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遺伝子座 locus

遺伝子座とは?わかりやすく教えてください

遺伝子座
遺伝子座(いでんしざ、英: locus、複数形: loci)とは、遺伝学において、特定の遺伝子または遺伝子マーカーが存在する染色体上の特定の固定位置を指します[6]. 各染色体上の遺伝子は特定の順序に配列されており、各遺伝子は染色体上の特定の場所、すなわち遺伝子座を占めています[1]. この位置は、遺伝子の物理的な地図上での位置を示し、遺伝子の特定や遺伝的研究において重要な役割を果たします.

遺伝子座の基礎知識

遺伝子座に関する基礎知識は以下の通りです:

– 遺伝子座は、特定の遺伝子または遺伝子マーカーが存在する染色体上の特定の固定位置を指します[1][6].
– 各染色体上の遺伝子は特定の順序に配列されており、各遺伝子は染色体上の特定の場所、すなわち遺伝子座を占めています[1].
– ヒトの遺伝子の数は20,000~23,000個といわれており、1本の染色体には数百から数千の遺伝子が含まれています[1].
– 遺伝子座は種において安定な単位であり、相同染色体上の遺伝子がある場所を指します[6].
– 遺伝子座は遺伝的特徴を決定する役割を持ち、多くの形質は複数の遺伝子の機能によって決まりますが、一部の形質は単一の遺伝子の機能で決定されることもあります[1].
– 遺伝子座の種類は異なることがあり、例えばHLA遺伝子座はヒト遺伝子の中でも最も著名な遺伝的多型性を持ち、親から子へと遺伝し、遺伝形質がそのまま表現形質となる共優性を特徴とします[2][8].
– 遺伝子座は、遺伝子の物理的な地図上での位置を示し、遺伝子の特定や遺伝的研究において重要な役割を果たします[1].

遺伝子座とアレル

遺伝子座とは、染色体上の遺伝子の位置のことで、特定の形質に関する遺伝情報が存在する場所を指します[3][7]. 一方、アレル(対立遺伝子)とは、ある遺伝子座に存在する遺伝子のバリアントを指し、各個体は親から二つの染色体セットを受け継ぎ、そのためほとんどの遺伝子座には二つのアレルが存在します[1][2][4][5]. アレルは、同じ遺伝子座に位置するが、異なる遺伝情報を持つことがあり、これにより個体の遺伝的多様性が生まれます. アレルは優性や劣性の関係を持つことがあり、これによって個体の表現型が決定されます[4]. また、HLA遺伝子座のように、特定の遺伝子座には数千種類のアレルが存在することもあり、これらのアレルの多様性は個体の免疫応答などに影響を与えます[5].

遺伝子座の読み方

遺伝子座の読み方で、たとえば「22q11.2」は「にじゅうにきゅーいちいちてんに」と読みます。

たとえば22q11.2という遺伝子座で最初の22は染色体番号を示しています。アルファベットのpqの意味は、p 染色体の短腕上の位置(フランス語でpはpetit)、qは長腕です。11.2は腕の上の位置を表しています。バンド11(じゅういちではなくいちいちとよみます)、サブバンド2です。
染色体を染色すると、顕微鏡でバンドが見える(Gバンド)のですが、それぞれのバンドには番号が付けられており、動原体に近いバンドから順に1からつけます。サブバンドとサブサブバンドは、より高解像度で見ることができます。

染色体の末端は「ptel」と「qtel」と表示されます。

遺伝子座異質性とは

遺伝子座異質性とは、異なる遺伝子座の変異が同様の症状や疾患を引き起こす現象を指します。この現象は、複数の遺伝子が同じ病態を引き起こすことができるため、遺伝的診断や治療の複雑さを増す要因となります[2][4][8]. 例えば、異なる遺伝子座に位置する複数の遺伝子が同じ遺伝性疾患を引き起こす場合、それぞれの遺伝子座で異なる変異が存在することがあります。このような遺伝的異質性は、遺伝病の診断や治療戦略を立てる際に考慮する必要があります[2][4][8].

遺伝子座異質性は、異なる遺伝子座に位置する複数の遺伝子の変異が同一の疾患を引き起こす現象です。この現象は、特定の疾患に関連する遺伝子が一つではなく、複数存在することを意味しています。遺伝子座異質性が疾患を引き起こすメカニズムは、異なる遺伝子が同じ生物学的経路や生理機能に関与している場合に見られます。例えば、ある遺伝子座の変異がタンパク質の構造や機能に影響を与え、別の遺伝子座の変異が同じタンパク質複合体の別の部分に影響を与えることで、結果的に同じ疾患が発生する可能性があります.

遺伝子座異質性は、単一遺伝子の異常による疾患だけでなく、多因子疾患の発症にも関与しています。多因子疾患では、遺伝要因と環境要因との相互作用によって疾患が発症するため、複数の遺伝子座の変異が組み合わさって疾患のリスクを高めることがあります.

また、遺伝子座異質性は、疾患の診断や治療においても重要な考慮事項です。異なる遺伝子の変異が同じ疾患を引き起こすため、疾患の原因を特定するためには、関連するすべての遺伝子座を検討する必要があります。これは、遺伝子診断や遺伝カウンセリングにおいて、遺伝子座異質性を考慮することが不可欠であることを意味しています.

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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