InstagramInstagram

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)とは?症状・重症度・受診の目安と妊娠した場合の経過

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医として、遺伝医療に関する情報を監修しています。

卵巣過剰刺激症候群(ovarian hyperstimulation syndrome:OHSS)は、体外受精などで排卵誘発剤を使ったあとに卵巣が大きく腫れ、お腹に水(腹水)がたまる状態です。多くは軽く済み、数日から1〜2週間で自然に落ち着きますが、重症になると血栓症や腎機能の低下など命に関わる合併症を起こすことがあります。この記事では、OHSSの仕組み、症状と受診の目安、国内の重症度分類、いつまで続くのか、妊娠した場合の経過、予防法、そして不妊治療と関係なく起こるまれな遺伝性のOHSSまでを、国内外のガイドラインをもとに臨床遺伝専門医が解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約15分
🩺 症状・受診の目安・重症度・予防
★ 臨床遺伝専門医監修

Q. OHSSとは何ですか?どんなときに受診すべきですか?

A. OHSSは、排卵誘発で多数の卵胞が育った卵巣にhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が作用し、血管から水分が漏れ出して卵巣の腫大や腹水が起こる状態です。国内では症状・腹水の範囲・卵巣の大きさ・血液検査で軽症・中等症・重症の3段階に分けます。お腹の張りや痛みが強まる、息苦しい、尿が減る、1日で急に体重が増えたといった変化があれば、治療を受けている施設にすぐ連絡してください。

  • ➤原因 → hCGの刺激で卵巣から出るVEGF(血管内皮増殖因子)が血管の透過性を高める
  • ➤時期 → 早発型はトリガー注射後おおむね1週間以内、遅発型は妊娠によるhCG上昇で起こり長引きやすい
  • ➤経過 → 妊娠しなければ多くは月経のころまでに回復する
  • ➤なりやすい人 → PCOS、AMH高値、胞状卵胞が多い、OHSSの既往など
  • ➤予防 → GnRHアゴニストトリガー、全胚凍結、カベルゴリンなどを治療施設が組み合わせる

🩺 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の基本情報

項目 内容
正式名称・略称 卵巣過剰刺激症候群(ovarian hyperstimulation syndrome:OHSS)
定義 排卵誘発で卵巣が過剰に刺激されて起こる、卵巣の腫大とそれに伴う一連の症状[1]
主な引き金 多数の卵胞が育った状態でのhCG(排卵のトリガー注射、または妊娠によるhCG)
重症度(国内) 軽症・中等症・重症の3段階(日本産科婦人科学会の分類)
主な合併症 血栓症、腎機能低下、胸水・呼吸障害、卵巣茎捻転・破裂
予防の中心 アンタゴニスト法、GnRHアゴニストトリガー、全胚凍結、カベルゴリン
まれな例外 FSH受容体(FSHR)遺伝子の活性化変異などによる、不妊治療と無関係の自然発症OHSS

※本記事は一般的な医学情報です。症状の判断や治療方針は、治療を受けている施設の指示を優先してください。

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の症状・重症度・予防を整理したインフォグラフィック

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)について、主な症状、重症化のサイン、重症度、予防の考え方をまとめたインフォグラフィックです。採卵後や排卵誘発後に腹部膨満、急な体重増加、尿量減少、息苦しさなどがみられる場合は、治療施設への連絡が必要です。

1. 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)とは|なぜ起こるのか

OHSSは、不妊治療の排卵誘発によって多数の卵胞が育った卵巣にhCGが作用し、血管の透過性が高まって体液が血管の外へ漏れ出すことで起こる病態です。厚生労働省の重篤副作用疾患別対応マニュアルは、ゴナドトロピン製剤やhCG製剤を使う不妊治療で卵巣が過剰に刺激されて起こる、卵巣の肥大とその一連の随伴症状と定義しています[1]。

自然の月経周期では、毎月育つ卵胞はふつう1個です。一方、体外受精や卵子凍結では、1回の採卵でできるだけ多くの卵子を得るために、注射の排卵誘発剤で複数の卵胞を同時に育てます。卵巣の反応が強すぎた場合にOHSSが起こります。軽い卵巣の腫れ自体は臨床的に問題になりませんが、重症例では大量の腹水で血管内が脱水になり、急性腎不全・血栓症・肺水腫など生命に関わる合併症へ進むことがあります[1]。

排卵誘発とhCGが引き金になる仕組み

OHSSの中心にある物質はVEGF(血管内皮増殖因子)です。多数の卵胞がhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)やLH(黄体形成ホルモン)の刺激を受けると、卵巣からVEGFをはじめとする炎症性の物質が大量に放出されます[2]。VEGFは細胞表面の受容体(VEGF受容体2(VEGFR2)など)に結合して毛細血管の壁をゆるめ、血液中の水分とタンパク質が腹腔や胸腔へ漏れ出します。血中のhCG濃度は重症度と相関することが報告されています[3]。

