リプレッサーとは
リプレッサーとは、遺伝子発現を抑制する働きをするタンパクをいいます。通常、リプレッサーとはDNAに結合するタンパクのことで、RNAの転写装置がDNAを転写するのを阻止する、もしくは転写の速度を遅くする、のいずれかの方法で転写を抑制します。リプレッサーは、特定の遺伝子を発現させたくない細胞に存在します。リプレッサー細胞がその遺伝子の配列を認識すると、当該塩基配列に移動してその細胞内で当該遺伝子の発現を抑制します。
たとえば神経細胞で赤血球のもととなる血色素タンパクのヘモグロビンが作られると困りますよね?これが、ヘモグロビンが神経細胞で発現するのを防ぐ方法であり、このような働きは枚挙にいとまがありません。リプレッサーを研究するのは非常に難しいのですが、研究が進むとリプレッサーが活性化タンパクと同じくらい重要な役割を果たしていることがわかってくると考えられています。
リプレッサーが結合する特定の塩基配列をサイレンサーと呼びます。
この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号