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膜ラッフル

膜ラッフル

膜ラッフル

膜ラッフル細胞膜ラッフリング)は、細胞表面でアクチンフィラメントが重合して網目構造を形成して細胞膜の運動性を担保する構造物である。細胞内で観察される最も初期の形態・構造の変化の一つである。GTP結合タンパクであるRacは、このラッフルの制御因子である。また、ポリホスホイノシチド代謝の変化や細胞のCa2+レベルの変化も重要な役割を担っていると考えられている。多くのアクチン結合タンパク質や組織化タンパク質が膜ラッフルに局在し、シグナル伝達の標的となる可能性がある。

移動する細胞はどのように特徴づけられるのか?

膜の隆起は、活発に移動する細胞の多くに見られる特徴である。膜が基質に接着できない場合、膜の突出部分は細胞内に取り込まれてリサイクルされる。膜ラッフルは、Rho GTPasesと呼ばれる酵素群であるRhoA、Rac1、cdc42によって制御されていると考えられている。

膜の突出やラフリングは、アクチンに富んだ膜の突出部の形成であり、細胞の運動に不可欠である。ラフリングの正確なメカニズムは完全にはわかっていない。Phospholipase D2 (PLD2) とGrowth factor Receptor Bound protein-2 (Grb2) がマクロファージのアクチン膜突起に共局在することを初めて明らかとなっている(論文)。Grb2はPLD2と協力して、静止細胞でも成長因子M-CSFで刺激した細胞でも膜の隆起を促進するが、後者では背側の隆起が増加し、受容体リガンドの内在化と一致することが観察された。PHドメインに変異を有するPLD2(Y169F)やSH2部位に変異を有するGrb2(R86K)を導入した細胞はこの効果を否定し、PLD2(Y169)-SH2-Grb2の結合が免疫沈降法とウェスタンブロッティングによって確認された。この結合によりPLD活性が増強される。また、Rho-GTPaseであるRac2が関与し、Rac2を過剰発現させた場合にのみ、in vivoでのアクチン重合など、完全な生物学的効果が得られることも分かった。Y169を介したGrb2-SH2への結合により増大したPLDの酵素作用がRac2と協力し、3つの分子がアクチン重合、ひいては膜ラッフル形成を促進する。膜ラッフルは細胞移動に先行するため、白血球の生理機能に重要な膜ダイナミクスを制御する新しいメカニズムが明らかとなりつつある。

この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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