その結果、お腹の中には水がたまる一方で、血管の中は脱水になり血液が濃くなるという、一見矛盾した状態が生じます。重症例では計算上の循環血液量の約20%が失われるとされます[2]。血液が濃くなることが血栓症の、腎臓へ流れる血液が減ることが尿量減少の原因になります。

OHSSでhCG刺激により卵巣のVEGF産生が増加し、VEGFR2を介した血管透過性亢進によって水分とタンパク質が血管外へ漏れ、腹水と血液濃縮が同時に生じる仕組みを示した模式図

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)では、hCGの刺激を受けた卵巣でVEGFの産生が増加し、血管内皮のVEGFR2を介して血管透過性が高まります。その結果、水分やタンパク質が血管外へ漏れて腹腔内に腹水がたまる一方、血管内では循環血漿量が減少して血液濃縮が起こります。

💡 用語解説:トリガー注射

排卵誘発で卵胞が十分に育ったあと、採卵の前に卵子を最終的に成熟させるために打つ注射を「トリガー」と呼びます。従来はhCG製剤が使われてきましたが、hCGは体内で長く作用するため、卵巣への刺激が採卵後も続きます。これがOHSSの大きな引き金になるため、現在はOHSSのリスクが高い人にはGnRHアゴニストをトリガーに使う方法が選ばれます(第9章)。

早発型と遅発型の違い

OHSSは発症の時期によって2つに分けられます。早発型はトリガー注射のhCGが原因で、注射後おおむね1週間以内に始まり、通常は月経とともに治まります。遅発型は妊娠が成立して胎盤のもとになる組織がhCGを作り始めることで起こり、重症化しやすく経過も長くなります[3]。

区切りの日数はガイドラインによって少し違い、米国生殖医学会(ASRM)は早発型を「トリガー後4〜7日」、遅発型を「少なくとも9日後」[3]、英国産婦人科学会(RCOG)は「7日以内」と「10日以上」としています[2]。早発型と遅発型の違いを初めて体系的に比べたのは英国の前向き観察研究です[4]。入院したOHSS患者113人を調べたベルギーの研究では、遅発型の96.7%が妊娠周期に起きており、早発型より重症になりやすかったと報告されています[5]。

トリガー注射(hCG)採卵の準備
▶
早発型おおむね1週間以内に発症
▶
妊娠しなかった場合月経のころまでに回復
▶
妊娠した場合遅発型として悪化・長期化

どのくらいの頻度で起こるのか

OHSSの頻度は、どの重症度から数えるかで大きく変わります。国際的に統一された分類がなく、軽症は報告されないことも多いため、真の発生率ははっきりしていません[2]。主な報告を定義とあわせて整理すると次のとおりです。

📊 OHSSの頻度(定義ごとの主な報告)

対象・定義 頻度
体外受精の周期・軽症 約3分の1[2]
体外受精の周期・中等症〜重症 3.1〜8%[2]/約1〜5%[3]
日本・入院を要したOHSS 10万人あたり794〜1,502人(0.8〜1.5%)[6]
日本・危機的状況に陥った最重症型 10万人あたり0.6〜1.2人[6]

※数値は研究の時代・刺激法・定義によって異なります。個人がOHSSになる確率を示すものではありません。

飲み薬のクロミフェンによる排卵誘発や、卵胞を1個だけ育てる排卵誘発ではOHSSはまれですが、報告はあります[2]。

2. OHSSの症状|初期症状から重症化のサインまで

OHSSの初期症状は、お腹の張り・お腹の痛み・吐き気・急な体重増加・尿量の減少です。厚生労働省のマニュアルも、不妊治療中にこれらに気づいたら速やかに治療施設へ相談するよう呼びかけています[1]。

最初に出やすい症状

軽症では、お腹の張り(ウエストがきつくなる)、軽い腹痛、軽い吐き気や嘔吐、下痢、卵巣の腫れがみられます[3]。採卵後にお腹が張るのは珍しいことではなく、ほとんどは軽症のまま治まります。ただし、張りや痛みが日ごとに強まっていく場合は、腹水が増えているサインの可能性があります。

重症化を示すサイン

重症になると、お腹が張りつめるほどの腹水、胸水による息苦しさ、尿量の著しい減少、止まらない吐き気や嘔吐、強い腹痛、24時間で1kgを超える急な体重増加、失神などが現れます[3]。血液検査では血液の濃縮(ヘマトクリットの上昇)、白血球の増加、低ナトリウム血症や高カリウム血症、腎機能や肝機能の異常がみられます。

⚠️ 強い痛みや発熱は「OHSSだから」と決めつけない

RCOGのガイドラインは、OHSSそのものは強い痛み・発熱・腹膜刺激症状を伴うことは一般的でないとしています。これらがある場合は、骨盤内の感染、虫垂炎、卵巣茎捻転や嚢胞の破裂、腸の穿孔、子宮外妊娠など、別の病気を考える必要があります[2]。

