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娘細胞(じょうさいぼう)とは?読み方・母細胞との違い・なぜ「娘」と呼ぶのか|体細胞分裂と減数分裂でできる数と染色体数

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

娘細胞(じょうさいぼう/むすめさいぼう)とは、1個の細胞が分裂してできた新しい細胞のことです。分裂する前のもとの細胞は母細胞(ぼさいぼう)と呼ばれ、2つは対で使われます。体細胞分裂では母細胞と同じ数の染色体を持つ娘細胞が2個、減数分裂では染色体の数が半分の娘細胞が4個できます。娘細胞に染色体が正しく分けられないと、トリソミーやモザイクの原因になることがあります。この記事では、読み方、「娘」と呼ぶ理由、母細胞との違い、分裂の種類ごとの数と染色体数、そして遺伝・医療とのつながりを解説します。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. 娘細胞とは?読み方は?

娘細胞は、細胞分裂でできた新しい細胞のことです。国語辞典(デジタル大辞泉)の読みは「じょうさいぼう」で、「むすめさいぼう」とも読みます。分裂する前の細胞は母細胞(ぼさいぼう)です。

🧬 Q. なぜ「娘」と呼ぶのですか?

英語の daughter cell の訳語で、性別とは関係ありません。「もとの細胞から生まれた細胞」という親子の関係を、母と娘にたとえた呼び方です。

🧬 Q. 娘細胞は何個できて、染色体は何本ですか?

ヒトの場合、体細胞分裂では46本の娘細胞が2個、減数分裂では23本の娘細胞が4個できます。卵子ができるときは、1回の減数分裂から卵子は1個だけです。

🧬 Q. 娘細胞と病気はどう関係しますか?

減数分裂で染色体がうまく分かれないと、染色体が1本多い・少ない卵子や精子ができ、トリソミーやモノソミーの原因になります。受精後の分裂で起こると、モザイクの原因になることがあります。

この記事でわかること
📖 読了時間:約9分
🧬 娘細胞・母細胞・体細胞分裂・減数分裂
★ 臨床遺伝専門医監修
  • ➤娘細胞 → 細胞分裂でできた新しい細胞。分裂前の細胞は母細胞
  • ➤読み方 → じょうさいぼう(むすめさいぼうとも)。母細胞は「ぼさいぼう」
  • ➤数と染色体数 → 体細胞分裂は2個・46本、減数分裂は4個・23本(ヒト)
  • ➤医療とのつながり → 分け方の誤りがトリソミー・モノソミー・モザイクにつながる

娘細胞(じょうさいぼう)とは?読み方・母細胞との違い・なぜ「娘」と呼ぶのか|体細胞分裂と減数分裂でできる数と染色体数

1. 娘細胞とは?母細胞との関係

娘細胞とは、1個の細胞が分裂してできた新しい細胞のことで、分裂する前のもとの細胞を母細胞といいます。国語辞典のデジタル大辞泉は娘細胞を「細胞分裂で生じた2個の新しい細胞」と説明し、栄養・生化学辞典も「1つの細胞が分裂してできる2つの細胞」としています[1]。

「娘細胞」は特定の種類の細胞の名前ではなく、分裂の前後の関係を表す呼び名です。皮膚の細胞でも、血液をつくる細胞でも、受精卵でも、分裂すればそこから生まれた細胞は娘細胞と呼ばれます。そして娘細胞がやがて分裂すれば、今度はその細胞が母細胞になります。私たちの体は、受精卵という1個の細胞から、この母細胞と娘細胞の関係をくり返してできあがっています。

母細胞と娘細胞の違いは何ですか?

母細胞と娘細胞の違いは「分裂の前か後か」です。体細胞分裂では、母細胞の染色体が複製されてから2つに分けられるため、娘細胞は通常、母細胞と基本的に同じ遺伝情報を受け継ぎます[5]。減数分裂では、娘細胞の染色体の数が母細胞の半分になります[6]。

📘 母細胞と娘細胞の違い

項目 母細胞 娘細胞
読み方 ぼさいぼう じょうさいぼう(むすめさいぼうとも)
英語 parent cell など daughter cell
どの細胞か 分裂する前のもとの細胞 分裂してできた新しい細胞
数 1個 体細胞分裂で2個/減数分裂で4個
染色体の数(ヒト) 46本 体細胞分裂で46本/減数分裂で23本

※読み方は辞典[1][2]、英語の parent cell は OpenStax[8]、数と染色体の数は NHGRI[5][6]による。

娘細胞は母細胞より小さい?

