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嚢胞性ヒグローマ(cystic hygroma)とは?染色体異常の確率・NTとの違い・消えた場合と予後を臨床遺伝専門医が解説

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

⏱ 30秒でわかる要約

Q. 嚢胞性ヒグローマ(ヒグローマ)とは?

胎児の首のうしろにできる、中に仕切りのある液体のたまりです。首のリンパ管が静脈とうまくつながらず、リンパ液がたまってできると考えられています。妊娠初期の超音波検査(エコー)で見つかることが多く、英語ではcystic hygroma、システィックヒグローマとも呼ばれます。

Q. 染色体異常がある確率は?

大規模な研究では約半数(51〜56%)に染色体の変化が見つかっています。多いのは21トリソミー(ダウン症候群)、ターナー症候群、18トリソミーです。

Q. 染色体異常なしなら大丈夫?

それだけでは安心とは言えません。染色体が正常でも、心臓などの構造の異常や、ヌーナン症候群などの遺伝子の病気が見つかることがあります。マイクロアレイ検査・遺伝子の検査と、胎児の心臓の検査まで考えます。

Q. 消えたら心配いらない?

消えることはありますが、染色体に変化がある赤ちゃんでも消えることがあります。消えた場合も、原因を確かめる検査と妊娠中期の詳しいエコーは受けておくことが大切です。

嚢胞性ヒグローマ(のうほうせいひぐろーま、cystic hygroma)は、胎児の首のうしろにできる、中に仕切りのある液体のたまりです。ヒグローマ、システィックヒグローマとも呼ばれ、多くは妊娠初期の超音波検査(エコー)で見つかります。見つかったときに大切なのは、ヒグローマそのものより「なぜできたのか」を確かめることです。約半数には染色体の変化があり、染色体が正常でも心臓の病気や遺伝子の病気が見つかることがあります。この記事では、ヒグローマとは何か、NTや胎児水腫との違い、染色体異常の確率、染色体異常なしの場合や消えた場合の見通し、次に受ける検査の流れを、論文と学会の資料をもとに解説します。全体の流れはNIPT(新型出生前診断)と確定検査を含む出生前検査の中で考えます。

この記事でわかること
📖 読了時間:約15分
🤰 妊娠中にヒグローマと言われた方へ
★ 臨床遺伝専門医監修

Q. ヒグローマが見つかったら、まず何をすればよいですか?

A. 原因を確かめる検査(絨毛検査・羊水検査)を考えます。染色体の検査に加えて、マイクロアレイ検査、必要に応じて遺伝子の検査を行い、胎児の心臓の超音波検査と妊娠中期の詳しい超音波検査も受けます。ヒグローマが小さくなっても、この検査の流れは変わりません。

  • ➤頻度 → 妊娠初期のエコーで約285人に1人(米国の研究)
  • ➤染色体の変化 → 約半数。21トリソミー・ターナー症候群・18トリソミーが多い
  • ➤染色体が正常でも → 心臓などの異常、ヌーナン症候群などのRAS病が見つかることがある
  • ➤消えた場合 → 染色体に変化がある赤ちゃんでも消えることがある

嚢胞性ヒグローマ(cystic hygroma)を解説するアイキャッチ画像

1. 嚢胞性ヒグローマ(ヒグローマ)とは

嚢胞性ヒグローマとは、胎児の首のうしろから後頭部にかけての皮膚の下に、リンパ液がたまって袋のように見える状態です。国際産婦人科超音波学会(ISUOG)の教育資料では、妊娠14週以降の嚢胞性ヒグローマを「後頭部の皮膚の下にある、液体で満たされた左右対称の腔で、真ん中に仕切り(中隔)があり、内部にさらに細かい仕切りがあることもあるもの」と説明しています[1]。妊娠14週より前は、仕切りのある非常に大きなNT(首のうしろのむくみ)と同じものとして扱われます[1]。

「嚢胞」は液体の入った袋、「ヒグローマ(hygroma)」は「水のたまったこぶ」を意味する言葉です。英語ではcystic hygromaと書き、日本語ではそのままシスティックヒグローマとカタカナで呼ばれることもあります。医学的には、リンパ管の発生の異常で起こる「リンパ管奇形」のうち、大きな袋(嚢胞)をつくるタイプと位置づけられています[1]。つまり、ヒグローマは腫瘍ではなく、リンパ管の通り道がうまくできなかったことによる形の変化です。

なぜできる?リンパ管と静脈のつながり

胎児の首には、左右に「頸静脈リンパ嚢(けいじょうみゃくりんぱのう)」というリンパ管の袋ができ、これが首の太い静脈(内頸静脈)とつながることで、全身から集まったリンパ液が血液に戻る道ができます。このつながりがうまくできないと、行き場を失ったリンパ液が首の袋にたまり、大きくふくらんだものが嚢胞性ヒグローマだと考えられています。[1]

