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共優性(きょうゆうせい、共顕性:きょうけんせい)とは、ヘテロ接合(2つの対立遺伝子が異なる状態)で、両方の対立遺伝子の形質がどちらも隠れずにそろって現れる遺伝のしかたです。代表例はABO式血液型で、A型をつくる遺伝子とB型をつくる遺伝子を1つずつ持つ人は、A抗原とB抗原の両方を持つAB型になります[1]。一方でO型をつくる遺伝子はAとBに対して潜性(劣性)なので、「血液型は優性・劣性で決まる」と「共優性で決まる」は、どちらも半分だけ正しい言い方です。この記事では、共優性の意味、不完全優性との違い、ABO式血液型の遺伝の表、ボンベイ型・cis-AB型などの例外、HLAや鎌状赤血球形質での例と、遺伝の検査とのつながりを解説します。
⏱️ 30秒でわかる要約
🧬 Q. 共優性(共顕性)とは何ですか?
ヘテロ接合で、両方の対立遺伝子の形質がどちらも現れる遺伝のしかたです。A型の遺伝子とB型の遺伝子を1つずつ持つとAB型になるのが代表例です。「共顕性」は、2017年に日本遺伝学会が「優性→顕性」と言い換えたことに合わせた呼び方で、指しているものは同じです。
🧬 Q. 血液型の遺伝は優性・劣性で決まるのですか?
ABO式血液型では、AとBは互いに共優性、OはAとBに対して潜性(劣性)です。そのため遺伝子型がAOの人はA型、BOの人はB型、ABの人はAB型、OOの人だけがO型になります。
🧬 Q. 不完全優性との違いは何ですか?
不完全優性は、赤い花と白い花からピンクの花ができるように2つの形質の「中間」が現れます。共優性は、AB型のように2つの形質が混ざらずに「両方そろって」現れます。
🧬 Q. 親子で血液型の組み合わせが合わないことはありますか?
まれにあります。A抗原とB抗原を1つの遺伝子でつくるcis-AB型や、H抗原をつくれないボンベイ型では、ふつうの遺伝の表と違う組み合わせに見えることがあります。どちらも遺伝のきまりからは外れていません。
- ➤共優性(共顕性) → ヘテロ接合で両方の対立遺伝子の形質がそろって現れること
- ➤不完全優性との違い → 不完全優性は「中間」、共優性は「両方」
- ➤ABO式血液型 → AとBは共優性、Oは潜性(劣性)。両親と子どもの血液型の表つき
- ➤例外 → ボンベイ型・cis-AB型では、表どおりにならないことがある
- ➤医療とのつながり → 輸血・移植の適合(ABO・HLA)、鎌状赤血球形質、遺伝子検査の読み方

1. 共優性(共顕性)とは?両方の形質がそろって現れる遺伝
共優性とは、1つの遺伝子の2つの対立遺伝子が、ヘテロ接合の個体の中でそれぞれ別々に働き、両方の形質が同時に現れる遺伝のしかたです。米国国立ヒトゲノム研究所(NHGRI)の用語集は、共優性を「同じ遺伝子の2つのバージョン(対立遺伝子)が別々に発現して、個体に異なる形質をもたらす遺伝の一種」と説明し、例としてAB型の血液型を挙げています[1]。英語では codominance(形容詞は codominant)といいます。
ここでいう対立遺伝子(アレル)とは、同じ遺伝子の中で塩基配列が少しずつ違う「型」のことです。ヒトは常染色体の遺伝子を父親から1つ、母親から1つ受け継ぐので、1つの遺伝子について2つの対立遺伝子を持っています。2つが同じ型ならホモ接合、違う型ならヘテロ接合と呼びます。共優性かどうかは、このヘテロ接合の人にどんな形質(表現型)が出るかで決まります。
マウスの遺伝学データベース(MGI)の用語集は、もう少し厳密に、ヘテロ接合の個体が「2種類のホモ接合それぞれに見られる表現型を、どちらも完全に示す」場合を共優性と定義しています[2]。AB型の人は、AA型の人が持つA抗原も、BB型の人が持つB抗原も、どちらも赤血球の表面に持っています。片方が他方を隠すのでも、両方が薄まって中間になるのでもなく、「両方そのまま」というのが共優性の要点です。
💡 用語解説:対立遺伝子・ヘテロ接合・表現型
対立遺伝子(アレル)は、同じ遺伝子座にある遺伝子の型の違いです。ヘテロ接合は、父親由来と母親由来の対立遺伝子が違う型である状態、ホモ接合は同じ型である状態を指します。表現型は、血液型・花の色・病気の有無など、目に見えたり検査で測れたりする形質のことです。共優性・優性・劣性は、どれも「ヘテロ接合のときにどの表現型が出るか」を表す言葉です。
「共優性」と「共顕性」は同じ意味?用語が変わった理由
共優性と共顕性は同じものを指す言葉です。日本遺伝学会は2017年9月に遺伝学用語の改訂を公表し、dominant の訳を「優性」から「顕性」に、recessive の訳を「劣性」から「潜性」に改めました。理由として、「優・劣」という言葉に価値の上下の印象がついてしまい、語感がより中立的な「顕性・潜性」に変えることにした、と説明しています[3]。
