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「介入」という用語は医療分野において、特定の治療、薬物投与、生活習慣の変更など、何らかの影響を及ぼす行動を意図的に行うことを指します。この行動は、病的過程を変えることを目的としており、通常は臨床研究の文脈で使用されます。介入研究では、特定の治療法や行動が病気の予防や治療に有効かどうかを評価するために、介入群(治療を受けるグループ)と対照群(プラセボを受けるグループや何も治療を受けないグループ)を比較します[1][3][4][5].
介入は、医療行為だけでなく、看護や介護の分野でも用いられることがあります。看護介入では、看護師が患者の問題解決や回復を支援するために特定の看護行為を行います[6]. また、介護分野では、ソーシャルワーカーが高齢者の自立支援や介護を目的として介入することがあります[7].
この用語は、医療の現場で患者との協力や協同を重視する文化の中で、時に誤解を招くことがあります。一部では、介入という言葉が「勝手に入り込む療法」と誤解されることもあるため、使用する際には慎重な説明が求められます[8].
- 参照・引用
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[1] ez2understand.ifi.u-tokyo.ac.jp/terms/terms_06/
[2] www.hsc.okayama-u.ac.jp/ethics/archive/menu02/cbel2kainyu-kansatu.pdf
[3] research.hosp.u-fukui.ac.jp/rinsho/researcher/glossary_k/
[4] www.hosp.kobe-u.ac.jp/ctrc/researcher2/erb_bunrui.html
[5] www.almediaweb.jp/glossary/0132.html
[6] www.almediaweb.jp/glossary/0179.html
[7] www.kaigo-antenna.jp/kaigo-dictionary/words/kainyu/
[8] active-nopsj.sblo.jp/s/article/188778553.html
介入研究の目的は何ですか?
介入研究の主な目的は、特定の治療法や介入が人の健康にどのような影響を与えるかを科学的に評価することです。これには、薬物治療、非薬物的治療、医療機器の使用、検査方法など、さまざまな医療介入が含まれます。介入研究は、これらの治療法や介入が効果的であるか、または安全であるかを判断するために設計されています[1][2].
具体的には、介入研究はランダム化比較試験(RCT)などを通じて、介入の効果を正確に測定し、健康増進や病気の予防、治療におけるその有効性を検証します。これにより、治療法や予防法が科学的根拠に基づいて選ばれ、臨床現場での適用が進められることになります[1][4].
介入研究の例は何ですか?
介入研究の例としては、以下のようなものが挙げられます:
1. 禁煙指導や食事療法の実施 – 新たな方法を導入し、従来の方法と比較してその効果を検証する[1].
2. 高コレステロール血症に対する食事指導 – 血中の総コレステロールを下げるための食事指導を行い、冠動脈性心疾患の罹患率が低下するかを確認する[2].
3. 新しい予防法、診断法や治療法の試験 – 疾病と因果関係があると考えられる要因に対して積極的に介入し、新しい方法の有効性を検証する[3].
4. ランダム化比較試験 – 治療Aと治療Bを比較し、どちらがより効果的かを評価する[4].
これらの例は、介入研究がどのようにして特定の治療法や予防法が疾病の予防や治療に有効かを科学的に評価するために設計されているかを示しています。
介入研究の種類にはどのようなものがありますか?
介入研究の種類には以下のようなものがあります:
1. ランダム化比較試験(Randomized Controlled Trial, RCT) – 試験対象者を無作為に介入群と対照群に割り当て、介入の効果を評価する[4][5][6].
2. 準ランダム化比較試験 – 完全な無作為割り当てではなく、ある種のシステムを用いて介入群と対照群に割り当てる[4].
3. クロスオーバー比較試験 – 同じ参加者に対して、異なる時期に複数の介入を行い、それぞれの効果を比較する[4][5].
4. 前後比較試験 – 介入前と介入後の状態を比較して、介入の効果を評価する[4].
5. シングルケーススタディ – 個々のケースに対して介入を行い、その効果を詳細に分析する[4].