リンパ液の流れが滞る影響は首だけにとどまらないことがあります。胸や手足のリンパ管も二次的に広がり、手足のむくみ(リンパ浮腫)や、体のいろいろな場所に水がたまる胎児水腫につながることがあります[1]。ヒグローマが見つかったときに、首だけでなく全身のむくみや胸水・腹水の有無を確かめるのはこのためです。リンパ管の病気の全体像はリンパ管異常(リンパ管奇形・リンパ浮腫を含む総論)で解説しています。

💡 用語解説:リンパ管奇形(りんぱかんきけい)

リンパ管がうまくつくられずに、袋状にふくらんだり、かたまりになったりする生まれつきの形の変化です。以前は「リンパ管腫」と呼ばれていましたが、腫瘍のように細胞が増えるものではないため、現在はリンパ管奇形と呼ぶのが一般的です。大きな袋をつくるタイプ(嚢胞状)と、細かい袋が集まったタイプがあり、胎児の首のうしろにできる嚢胞性ヒグローマは前者にあたります。

いつ・どのように見つかる?エコーでの見え方

嚢胞性ヒグローマは、多くが妊娠初期(おおむね妊娠10〜13週ごろ)のエコーで見つかります。米国の大規模研究(FASTER研究)でも、妊娠10〜13週のエコーで見つかった嚢胞性ヒグローマを対象にしています[2]。エコーでは、首のうしろの皮膚の下が黒く抜けて見え、その中に白い線のような仕切り(隔壁)が見えます。

仕切りがあるかどうかは、昔は「単なるNTの肥厚」と「ヒグローマ」を分ける目印とされてきました。FASTER研究も、仕切りのあるもの(septated cystic hygroma)を、単にNTが厚いものと区別して調べています[2]。一方で、NTが厚い胎児を詳しく見ると仕切りはほぼ全員に見えるという研究もあり、この点は次の章で詳しく説明します。ヒグローマが疑われたら、仕切りの有無よりも、むくみの大きさや、ほかに異常がないかを丁寧に見ることが大切です。エコーでわかることの全体は胎児超音波検査(医学用語としての解説)をご覧ください。

嚢胞性ヒグローマの胎児の超音波画像
妊娠11週の胎児のNT(後頸部透亮像)の超音波画像

どのくらいの確率で見つかる?(頻度)

妊娠初期のエコーで嚢胞性ヒグローマが見つかる頻度は、およそ285人に1人と報告されています。これは、妊婦さんを選ばずに妊娠初期のエコーを行った米国の研究(38,167人)で、仕切りのある嚢胞性ヒグローマが134例見つかったという結果です[2]。

一方、生まれた赤ちゃんでの頻度は約6,000人に1人と、妊娠初期よりずっと少なくなります[1]。この差は、ヒグローマを伴う赤ちゃんの一部が妊娠中に流産や子宮内での死亡に至ること、妊娠中にヒグローマが小さくなることなどによります[1]。「何人に1人」という数字は、妊娠初期の数字か、生まれたときの数字かで大きく違うので、ほかの記事や説明で数字を見るときは、どの時点の数字かを確かめてください。

📊 嚢胞性ヒグローマの頻度(時点で数字が違う)

時点 頻度 出典の条件
妊娠初期(10〜13週)のエコー 約285人に1人 米国の多施設研究。妊婦さんを選ばずにエコーを行った38,167人で、仕切りのあるヒグローマ134例[2]
出生時 約6,000人に1人 ISUOGの教育資料に示された出生時の頻度[1]

※妊娠中に流産や子宮内死亡に至る例、妊娠中に小さくなる例があるため、出生時の頻度は妊娠初期より低くなります。

2. 嚢胞性ヒグローマとNT(首のうしろのむくみ)の違い

NTとヒグローマは、どちらも「首のうしろの液体のたまり」で、妊娠初期にははっきり線を引けないことがあります。NT(nuchal translucency、後頸部透亮像)は、妊娠初期の胎児の首のうしろに誰にでもある、皮膚の下の黒く抜けて見える部分の厚さのことで、厚いほど染色体の変化などの可能性が高くなります。ヒグローマは、そのたまりがとくに大きく、中に仕切りが見えるものを指すことが多い言葉です。

ISUOGの教育資料は、妊娠初期のヒグローマは「仕切りのある非常に大きなNT」として現れることが多く、両者は同じ意味で使われることもあると説明しています。そのうえで、見通し・調べ方・染色体の変化との関係が同じなので、両者を区別する必要は大きくないとしています[1]。

「仕切りがあるかどうか」はどこまで意味がある?