医学の分野では、日本医学会が2022年1月に、加盟学会への照会(138学会のうち136学会が賛同、2学会が保留、反対なし)を経て、「顕性遺伝」「潜性遺伝」を推奨用語とし、移行期間は「顕性遺伝(優性遺伝)」「潜性遺伝(劣性遺伝)」のように旧来の用語をかっこで併記し、5年程度ののちに推奨用語へ移行する、という方針を示しています[4]。この流れに合わせると、codominance は「共顕性」、incomplete dominance は「不完全顕性」となります。ただ、教科書や試験問題、検索で使われる言葉はまだ「共優性」が多いため、この記事では「共優性(共顕性)」と併記しています。
言葉が変わっても、「顕性=形質に現れやすい」「潜性=ヘテロ接合では隠れる」という意味であって、遺伝子そのものの良し悪しを表しているわけではありません。顕性・潜性がどのような分子のしくみで決まるのかは、優性・劣性(顕性・潜性)とは何かで詳しく解説しています。
共優性は「どの対立遺伝子どうしか」で決まる相対的な関係
共優性・優性・劣性は、遺伝子ごとの固定した性質ではなく、2つの対立遺伝子の組み合わせごとに決まる関係です。ABO式血液型がわかりやすい例で、A型の対立遺伝子はB型の対立遺伝子とは共優性ですが、O型の対立遺伝子に対しては優性です[5]。同じA型の対立遺伝子でも、相手がBなら「両方現れる」、相手がOなら「Aだけ現れる」のです。
もう1つ大事なのは、「何を形質として見るか」でも関係が変わることです。あとで説明する鎌状赤血球形質では、赤血球の中のタンパク質(ヘモグロビン)を調べると両方の型がそろって見つかるので共優性ですが、貧血という症状で見ると、ヘテロ接合の人はふつう貧血にならないため、病気は潜性(劣性)の遺伝形式をとります[6]。教科書の問題で「この遺伝は共優性か不完全優性か」と迷うときは、まず「どの形質の話をしているのか」を確かめると整理しやすくなります。
2. 完全優性・不完全優性・共優性の違い
3つの違いは、ヘテロ接合の人に「片方だけ」「中間」「両方」のどれが現れるかです。完全優性では片方の形質だけが現れ、もう片方は隠れます。不完全優性では2つの形質の中間が現れます。共優性では2つの形質が混ざらずに両方とも現れます。
⚖️ 完全優性・不完全優性・共優性の比較
| 項目 | 完全優性(顕性) | 不完全優性(不完全顕性) | 共優性(共顕性) |
|---|---|---|---|
| ヘテロ接合の形質 | 片方だけが現れる | 2つの中間が現れる | 2つが両方そろって現れる |
| イメージ | 隠れる | 混ざる | 並ぶ |
| 教科書の例 | ABO式血液型のAとO(AOはA型) | キンギョソウの花の色(赤×白→ピンク) | ABO式血液型のAとB(AB型)、MN式血液型(MN型) |
| 遺伝子型の数と表現型の数 | 3つの遺伝子型に2つの表現型 | 3つの遺伝子型に3つの表現型 | 3つの遺伝子型に3つの表現型 |
不完全優性は「中間」が現れる
不完全優性とは、どちらの対立遺伝子も完全には優性でなく、ヘテロ接合の人に2つの形質の中間が現れる遺伝のしかたです。米国の大学向け教科書 OpenStax Biology 2e は、赤い花と白い花のキンギョソウを交配するとピンクの花の子ができる例を挙げ、ヘテロ接合では中間の表現型が現れると説明しています[7]。赤い色素をつくる遺伝子が1つ分しかないので色素の量が半分ほどになり、薄い赤(ピンク)に見える、と考えると理解しやすいでしょう。日本の教科書ではマルバアサガオの花の色がよく使われます。
不完全優性では、ピンクの花どうしを交配すると、次の世代に赤・ピンク・白が現れます。ピンクの「中間」が固定された性質ではなく、2つの対立遺伝子の組み合わせで毎回つくられていることがわかります。不完全優性の詳しい例やヒトの病気での「中間の表現型」については、不完全優性(不完全顕性)とはで扱っています。
共優性は「両方」がそのまま現れる
共優性では、2つの対立遺伝子に由来する形質が、はっきり区別できる形で同時に現れます。両方の産物が同じ量になるとは限りません。OpenStax Biology 2e は共優性を不完全優性の変わり型と位置づけ、ヘテロ接合で同じ形質の2つの対立遺伝子が同時に発現する状態と説明し、MN式血液型を例にしています[7]。MN型の人の赤血球には、M型の人と同じM抗原と、N型の人と同じN抗原の両方があります。
ABO式血液型のAB型も同じで、A抗原とB抗原が混ざって「AとBの中間の抗原」ができるのではありません。A抗原もB抗原も、それぞれの形のまま赤血球の表面に並んでいます。そのため、AB型の赤血球は抗A抗体にも抗B抗体にも反応します。「色が混ざる」のが不完全優性、「2つの旗が並んで立つ」のが共優性、と覚えると区別しやすくなります。
誤解1:AB型はAとBの「中間」
中間ではありません。A抗原とB抗原が、それぞれそのままの形で両方つくられます。中間になるのは不完全優性のほうです。
誤解2:共優性の遺伝子には優劣がない
AとBの関係は共優性でも、AやBはOに対しては優性です。優性・劣性・共優性は、対立遺伝子の組み合わせごとの関係です。
誤解3:潜性(劣性)のO型はだんだん減る
顕性か潜性かと、集団の中での多さは別の話です。アジアの集団でもO型は4割前後います。
誤解4:共優性と不完全優性は同じ
