目次
Dyneins, axonemal outer arm complex subunitsとは
Dyneins, axonemal outer arm complex subunits(ダイニン、軸糸外腕複合体サブユニット)は、鞭毛や繊毛などの運動を司る微小管ベースの構造において、重要な役割を果たすタンパク質群です。これらのダイニンは、軸糸(axoneme)と呼ばれる繊毛や鞭毛の内部骨格に存在し、外腕ダイニン(outer arm dynein)として微小管を滑らせることで、繊毛や鞭毛の打つような運動を引き起こします。
1. ダイニンの基本構造と機能
ダイニンは、モータータンパク質として機能し、ATPのエネルギーを利用して微小管の上を移動します。軸糸に存在するダイニンは、主に運動性繊毛や鞭毛で、協調的な打撃運動を発生させるために使われます。この運動は、呼吸器の気道で粘液を移動させたり、精子が鞭毛を使って泳ぐために重要です。
2. 外腕ダイニンの役割
外腕ダイニンは、軸糸内の微小管二重線に結合し、もう一方の微小管に対して滑るように作用します。この「滑り」動作によって、繊毛や鞭毛がしなり、打撃運動が生じます。外腕ダイニンは、運動の力強さや速度を調整する役割を持っており、内腕ダイニンと協調して機能します。
3. 構造のサブユニット
外腕ダイニンは、複数のサブユニットから成り立っており、これらのサブユニットが複合体を形成して微小管への結合やATPの加水分解を制御します。これらのサブユニットには、重鎖(heavy chain)、中鎖(intermediate chain)、および軽鎖(light chain)が含まれ、それぞれ異なる機能を担っています。
• 重鎖は、ATPアーゼ活性を持ち、エネルギーを生成して運動を引き起こします。
• 中鎖と軽鎖は、軸糸との結合や複合体の安定化に関与します。
4. ダイニン欠損と疾患
外腕ダイニンの機能が損なわれると、繊毛や鞭毛の運動不全が引き起こされ、原発性線毛運動不全症(PCD: Primary Ciliary Dyskinesia)などの疾患が発生します。PCDでは、呼吸器系の感染症や不妊症、内臓逆位などの症状が見られ、これらはダイニンの欠陥による繊毛運動の異常が原因です。
●まとめ
ダイニンの外腕複合体サブユニットは、運動性繊毛や鞭毛の機能にとって不可欠なモータータンパク質であり、ATPのエネルギーを利用して微小管上を滑り、繊毛や鞭毛の打撃運動を引き起こします。これらのサブユニットが欠損すると、繊毛の運動不全により、様々な健康問題が生じることがあります。
Dyneins, axonemal outer arm complex subunitsの構造
ダイニン(Dynein)は、微小管上を移動するモータータンパク質で、特に繊毛や鞭毛における運動に重要です。これらの軸糸外腕ダイニン(axonemal outer arm dynein)は、複雑な構造を持ち、ATPを利用して微小管上を滑走することで繊毛や鞭毛の打撃運動を生み出します。
外腕ダイニンは、以下のような主要なサブユニットから構成されます。
1. 重鎖(Heavy Chain)
– サイズと構造:重鎖は約500 kDaの大きなタンパク質で、ダイニン複合体の主要なモーター領域を形成します。
– ATPアーゼ活性:重鎖にはATP結合部位とATP加水分解活性を持つモーター領域があり、エネルギーを供給して微小管に沿った移動を実現します。
– ステム、リング、ストーク構造:重鎖は複数のドメインから構成され、ステム(基部)、ATP加水分解を行う6つのAAA+(ATPase associated with diverse cellular activities)リング、そしてストーク(微小管との接触部分)などからなります。このストークを介して微小管に結合し、リングでエネルギーを生成します。
2. 中鎖(Intermediate Chain)
– 機能:中鎖は、軸糸の構造とダイニン複合体を安定させる役割を持ちます。約70-120 kDaのタンパク質で、重鎖と他のサブユニットの間を結び、複合体全体の安定性を保つ。
– ダイニンのアンカリング:中鎖は、繊毛や鞭毛の内側にある微小管二重線(doublet microtubules)にダイニンを固定し、力を伝えるための役割を担います。
3. 軽鎖(Light Chain)
– サイズと構造:軽鎖は約10-30 kDaの小さなサブユニットで、複合体の構造を調整し、軸糸との相互作用を補助します。
– 機能:軽鎖は、ダイニン複合体全体の安定化や調整、他のタンパク質との相互作用を助ける役割があります。外部シグナルに応じて、ダイニンの活動を調節する可能性もあります。
4. 全体構造
外腕ダイニンは、二量体または三量体の形で存在することが多く、これにより2つ以上の重鎖が協調して働き、強力な運動を引き起こします。各重鎖が持つATP加水分解サイクルにより、微小管上を滑るように運動が起こり、繊毛や鞭毛の波打つような運動が生み出されます。
5. 機能的相互作用
– 外腕ダイニンは、微小管二重線に結合し、他のモータータンパク質や調節因子(例えば、内腕ダイニンやネクシン)と相互作用します。これらの相互作用によって繊毛や鞭毛の打撃運動が精密に制御されます。