3. すぐ受診すべき目安と入院の基準

お腹の張りや痛みの悪化、息切れ、尿量の減少、急な体重増加や腹囲の増加があれば、治療を受けている施設にすぐ連絡してください。OHSSは短期間で重症度が変わるため、「様子を見る」かどうかを自分だけで判断しないことが大切です。

すぐ治療施設に連絡すべき症状

RCOGのガイドラインは、悪化を示す徴候として次の項目を挙げています[2]。

🚨 OHSSの悪化を示すサイン

サイン 目安
お腹 膨満や痛みが強くなっていく
呼吸・循環 息切れ、横になると苦しい、脈が速い、血圧が低い
尿量・水分 尿量が24時間で1,000mL未満、または飲んだ量が出た量を1,000mL以上上回る
体重・腹囲 体重と腹囲が増え続ける
血液検査 ヘマトクリットの上昇(45%超)

さらに、足の痛みや腫れ、頭痛、めまい、見えにくさ、首の痛みは血栓症のサインのことがあります。OHSSの血栓は上半身や動脈にも起こりやすく、OHSSが治まったように見えてから数週間後に起こることもあるため、症状が落ち着いたあとも注意が必要です[2]。

入院を考える基準

軽症と中等症は通院での管理が基本で、重症でも条件がそろえば通院で管理されることがあります[7]。RCOGは、次の場合に入院を検討するとしています[2]。

  • 痛みを十分に抑えられない
  • 吐き気のために十分な水分をとれない
  • 通院での対応にもかかわらず悪化の徴候がある
  • 定期的に通院できない
  • 最重症(critical)のOHSSである

国内でも厚生労働省のマニュアルが、入院管理や高次医療機関での管理を考慮する基準を示しています[1]。ただし入院の判断には医師によって幅があり、画一的に決められるものではありません[2]。最終的な判断は、症状と検査結果をもとに治療施設が行います。

4. OHSSの重症度分類(軽症・中等症・重症)

国内では、自覚症状・胸腹水・卵巣の大きさ・血液検査の4項目で、OHSSを軽症・中等症・重症の3段階に分類します。これは日本産科婦人科学会生殖・内分泌委員会が1996年の分類を改訂したもので、厚生労働省のマニュアルに掲載されています[1]。

重症度分類の表

📋 OHSSの重症度分類(国内)

項目 軽症 中等症 重症
自覚症状 腹部膨満感 腹部膨満感、嘔気・嘔吐 腹部膨満感、嘔気・嘔吐、腹痛、呼吸困難
胸腹水 小骨盤腔内の腹水 上腹部に及ぶ腹水 腹部緊満を伴う腹部全体の腹水、あるいは胸水を伴う
卵巣腫大 6cm以上 8cm以上 12cm以上
血液所見 血算・生化学検査がすべて正常 血算・生化学検査が増悪傾向 Ht 45%以上、WBC 15,000/mm³以上、TP 6.0g/dL未満、Alb 3.5g/dL未満などの所見

※厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」の重症度分類をもとに作成[1]。判定の細則は原典を参照してください。

海外では、重症の上に「最重症(critical)」を加えた4段階の分類も使われます。RCOGの分類では、最重症は緊満した腹水や大量の胸水、ヘマトクリット55%超、白血球25,000/mL超、無尿、血栓塞栓症、急性呼吸窮迫症候群などで定義されます[2]。なお、採卵で卵胞の中の液を吸い出しているため、卵巣の大きさが重症度と一致しないことがあります。表のどれか1項目でも重い区分に当てはまれば、その区分として扱います[2]。

受診時に行う検査(超音波・血液検査)

OHSSを確定する単一の検査はなく、症状と所見を組み合わせて診断します[2]。経腟・経腹超音波で卵巣の大きさと腹水・胸水の範囲を確認し、血液検査で血液の濃さ(ヘマトクリット)、白血球、電解質(ナトリウム・カリウム)、腎機能、肝機能、アルブミン、凝固系(Dダイマーなど)を調べます。体重・腹囲・脈拍・血圧・呼吸状態の確認も欠かせません。妊娠している可能性があれば、hCGの測定で治療周期の結果を確かめます[2]。

5. OHSSになりやすい人

OHSSになりやすいのは、卵巣が排卵誘発剤に強く反応しやすい人です。代表的なのは、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、AMH(抗ミュラー管ホルモン)が高い人、超音波で見える胞状卵胞が多い人、過去にOHSSを起こした人です[3]。

🔍 OHSSのリスク因子(ASRMガイドライン2024)

分かる時期 リスク因子の目安
治療を始める前 PCOS/OHSSの既往/胞状卵胞数(AFC)24個超/AMH 3.4ng/mL超
排卵誘発の最中 トリガー時に10mmを超える卵胞が17個超/トリガー時のエストラジオール3,500pg/mL超/採卵数15個超