不完全優性は2つの形質が「混ざる」、共優性は「並ぶ」と考えると区別できます。どの形質を見るかで判定が変わることもあります。
3. ABO式血液型で見る共優性:AB型になる仕組み
ABO式血液型は、1つの遺伝子(ABO遺伝子)にあるA・B・Oの3つの対立遺伝子で決まり、AとBは互いに共優性、AとBはOに対して優性です。ABO遺伝子は第9染色体の長腕(9q34.1-q34.2)にあります。1910年には、A抗原とB抗原が遺伝し、AとBが共優性に受け継がれることが示されていました[5]。ABO式血液型は、20世紀の初めにオーストリアのカール・ランドシュタイナーが見つけ、その翌年にAB型が4つ目の型として加えられています[5]。
A・B・Oの3つの対立遺伝子は「糖をつける酵素」の違い
ABO遺伝子がつくるのは、赤血球の表面の糖鎖に糖を1つ付け足す酵素(糖転移酵素)です。土台になるのはH抗原と呼ばれる糖鎖で、A型の対立遺伝子がつくる酵素はここにN-アセチルガラクトサミンを、B型の対立遺伝子がつくる酵素はガラクトースを付け足します。付いた糖の違いが、A抗原とB抗原の違いになります[5]。
AとBの対立遺伝子は7か所の塩基が違い、そのうち4か所がアミノ酸の違いになっています。このわずかな違いで、酵素が運ぶ糖の種類が変わります。一方、多くのO型の対立遺伝子は、A型の対立遺伝子の261番目のグアニン(G)が1つ抜けたもので、この欠失で読み枠がずれて(フレームシフト)、ほとんど別のタンパク質ができてしまいます。その結果、糖を付け足すことができず、土台のH抗原がそのまま残ります[5]。
※模式図。GalNAc=N-アセチルガラクトサミン。AB型ではA酵素とB酵素の両方が働くため、同じ赤血球にA抗原とB抗原の両方ができます。内容はDean[5]による。
このしくみから、共優性と潜性の関係がそのまま説明できます。AB型の人はA酵素とB酵素の両方を持っているので、A抗原とB抗原の両方ができます(共優性)。AO型の人はA酵素だけを持ち、O型の対立遺伝子からは働く酵素ができないので、A抗原だけができてA型になります(AがOに対して優性)。O型の対立遺伝子からはA抗原やB抗原をつくる機能のある酵素ができないため、A型やB型の対立遺伝子に対して潜性になるのです。
遺伝子型と血液型(表現型)の対応
ABO式血液型には6つの遺伝子型があり、それが4つの血液型(表現型)に対応します。AとBが共優性なのでAB型は独立した型になり、AとBがOに優性なのでAO型はA型、BO型はB型に含まれます。
🩸 ABO式血液型の遺伝子型と表現型
| 遺伝子型 | 赤血球の抗原 | 血液型(表現型) | 対立遺伝子どうしの関係 |
|---|---|---|---|
| AA・AO | A抗原 | A型 | AはOに対して優性 |
| BB・BO | B抗原 | B型 | BはOに対して優性 |
| AB | A抗原とB抗原の両方 | AB型 | AとBは共優性 |
| OO | A抗原もB抗原もない(H抗原のまま) | O型 | Oは潜性(劣性) |
※ボンベイ型・cis-AB型などの例外は第4章で説明します。
両親の血液型と子どもの血液型の組み合わせ(遺伝の表)
子どもは両親からABO遺伝子の対立遺伝子を1つずつ受け継ぐので、両親の血液型から、生まれる可能性のある子どもの血液型が決まります。たとえばA型どうしの両親でも、2人ともAO型ならOを1つずつ受け継いでO型の子が生まれることがあります。血液型だけでは、A型の人がAAなのかAOなのかはわからないため、下の表は「可能性がある型」を示しています。
👪 両親の血液型と、生まれる可能性のある子どもの血液型
| 両親の血液型 | 子どもの血液型(可能性がある型) | 生まれない型 |
|---|---|---|
| A型 × A型 | A型・O型 | B型・AB型 |
| A型 × B型 | A型・B型・AB型・O型 | なし |
| A型 × AB型 | A型・B型・AB型 | O型 |
| A型 × O型 | A型・O型 | B型・AB型 |
| B型 × B型 | B型・O型 | A型・AB型 |
| B型 × AB型 | A型・B型・AB型 | O型 |
| B型 × O型 | B型・O型 | A型・AB型 |
| AB型 × AB型 | A型・B型・AB型 | O型 |
| AB型 × O型 | A型・B型 | AB型・O型 |
| O型 × O型 | O型 | A型・B型・AB型 |
※A・B・Oの3つの対立遺伝子と、AとBが共優性・Oが潜性という関係から導いた表です。cis-AB型やボンベイ型の人がいる家系では、この表に当てはまらないことがあります(第4章)。
表を見ると、AB型の親からはO型の子が、O型どうしの親からはA型・B型の子が、ふつうは生まれないことがわかります。AB型の親はAとBしか持たず、子に渡せる対立遺伝子にOがないためです。この表は、AとBが共優性であり、Oが潜性であることを前提にしています。もし血液型の遺伝が単純な優性・劣性だけで決まるなら、AB型という独立した型は生まれず、表の形はまったく違うものになります。
O型は「潜性(劣性)」なのに少なくないのはなぜ?