英国のグループは、NTが同じ頭殿長の胎児の95パーセンタイルを超えていた386人を詳しく調べ、仕切りはこの全員に見えたこと、染色体の変化があったのは83人(21.5%)で、染色体の変化を予測する独立した因子はNTの厚さだけだったことを報告しています[3]。つまり、妊娠初期には「仕切りがあるからヒグローマ、ないからNT肥厚」と分けても、染色体についての予測は大きく変わらず、大切なのは仕切りの有無よりも、むくみの厚さ(大きさ)だということです。

一方、FASTER研究では、仕切りのある嚢胞性ヒグローマは、単にNTが厚いものと比べて、染色体の変化が約5倍、心臓の異常が約12倍、周産期の死亡が約6倍多かったと報告されています[2]。944人を調べた別の研究でも、ヒグローマの厚さが1mm増えるごとに染色体の変化のオッズが1.44倍になるなど、大きいほど見通しが厳しくなる関係が示されています[4]。2つの研究を合わせて読むと、「ヒグローマと呼ばれるほど大きなむくみ」は、軽いNTの肥厚よりも原因が見つかる可能性が高い、と理解するのが自然です。

🔍 NT肥厚と嚢胞性ヒグローマの違い(このページでの整理)

項目 NT(首のうしろのむくみ) 嚢胞性ヒグローマ
何を指すか 妊娠初期の胎児に誰にでもある、首のうしろの皮膚の下の液体の厚さ。厚い場合を「NT肥厚」と呼ぶ 首のうしろから後頭部の、仕切りのある大きな液体のたまり。リンパ管奇形の一つ[1]
見える時期 妊娠初期に測る 妊娠初期に多い。妊娠14週以降も見えることがある[1]
仕切り(隔壁) NTが厚い胎児では仕切りが見えることが多い[3] 仕切りがあることが特徴とされる[1]
染色体の変化の頻度 NTの厚さによって変わる(厚いほど高い)[3] 約半数(51〜56%)[2][5]
見通しを左右するもの NTの厚さ、ほかの異常の有無 大きさ(厚さ)、胎児水腫への進行、ほかの異常の有無[1][4]

※妊娠初期には両者をはっきり区別できないことがあり、研究によって定義が異なります。NTの測り方・基準値はNTのページで解説しています。

NTの正常値や測り方、週数ごとの基準はNTの正常値(首のむくみ)のページで詳しく解説しています。このページでは、ヒグローマと言われたときに何が起こりうるか、何を調べるかに絞って説明します。

3. 胎児水腫との関係 ― 首だけのむくみと全身のむくみ

嚢胞性ヒグローマは首のうしろの液体のたまりで、胎児水腫は胎児の体の複数の場所に異常な液体がたまった状態です。胎児水腫は、腹水、胸水、心のう液(心臓のまわりの液体)、皮膚のむくみ(皮下浮腫)のうち、2つ以上がみられる状態と定義されています[6]。ヒグローマが見つかった赤ちゃんでは、首の液体のたまりに加えて、皮膚全体のむくみや胸水・腹水などが現れ、胎児水腫に進むことがあります[1]。

先ほど説明したように、首のリンパ管の流れが滞ると、胸や手足のリンパ管も二次的に広がり、全身のむくみにつながることがあります[1]。ISUOGの教育資料では、ヒグローマが大きくなり続けること、胎児水腫に進むこと、ほかに大きな異常があることを、見通しが厳しくなるサインとして挙げています[1]。そのため、ヒグローマが見つかったあとは、妊娠を続ける場合、おおむね4週ごとにエコーで胎児水腫が出てこないかを確かめる方法が示されています[1]。

胎児水腫はエコーでどう見える?

胎児水腫では、エコーで皮膚の下のむくみ(皮下浮腫)、胸水、腹水などが見えます。ヒグローマに伴って見られる変化として、ISUOGの資料は心臓の異常、胸水、腹水、全身のむくみを挙げています[1]。首のうしろだけが黒く抜けている段階と、体のあちこちに液体がたまっている段階では、考えることが変わります。

胎児水腫のうち、母親と赤ちゃんの血液型の不適合によらないものを「非免疫性胎児水腫」と呼びます。通常の検査で原因がわからなかった非免疫性胎児水腫127例を全エクソーム解析で調べた米国の研究では、29%(37例)で原因となる遺伝子の変化が見つかり、その中でいちばん多かったのはヌーナン症候群を含むRAS病(RASopathy)で、診断の30%を占めていました。[7]さらに、見つかった顕性(優性)遺伝の病気の88%は両親から受け継いだものではない新生突然変異でした[7]。

胎児水腫の原因や経過は胎児水腫の原因と治療で、遺伝子の検査は非免疫性胎児水腫(NIHF)遺伝子パネル検査で解説しています。当院のNIHFパネルは457遺伝子を調べる検査で、検査ページでは検体は血液・唾液・口腔粘膜とされており、染色体の数や構造の変化はこの検査では調べられないと書かれています。

💡 用語解説:胎児水腫(たいじすいしゅ)

胎児の皮膚の下や、胸・お腹・心臓のまわりなど、体のいくつかの場所に液体がたまった状態です。原因は、赤ちゃんの貧血、心臓の病気、感染症、染色体の変化、遺伝子の病気、リンパ管の異常などさまざまです。血液型の不適合による「免疫性」と、それ以外の「非免疫性」に分けられ、嚢胞性ヒグローマから進むのは非免疫性のほうです。

