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Membrane associated guanylate kinases

膜結合型グアニル酸キナーゼ(MAGUK)は、細胞骨格やシグナル伝達に関与するタンパク質のスーパーファミリーです。MAGUKファミリーのタンパク質は、PDZ、SH3、GUKドメインを持つことが特徴であり、その多くはさらにCaMKII、WW、L27ドメインなどの相同領域も含んでいます。

MAGUKの構造的特徴

1. GUKドメイン:
MAGUKタンパク質が持つGUKドメインは、グアニル酸キナーゼに構造的に似ているものの、ATPを結合するP-ループが欠けているため、触媒作用はありません。代わりに、細胞骨格やシグナル伝達に関わる他のタンパク質と相互作用するために機能が特化していると考えられています。

2. PDZドメイン:
MAGUKには、複数のPDZドメインが含まれており、これらは相互作用するタンパク質のC末端に見られる短いペプチド結合配列に結合します。PDZドメインの各コピーは、アミノ酸の違いにより異なる結合パートナーを持つことがあります。

3. SH3ドメイン:
SH3ドメインもまた、タンパク質間相互作用に関与しています。一般的に、PXXPと呼ばれる特定の配列に結合しますが、MAGUKの場合、他の部位とも結合することが知られています。

4. GUK-SH3の「閉じた」状態:
MAGUKタンパク質の興味深い特徴のひとつは、GUKドメインとSH3ドメインが分子内で相互作用して「閉じた」構造を形成することができることです。この構造は、MAGUKの機能や相互作用の制御に関与している可能性があります。

Membrane associated guanylate kinasesの機能

膜結合型グアニル酸キナーゼ(MAGUK)は、細胞の構造やシグナル伝達の調整に重要な役割を果たすタンパク質のファミリーです。MAGUKは、細胞の接合部やシナプス、上皮細胞の極性維持において、他のタンパク質との相互作用を通じて、さまざまな機能を果たします。

● MAGUKの主な機能

1. シナプス構造の維持とシグナル伝達:
– MAGUKは、特に神経細胞のシナプスで重要な役割を果たします。シナプスにおいて、NMDA受容体やAMPA受容体などの神経伝達物質受容体を安定させ、シナプス後膜に配置します。
– これにより、神経伝達を効率的に行い、シナプスの可塑性(学習や記憶に重要)を維持します。MAGUKはPSD-95やSAP102といった、シナプス後部に存在する重要な足場タンパク質です。

2. 細胞接合部の安定化:
– MAGUKは、細胞接合部(特にタイトジャンクションやアドヘレンスジャンクション)に関与し、細胞間接着を安定化させます。これにより、上皮細胞や内皮細胞の構造的安定性が保たれます。
– 上皮細胞の極性維持にも関与し、細胞の極性形成に必要なタンパク質を正確な位置に配置する役割を担います。

3. シグナル伝達の調整:
– MAGUKは、シグナル伝達経路を調整するための足場タンパク質として機能します。細胞膜近くに存在するさまざまなシグナル分子を組織化し、効率的な細胞間シグナル伝達をサポートします。
– 例えば、PDZドメインを介して他のシグナル伝達分子と結合し、受容体やイオンチャネルとの相互作用を調整します。

4. タンパク質間相互作用のプラットフォーム:
– MAGUKは、PDZドメインやSH3ドメインなどの複数の相互作用ドメインを持っており、他のタンパク質との結合を介して多タンパク質複合体を形成します。
– この足場機能により、細胞内外のシグナル伝達経路や構造の組織化が可能になり、細胞機能の調和を保ちます。

● まとめ
MAGUKは、シナプスの構造と機能の維持、細胞接合部の安定化、シグナル伝達の調整など、細胞の機能に不可欠な役割を果たします。多くの場合、MAGUKは複数の相互作用ドメインを介して、他のタンパク質と連携し、細胞間および細胞内の情報伝達を効率的に行うための基盤を提供しています。

Membrane associated guanylate kinasesに属するサブグループ

Membrane associated guanylate kinasesに属する遺伝子26

CACNB1
CACNB2
CACNB3
CACNB4
CARD10
CARD11
CARD14
CASK
DLG1
DLG2
DLG3
DLG4
DLG5
MAGI1
MAGI2
MAGI3
MPP1
MPP2
MPP3
MPP4
PALS1
PALS2
MPP7
TJP1
TJP2
TJP3

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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