※出典:ASRM Practice Committee 2024の表5[3]。閾値は研究や測定法によって異なる目安です。

年齢では若い人ほどリスクが高いとされます[3]。日本がん・生殖医療学会は、若年(35歳以下)、やせ型、PCOS、胞状卵胞14個以上やAMH 3.36ng/mL以上などの高い卵巣予備能、OHSSの既往、血中エストラジオール3,000pg/mL以上などを危険因子に挙げています[8]。一方、体格(BMI)との関係は研究によって結果が分かれており、確立した因子とはいえません[3]。また、妊娠が成立した周期、特に多胎妊娠ではOHSSが起こりやすくなります[2]。

ただし、リスク因子がまったくない人にもOHSSは起こりえます[2]。逆に、リスク因子がある人の多くは、予防策によって重いOHSSを起こさずに治療を終えます。

採卵数や卵胞数の目安をどう考えるか

「採卵が何個を超えるとOHSSになるのか」という明確な境界はありません。多くの研究は、採卵数がおおむね15〜18個を超えるとOHSSのリスクが上がることを示しています[3]。治療施設は、トリガー前の卵胞の数と大きさ、エストラジオール値を見て、トリガーの種類や新鮮胚移植を行うかどうかを判断します。数値は集団の傾向を示すもので、個人がOHSSになるかどうかを1つの数字で予測することはできません。

6. いつから・いつまで?ピークと経過

妊娠が成立しなければ、OHSSの多くは7〜10日ほどで軽快し、次の月経(消退出血)のころまでに回復します。妊娠が成立すると、自分の体が作るhCGによってOHSSが悪化・長期化することがあります[2]。

採卵後のピーク

早発型の症状はトリガー注射後おおむね4〜7日で始まります[3]。症状が出始めてから数日は悪化することがあり、その後、尿量が増えて(利尿)、体重と腹囲が減り、ヘマトクリットが正常に戻ることが回復の目安になります[2]。「採卵後何日目がピーク」と一律に決めることはできないため、日数よりも体重・腹囲・尿量の変化で経過を判断します。

生理がきたら治るのか

妊娠しなかった周期では、月経がきた時点でOHSSは回復に向かっていることがほとんどです。RCOGは、妊娠がなければ消退出血の時期までに回復は通常完了するとしています[2]。月経がきた後も腹部の張りや痛みが強い場合や、息苦しさ、足の痛みなどがある場合は、別の原因や血栓症を考えて治療施設に連絡してください。反対に、月経が遅れている、または妊娠判定が陽性の場合は、遅発型のOHSSに注意が必要です。

妊娠した場合の経過(妊娠初期・多胎)

妊娠が成立すると、胎盤のもとになる組織から出るhCGが卵巣を刺激し続けるため、OHSSは長引きやすくなります[2]。遅発型OHSSは多くの場合、妊娠初期(第1三半期)のうちに落ち着くとされますが、妊娠19〜21週まで腹水の穿刺が必要だった症例も報告されています[9]。hCGがより高くなる多胎妊娠では、遅発型が起こりやすく症状も強くなりがちです[9]。

妊娠への影響について、RCOGは対照研究でOHSSによって流産のリスクが増えるという結果は示されていないとしています。一方で、OHSSを合併した妊娠は妊娠高血圧腎症と早産のリスクが高まる可能性があるため、妊娠中の経過観察ではこの点が考慮されます[2]。

7. 採卵後の過ごし方|自宅でできること・避けること

軽症〜中等症のOHSSでは、喉の渇きに合わせた水分摂取と、毎日の体重・腹囲・尿量の記録が自宅での対応の中心です。多くの人は日常生活を続けながら経過を見ることができます。

水分と食事のとり方

水分の量について、最新のRCOGガイドライン(2026年)は、決まった量ではなく喉の渇きに応じて飲むのが妥当で、最低量や上限を示す必要はないとしています[7]。OHSSでは口の渇きを感じる仕組みそのものが調整されているため、渇きに従って飲めば飲みすぎや不足の心配はないという考え方です。また、OHSSで血中ナトリウムが下がるのは電解質が失われるためではないとされ、電解質を補う目的の特別な補給は不要です[7]。「OHSSを予防する飲み物」を示す医学的根拠はありません。食事は、吐き気の程度に合わせてとれるものをとります。吐き気で水分がとれない場合は、入院を検討する理由になります。

体重・腹囲・尿量のセルフチェック

毎日同じ時間に同じ体重計で体重を量り、へその高さで腹囲を測り、飲んだ量と尿の量を記録します。RCOGは、通院で管理する人に水分の出入りの記録を勧めています[7]。体重や腹囲が増え続ける、尿が明らかに減るといった変化は悪化のサインであり、受診時にこの記録があると重症度の判断に役立ちます。