分裂した直後の娘細胞は母細胞より小さく、そのあと成長してもとの大きさに近づきます。学研の辞典は、娘細胞は初めは小さいが、やがて成長して母細胞と同じ大きさになると説明しています[2]。細胞周期のうち分裂と分裂の間(間期)に、細胞は大きくなり、核のDNAを複製して次の分裂に備えます[7]。分裂のタイミングを決めるしくみは細胞周期の解説で扱っています。

2. 娘細胞の読み方は「じょうさいぼう」?「むすめさいぼう」?

娘細胞は「じょうさいぼう」と読み、「むすめさいぼう」とも読みます。国語辞典のデジタル大辞泉と世界大百科事典は「じょうさいぼう」と読みを示しています。一方、学研の辞典は「むすめさいぼう」を見出しにし、栄養・生化学辞典は両方の読みを示しています[1][2]。どちらで読んでも誤りではありません。

📖 辞典ごとの読み方

辞典 示されている読み方 表記
デジタル大辞泉 じょうさいぼう 娘細胞/嬢細胞
世界大百科事典(旧版) じょうさいぼう(daughter cell) 娘細胞
栄養・生化学辞典 むすめさいぼう・じょうさいぼう 娘細胞
学研キッズネット 辞典 むすめさいぼう 娘細胞(嬢細胞とも書く)

※コトバンク[1]、学研キッズネット[2]で確認。母細胞の読み方は「ぼさいぼう」[2]。

「じょう」は「娘」の音読み、「むすめ」は訓読みです。辞典によっては「嬢細胞」という字も示されており、「嬢」もやはり「じょう」と読みます[1][2]。母細胞(ぼさいぼう)と組にすると、「ぼさいぼう/じょうさいぼう」と音読みでそろうことになります。

なぜ「娘」と呼ぶの?

娘細胞は英語の daughter cell の訳語で、細胞の性別とは関係ありません。世界大百科事典は「娘細胞(じょうさいぼう)daughter cell」と英語を並べて示しています[1]。もとの細胞から新しい細胞が生まれる関係を、母と娘の親子関係にたとえた呼び方です。

英語の daughter には、古くから「娘」以外の使い方があります。Online Etymology Dictionary によると、1200年ごろから、出どころとの関係で見たときに女性にたとえられるもの全般にも daughter という語が使われてきました[4]。「生み出したもの(母)」と「生み出されたもの(娘)」という見立てが、細胞の分裂にも当てはめられたと考えると、言葉の成り立ちがつかみやすくなります。男性の体の細胞でも、精子のもとになる細胞でも、分裂してできた細胞はすべて娘細胞と呼びます。

娘細胞の別名・関連する言葉

娘細胞の別の書き方は「嬢細胞」、英語は daughter cell です。ほかに、娘の字が入る用語として、精子ができる途中の段階である二次精母細胞(secondary spermatocyte)は、世界大百科事典では「精娘細胞(せいじょうさいぼう)」という別名でも示されています[3]。精子ができる過程は、精原細胞から一次精母細胞、二次精母細胞(精娘細胞)、精細胞を経て精子へと進みます[3]。

3. 体細胞分裂と減数分裂でできる娘細胞の数・染色体数

ヒトでは、体細胞分裂で46本の染色体を持つ娘細胞が2個、減数分裂で23本の染色体を持つ娘細胞が4個できます。NHGRI(米国国立ヒトゲノム研究所)の用語集は、体細胞分裂では細胞が染色体を複製してから分け、同じゲノムを持つ2個の娘細胞ができること[5]、減数分裂では二倍体の細胞が2回分裂して一倍体(半数体)の娘細胞が4個でき、これが配偶子(卵子・精子)になることを説明しています[6]。ヒトの体の細胞の多くは46本、卵子と精子は23本の染色体を持ちます[6][11]。

🧬 体細胞分裂と減数分裂の娘細胞の比較(ヒトの場合)

項目 体細胞分裂 減数分裂
どこで起こるか 体のほとんどの細胞 卵子・精子をつくる細胞
分裂の回数 1回 2回(第一分裂・第二分裂)
母細胞1個からできる娘細胞 2個 基本モデルでは4個。ヒトの卵子形成では機能的な卵子1個と極体が形成される
娘細胞の染色体の数 46本(母細胞と同じ・二倍体) 23本(母細胞の半分・一倍体)
遺伝情報 通常は基本的に母細胞と同じ 相同染色体の独立分配や交叉によって、多様な組み合わせが生じる
役割 体の成長・入れ替わり 配偶子(卵子・精子)をつくる