顕性か潜性かは、ヘテロ接合のときにどちらの形質が現れるかを表す言葉で、その型が集団の中で多いか少ないかとは関係がありません。ABO式血液型の各型の割合は集団によって違い、Deanの資料では、アジアの集団の割合はO型43%、A型(A1型)27%、B型25%、AB型(A1B型)5%と示されています[5]。O型の対立遺伝子は潜性でも、集団の中に多くあるため、O型の人の割合は4割前後になります。
集団の中での型の多さは、その対立遺伝子の頻度(アレル頻度)で決まります。ABO式血液型の割合が集団ごとに違う理由について、Deanの資料は、ある血液型がかつて何らかの感染症への抵抗性をもたらした可能性に触れています[5]。病気の遺伝子でも同じで、「潜性だから少ない」「顕性だから多い」とは言えません。この区別は、保因者の頻度を考えるときにも大切になります。
🩺 院長コラム【血液型の表は、遺伝のしくみを考える入口です】
中学や高校で習う血液型の遺伝の表は、暗記の対象になりがちです。けれども、表の1行1行は「AとBは共優性、Oは潜性」という2つの関係から全部導けます。A型どうしの両親からO型の子が生まれるのは、両親とも「見えないO」を持っていたからで、潜性の病気で保因者どうしの両親から発症する子が生まれる理屈とまったく同じです。
遺伝の相談で潜性遺伝の説明をするとき、血液型のたとえは今も役に立つと考えています。「見た目の型」と「遺伝子の組み合わせ」は別物だという感覚をつかんでおくと、保因者検査や遺伝子検査の結果も読みやすくなります。
4. 血液型の遺伝の「例外」:ボンベイ型とcis-AB型
ABO式血液型には、遺伝の表どおりにならないように見える型があり、その代表がボンベイ型とcis-AB型です。どちらもメンデルの遺伝のきまりから外れているわけではなく、ABO遺伝子以外の遺伝子が関わっていたり、1つの対立遺伝子がAとBの両方の働きを持っていたりするために、表の前提が成り立たなくなっているのです。
ボンベイ型:H抗原がつくれないためA・Bが現れない
ボンベイ型(Oh型)は、A抗原・B抗原の土台になるH抗原をつくれないため、ABO遺伝子の型にかかわらず、赤血球にA抗原もB抗原も現れない型です。H抗原をつくる酵素(フコースを付け足す酵素)の遺伝子は第19染色体(19q13.3)にあり、この遺伝子の働かない対立遺伝子をホモ接合(h/h)で持つ人はH抗原をつくれないので、A抗原やB抗原もつくれません。最初に見つかった都市ボンベイ(現在のインド・ムンバイ)にちなんで名づけられました[5]。
ボンベイ型の人は、ふつうの血液検査ではO型と判定されることがありますが、ABO遺伝子にはA型やB型の対立遺伝子を持っていることがあります。そのため、「O型」と判定された親から、A型やB型の子が生まれることがあります。これは、ABO遺伝子の働き(A・Bの酵素)が、別の遺伝子(H抗原をつくる遺伝子)の働きの上に成り立っているためで、ある遺伝子の形質が別の遺伝子によって隠される現象(上位性)の例です。
医療の面では、ボンベイ型の人の血清には抗A・抗Bに加えて強い抗H抗体があり、ふつうのO型の血液を輸血しても強い溶血反応が起こるおそれがあります。ボンベイ型の人自身は健康ですが、輸血が必要なときは、同じボンベイ型の献血者(多くは血縁者)の血液が必要になります[5]。
cis-AB型:1つの対立遺伝子がA抗原とB抗原の両方をつくる
cis-AB型は、ABO遺伝子の変化によって、1つの対立遺伝子からA型とB型の両方の働きを持つ酵素ができる、まれな型です。ふつうのAB型はA型の対立遺伝子とB型の対立遺伝子を別々の染色体に1つずつ持ちますが、cis-AB型ではA抗原とB抗原の両方が、片方の親から受け継いだ1つの対立遺伝子から発現します[8]。「cis(シス)」は「同じ側の」という意味で、AとBの働きが同じ染色体の上にあることを表しています。
cis-AB型は東アジアでほかの地域より多くみられ、韓国ではABO式血液型の亜型の中でもっとも多いと報告されています。韓国の集団での頻度は0.0354%(169,605人中60人)、日本と中国の献血者での頻度はそれぞれ0.0012%と0.00066%と報告されています[8]。同じ報告は、AB型の母親からO型の子が生まれる場合のように、一見すると遺伝の表に合わない親子の組み合わせが起こりうることを示し、それでもAとBの性質が一方の親から受け継がれているという点では、遺伝のきまりどおりであると説明しています[8]。
