
共優性とは、両方の対立遺伝子の寄与が表現型に現れることをいう。
例えば、ヒトの血液型はA型とB型が共優性であるが、O型はA型とB型に対して劣性である。ABO式血液型では、血液細胞の表面に存在する糖タンパク質(H抗原)の化学修飾が3つの対立遺伝子によって制御されているが、そのうちの2つは互いに共優性であり(IA、IB)、ABO遺伝子座の劣性のiに対して優性である。IAとIBの対立遺伝子は異なる修飾をもたらす。IAの酵素は、膜に結合したH抗原にN-アセチルガラクトサミンを付加する。IBの酵素はガラクトースを付加する。i対立遺伝子は修飾を受けない。IAとIBの対立遺伝子はそれぞれiに対して優性であるが(IAとIAiはともにA型の血液を持ち、IBとIBiはともにB型の血液を持つ)、IAIBは両方の修飾を血球上に持ち、したがってAB型の血液を持つので、IAとIBの対立遺伝子は共優性であると言われる。
また、ヘモグロビンのβグロビン成分の遺伝子座では、HbA/HbA、HbA/HbS、HbS/HbSの3つの分子表現型がタンパク質の電気泳動によって区別されている。(ヘテロ接合の遺伝子型によって生じる医学的状態は鎌状赤血球形質と呼ばれ、鎌状赤血球症と区別できる軽度の状態であり、したがって、対立遺伝子は貧血に関して不完全優勢を示す。分子レベルでは、ほとんどの遺伝子座では、両方の対立遺伝子がRNAに転写されるため、両方の対立遺伝子が共優勢に発現する。
この記事の監修・執筆者:仲田 洋美
(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)
ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、
臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。
のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。
出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、
検査結果の数値そのものだけでなく、
「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、
一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。
ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、
日本人として異文化の中で生活した経験があります。
価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。
この経験は現在の診療においても、
「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。
また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、
36週6日で一人を死産した経験があります。
その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、
そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。
現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、
出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。
出生前診断は単なる検査ではなく、
家族の未来に関わる重要な意思決定です。
年齢や統計だけで判断するのではなく、
医学的根拠と心理的支援の両面から、
ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。
日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/
日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。
2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、
複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。