安静・仕事・運動・入浴・性交渉

軽症であれば、完全な安静が必要とは限りません。仕事や入浴を続けられるかどうかは、症状の程度と治療施設の指示によって個別に判断します。注意したいのは、腫れた卵巣が根元でねじれる卵巣茎捻転です。OHSSでは卵巣茎捻転や破裂のリスクが上がり、特に妊娠中に高くなるとされています[2]。急に体をひねる動き、激しい運動、性交渉などは、治療施設の許可が出るまで控えるのが安全です。突然の強い下腹部痛や嘔吐が起きたら、すぐに受診してください。

痛み止めを使うときの注意

痛み止めにはアセトアミノフェン(パラセタモール)を使うことができます。一方、イブプロフェンやロキソプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、OHSSでは腎機能を損なうおそれがあるため避けるべきとされています[2]。痛み止めが効かないほどの痛みは、卵巣茎捻転や破裂など別の問題のサインのことがあります。市販薬を使う前に、治療施設に確認してください。

8. OHSSの治療と合併症

OHSSの大半は自然に治まる病態で、治療の基本は、回復するまでの間に脱水と合併症を防ぐ支持療法です。重症例では入院し、輸液、腹水の穿刺、血栓予防などを行います[2]。

軽症〜中等症の治療(外来で経過を見る)

軽症は特別な治療をしなくても自然に治ります。中等症では、2〜3日ごとの診察と、悪化が疑われるときの血液検査で経過を見ます[2]。腹水による張りが強い場合は、超音波で確認しながら通院で腹水を抜くこともできます[2]。なお、すでに発症したOHSSの治療としてGnRHアンタゴニストやドパミン作動薬(カベルゴリンなど)を使うことについては、有効性を支持する根拠は十分ではありません[2]。これらの薬が有効とされるのは、主に発症前の予防(第9章)の場面です。

重症の治療(入院・輸液・腹水穿刺・抗凝固療法)

入院では、体重・腹囲・水分の出入り・血液検査を毎日確認します[2]。脱水はできるだけ口からの水分で補い、飲めない場合は点滴で補います。血管の透過性が高まっているため、点滴をしすぎると腹水が増えることがあり、慎重な管理が必要です。利尿薬は血管内の脱水を悪化させるため原則として使いません[2]。腹水で強い張りや痛み、息苦しさ、尿量の減少がある場合は、超音波で見ながらお腹または腟から腹水を抜きます[2]。

重症・最重症のOHSSや入院した人には、低分子ヘパリンによる血栓予防が推奨されています[2]。国内のマニュアルも、重症化した場合に抗凝固療法を考慮し、血栓性素因がある場合は早めに行うよう記載しています[1]。重症OHSSで妊娠が成立した場合は、少なくとも妊娠第1三半期の終わりまで血栓予防を考慮するとされています[2]。手術が必要になるのは、卵巣茎捻転、卵巣の破裂、子宮外妊娠などが重なった場合に限られます[2]。

注意すべき合併症(血栓症・卵巣茎捻転・腎機能低下・呼吸障害)

OHSSで最も警戒すべき合併症は血栓症です。血液の濃縮と血管内皮の障害によって、重症OHSSは血栓ができやすい状態になり、血栓症の頻度はOHSS症例の0.7〜10%と推定されています[2]。スウェーデンの全出産を対象とした研究では、妊娠第1三半期の静脈血栓塞栓症が、体外受精でない妊娠で1,000人あたり0.2、OHSSのない体外受精妊娠で0.8だったのに対し、OHSSを起こした人では16.8でした(RCOGガイドラインでの引用)[2]。もともと血栓ができやすい体質(血栓性素因)がある人では、より注意が必要です[1]。

そのほか、腎臓への血流が減ることによる腎機能低下(乏尿・無尿)、胸水や肺の障害による呼吸障害(急性呼吸窮迫症候群を含む)、腫れた卵巣の茎捻転や破裂による出血が重大な合併症です[2]。

OHSSによる死亡は非常にまれですが、ゼロではありません。死亡率は正確には数値化されていないものの1/45,000〜1/500,000と推定され、その多くは血栓塞栓症の合併症によるとされています[10]。オランダでは1984〜2008年に約10万周期の体外受精が行われ、その間にOHSSによる死亡が3件あったと報告されています[11][2]。

9. OHSSの予防|治療施設が行う対策

現在、OHSS予防の第一選択は、GnRHアンタゴニスト法で排卵誘発を行い、GnRHアゴニストで卵子の最終成熟を促す(トリガーする)方法です。これにカベルゴリンの投与や全胚凍結を組み合わせます[3]。予防策の選択は治療施設が行うもので、患者さんが自分で選ぶものではありませんが、どのような対策があるかを知っておくと、治療方針の説明を理解しやすくなります。

🛡️ OHSS予防策の推奨度(ASRMガイドライン2024)

