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QOL:生活(人生)の質

QOL:生活(人生)の質

QOLとは?

QOLは quality of life の略で、直訳すると 生活(人生)の質 です。

ヒトが生きるという活動における満足の度合いの指標となります。
まだまだ一般的な言葉として浸透していないようですが、医療分野では、技術の進歩によって人工呼吸器や中心静脈栄養で植物状態でも長期間生きながらえることが可能となり、本人の真摯な希望はどうなのかという議論が巻き起こり、その延長線上で治療というものはただ単に生命の延長に主眼を置くべきではなく、生活が充実し心身がみたされるようにすべきという考え方がおこってきました。

QOLとは、「より多く・より長く」という量よりも「より良く」という質に重心を置く価値観に焦点をあてた考え方です。

とはいえ、歴史的にさかのぼるとソクラテスの「なによりも大切にすべきは、ただ生きることでなく、よく生きることである」までさかのぼることができる古さもあります。

QOLの定義

QOLが使用され始めて半世紀たつのですが、いまだに定義が多種多様となっています。

WHOは1994年にQOLを「一個人が生活する文化や価値観のなかで、目標や期待、基準、関心に関連した自分自身の人生の状況に対する認識」と定義しました。

QOLを向上させるには?

QOLを高めるには、個人の文化や価値観に基づいているので、個々のケースで具体的に検討するしかありません。

たとえば、がんのために体の自由が利かなくなり、今まで自分でできていたことができなくなった、という場合。
この方のQOLを向上させるにはどのようにしたら良いのでしょうか。

この場合、まず本人が「何に満足し、幸せとするか」を知る必要があります。

たとえばその方が、「最期までがんと積極的に戦いたい。たとえ抗がん剤で死んだとしても戦って死ぬのが本望だ。」ということに満足と幸せを見出せるとしたら、体の自由が利かない状態でも抗がん剤を投与することを検討すべきなのでしょうが。
抗がん剤を投与したら死期を早めることが明らかな場合、ジレンマに陥ることになりますが、本人を尊重するとそれも仕方がないことだと思います。

また、動けなくなった原因が痛みのせいであれば、痛みをなるだけ取る治療をするとQOLが上がりますよね。

さらに、介護者の手を借りて入浴などの基本動作をサポートして自宅で安心して過ごせるようにすると、QOLは上がりますよね。
結局、その人が何を望んでいるかにより、QOLを上げる方法は無数にあります。

この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号

 

プロフィール

この記事の筆者:仲田 洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、臨床遺伝学・内科・腫瘍学を軸に、 のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。 出生前診断・遺伝学的検査においては、検査結果そのものだけでなく 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。
2025年、国際誌『Global Woman Leader』および『Medical Care Review APAC』の2誌で立て続けに表紙(Cover Story)に抜擢。 「日本のヘルスケア女性リーダー10名」や「アジア太平洋地域のトップ出生前検査サービス」として、世界的な評価を確立しています。

▶ 仲田洋美の詳細プロフィールはこちら

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