す細胞分裂の形態である。減数分裂は、第1減数分裂と第2減数分裂という2つの連続した核分裂からなる。減数第一期は、第一段階であり、レプトテン、ザイゴテン、パキテン、ディプロテン、ディアキネシスの5つのサブステージからなる。
diploteneはpachyteneの次の段階であり、二分体の前には、四分体または二分体と呼ばれる一対の相同染色体がより短く、より太くなり、姉妹染色体もよりはっきりしてくる。前段階で対になった染色体の間に形成されていたシナプトネマル複合体と呼ばれるジッパー状の構造が、複糸期になると分解され、相同染色体が少しずつ分離していく。キアスムタでの相同組換えや非姉妹染色体間の染色体クロスオーバーは、複糸期以前に行われていた。この時点では、相同染色体はキアズマタで対になって固く結合したままである。
ヒトの卵子形成では、卵母細胞はこの段階で停止し、思春期になると減数分裂の残りの段階を再開する。この段階を網糸期dictyotene stageという。
この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号