たとえば、cis-AB型の対立遺伝子とO型の対立遺伝子を持つ人は血液検査でAB型と判定されますが、子にはcis-ABかOのどちらかを渡します。O型の相手との間では、cis-ABを受け継いだ子はAB型、Oを受け継いだ子はO型になり、「AB型×O型からはA型かB型しか生まれない」という表とは違う結果になります。
親子の血液型が「合わない」ときに考えること
血液型の表に合わない親子の組み合わせがあっても、それだけで親子関係を判断することはできません。cis-AB型の人の検体では、赤血球の抗原を調べる検査と血清の抗体を調べる検査の結果が食い違う(ABO不一致)ことがあり、cis-AB型を確定するにはABO遺伝子の型を調べる検査(遺伝子型判定)が使われます[8]。A型の中にもA1型とA2型があり、A1型の赤血球はA2型の約5倍のA抗原を持つとされています[5]。
血液型は、ABO遺伝子という1つの遺伝子の、さらに抗原の有無という限られた情報を見ているにすぎません。表どおりにならない結果は、まず「どの検査で、どの抗原を見た判定か」を確かめ、必要なら遺伝子の型まで調べることで説明がつくことが多いのです。
5. ABO以外の共優性の例:MN式血液型・HLA・ヘモグロビン
共優性はABO式血液型だけの話ではなく、MN式血液型、HLA(ヒト白血球抗原)、ヘモグロビンの型など、ヒトの体の多くの場面で見られます。ここでは、医学と関わりの深い例を順に見ていきます。
MN式血液型:M抗原とN抗原が両方現れる
MN式血液型は、ABO式血液型のような潜性の対立遺伝子がなく、MとNの2つの対立遺伝子が互いに共優性の、もっとも単純な共優性の例です。MとNは、赤血球の膜のタンパク質(グリコフォリンA)をつくるGYPA遺伝子の対立遺伝子で、3か所の一塩基の違いによって、タンパク質の1番目と5番目のアミノ酸が変わっています[9]。GYPA遺伝子は第4染色体の長腕にあります[9]。
MM型の人はM抗原だけ、NN型の人はN抗原だけ、MN型の人はM抗原とN抗原の両方を持ちます。遺伝子型が3つあり、表現型も3つあるので、血液検査の結果から遺伝子型がそのままわかります。教科書でMN式血液型が共優性の例として使われるのは、このわかりやすさのためです[7]。
HLA:両親から受け継いだ型が両方とも細胞に現れる
HLA(ヒト白血球抗原)の遺伝子は、両親から受け継いだ対立遺伝子の両方が働き、つくられたHLA分子がどちらも細胞の表面に現れる共優性の発現をします。米国の医学教科書 StatPearls は、HLA遺伝子はふつう両親それぞれからひとまとまりで受け継がれ、つくられた抗原は細胞表面に共優性に発現すると説明しています[10]。
HLAの遺伝子群は第6染色体の短腕(6p21)にまとまってあり、その全体がHLAハプロタイプとして、両親それぞれから1組ずつメンデルの遺伝のきまりにしたがって受け継がれます。そのため、きょうだい2人の遺伝子型がHLAで一致する確率は25%です[11]。HLAの多型(対立遺伝子の種類の多さ)は、かつて考えられていたよりはるかに大きいことがわかっています[11]。共優性で両親の型が両方とも現れるので、1人の細胞にはたくさんの種類のHLA分子が並ぶことになり、移植の際に提供者と受ける人の型をそろえることが難しくなります。
HLAのくわしい構造や、病気・薬の副作用との関係は、主要組織適合遺伝子複合体/HLAで解説しています。両親から受け継ぐ遺伝子のまとまりについては、ハプロタイプをご覧ください。
鎌状赤血球形質:タンパク質では共優性、病気としては潜性
ヘモグロビンのβグロビンをつくるHBB遺伝子では、ふつうの型(HbA)と鎌状赤血球症の型(HbS)をヘテロ接合で持つ人(HbAS、鎌状赤血球形質)の赤血球に、HbAとHbSの両方が見つかります。米国の遺伝性疾患の解説集 GeneReviews は、HbSのヘテロ接合の人はHbAとHbSの両方のヘモグロビンを持ち、HbSの割合は典型的には40%近くであると説明しています[6]。HbSは、HBB遺伝子の変化で成熟βグロビンの6番目のアミノ酸がグルタミン酸からバリンに変わったものです(従来表記Glu6Val[6]、開始メチオニンを含めるHGVS表記ではp.Glu7Val[12])。ヘモグロビンを分けて調べる検査では2種類がそろって検出されるので、タンパク質のレベルでは共優性です。