※NHGRI[5][6]、OpenStax Biology 2e[8][9]、MedlinePlus[11]による。

体細胞分裂:母細胞1個から同じ娘細胞が2個

通常の体細胞分裂では、2個の娘細胞は母細胞と同じ染色体数を持ち、基本的に同じ遺伝情報を受け継ぎます。MedlinePlus は、体細胞分裂では細胞が2つに分かれて同一の娘細胞が2個できると説明しています[11]。OpenStax の教科書も、体細胞分裂でできる娘細胞は二倍体で、もとの細胞(parent cell)と同一であるとしています[8]。ただし、DNA複製の誤りや新たな体細胞変異が生じる場合もあるため、すべての娘細胞が完全に同一とは限りません。

母細胞46本娘細胞46本娘細胞46本遺伝情報は基本的に母細胞と同じ(模式図・ヒトの場合)

基本的に同じ遺伝情報を受け継げるのは、分裂の前にDNAが複製されているからです。DNAの複製によって、1本の染色体は基本的に同じDNA配列を持つ2つの姉妹染色分体からなる状態になります。分裂期には姉妹染色分体をつなぐ結合が解かれ、両極へ分配されたあと、細胞質が分かれて2個の娘細胞になります[7]。姉妹染色分体を引き分けるのは紡錘体で、紡錘体と染色体をつなぐのが動原体(キネトコア)です。

母細胞と娘細胞のDNA量はどう変わる?

体細胞分裂では、母細胞のDNA量は複製でいったん2倍になり、それが2個の娘細胞に半分ずつ分けられるので、娘細胞のDNA量は複製前の母細胞と同じになります。複製前のDNA量を「1」とすると、複製後の母細胞は「2」、分裂後の娘細胞はそれぞれ「1」です。減数分裂では、複製は1回だけで分裂が2回続くため、第一分裂後の2個の細胞はそれぞれ「1」(染色体の数は半分でも、各染色体が姉妹染色分体2本からなるため)、第二分裂後の4個の娘細胞はそれぞれ「0.5」、つまり複製前の体細胞の半分になります[7][8]。高校の生物でよく出る「母細胞と娘細胞のDNA量」の問いは、この「複製で2倍→分裂で半分」の流れで考えると整理できます。

減数分裂:2回の分裂で娘細胞が4個

減数分裂では、1個の母細胞から2回の分裂を経て、染色体の数が半分の娘細胞が4個できます。第一分裂では対になった相同染色体が別々の細胞に分かれ、第一分裂で一倍体の細胞が2個できます。第二分裂では姉妹染色分体が分かれ、一倍体の娘細胞が4個になります[8]。

母細胞46本第一分裂後23本第一分裂後23本娘細胞23本娘細胞23本娘細胞23本娘細胞23本染色体の数は半分・遺伝情報は多様な組み合わせになる(模式図)

減数分裂の娘細胞は、体細胞分裂の娘細胞と違って、相同染色体の独立分配や交叉によって、遺伝情報の組み合わせが異なることが一般的です。OpenStax は、相同染色体の間で起こる乗換え(交叉)を遺伝的な多様性の最初の源、第一分裂で相同染色体の対がそれぞれ無作為な向きに並ぶ独立分配を2つ目の源として説明しています[8]。きょうだいでも遺伝情報の組み合わせが1人1人違うのは、このためです。仕組みの詳細は減数分裂とはで解説しています。

卵子は1個、精子は4個:ヒトの娘細胞の数

ヒトの卵子ができるときは細胞質が不均等に分かれるため、1回の減数分裂からできる卵子は1個だけです。細胞質や細胞小器官のほとんどが一方の細胞に入り、細胞質の少ないもう一方は極体と呼ばれて、ふつうは消えていきます。これに対して精子は、1個の一次精母細胞から4個できます[9]。「減数分裂で娘細胞は4個」という教科書の説明は、一般的な減数分裂や精子形成のモデルに当てはまります。一方、ヒトの卵子形成では細胞質が不均等に分配され、機能的な卵子になるのは1個です。残りは極体となり、その数は第一極体の分裂の有無などによって異なります。また、減数第二分裂は通常、受精に伴って完了します[15]。卵子と精子のでき方は配偶子形成と受精で詳しく扱っています。

娘細胞どうしは、いつも同じ性質になる?