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4. 原因と染色体異常の確率 ― 約半数に染色体の変化

嚢胞性ヒグローマの赤ちゃんの約半数には、染色体の変化が見つかります。FASTER研究では、追跡できた132例のうち67例(51%)に染色体の変化があり、その内訳は21トリソミー25例、ターナー症候群(45,X)19例、18トリソミー13例、その他10例でした[2]。

別の大規模な研究(944例)では、染色体を調べた729例のうち400例(54.9%)に変化がありました[4]。複数の研究をまとめたメタ解析でも、嚢胞性ヒグローマ全体では55.64%(1,666例中927例)、ほかに異常のない「単独の」ヒグローマでも48.39%(93例中45例)に染色体の変化があったとされています[5]。研究によって対象や定義は違いますが、「ほかに異常がなくても約半数」という点は共通しています。

🧬 FASTER研究で見つかった染色体の変化(132例中67例)

染色体の変化 例数 どんな病気か
21トリソミー 25例 ダウン症候群。21番染色体が3本ある
ターナー症候群(45,X) 19例 女の子でX染色体が1本少ない
18トリソミー 13例 エドワーズ症候群。18番染色体が3本ある
その他 10例 上記以外の染色体の変化

出典:Malone FD, et al. 2005[2]。妊婦さんを選ばずに妊娠10〜13週のエコーを行った米国の研究の結果です。

ダウン症候群・18トリソミー・ターナー症候群

ヒグローマとの関係でよく名前が挙がるのが、ダウン症候群(21トリソミー)、エドワーズ症候群(18トリソミー)、ターナー症候群です。ISUOGの資料では、ほかに13トリソミー、染色体の一部の欠失・重複、不均衡型転座、性染色体の変化なども挙げられています[1]。13トリソミーについてはパトウ症候群(13トリソミー)をご覧ください。

ターナー症候群は、女の子で2本あるはずのX染色体が1本少ない状態で、生まれた女の子の約2,000人に1人にみられ、流産や死産になった妊娠ではもっと多いことが知られています[8]。生まれた方の多くは知的発達が正常で、首の皮膚のひだ(翼状頸)や手足のむくみがみられることがあります[8]。首のひだは、胎児期のヒグローマやむくみのなごりと考えられています。また、ターナー症候群の方の3分の1から2分の1には心臓の病気があるため[8]、ヒグローマが見つかった場合に心臓を詳しく見ることは、この点からも意味があります。

見つかる時期で多い原因が変わる

ISUOGの資料によると、染色体の変化がみられる割合は、ヒグローマが妊娠初期に見つかった場合は約60%、妊娠中期に見つかった場合は約40%とされています。また、妊娠初期に見つかった場合は21トリソミーが最も多く、妊娠中期に見つかった場合はターナー症候群が最も多いとされています[1]。

母親の年齢が高いと21トリソミーや18トリソミーによるヒグローマは増えますが、ターナー症候群は母親の年齢とは関係がないとされています[1]。若い妊婦さんでヒグローマが見つかった場合も、染色体の検査を受ける意味は変わりません。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【ヒグローマは「診断名」ではなく「入り口」】

嚢胞性ヒグローマは、エコーで見えた形の名前で、それ自体が一つの病気の名前ではありません。同じヒグローマでも、背景にあるのが21トリソミーなのか、ターナー症候群なのか、ヌーナン症候群なのか、あるいは原因が見つからないのかで、赤ちゃんの見通しも、次の妊娠への影響も大きく変わります。

臨床遺伝専門医として大切だと考えているのは、ヒグローマの大きさや形だけで見通しを決めつけず、原因を一つずつ確かめていくことです。「約半数に染色体の変化」という数字は、裏を返せば約半数は染色体が正常だということでもあります。原因がわかって初めて、ご家族がどう考えるかの土台ができると考えています。

5. 「染色体異常なし」の場合 ― 安心と言い切れない理由

染色体が正常だったことは大切な情報ですが、それだけで「心配はない」とは言えません。FASTER研究では、染色体の変化がなかった65例のうち22例(34%)に、主に心臓と骨格の大きな構造の異常があり、5例(8%)が子宮内で亡くなり、15例は異常が見つからないまま妊娠中絶が選ばれました。生まれて生存した23例のうち、22例は小児期の経過が正常で、1例には脳性麻痺と発達の遅れがみられました[2]。944例の研究でも、染色体が正常な赤ちゃんの28.8%(212例中61例)に大きな先天異常がありました[4]。

ISUOGの資料では、染色体が正常な場合に多い異常として心臓の異常が最も多く、次いで腎臓・尿路、脳・神経、骨格の異常が挙げられています[1]。先天性心疾患は、生まれたあとすぐに治療が必要になることもあるため、出産する施設を選ぶうえでも妊娠中にわかっていることに意味があります。

ヌーナン症候群などのRAS病(RASopathy)