対策 推奨
GnRHアンタゴニスト法(アゴニスト法より優先) 推奨(エビデンスA・強い推奨)
GnRHアゴニストトリガー 第一選択として推奨(A・強い推奨)
全胚凍結(新鮮胚移植をしない) 推奨(A・強い推奨)
カベルゴリン 推奨(A・強い推奨)
卵巣予備能に基づく薬の量の個別化、開始量の減量 推奨・考慮(B・中等度)
コースティング(注射を一時休む) 第一選択としては推奨しない(C・弱い推奨)
レトロゾール単独、アスピリン、アルブミンなどの輸液 推奨しない

※出典:ASRM Practice Committee 2024[3]。レトロゾールの推奨文は2026年に訂正されています[12]。

刺激法の調整(アンタゴニスト法・低用量)

排卵誘発の方法(プロトコル)は、OHSSのリスクに大きく影響します。1,050人を対象とした無作為化比較試験では、GnRHアンタゴニスト法はアゴニスト法に比べて重症OHSS(5.1%対8.9%)と中等症OHSS(10.2%対15.6%)を減らし、生児獲得率には差がありませんでした[3]。AMHや胞状卵胞数から卵巣の反応を予測し、ゴナドトロピン製剤の量を一人ひとりに合わせて調整することも推奨されています[3]。

GnRHアゴニストトリガーと全胚凍結

hCGは体内で長く作用するため、トリガーに使うと採卵後も卵巣を刺激し続けます。GnRHアゴニストをトリガーに使うと、体内で自然なLHの急上昇が短時間だけ起こるため、卵巣への刺激が長引かず、OHSSが大幅に減ります[3]。ただし、そのまま新鮮胚移植を行うと妊娠率が下がるため、十分な黄体補充を行うか、胚を凍結する方法が組み合わされます[3]。

全胚凍結とは、その周期には胚を子宮に戻さず、すべての胚を凍結して、体が回復した後の周期に移植する方法です。その周期で妊娠が起こらないため、妊娠のhCGによる遅発型OHSSを避けられます。2,157人を対象とした多施設無作為化比較試験では、凍結胚移植と新鮮胚移植で生児獲得率(48.7%対50.2%)に有意差はなく、OHSSは凍結群で0.6%、新鮮胚移植群で2.0%でした[3]。

予防薬の位置づけ(カベルゴリンは推奨、レトロゾール単独・アスピリンは推奨されない)

カベルゴリンはドパミン作動薬で、VEGFの働きを抑えることでOHSSを減らすと考えられています。7つの研究(858人)をまとめた解析では、OHSSのリスクを下げ(相対リスク0.38)、妊娠率には影響しませんでした[3]。リスクの高い人では、hCGトリガーの当日かその直後から数日間使うことが推奨されています[3]。

一方、レトロゾール単独については、有効とする試験もありますが、適切な対照群をおいた研究では効果が確認されておらず、ASRMは推奨していません[3][12]。国内のマニュアルはレトロゾールの無作為化比較試験を参考文献に挙げており[1]、位置づけには議論が残っています。低用量アスピリンやアルブミンなどの輸液も、第一選択の予防法としては推奨されていません[3]。PCOSの人へのメトホルミンは、GnRHアゴニスト法で治療する場合に限って考慮されます[3]。

10. 自然な周期でも起こる?遺伝的な原因(FSHR遺伝子)

OHSSのほとんどは不妊治療に伴って起こりますが、ごくまれに、排卵誘発をしていない自然妊娠の中で起こることがあります。これを自然発症OHSS(spontaneous OHSS)と呼びます[2]。

自然発症OHSSの原因は3つに整理されています。①FSH受容体の遺伝子変異によるもの(妊娠のたびに繰り返すことがある)、②胞状奇胎や多胎妊娠などでhCGが非常に高くなるもの(最も多い)、③甲状腺機能低下症に伴うものです[13]。発症時期にも違いがあり、自然発症OHSSは妊娠8〜14週に、不妊治療によるOHSSは妊娠3〜8週に起こりやすいとされています[13]。

FSH受容体の活性化変異による家族性OHSS

2003年、FSH(卵胞刺激ホルモン)を受け取る受容体をつくるFSHR遺伝子の変異が、自然発症OHSSの原因になることが2つのグループから同時に報告されました[14][15]。報告された変異(D567Nなど)は受容体の基礎活性を高め、本来は反応しないはずのhCGやTSH(甲状腺刺激ホルモン)にも異常に敏感に反応するようにします[14]。そのため、妊娠初期にhCGが上がると、排卵誘発をしていなくても卵巣が過剰に刺激されます。このように受容体の働きを強める変化は機能獲得型変異と呼ばれます。

一族の複数の女性に繰り返し起きた家族例も報告されており[15]、片方の遺伝子の変化で発症しうることから、常染色体顕性遺伝の形式で受け継がれると考えられています。これらの変異はホルモンが結合する部分ではなく、受容体が細胞膜を貫く部分に報告されています[16]。