一方、症状で見ると話が変わります。GeneReviews によると、鎌状赤血球形質の人は貧血になりません。ただし、極端な運動のときに横紋筋融解などのリスクがわずかにあることや、血尿がある場合には腎髄質がんの検査を考えることが記載されています[6]。鎌状赤血球症そのものは常染色体潜性の遺伝形式をとり、両親がともにHBB遺伝子の病的バリアントのヘテロ接合のとき、子が発症する確率は妊娠ごとに25%です[6]。同じHbASという遺伝子型でも、「タンパク質」を見れば共優性、「病気」を見れば潜性になる、というのが第1章で触れた「何を形質として見るか」の具体例です。
GeneReviews は、HbASがマラリアにかかった子どもの生存に有利に働くことを挙げ、これがマラリアの流行地域でHbSが多い理由の1つと考えられていると記載しています[6]。マラリアを起こすマラリア原虫については原虫とは、病気の全体像は鎌状赤血球症 総論で解説しています。
比べてみる:Rh式血液型(D抗原)は共優性ではない
同じ「血液型」でも、Rh式のD抗原はABO式とはしくみが違い、共優性の例にはなりません。Rh式血液型の遺伝子(RHDとRHCE)は第1染色体の短腕にあり、白人ではRh(D)陰性はRHD遺伝子の欠失によって起こります[13]。RHD遺伝子を1つでも持てばD抗原ができるので、D抗原の有無で見るとRh陽性が顕性、Rh陰性が潜性のように受け継がれます。
Rh(D)陰性の人の割合は集団によって違い、白人で15%、黒人で8%、アジア人で1%とされています[13]。Rh式血液型は、新生児溶血性疾患のおもな原因として産科で重要です[13]。「血液型の遺伝」とひとくくりにされがちですが、ABO式は共優性と潜性の組み合わせ、Rh(D)は顕性と潜性の関係、と分けて考えると混乱しにくくなります。
6. 遺伝・医療とのつながり:共優性を知ると何がわかるか
共優性は教科書の用語にとどまらず、輸血や移植の適合、遺伝子検査の結果の読み方、保因者検査の考え方に直接つながっています。ここでは臨床遺伝専門医の立場から、医療の場面で共優性がどう関わっているかを整理します。
輸血と移植:ABOとHLAは両方の型が現れるから合わせる必要がある
ABO式血液型では、出生後に、赤血球にない抗原に対する抗体(抗A・抗B)が自然に形成されるため、型の合わない赤血球の輸血は重い溶血を起こします。Deanの資料は、ABO式血液型の抗体は自然にできること、ABOの合わない輸血では抗A・抗B抗体が補体を活性化させて血管内で急速に赤血球を壊すこと、そして輸血による死亡の多くはABOの合わない血液の輸血によるものであることを記載しています[5]。AB型の人の赤血球はA抗原とB抗原の両方を持つので(共優性)、抗Aと抗Bのどちらにも反応します。
臓器移植では、ABO式血液型とHLAの両方が関わります。自然に存在する抗A・抗B抗体は、A抗原やB抗原が血管の内皮細胞にもあるため、ABOの合わない移植で超急性拒絶反応を起こします。また、HLAの一致の程度は移植の結果を予測する因子とされ、造血幹細胞移植ではHLAの不一致が生着不全や急性移植片対宿主病(GVHD)の危険因子になります[11]。両親から受け継いだHLAの型がどちらも細胞に現れる共優性の性質があるので、移植では両方の型を調べて照らし合わせることになります。
遺伝子検査は「両方の対立遺伝子」を読む:共優性マーカー
DNAを直接調べる検査は、ふつう両方の対立遺伝子を区別して読むので、ヘテロ接合とホモ接合を見分けられます。この性質を持つ目印(遺伝マーカー)を共優性マーカーと呼びます。たとえばマイクロサテライト(短い配列のくり返し)は共優性で、対立遺伝子の種類が多いマーカーです。これに対し、AFLPなどの優性マーカーでは、ヘテロ接合と優性のホモ接合を見分けられません[14]。
ヒトの遺伝子検査で使われるSNP(一塩基多型)やマイクロサテライト(STR)の解析、遺伝子の配列を読む検査は、両親から受け継いだ2つの対立遺伝子をそれぞれ読み分けるので、結果は「この人はA型とO型の対立遺伝子を1つずつ持つ(ヘテロ接合)」のように報告できます。血液型の検査ではA型としか分からなかった人が、遺伝子を調べるとAA型かAO型かまで分かるのはこのためです。報告書に heterozygous(ヘテロ接合)、homozygous(ホモ接合)と書かれているのは、まさにこの「両方の対立遺伝子を読んだ結果」です。