– ダイニンが生み出す力は、繊毛や鞭毛の他の構成要素と連携して、全体の運動を調整しています。
まとめ
外腕ダイニンの構造は、複雑で高度に特化されたタンパク質サブユニットから成り、ATPの加水分解を通じて力を生成し、繊毛や鞭毛の運動を制御します。この機構により、細胞は周囲の環境と効果的に相互作用できるようになります。

www.researchgate.net/figure/Axonemal-dynein-complexes-a-Axonemal-ODA-The-blue-text-denotes-subunits-found-in-ODA_fig2_357746895
より引用
軸索ダイニン複合体. (a) 軸索膜ODA。青字は呼吸性線毛のODA複合体に見られるサブユニット、赤字は精子鞭毛のODA複合体に見られるサブユニット。(b)軸糸内腕I1/f複合体サブユニット(IDA)。(c)単量体IDA。それぞれの内腕は、アクチン単量体とDNALI1またはセントリンのいずれかと結合した、異なる単量体重鎖を中心に構築されています。ほとんどの場合、ヒトとC. reinhardtiiの単量体重鎖の正確な等価性は不明。
Dyneins, axonemal outer arm complex subunitsの機能
Dyneins, axonemal outer arm complex subunitsは、軸索ダイニン(axonemal dynein)に関連する重要なサブユニットで、特に繊毛(cilia)や鞭毛(flagella)の運動に関わる構造です。このダイニンは、繊毛や鞭毛の微小管構造に結合し、滑走運動を引き起こして、それらの屈曲運動を生み出します。具体的に、軸索ダイニンの外腕部分に関するサブユニットの機能について解説します。
1. 軸索ダイニン外腕複合体の役割
軸索ダイニンには、外腕(outer arm)と内腕(inner arm)が存在し、繊毛や鞭毛の動きを調節しています。外腕ダイニンは、繊毛・鞭毛の振動を速く、かつ強力にするために働き、主に全体的な運動のパワーを担っています。
– 外腕ダイニンは、微小管二重構造(9+2構造)のAチューブリンに結合し、ATPの加水分解によるエネルギーを利用して力を発生させます。この力により、微小管同士が滑走し、繊毛や鞭毛が屈曲運動を行います。
– 外腕ダイニンは、繊毛や鞭毛の振動の速度とパワーに主に寄与しており、内腕ダイニンと協調して効率的な運動を作り出します。
2. ATPase活性と力発生
軸索ダイニンの外腕は、ATPase活性を持つサブユニットから構成されており、ATPの加水分解により得られるエネルギーを力に変換します。ATPが結合し、加水分解される過程で、ダイニンはコンフォメーション(立体構造)を変化させ、微小管上で滑走運動を引き起こします。
– このパワーストロークにより、繊毛や鞭毛の運動が生成されます。外腕ダイニンは、この動作を繰り返すことで、細胞の運動を支える効率的な屈曲を実現します。
3. 外腕ダイニンの構成とサブユニットの機能
外腕ダイニンは、複数の重鎖(heavy chains)、軽鎖(light chains)、および中鎖(intermediate chains)で構成されており、それぞれが異なる役割を果たします。
– 重鎖(heavy chains): ATPase活性を持ち、微小管に対して滑走運動を引き起こすエネルギーを提供します。これが軸索ダイニンの主なモーター機能を担います。
– 軽鎖(light chains)と中鎖(intermediate chains): ダイニンの安定性を保ち、微小管や他の分子との相互作用を調整します。これにより、外腕ダイニンの動作が効率的に行われるように制御されます。
4. 外腕ダイニンの機能不全による疾患
外腕ダイニンのサブユニットが機能不全を起こすと、一次繊毛病(primary ciliary dyskinesia, PCD)のような疾患が発生します。この疾患では、繊毛や鞭毛の運動が正常に行われなくなり、呼吸器系の問題や不妊症などの症状が現れます。
– 繊毛の機能が低下することで、気道からの異物排出が困難となり、慢性の気道感染症や肺の機能低下が見られます。
– 鞭毛の運動が障害されることで、男性では精子の運動能力低下が不妊症の原因になることがあります。
● まとめ
ダイニンの外腕サブユニットは、繊毛や鞭毛の運動を作り出すために重要な構造で、ATPのエネルギーを利用して微小管に滑走運動を引き起こします。この運動が繊毛や鞭毛の屈曲を引き起こし、細胞の移動や外部環境への応答を可能にしています。外腕ダイニンの機能は、繊毛や鞭毛の運動能力のパワーと速度に大きく影響を与え、これらの機能が損なわれると、呼吸器系の疾患や生殖機能に影響を与えることが知られています。
Dyneins, axonemal outer arm complex subunitsに属する遺伝子
DNAH5
DNAH8
DNAH9
DNAH11
DNAH17
DNAI1
DNAI2
DNAL1
DNAL4
DYNLL1
DYNLL2
DYNLRB1
DYNLRB2
DYNLT1
NME8
DYNLT2



