介入とは(臨床試験用語)
臨床試験用語としての介入
医学用語の介入とは,研究目的で、人の健康に関する様々な事象に影響を与える要因の有無又は程度を制御する行為をいいます。介入というのは医学用語としては臨床試験用語なので、厚生労働省の定義を引用するのが一番正確です。
www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10600000-Daijinkanboukouseikagakuka/0000166072.pdf
介入とは,研究目的で、人の健康に関する様々な事象に影響を与える要因(健康の保持増進につながる行動及び医療における傷病の予防、診断又は治療のための投薬、検査等を含む。)の有無又は程度を制御する行為(通常の診療を超える医療行為であって、研究目的で実施するものを含む。)をいう。
「通常の診療を超える医療行為」とは、医薬品医療機器等法に基づく承認等を受けていない医薬品(体外診断用医薬品を含む。)又は医療機器(以下「未承認医薬品・医療機器」という。)の使用、既承認医薬品・医療機器の承認等の範囲(効能・効果、用法・用量等)を超える使用、その他新規の医療技術による医療行為を指す。また、既に医療保険の適用となっているなど、医学的な妥当性が認められて一般に広く行われている場合には、「通常の診療を超える医療行為」に含まれないものと判断してよい。なお、「介入」に該当するのは、「通常の診療を超える医療行為であって、研究目的で実施するもの」であり、通常の診療を超える医療行為のみをもって直ちに「介入」とする趣旨ではない。
「介入」を行うことが必ずしも「侵襲」を伴うとは限らない。例えば、禁煙指導、食事療法等の新たな方法を実施して従来の方法との差異を検証する割付けを行う等、方法等が異なるケアの効果等を比較・検証するため、前向き(プロスペクティブ)に異なるケアを実施するような場合は、通常、「侵襲」を伴わないが、「介入」には該当する。
一般的な医学用語としての介入
医療介入とは、健康、予防、回復、維持の分野において、ケアプランに従って、衛生、精神的・身体的快適さ、摂食・排泄の支援、受療者のケアと治療のコントロールを行い、消費者の身体的・精神的ニーズを満たすためのケアをいう。
「介入」という用語は、疾病の予防、既存の疾病の治癒または重症度や期間の短縮、あるいは疾病や損傷によって失われた機能の回復によって、人間の健康を改善する目的で行われるあらゆる活動に適用するために使用される。一般的な主要疾患に対して開発されている新しい介入策や、介入策を利用するための新しい戦略は多岐にわたる。これらには、公衆衛生と臨床ケアの両方の手段が含まれ、急性および慢性疾患に対する薬剤、ワクチン、媒介生物の制御、健康教育、行動変容戦略、傷害予防、健康関連活動を改善する優れた健康計画と管理方法などがある。これらの介入策を開発、展開、評価するためには、分子生物学、免疫学から社会科学、疫学、統計学に至るまで、幅広い分野の研究が必要である。フィールドトライアルは、古いものも新しいものも含めて、介入策をどのように集団に適用するのが最善かを評価し、集団の健康増進に対する影響を判断するために必要である。
この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号