「症状として潜性」でも、遺伝子やタンパク質では両方が働いている
病気の遺伝形式が潜性(劣性)であっても、ヘテロ接合の人の体の中で、病気の型の対立遺伝子が何もしていないとは限りません。鎌状赤血球形質の人の赤血球にはHbSがHbAと一緒に40%近く含まれていますが、ふつうは貧血になりません[6]。「顕性・潜性」は症状という表現型を見たときの関係で、遺伝子の働きやタンパク質を直接見ると、両方の対立遺伝子の産物がそろって検出される場合があるのです。
この視点は、保因者という言葉の理解につながります。保因者は、潜性の病気の病的バリアントをヘテロ接合で持ち、ふつうは症状が出ない人を指します。症状がないので自分では気づきませんが、遺伝子を調べれば、病的バリアントと正常な対立遺伝子の両方を持っていることが分かります。顕性・潜性がどのような分子のしくみで決まるのか(遺伝子の量が半分で足りるか、など)は、優性・劣性(顕性・潜性)とは何かで詳しく扱っています。
生まれる前に分かる:両親の保因者検査
鎌状赤血球症のような常染色体潜性(劣性)の病気は、両親がともに保因者のとき、子が発症する確率が妊娠ごとに4分の1(25%)です。保因者の人はふつう症状がないため、家族に患者さんがいなくても、両親がともに保因者であることは起こりえます[6]。潜性遺伝のしくみは常染色体潜性遺伝で解説しています。
当院の拡大版保因者検査は、女性787遺伝子・男性714遺伝子、女性1009遺伝子・男性911遺伝子の4つです(787と714、1009と911がそれぞれ対になっています)。この記事で取り上げた鎌状赤血球症の原因遺伝子であるHBB遺伝子は、4つの検査のすべてに含まれています。4つとも、オンライン診療で受けることができ、唾液や頬の粘膜の検体でも検査できます。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いいただきます。保因者検査の考え方は保因者スクリーニング検査とはをご覧ください。
妊娠中で、NIPT(新型出生前診断)と同時に保因者検査も受けたい場合は、NIPTと同じ日に採血するファミリーセーフティ プラスがあります。ファミリーセーフティ プラスは、NIPTと同じ日に採血して受ける保因者検査で、単独では受けられません。
🩺 院長コラム【「何を見たか」で、同じ遺伝子が違う顔を見せる】
鎌状赤血球形質の例は、遺伝の言葉の使い方を考えるうえでとても示唆的です。同じHbASという遺伝子の組み合わせが、ヘモグロビンを調べれば共優性、貧血の有無で見れば潜性になります。遺伝子が変わったのではなく、こちらが見ている「形質」が変わっただけです。
遺伝子検査の報告書を読むときも同じで、「ヘテロ接合で病的バリアントを持つ」という1行は、病気の遺伝形式と合わせて読まなければ意味が決まりません。共優性・顕性・潜性という言葉を、遺伝子そのもののラベルではなく「ある形質から見た関係」として理解しておくことが、結果を正しく受け止める助けになると考えています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 共優性と共顕性は違うものですか?
同じものです。日本遺伝学会が2017年に「優性」を「顕性」、「劣性」を「潜性」と言い換えたことに合わせて、共優性(codominance)を共顕性と呼ぶことがあります。どちらも、ヘテロ接合で両方の対立遺伝子の形質がそろって現れることを指します。
Q2. 不完全優性と共優性の違いは何ですか?
不完全優性では、赤い花と白い花からピンクの花ができるように、2つの形質の中間が現れます。共優性では、AB型の血液のように、2つの形質が混ざらずに両方とも現れます。「混ざる」のが不完全優性、「並ぶ」のが共優性です。
Q3. ABO式血液型でO型は劣性(潜性)ですか?
はい。O型の対立遺伝子はA抗原やB抗原をつくる酵素をつくらないため、AやBに対して潜性(劣性)です。そのため遺伝子型がAOならA型、BOならB型になり、OOの人だけがO型になります。AとBは互いに共優性です。
Q4. O型は潜性(劣性)なのに、なぜ少なくないのですか?
顕性か潜性かは、ヘテロ接合のときにどちらの形質が現れるかを表す言葉で、その型が集団の中で多いか少ないかとは関係がないためです。型の多さは対立遺伝子の頻度で決まり、アジアの集団ではO型が43%と報告されています。
Q5. AB型とO型の両親からは、何型の子どもが生まれますか?