これらの研究デザインは、介入の効果を科学的に評価するために用いられ、それぞれに特有の方法論と留意点があります。
- 参照・引用
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[1] www.aro.med.kyushu-u.ac.jp/pdf/center/documents/documenttm20220614-2.pdf
[2] jeaweb.jp/glossary/glossary007.html
[3] www.phrf.jp/csp/about
[4] acaric.jp/articles/3425
[5] pharma-navi.bayer.jp/bayaspirin/imasara/medical-statistics/no1/a3
[6] www.ejim.ncgg.go.jp/public/hint2/c02.html
[7] www.jstage.jst.go.jp/article/jspo/33/4/33_266/_pdf/-char/en
介入に当たるかどうかはどうやって決まるのですか
介入研究かどうかを判断する基準は、研究が「通常の診療を超えた医療行為を伴うかどうか」および「研究目的で特定の治療、予防、診断方法などについて、被験者に対して意図的に施すかどうか」によって決まります[2][4][12][17].
具体的には、以下のような要素が考慮されます:
1. 医療行為の性質 – 通常の診療を超える医療行為(例:未承認薬の使用、通常の診療では行われない新しい治療法の試験など)が含まれる場合、それは介入研究に分類されます[2][12].
2. 割り付けと比較 – 被験者をランダムに複数のグループに割り付け、異なる治療法や介入を施し、その効果を比較する場合も介入研究に該当します。このプロセスにより、介入の効果を科学的に評価することが可能になります[2][4].
3. 研究の目的 – 研究が健康の保持増進、疾病の予防、診断、治療のための投薬や検査など、人の健康に関する事象に影響を与える要因の有無または程度を制御する目的で行われる場合、それは介入研究とされます[17].
4. 侵襲性 – 穿刺、切開、薬物投与、放射線照射など、研究対象者の身体または精神に負担や傷害を与える可能性のある医療行為を伴う場合も、介入研究に分類されることがあります[6].
これらの基準に基づき、研究が介入研究かどうかを判断することができます。
- 参照・引用
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[1] www.nli-research.co.jp/report/detail/id=76274?pno=2&site=nli
[2] www.mhlw.go.jp/shingi/2008/03/dl/s0303-9c.pdf
[3] plaza.umin.ac.jp/jaem/?p=%E5%80%AB%E7%90%86%E6%8C%87%E9%87%9D
[4] www.aro.med.kyushu-u.ac.jp/pdf/center/documents/documenttm20220614-2.pdf
[5] kigyobengo.com/media/useful/674.html
[6] ctrhosp.ibise.com/ja/articles/3
[7] 人事労務alg.com/roumu/unfair-labor-practices/domination/
[8] www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/14-56/007nakajima.pdf
[9] www.mod.go.jp/msdf/navcol/assets/pdf/ssg2021_12_03.pdf
[10] magazine.sbiaruhi.co.jp/0000-6425/
[11] www.boj.or.jp/about/education/oshiete/intl/g19.htm
[12] tmdu-herd.jp/researcher/classification/
通常の診療を超える医療行為における「通常の診療」の定義を教えてください
「通常の診療」とは、標準的な医療プラクティスやガイドラインに従って行われる医療行為を指します。これには、病気の診断、治療、予防のために広く受け入れられている方法が含まれます。通常の診療は、医学的な証拠に基づいており、医療専門家によって一般的に承認されている治療法を用いることを意味します[4].
通常の診療は、患者の健康状態や特定の病状に応じて最も適切とされる治療を提供することを目的としています。これには、薬物療法、手術、予防接種、ライフスタイルの変更などが含まれることがあります。また、通常の診療は、患者の安全と福祉を最優先に考慮しながら行われるべきです[4].
軽微な侵襲は介入にあたらない、の軽微な侵襲の定義を教えてください
軽微な侵襲とは、「日常生活や日常的な医学検査で被る身体的、心理的、社会的危害の可能性の限度を超えない危険であって、社会的に許容される種類のもの」と定義されています。具体的には、以下のようなものが軽微な侵襲に該当します:
– 一般健康診断で行われる採血
– 胸部単純X線撮影等と同程度の負荷
– 精神的苦痛を与えることをあらかじめ明示して匿名で回答あるいは回答を拒否できるように十分配慮されたアンケート等[2].