体細胞分裂でも、2個の娘細胞がいつも同じ性質になるとは限りません。幹細胞では、細胞の運命を決める因子が2個の娘細胞の一方だけに分配されたり、分裂の向きによって2個の娘細胞が違う環境に置かれたりする「非対称分裂」が起こることが知られています[10]。遺伝情報は同じでも、娘細胞の役割が分かれることで、体の中に多様な細胞が生まれます。

4. 遺伝・医療とのつながり:娘細胞の染色体の数がずれるとき

娘細胞に染色体が正しく分けられないと、染色体の数が多すぎる、または少なすぎる細胞ができます。これが卵子や精子をつくる減数分裂で起これば生まれてくる子どもの全身の細胞に、受精後の体細胞分裂で起これば一部の細胞に、染色体の数の違いが生じることがあります[12]。染色体の数の違い(異数性)は、ヒトで見つかる染色体異常の中で最も多く、臨床的に確認された妊娠の少なくとも5%に見られ、流産の遺伝的な原因として最も多いと報告されています[14]。

減数分裂の不分離とトリソミー・モノソミー

減数分裂で染色体がうまく分かれない「不分離」が起こると、染色体の数が正常でない卵子や精子ができます。MedlinePlus は、ダウン症候群の多くを占める21トリソミーについて、親の生殖細胞ができるときに偶然起こる出来事であり、不分離と呼ばれる細胞分裂の誤りによって染色体の数が正常でない生殖細胞ができると説明しています[13]。染色体が1本多い卵子や精子が受精すると、その染色体が3本になるトリソミーに、1本少ない卵子や精子が受精すると1本しかないモノソミーになります[12]。

不分離が減数分裂のどの段階で起こるのか、なぜ卵子で起こりやすいのかは、染色体不分離と卵子で染色体の数の異常が起こるしくみで解説しています。

受精後の体細胞分裂の誤りとモザイク

受精後の体細胞分裂で染色体の分配に誤りが生じると、染色体数の異なる細胞系列が形成され、モザイクの原因になることがあります。ただし、異常な細胞系列が残るかどうかや、どの組織にどの程度存在するかによって、最終的な状態は異なります。MedlinePlus は、染色体のモザイクは卵子・精子以外の細胞の分裂の誤りから起こり、一部の細胞だけが染色体の数の変化を持ち、ほかの細胞は通常の46本であると説明しています[12]。ダウン症候群の中のごく一部を占めるモザイク型も、胎児の発生の早い時期の細胞分裂で偶然起こる出来事とされています[13]。詳しくは体細胞モザイクと生殖細胞系列モザイク、モザイク型ダウン症をご覧ください。

体細胞分裂の制御がくずれることは、がんとも関わります。MedlinePlus は、体細胞分裂が正しく制御されないと、がんなどの健康上の問題が起こりうると述べています[11]。

妊娠中に染色体の数の違いを調べるには

赤ちゃんの染色体の数の違い(トリソミーなど)は、妊娠中に出生前検査で調べることができます。その入り口になる検査の1つがNIPT(母体の血液を使う出生前検査)です。東京・北青山の当院で受けられる検査の範囲と料金は、東京のNIPT(新型出生前診断)のページにまとめています。当院のNIPTは通常妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。モザイクがNIPTの結果にどう影響するかは、NIPTのモザイク(胎盤限局性モザイク)で解説しています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【染色体の数の違いは、誰のせいでもない】

娘細胞という言葉は教科書の用語に見えますが、トリソミーやモザイクを理解するときの出発点でもあります。1個の細胞が2個に、2個が4個にと分かれていくたびに、染色体は正確に分けられなければなりません。その分け方がずれたときに、染色体の数の違いが生まれます。

MedlinePlus がダウン症候群の21トリソミーを「偶然起こる出来事」と書いているように、不分離は親の行いや体質の良し悪しで起こるものではありません。お子さんの染色体の数の違いを、親が自分を責める理由にしてほしくない。細胞分裂のしくみを知ることは、その思いを支える医学的な根拠になると考えています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 娘細胞の読み方は?

「じょうさいぼう」と読みます。国語辞典のデジタル大辞泉は「じょうさいぼう」を見出しにしていますが、「むすめさいぼう」を見出しにする辞典もあり、どちらの読み方も使われています。もとの細胞を指す母細胞は「ぼさいぼう」と読みます。

Q2. 娘細胞の別名・言い換えは?

「嬢細胞」と書くこともあり、英語では daughter cell といいます。精子ができる途中の二次精母細胞は、辞典では精娘細胞(せいじょうさいぼう)という別名でも示されています。

Q3. 母細胞と娘細胞の違いは何ですか?

分裂する前のもとの細胞が母細胞、分裂してできた新しい細胞が娘細胞です。体細胞分裂では、娘細胞は母細胞と同じ数の染色体を受け継ぎます。減数分裂では、娘細胞の染色体の数は母細胞の半分になります。

Q4. 娘細胞は何個できますか?