染色体が正常なヒグローマの赤ちゃんで最も多い遺伝子の病気は、ヌーナン症候群です。ISUOGの資料では、染色体が正常な場合の遺伝子の病気としてヌーナン症候群が最も多く、ほかにコルネリア・デ・ランゲ症候群、フリンズ症候群、多発性翼状片症候群なども挙げられています[1]。

ヌーナン症候群は、約1,000〜2,500人に1人にみられる病気で、原因の約半分はPTPN11遺伝子の変化です。常染色体顕性(優性)遺伝の形式をとり、多くの方に肺動脈弁狭窄などの心臓の病気がみられます[9]。ヌーナン症候群やその仲間は、細胞の中のRAS/MAPKという信号の通り道にかかわる遺伝子の変化で起こるため、まとめてRAS病(RASopathy)と呼ばれます。

メタ解析では、染色体検査もマイクロアレイ検査も正常だった嚢胞性ヒグローマの赤ちゃんでRAS病の遺伝子を調べたところ、15例中6例(40%)で原因が見つかったという報告があります。ただし、これは1つの研究の少ない例数による数字です[5]。同じメタ解析で、ほかに異常のないNT 3.5mm以上の赤ちゃんでは、RAS病パネルで原因が見つかったのは1.44%でした[5]。ヒグローマと呼ばれるほど大きなむくみでは、軽いNT肥厚よりもRAS病の可能性を考える意味が大きいと読み取れます。

💡 用語解説:RAS病(RASopathy・ラソパチー)

細胞が増えたり分化したりするときの合図を伝えるRAS/MAPK経路という信号の通り道にかかわる遺伝子の変化で起こる病気の総称です。ヌーナン症候群、コステロ症候群、CFC症候群などが含まれます。心臓の病気、特徴的な顔立ち、低身長などが共通してみられ、胎児期にはNTの肥厚や嚢胞性ヒグローマ、胎児水腫として見つかることがあります。

マイクロアレイ・遺伝子パネル・エクソームで何が増えるか

染色体検査(Gバンド法)で正常でも、顕微鏡では見えない小さな欠失・重複が染色体マイクロアレイ検査で見つかることがあります。メタ解析では、染色体検査が正常だった嚢胞性ヒグローマで、マイクロアレイ検査により40例中1例(2.50%)に原因が見つかったという報告がありますが、これも1つの研究の少ない例数です[5]。

ISUOGの資料では、染色体が正常な場合、ほかに見つかった異常に応じてマイクロアレイ検査(array CGH)や全エクソーム解析を考えることが示されています[1]。染色体検査、マイクロアレイ検査、RAS病などの遺伝子パネル検査、全エクソーム解析は、それぞれ見つけられる変化の大きさや種類が違います。「どこまで調べるか」は、ヒグローマの大きさ、ほかの異常の有無、妊娠週数、結果が出るまでの時間を考えて決めます。

🧪 検査ごとに「わかること」が違う

検査 わかること わからないこと
染色体検査(Gバンド法) 染色体の数の変化、大きな構造の変化 顕微鏡で見えない小さな欠失・重複、遺伝子1つの変化
マイクロアレイ検査 染色体の小さな欠失・重複 遺伝子1つの中の小さな変化(ヌーナン症候群など)
遺伝子パネル検査 決められた遺伝子の変化(RAS病パネルなど) パネルに入っていない遺伝子の変化
全エクソーム解析 多くの遺伝子のタンパク質をつくる部分の変化 遺伝子の外側の変化や、検出が難しい種類の変化

※当院で行える検査の内容・期間は、各検査ページに書かれている範囲です。

当院のNoonan症候群・RASopathies遺伝子パネル検査は31遺伝子を調べる検査で、検査ページには「絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。」と書かれています。マイクロアレイ検査はマイクロアレイ染色体検査(CMA)、エクソームは出生前全エクソーム(WES)検査で詳しく説明しています。

6. 予後(見通し)と「消えた」場合

嚢胞性ヒグローマ全体で見ると、見通しは厳しい数字が報告されています。FASTER研究では、生まれたあとの小児期の経過まで含めて正常だったのは132例中22例(17%)でした[2]。944例の研究では、妊娠中絶を選ばなかった295例のうち115例(39%)が子宮内または新生児期に亡くなり、経過がわかった627例のうち543例(86.6%)に何らかの異常な経過がありました[4]。

ただし、これはヒグローマ全体の数字で、染色体の変化がある赤ちゃんも、胎児水腫に進んだ赤ちゃんも含みます。一人ひとりの赤ちゃんの見通しは、原因が何か、ほかに異常があるか、胎児水腫に進むかで大きく変わります。FASTER研究でも、染色体の変化がなかった65例のうち22例は、小児期まで経過が正常でした[2]。「無事に出産できる可能性」を条件ごとに考える内容は、嚢胞性ヒグローマと言われたら(無事出産の可能性と調べること)で詳しく扱っています。

📈 嚢胞性ヒグローマの経過(大規模研究の数字)

研究 対象 主な結果
FASTER研究(米国)[2] 妊娠初期の仕切りのあるヒグローマ132例 染色体の変化51%/小児期まで正常だったのは17%/染色体の変化がなかった65例中22例が小児期まで正常
944例の研究(米国)[4] 妊娠初期のヒグローマ944例 染色体の変化54.9%/染色体正常の28.8%に大きな先天異常/妊娠を続けた例の39%が子宮内・新生児期に死亡

※研究によって対象や定義が違います。数字は集団の値で、一人ひとりの赤ちゃんの見通しをそのまま示すものではありません。

嚢胞性ヒグローマは消える?消えたら大丈夫?