⚠️ 不妊治療によるOHSSは遺伝子検査で予測できない

自然発症OHSSでみつかるFSHRの活性化変異は、不妊治療によるOHSSでは見つかっていません[16]。FSHR遺伝子の多型(N680Sなど)と排卵誘発への反応の関係は研究されていますが、ASRMは遺伝的な素因がOHSSのなりやすさに関わるという根拠は不十分と判定しています[3]。不妊治療によるOHSSのリスクは、遺伝子検査ではなく、AMH・胞状卵胞数・排卵誘発への反応で評価するのが現在の標準です。

遺伝学的な相談を考える場面

遺伝学的な評価が意味を持つのは、主に次のような場合です。排卵誘発をしていない妊娠でOHSSを起こした、妊娠のたびに繰り返している、母親や姉妹など血縁の女性にも同じ経過がある——こうした場合は、まず胞状奇胎・多胎妊娠・甲状腺機能低下症といった頻度の高い原因を確認したうえで、FSHR遺伝子の変化を考えます。常染色体顕性の形式であれば、変化を持つ人の子どもが同じ変化を受け継ぐ確率は50%です。ただし、変化を受け継いでも症状が出るのは妊娠したときであり、男性では卵巣がないためOHSSは起こりません。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「自然に治る」と「放っておいてよい」は違う】

OHSSの大半は自然に治まる病態です。ただ、医学的に「自然に治る」というのは、脱水や血栓といった合併症を防ぎながら、hCGの影響が消えるのを待つ、という意味です。重症度は数日のうちに変わりうるため、体重・腹囲・尿量という客観的な数字で経過を追うことが、安全に回復を待つための一番の手がかりになると考えています。

もう一つ大切だと考えているのは、原因の見極めです。不妊治療中のOHSSは排卵誘発への反応として理解できますが、排卵誘発をしていない妊娠で繰り返すOHSSは、FSH受容体の遺伝子の変化という別の仕組みが隠れていることがあります。同じ「OHSS」という名前でも、背景が違えば、家族への説明や次の妊娠への備えも変わります。

よくある質問(FAQ)

Q1. OHSSは何日で治りますか?

妊娠が成立しなければ、多くは7〜10日ほどで軽快し、次の月経のころまでに回復します。妊娠が成立した場合は、妊娠のhCGによって長引くことがあり、多くは妊娠初期のうちに落ち着きますが、それより長く続く例も報告されています。

Q2. 採卵後にOHSSにならない人もいますか?

はい。排卵誘発を受けた人の多くは、中等症以上のOHSSを起こさずに経過します。ただし、PCOSやAMH高値などのリスク因子がない人にもOHSSは起こりうるため、採卵後はお腹の張り、体重、尿量の変化に注意してください。

Q3. hCG注射のあとに妊娠検査薬が陽性になるのはなぜですか?

市販の妊娠検査薬は尿中のhCGを検出するため、トリガーとして注射したhCGが体内に残っているあいだは、妊娠していなくても陽性になることがあります。検査薬で早めに判定せず、治療施設が指定した日の検査で確認してください。詳しくは妊娠検査薬の偽陽性の記事をご覧ください。

Q4. OHSSになると妊娠率は下がりますか?流産は増えますか?

対照研究では、OHSSによって流産のリスクが増えるという結果は示されていません。一方、OHSSを合併した妊娠は妊娠高血圧腎症と早産のリスクが高まる可能性があります。全胚凍結を選んだ場合でも、凍結胚移植と新鮮胚移植で生児獲得率に大きな差がないことが大規模な試験で示されています。

Q5. OHSSを予防する飲み物はありますか?

特定の飲み物でOHSSを予防できるという医学的根拠はありません。水分は決まった量ではなく、喉の渇きに応じてとるのが妥当とされています。OHSSの予防は、排卵誘発の方法やトリガーの種類、全胚凍結など、治療施設が行う対策が中心です。

Q6. OHSSで仕事は休むべきですか?

軽症であれば日常生活を続けられることが多く、一律に休む必要はありません。ただし、お腹の張りや痛みが強い、息苦しい、吐き気で水分がとれないといった場合は、仕事を続けるかどうかにかかわらず治療施設に連絡してください。休む必要があるかは、症状と治療施設の判断によります。

Q7. 飲み薬(クロミフェン)の排卵誘発でもOHSSは起こりますか?

クロミフェンや、卵胞を1個だけ育てる排卵誘発でのOHSSはまれですが、報告はあります。注射の排卵誘発剤で多数の卵胞を育てる体外受精などに比べると、頻度はずっと低くなります。

Q8. 一度OHSSになったら、次の治療でもなりますか?

