ノーザンブロット Northern blot
ノーザンブロットは、RNAの分子を分析するために使用します。
- 1. 一般的には、細胞や組織からRNAの集団を分離し、電気泳動でRNAをゲルに移行させます。
- 2. そうすると、小さな断片が下に、大きな断片が上に来ることになります。
- 3. ゲルの操作が終わったら、ゲルにメンブレンを貼り付け、塩濃度勾配または電気泳動によって、ゲル内の分子、つまりRNA分子をメンブレン(通常はニトロセルロース)に移します。
ニトロセルロース上のRNA分子は、ほとんど白い紙のように見えます。これがあれば、RNAサンプルの違いを調べることができます。あるRNAがなくなったかどうかを、そのRNAに印をつけて、ノーザンブロットの膜上で一致するものを見つけることで調べることができますし、サイズが変わったかどうかを調べることもできます。RNAのスプライシングに変化があれば、サイズの変化が期待できるかもしれません。ノーザンブロットという言葉は、もともとDNAを分析するときに使われていた言葉をもじったものです。エドワード・サザンという人物が、同じような分析方法を開発したのですが、DNA分子をゲル上に移動させ、それを膜に転写するという方法でした。このプロトコルは、彼の名前にちなんで名付けられました(彼の名前はSouthern)。そこで、同じようなRNA分子を同じような方法で分析するなら、ノーザンブロットと名付けようという、言葉遊びで手法の名称が決まりました。
ノーザンブロットの「ブロット」とは、ゲルを用意して、それをサンドイッチのように重ね、その上に転写したいメンブレンを置き、さらにペーパータオルなどの吸収材を重ねて、あたかもDNAをメンブレンの上にブロッティングして分析するかのようにするプロトコルのことです。
この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号