嚢胞性ヒグローマは、妊娠が進むうちに小さくなったり、見えなくなったりすることがあります。ISUOGの資料では、自然に消えたのは染色体に変化がある赤ちゃんの約10%、染色体が正常な赤ちゃんの約18%とされ、小さめのものほど、妊娠中期から妊娠後期のはじめに消えやすいとされています[1]。

ここで大切なのは、染色体に変化がある赤ちゃんでも消えることがあるという点です。ヒグローマが消えたのはリンパ液の通り道ができたなどの理由によるもので、もともとの原因がなくなったことを意味するとは限りません。消えたからといって検査をやめると、染色体の変化や心臓の病気、ヌーナン症候群などを見逃すおそれがあります。原因を確かめる検査と、妊娠18〜22週ごろの詳しいエコー、胎児の心臓の検査は、消えた場合も受けておくことが大切です[1]。

生まれたあとはどうなる?

ISUOGの資料では、妊娠を続ける場合、高度な新生児医療ができる施設での出産が考えられ、妊娠38週ごろの分娩計画が示されています。胎児水腫が出てきた場合はもっと早くなることがあるとされており、実際の分娩の時期は、胎児水腫の有無や合併する異常、赤ちゃんの状態によって一人ひとり判断されます。大きなヒグローマで赤ちゃんの空気の通り道がふさがるおそれがある場合には、出産時に気道を確保する特別な方法(EXIT)が検討されることもあります[1]。

生まれたあとも首などにリンパ管奇形が残った場合は、小児外科や形成外科などで治療が検討されます。日本では、厚生労働省の研究班がまとめた「血管腫・脈管奇形・血管奇形・リンパ管奇形・リンパ管腫症診療ガイドライン2022」があり、リンパ管奇形の切除術などの治療が取り上げられています[10]。どの治療が向いているかは、場所や大きさによって変わります。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「消えた」という知らせをどう受け止めるか】

ヒグローマが小さくなった、消えたと聞くと、ほっとするのは自然なことです。ただ、数字を見ると、消えるのは染色体が正常な赤ちゃんに限りません。消えたことは見通しを考えるうえでの一つの材料ですが、原因が確かめられたわけではありません。

臨床遺伝専門医としては、消えたかどうかにかかわらず、原因を調べる検査と心臓を含めた詳しいエコーを済ませておくことが、あとで迷わないための近道だと考えています。結果がそろってから判断しても遅くないように、検査の時期と結果が出るまでの日数を先に確かめておくとよいと考えています。

7. ヒグローマが見つかったら ― 次に受ける検査の流れ

嚢胞性ヒグローマが見つかったら、絨毛検査か羊水検査で原因を直接調べることが基本です。ISUOGの資料では、見つかった週数に応じて絨毛検査か羊水検査を提案し、染色体が正常ならマイクロアレイ検査や全エクソーム解析を考え、胎児の心臓の超音波検査をできるだけ早く行い、妊娠18〜22週ごろに詳しい超音波検査を行う流れが示されています[1]。

エコーでヒグローマを指摘妊娠初期が多い
▶
絨毛検査・羊水検査染色体・マイクロアレイ
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正常なら遺伝子の検査RAS病パネル・エクソーム
▶
心臓と全身の詳しいエコー妊娠18〜22週ごろ

① 絨毛検査(妊娠11〜13週)・羊水検査(妊娠15週以降):赤ちゃん由来の細胞を採って、染色体を直接調べる確定検査です。ヒグローマは妊娠初期に見つかることが多いので、早く結果を知りたい場合は絨毛検査、週数が進んでいれば羊水検査を考えます。2つの違いは絨毛検査と羊水検査の違いをご覧ください。

② マイクロアレイ検査:染色体検査で見えない小さな欠失・重複を調べます。微小欠失症候群の全体像は微小欠失症候群で解説しています。

③ 遺伝子の検査:染色体とマイクロアレイが正常で、ヒグローマが大きい、胎児水腫や心臓の異常があるなどの場合に、RAS病などの遺伝子パネル検査や全エクソーム解析を考えます。

④ 心臓と全身の詳しいエコー:胎児の心臓の超音波検査と、妊娠18〜22週ごろの詳しい超音波検査で、構造の異常がないかを確かめます。妊娠を続ける場合は、胎児水腫が出てこないかを定期的に確かめます[1]。