この定義は、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に基づいており、研究対象者にとって許容可能な範囲内でのリスクを指しています。軽微な侵襲は、通常の診療や日常生活で経験される程度のものであり、介入研究にはあたらないとされています[2][4].
- 参照・引用
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[1] www.mhlw.go.jp/content/000769923.pdf
[2] ctrhosp.ibise.com/ja/articles/63
[3] plaza.umin.ac.jp/jaem/?p=%E5%80%AB%E7%90%86%E6%8C%87%E9%87%9D
[4] www.aro.med.kyushu-u.ac.jp/pdf/center/documents/documenttm20220614-2.pdf
[5] www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10600000-Daijinkanboukouseikagakuka/0000166072.pdf
[6] iact.kuhp.kyoto-u.ac.jp/assets/file/insider/clinical_research/qa/research-categorize.pdf
[7] www.hosp.kobe-u.ac.jp/ctrc/researcher2/erb_bunrui.html
医学用語の介入とは,研究目的で、人の健康に関する様々な事象に影響を与える要因の有無又は程度を制御する行為をいいます。介入というのは医学用語としては臨床試験用語なので、厚生労働省の定義を引用するのが一番正確です。
www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10600000-Daijinkanboukouseikagakuka/0000166072.pdf
介入とは,研究目的で、人の健康に関する様々な事象に影響を与える要因(健康の保持増進につながる行動及び医療における傷病の予防、診断又は治療のための投薬、検査等を含む。)の有無又は程度を制御する行為(通常の診療を超える医療行為であって、研究目的で実施するものを含む。)をいう。
「通常の診療を超える医療行為」とは、医薬品医療機器等法に基づく承認等を受けていない医薬品(体外診断用医薬品を含む。)又は医療機器(以下「未承認医薬品・医療機器」という。)の使用、既承認医薬品・医療機器の承認等の範囲(効能・効果、用法・用量等)を超える使用、その他新規の医療技術による医療行為を指す。また、既に医療保険の適用となっているなど、医学的な妥当性が認められて一般に広く行われている場合には、「通常の診療を超える医療行為」に含まれないものと判断してよい。なお、「介入」に該当するのは、「通常の診療を超える医療行為であって、研究目的で実施するもの」であり、通常の診療を超える医療行為のみをもって直ちに「介入」とする趣旨ではない。
「介入」を行うことが必ずしも「侵襲」を伴うとは限らない。例えば、禁煙指導、食事療法等の新たな方法を実施して従来の方法との差異を検証する割付けを行う等、方法等が異なるケアの効果等を比較・検証するため、前向き(プロスペクティブ)に異なるケアを実施するような場合は、通常、「侵襲」を伴わないが、「介入」には該当する。
一般的な医学用語としての介入
医療介入とは、健康、予防、回復、維持の分野において、ケアプランに従って、衛生、精神的・身体的快適さ、摂食・排泄の支援、受療者のケアと治療のコントロールを行い、消費者の身体的・精神的ニーズを満たすためのケアをいう。
「介入」という用語は、疾病の予防、既存の疾病の治癒または重症度や期間の短縮、あるいは疾病や損傷によって失われた機能の回復によって、人間の健康を改善する目的で行われるあらゆる活動に適用するために使用される。一般的な主要疾患に対して開発されている新しい介入策や、介入策を利用するための新しい戦略は多岐にわたる。これらには、公衆衛生と臨床ケアの両方の手段が含まれ、急性および慢性疾患に対する薬剤、ワクチン、媒介生物の制御、健康教育、行動変容戦略、傷害予防、健康関連活動を改善する優れた健康計画と管理方法などがある。これらの介入策を開発、展開、評価するためには、分子生物学、免疫学から社会科学、疫学、統計学に至るまで、幅広い分野の研究が必要である。フィールドトライアルは、古いものも新しいものも含めて、介入策をどのように集団に適用するのが最善かを評価し、集団の健康増進に対する影響を判断するために必要である。
この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号