ふつうはA型かB型の子どもが生まれ、AB型やO型の子どもは生まれません。AB型の親はAかBを、O型の親はOを子に渡すので、子の遺伝子型はAOかBOになるためです。ただし、親がcis-AB型の場合は、AB型やO型の子が生まれることがあります。
Q6. ボンベイ型とはどんな血液型ですか?
A抗原・B抗原の土台になるH抗原をつくれないため、ABO遺伝子の型にかかわらずA抗原もB抗原も現れない、まれな血液型です。ふつうの検査ではO型と判定されることがあり、輸血が必要なときは同じボンベイ型の血液が必要になります。
Q7. 共優性マーカーとは何ですか?
ヘテロ接合とホモ接合を見分けられる遺伝マーカーのことです。マイクロサテライトなどがこれにあたります。AFLPなどの優性マーカーでは、ヘテロ接合と優性のホモ接合を見分けられません。
まとめ
共優性(共顕性)とは、ヘテロ接合で両方の対立遺伝子の形質がどちらも隠れずにそろって現れる遺伝のしかたです[1]。ABO式血液型では、AとBは互いに共優性、AとBはOに対して優性で、その結果、AB型という独立した型が生まれます[5]。不完全優性が2つの形質の「中間」を示すのに対し、共優性は2つの形質を「両方」示す点が違いです[7]。
ボンベイ型やcis-AB型のように、血液型の表どおりにならない例もありますが、遺伝のきまりから外れているわけではありません[5][8]。HLAや鎌状赤血球形質の例からわかるように、共優性は輸血・移植の適合や遺伝子検査の読み方につながり、同じ遺伝子型でも「何を形質として見るか」で共優性にも潜性にもなることを押さえておくと、遺伝の検査の結果を理解しやすくなります。
📘 この記事について
この記事は、遺伝学の用語「共優性(共顕性)」を解説する用語ページです。血液型の判定や輸血・移植の適合についての個別のご質問は、検査を受けた医療機関でご確認ください。なお、潜性(劣性)遺伝の病気の保因者であるかどうかを妊娠前に調べる方法として保因者スクリーニング検査があり、遺伝学的検査の結果が本人や血縁者にとってどういう意味を持つかを専門医と整理する場として遺伝カウンセリングがあります。
参考文献
- [1] Codominance. Talking Glossary of Genomic and Genetic Terms. National Human Genome Research Institute. [NHGRI]
- [2] codominant. MGI Glossary. Mouse Genome Informatics, The Jackson Laboratory. [MGI]
- [3] 日本遺伝学会. 遺伝学用語改訂について. 2017年9月11日. [日本遺伝学会 PDF]
- [4] 日本医学会 会長・医学用語管理委員会 委員長. 優性遺伝と劣性遺伝に代わる推奨用語について(結果報告). 2022年1月24日. [PDF]
- [5] Dean L. Chapter 5, The ABO blood group. Blood Groups and Red Cell Antigens. Bethesda (MD): National Center for Biotechnology Information (US); 2005. [NCBI Bookshelf NBK2267]
- [6] Bender MA, Carlberg K. Sickle Cell Disease. GeneReviews®. Seattle (WA): University of Washington, Seattle; last revision February 13, 2025. [GeneReviews NBK1377]
- [7] Clark MA, Douglas M, Choi J. 12.2 Characteristics and Traits. Biology 2e. OpenStax; 2018. [OpenStax]
- [8] Chun S, Choi S, Yu H, Cho D. Cis-AB, the Blood Group of Many Faces, Is a Conundrum to the Novice Eye. Ann Lab Med. 2019;39(2):115-120. doi:10.3343/alm.2019.39.2.115. [PMC6240514]
- [9] Dean L. Chapter 12, The MNS blood group. Blood Groups and Red Cell Antigens. Bethesda (MD): National Center for Biotechnology Information (US); 2005. [NCBI Bookshelf NBK2274]
- [10] Genetics, Human Major Histocompatibility Complex (MHC). StatPearls. StatPearls Publishing. [StatPearls]
- [11] Choo SY. The HLA System: Genetics, Immunology, Clinical Testing, and Clinical Implications. Yonsei Med J. 2007;48(1):11-23. doi:10.3349/ymj.2007.48.1.11. [DOI]
- [12] NM_000518.5(HBB):c.20A>T (p.Glu7Val) AND Hb SS disease. ClinVar. National Center for Biotechnology Information. [ClinVar RCV000016574]
- [13] Dean L. Chapter 7, The Rh blood group. Blood Groups and Red Cell Antigens. Bethesda (MD): National Center for Biotechnology Information (US); 2005. [NCBI Bookshelf NBK2269]
- [14] Gaudeul M, Till-Bottraud I, Barjon F, et al. Genetic diversity and differentiation in Eryngium alpinum L. (Apiaceae): comparison of AFLP and microsatellite markers. Heredity. 2004;92:508-518. doi:10.1038/sj.hdy.6800443. [DOI]