NIPTではなく確定検査を考える理由

NIPTは、母体の血液に含まれる赤ちゃん由来のDNAから、染色体の変化の可能性を調べるスクリーニング検査です。陽性でも確定検査で確かめる必要があり、陰性でもすべての原因が否定できるわけではありません。すでにエコーでヒグローマが見つかっている場合は、NIPTの結果を待つより、絨毛検査・羊水検査で直接調べるほうが、原因に早く近づけます。NIPTの精度の考え方はNIPTの精度(陽性的中率)で解説しています。

一方、エコーで異常を指摘されていない段階でNIPTを受けるかどうかを考える方にとっては、NIPTは染色体の変化の可能性を早い時期に知る方法の一つです。

ミネルバクリニックでできること

当院では、絨毛検査(妊娠11〜13週)と羊水検査(妊娠15週以降)を院内で行っています。検査ページには、採った検体で、染色体の数の変化を短期間で調べる迅速検査(3日以内に報告)、決まった場所の小さな欠失を調べる検査、マイクロアレイ検査(結果まで2週間ほど)、全エクソーム解析・全ゲノム解析などを行えること、すべての確定検査で母体細胞混入(MCC)の解析を必須にしていることが書かれています。当院の絨毛検査・羊水検査は基本的に日曜日(月曜日が祝日の場合は月曜日)に行っており、他院でNIPTが陽性になった方の確定検査もお引き受けしています。

検査の前後には、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どの検査をどの順番で受けるか、結果が出たらどう考えるかを整理します。検査の詳細は羊水検査・絨毛検査とNIPT陽性後の確定検査(他院で陽性の方も)をご覧ください。

⚠ 当院が行っていないこと

当院は分娩・人工妊娠中絶を行っていません。妊娠の継続や出産、妊娠を続けない選択をする場合の処置は、妊婦健診を受けている医療機関や専門施設で相談していただくことになります。

\ ヒグローマの原因を確かめたい方へ ― 絨毛検査・羊水検査とその後の検査まで院内で /

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当院の絨毛検査・羊水検査について | NIPT(新型出生前診断)のプラン

よくある質問(FAQ)

Q1. 嚢胞性ヒグローマと言われたら、必ず染色体異常があるのですか?

必ずではありません。妊娠初期の嚢胞性ヒグローマを調べた米国の大規模研究では、染色体の変化が見つかったのは51%で、残りの約半数は染色体の数や形が正常でした。ただし染色体が正常でも、ヌーナン症候群などの遺伝子の病気や心臓の病気が見つかることがあるため、染色体だけで調べ終わりにせず、マイクロアレイ検査や遺伝子の検査、胎児の心臓の超音波検査まで考えることが勧められています。

Q2. 嚢胞性ヒグローマは消えますか?消えたら大丈夫ですか?

小さくなったり、見えなくなったりすることはあります。国際産婦人科超音波学会(ISUOG)の教育資料では、染色体に変化のある赤ちゃんの約10%、染色体が正常な赤ちゃんの約18%で自然に消えたとされています。染色体に変化がある赤ちゃんでも消えることがあるため、消えたことだけで原因がないとは判断できません。原因を確かめる検査と、妊娠18〜22週ごろの詳しい超音波検査や胎児の心臓の検査は、消えた場合も受けておくことが大切です。

Q3. NT(首のうしろのむくみ)と嚢胞性ヒグローマは何が違うのですか?

どちらも首のうしろに液体がたまった状態で、妊娠初期にははっきり区別できないことがあります。一般には、NTが厚いものの中で、とくに大きく、中に仕切り(隔壁)が見えるものを嚢胞性ヒグローマと呼びます。ただし仕切りの有無は、NTの厚さ以上の情報をほとんど足さないという研究もあり、見通しを考えるうえではNTの厚さ(むくみの大きさ)のほうが大切だと考えられています。

Q4. 染色体異常なしと言われました。もう安心してよいですか?

染色体が正常だったことは大切な情報ですが、それだけで安心とは言い切れません。染色体が正常な嚢胞性ヒグローマの赤ちゃんでも、約3割に心臓などの大きな構造の異常が見つかったという研究があります。ヌーナン症候群などのRAS病(RASopathy)は通常の染色体検査やマイクロアレイ検査ではわからないため、遺伝子の検査を追加するかどうかを考えます。あわせて胎児の心臓の検査と、妊娠中期の詳しい超音波検査を受けてください。

Q5. 嚢胞性ヒグローマは遺伝しますか?次の妊娠でもくり返しますか?

嚢胞性ヒグローマそのものが遺伝するわけではなく、次の妊娠でのくり返しやすさは原因によって変わります。たとえばターナー症候群が原因だった場合、次の妊娠でくり返しやすくなることはないとされています。一方、ヌーナン症候群のように親から受け継ぐことがある遺伝子の病気が原因だった場合は、次の妊娠でも同じ病気が起こる可能性があります。原因がわかれば次の妊娠の見通しを立てやすくなるため、原因を調べておくことに意味があります。

Q6. NIPTで嚢胞性ヒグローマの原因は調べられますか?

