ヌクレオチド
ヌクレオチドとは、ヌクレオシド(デオキシリボース+塩基)にリン酸基が結合した物質です。
ヌクレオシドは五単糖の1位にプリン塩基またはピリミジン塩基がグリコシド結合したものでDNAやRNAを構成する単位となっています。
DNAでは、デオキシリボースは5員環として存在しています。下の図のように、デオキシリボースは環の炭素の1つから酸素分子を失っています。
これは一見単純な変化のように見えるのですが、加水分解によるDNAの耐性に大きな影響を与えます。
RNAは、酸素が増えたことで、水分子との相互作用が大きくなります。これにより、リボース分子をつなぐホスホジエステル結合が加水分解されてしまうのです。それに比べて、デオキシリボース分子をつなぐホスホジエステル結合は、当然ながら水分との相互作用が少なく、加水分解による破壊も少なくなります。
デオキシリボースの炭素には、それぞれを区別するために素数で番号が付けられています。1’(1位)の炭素は、窒素(核酸)に結合する炭素のことです。5′の炭素は環の反対側にあり、環の構造には含まれず外に飛び出ています。5’の炭素は、リン酸基に結合します。このリン酸基は、図のように、その上にあるヌクレオチドの3′炭素と結合します。これにより、共有結合で結ばれたDNAの骨格ができあがります。DNAはデオキシリボースを骨格とする2本の鎖として存在し、互いに補完し合っている。ピリミジンとプリンは互いに作用して水素結合を形成し、バックボーンをつなぎ合わせています。複製の際には、酵素がこの水素結合を切断して、親鎖の両側を補完する新しいDNA鎖を形成するのです。
この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号