OHSSの既往はリスク因子の一つです。ただし、次の治療ではアンタゴニスト法、GnRHアゴニストトリガー、全胚凍結、カベルゴリンなどの予防策を組み合わせることで、重いOHSSを避けられることが多くなっています。前回の経過を治療施設に伝えておくことが大切です。

まとめ

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は、排卵誘発で多数の卵胞が育った卵巣にhCGが作用し、VEGFを介して血管から水分が漏れ出すことで起こります。国内では症状・胸腹水・卵巣の大きさ・血液検査で軽症・中等症・重症の3段階に分類されます。妊娠しなければ多くは月経のころまでに回復しますが、妊娠が成立すると遅発型として長引き、重症化しやすくなります。

重症化のサインは、お腹の張りや痛みの悪化、息切れ、尿量の減少、急な体重増加です。これらに気づいたら治療施設にすぐ連絡してください。治療が落ち着いたあとも数週間は血栓症に注意が必要です。予防では、GnRHアンタゴニスト法とGnRHアゴニストトリガーを軸に、全胚凍結やカベルゴリンを組み合わせる方法が推奨されています。排卵誘発をしていない妊娠で繰り返すOHSSには、FSHR遺伝子の活性化変異というまれな遺伝的原因があり、この場合は家族を含めた遺伝学的な評価が意味を持ちます。

参考文献

  • [1] 厚生労働省.重篤副作用疾患別対応マニュアル 卵巣過剰刺激症候群(OHSS).平成23年3月(令和3年4月改定). [PMDA PDF]
  • [2] The Management of Ovarian Hyperstimulation Syndrome. Green-top Guideline No. 5 (3rd edition). Royal College of Obstetricians and Gynaecologists. 2016. [RCOG PDF]
  • [3] Prevention of moderate and severe ovarian hyperstimulation syndrome: a guideline. Fertil Steril. 2024. [PubMed 38099867]
  • [4] Distinction between early and late ovarian hyperstimulation syndrome. Fertil Steril. 2000. [ScienceDirect]
  • [5] Early and late ovarian hyperstimulation syndrome: early pregnancy outcome and profile. Hum Reprod. 2005. [PubMed 15576388]
  • [6] 研修資料「E.婦人科疾患の診断・治療・管理」卵巣過剰刺激症候群.2009年10月(N-495). [PDF]
  • [7] Hamoda H, Drakeley AJ, Brian K, Evbuomwan IO, Mathur R, Royal College of Obstetricians and Gynaecologists. The Management of Ovarian Hyperstimulation Syndrome Green-Top Guideline No. 5. BJOG. 2026;133(7):e50-e69. doi:10.1111/1471-0528.70195. [PubMed 41975565]
  • [8] ARTの現状.日本がん・生殖医療学会. [日本がん・生殖医療学会]
  • [9] Severe ovarian hyperstimulation syndrome requiring recurrent large-volume paracenteses until 21 weeks’ gestation: a case report. [PMC9532883]
  • [10] [Ovarian hyperstimulation syndrome]. Ann Fr Anesth Reanim. 2011. [PubMed 21398079]
  • [11] Maternal death related to IVF in the Netherlands 1984-2008. Hum Reprod. 2010. [PubMed 20488805]
  • [12] Corrigendum to ‘Prevention of moderate and severe ovarian hyperstimulation syndrome: a guideline’ [Fertil Steril 2024;121:230-45]. Fertil Steril. 2026;125(5):937. doi:10.1016/j.fertnstert.2026.02.014. [PubMed 41807233]
  • [13] Spontaneous Late Onset OHSS in Singleton Pregnancy in 2nd Trimester: A Rare Case. [PMC4342382]
  • [14] Smits G, Olatunbosun O, Delbaere A, et al. Ovarian hyperstimulation syndrome due to a mutation in the follicle-stimulating hormone receptor. N Engl J Med. 2003;349(8):760-766. doi:10.1056/NEJMoa030064. [PubMed 12930928]
  • [15] Vasseur C, Rodien P, Beau I, et al. A chorionic gonadotropin-sensitive mutation in the follicle-stimulating hormone receptor as a cause of familial gestational spontaneous ovarian hyperstimulation syndrome. N Engl J Med. 2003;349(8):753-759. doi:10.1056/NEJMoa030065. [PubMed 12930927]
  • [16] Rodien P, Beau I, Vasseur C. Ovarian hyperstimulation syndrome (OHSS) due to mutations in the follicle-stimulating hormone receptor. Ann Endocrinol (Paris). 2010;71(3):206-209. doi:10.1016/j.ando.2010.02.019. [PubMed 20362966]

関連記事

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

記事の作り方と生成AIの使い方は、編集方針をご覧ください。

お電話での受付可能
診療時間
午前 10:00~14:00
(最終受付13:30)
午後 16:00~20:00
(最終受付19:30)
休診 火曜・水曜

休診日・不定休について

クレジットカードのご利用について

publicブログバナー
 
medicalブログバナー
 
NIPTトップページへ遷移