NIPTは母体の血液で赤ちゃんの染色体の変化の可能性を調べるスクリーニング検査で、診断はできません。エコーで嚢胞性ヒグローマが見つかったときは、NIPTではなく絨毛検査や羊水検査で直接調べることが勧められています。一方、エコーで異常を指摘されていない段階では、NIPTで調べることができます。当院のNIPTは、ダウン症候群だけでなく、ほかの染色体の変化も調べられるプランを選べます。

Q7. ミネルバクリニックではどんな検査が受けられますか?

当院では絨毛検査(妊娠11〜13週)と羊水検査(妊娠15週以降)を院内で行っています。採った検体で、染色体の数を短期間で調べる迅速検査(3日以内に報告)、マイクロアレイ検査(結果まで2週間ほど)、全エクソーム解析などを検査ページに沿って選べます。他院でNIPTが陽性になった方や、エコーで異常を指摘された方の確定検査もお引き受けしています。

まとめ

嚢胞性ヒグローマ(cystic hygroma)は、胎児の首のうしろにできる、仕切りのあるリンパ液のたまりで、首のリンパ管が静脈とうまくつながらないことで起こると考えられています[1]。妊娠初期のエコーで約285人に1人に見つかり、約半数に21トリソミー・ターナー症候群・18トリソミーなどの染色体の変化があります[2]。

染色体が正常でも、心臓などの構造の異常やヌーナン症候群などのRAS病が見つかることがあり[4][1]、ヒグローマが消えた場合も原因がないとは言えません。大切なのは、ヒグローマの見た目だけで判断せず、確定検査・マイクロアレイ検査・必要に応じた遺伝子の検査と、心臓を含めた詳しいエコーで原因を確かめることです。NTとの違いはNTのページ、胎児水腫は胎児水腫のページもあわせてご覧ください。

🏥 ヒグローマを指摘された方・出生前検査をお考えの方へ

当院では、絨毛検査(妊娠11〜13週)・羊水検査(妊娠15週以降)を院内で行い、迅速検査は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果をお返しします。他院でNIPTが陽性になった方や、エコーで異常を指摘された方の確定検査もお引き受けしています。NIPTは通常妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行います。
検査を受けるかどうかまだ決めていない方は、検査で何がわかり、結果をどう受け止めればよいかを先に遺伝カウンセリングとはと絨毛検査と羊水検査の違いでご覧ください。

参考文献

  • [1] Cystic hygroma. VISUOG (ISUOG Education Resource). International Society of Ultrasound in Obstetrics and Gynecology. [ISUOG]
  • [2] Malone FD, Ball RH, Nyberg DA, et al.; FASTER Trial Research Consortium. First-trimester septated cystic hygroma: prevalence, natural history, and pediatric outcome. Obstet Gynecol. 2005;106(2):288-294. [PubMed 16055577]
  • [3] Molina FS, Avgidou K, Kagan KO, Poggi S, Nicolaides KH. Cystic hygromas, nuchal edema, and nuchal translucency at 11-14 weeks of gestation. Obstet Gynecol. 2006;107(3):678-683. [PubMed 16507941]
  • [4] Scholl J, Durfee SM, Russell MA, et al. First-trimester cystic hygroma: relationship of nuchal translucency thickness and outcomes. Obstet Gynecol. 2012;120(3):551-559. [PubMed 22872145]
  • [5] Mastromoro G, Guadagnolo D, Khaleghi Hashemian N, et al. A Pain in the Neck: Lessons Learnt from Genetic Testing in Fetuses Detected with Nuchal Fluid Collections, Increased Nuchal Translucency versus Cystic Hygroma—Systematic Review of the Literature, Meta-Analysis and Case Series. Diagnostics (Basel). 2022;13(1):48. [PubMed 36611340]
  • [6] Yeom W, Paik ES, An JJ, Oh SY, Choi SJ, Roh CR, Kim JH. Clinical characteristics and perinatal outcome of fetal hydrops. Obstet Gynecol Sci. 2015;58(2):90-97. [PubMed 25798421]
  • [7] Sparks TN, Lianoglou BR, Adami RR, et al. Exome Sequencing for Prenatal Diagnosis in Nonimmune Hydrops Fetalis. N Engl J Med. 2020;383(18):1746-1756. [PubMed 33027564]
  • [8] Turner syndrome. MedlinePlus Genetics. National Library of Medicine. [MedlinePlus]
  • [9] Noonan syndrome. MedlinePlus Genetics. National Library of Medicine. [MedlinePlus]
  • [10] 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性血管腫・脈管奇形・血管奇形・リンパ管腫・リンパ管腫症および関連疾患についての調査研究」班. 血管腫・脈管奇形・血管奇形・リンパ管奇形・リンパ管腫症診療ガイドライン2022. Mindsガイドラインライブラリ. [Minds]

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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