体細胞分裂では1個の母細胞から2個、減数分裂では2回の分裂で4個の娘細胞ができます。ただし、ヒトの卵子形成では細胞質が不均等に分配されるため、機能的な卵子になるのは1個で、残りは極体になります。

Q5. 体細胞分裂と減数分裂の違いは娘細胞の数だけですか?

数だけではありません。通常の体細胞分裂の娘細胞は、染色体の数が母細胞と同じで、遺伝情報も基本的に同じです。減数分裂の娘細胞は染色体の数が半分になり、相同染色体の独立分配や交叉によって、遺伝情報の多様な組み合わせが生じます。

Q6. 娘細胞の対義語は?

母細胞(ぼさいぼう)です。分裂する前の細胞を母細胞、分裂してできた細胞を娘細胞と呼び、対にして使います。

Q7. 娘細胞の染色体の数がずれることはありますか?

あります。減数分裂で染色体がうまく分かれない(不分離)と、染色体が1本多い、または1本少ない卵子や精子ができ、受精するとトリソミーやモノソミーになります。受精後の体細胞分裂で起こると、染色体の数が違う細胞が混ざるモザイクの原因になることがあります。

まとめ

娘細胞(じょうさいぼう/むすめさいぼう)は、細胞分裂でできた新しい細胞のことで、分裂する前のもとの細胞を母細胞(ぼさいぼう)といいます[1][2]。英語の daughter cell の訳語で、細胞の性別とは関係ありません。ヒトでは、体細胞分裂で母細胞と同じ46本の染色体を持つ娘細胞が2個、減数分裂で23本の娘細胞が4個できます[5][6]。

娘細胞に染色体が正しく分けられないと、減数分裂ではトリソミーやモノソミー、受精後の体細胞分裂ではモザイクの原因になることがあります[12][13]。染色体のしくみの全体像は染色体とはで、遺伝情報の単位については遺伝子とはで解説しています。

🧬 赤ちゃんの染色体が気になる方へ

ミネルバクリニックは臨床遺伝専門医が常駐し、NIPTの遺伝カウンセリングを行っています。陽性の場合は確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられます。

参考文献

  • [1] 娘細胞(じょうさいぼう). デジタル大辞泉/栄養・生化学辞典/世界大百科事典(旧版)(コトバンク). [コトバンク]
  • [2] むすめさいぼう【娘細胞】. 学研キッズネット 辞典. [学研キッズネット]
  • [3] 精娘細胞(せいじょうさいぼう). 世界大百科事典(旧版)(コトバンク). [コトバンク]
  • [4] Daughter (n.) – Etymology, Origin & Meaning. Online Etymology Dictionary. [Etymonline]
  • [5] Mitosis. Talking Glossary of Genomic and Genetic Terms. National Human Genome Research Institute. [NHGRI]
  • [6] Meiosis. Talking Glossary of Genomic and Genetic Terms. National Human Genome Research Institute. [NHGRI]
  • [7] Clark MA, Douglas M, Choi J. 10.2 The Cell Cycle. Biology 2e. OpenStax; 2018. [OpenStax]
  • [8] Clark MA, Douglas M, Choi J. 11.1 The Process of Meiosis. Biology 2e. OpenStax; 2018. [OpenStax]
  • [9] Clark MA, Douglas M, Choi J. 43.3 Human Reproductive Anatomy and Gametogenesis. Biology 2e. OpenStax; 2018. [OpenStax]
  • [10] Knoblich JA. Mechanisms of asymmetric stem cell division. Cell. 2008;132(4):583-597. doi:10.1016/j.cell.2008.02.007 [PubMed 18295577]
  • [11] How do cells divide? MedlinePlus Genetics. National Library of Medicine. [MedlinePlus]
  • [12] Can changes in the number of chromosomes affect health and development? MedlinePlus Genetics. National Library of Medicine. [MedlinePlus]
  • [13] Down syndrome. MedlinePlus Genetics. National Library of Medicine. [MedlinePlus]
  • [14] Hassold T, Hunt P. To err (meiotically) is human: the genesis of human aneuploidy. Nat Rev Genet. 2001;2(4):280-291. doi:10.1038/35066065 [PubMed 11283700]
  • [15] Betts JG, Young KA, Wise JA, et al. 27.2 Anatomy and Physiology of the Ovarian Reproductive System. Anatomy and Physiology 2e. OpenStax; 2022. [OpenStax]

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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