承認済シンボル:CYFIP1
遺伝子名:cytoplasmic FMR1 interacting protein 1
参照:
HGNC: 13759
AllianceGenome : HGNC : 13759
NCBI:
Ensembl :ENSG00000273749
UCSC : uc001yus.5
遺伝子OMIM番号606322
●遺伝子のlocus type :タンパク質をコードする
●遺伝子のグループ:SCAR/WAVE complex
●遺伝子座: 15q11.2
●ゲノム座標:(GRCh38): 15:22,867,052-22,980,898
遺伝子の別名
P140SRA-1
SHYC
selective hybridizing clone
cytoplasmic FMRP interacting protein 1
遺伝子の概要
出典CYFIP1遺伝子は、細胞のシグナル伝達や細胞骨格の調節に関与するタンパク質をコードしています。この遺伝子は、特に神経系の発達と機能において重要な役割を果たしていることが知られています。CYFIP1タンパク質は、FMRP(Fragile X Mental Retardation Protein)と複合体を形成し、神経細胞の形態やシナプス機能に影響を与えることが示されています[1]。
CYFIP1は、神経細胞のシナプスでのmRNAの翻訳調節に関与しており、この過程は学習や記憶に不可欠です。また、CYFIP1は細胞骨格の構築にも関わっており、細胞の形状や移動に影響を及ぼします[2]。
15q11.2 BP1-BP2微小欠失症候群においては、CYFIP1を含む4つの遺伝子が関与しており、この症候群は発達障害や言語障害、神経行動障害、精神疾患を呈することがあります。この領域の欠失は、マイクロアレイ解析を受けた患者の有病率が0.57%~1.27%であり、対照群と比較して2~4倍に増加していることから、症候群としての認知が上がっています[3]。
Prader-Willi症候群(PWS)においても、CYFIP1遺伝子は重要な役割を果たしています。PWSは、15番染色体の特定の領域に関連する遺伝的障害であり、CYFIP1はその領域に位置しています。PWSの患者では、この領域の欠失が見られることが多く、それが症状の一因となっている可能性があります[4]。
総合すると、CYFIP1遺伝子は神経発達障害や精神疾患に関連する重要な遺伝子であり、その機能や関連する症候群の理解は、これらの疾患の治療や予防に対する新たなアプローチを提供する可能性があります。
- 参照・引用
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[1] www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5399562/
[2] www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3781321/
[3] minerva-clinic.or.jp/chromosome-2/chr15/15q11-2/
[4] grj.umin.jp/grj/pws.htm
[5] jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202202202685720260
[6] jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202302220610300835
[7] bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/25258334?click_by=rel_abst
[8] www.scbt.com/ja/p/cyfip1-sirna-m-shrna-and-lentiviral-particle-gene-silencers
遺伝子と関係のある疾患
● 自閉症スペクトラム障害(ASD)
CYFIP1遺伝子は、自閉症スペクトラム障害(ASD)の発症に関与している可能性があります。研究では、CYFIP1がFMRP(脆弱Xメンタル遅延タンパク質)ネットワークの一部であるCyFIP1と相互作用することが示されており、これは自閉症の新規X連鎖候補遺伝子としてFAM120Cを特定する際の根拠の一つとなっています[3]。また、CYFIP1遺伝子は、自閉症および統合失調症関連遺伝子としても研究されており、ヒトミクログリアにおけるその役割が注目されています[6]。
● 脆弱X症候群(FXS)
脆弱X症候群(FXS)は、FMR1遺伝子の変異によって引き起こされる遺伝性のX連鎖知的障害です。CYFIP1遺伝子は、脆弱X症候群のモデルマウスにおいて、蛋白質合成とアクチンダイナミクスのバランスを回復させることで、症状の改善に寄与することが示されています[1]。これは、CYFIP1が脆弱X症候群における神経細胞の形態や機能の異常に関与していることを示唆しています。
● 精神疾患
CYFIP1遺伝子は、精神疾患のリスク遺伝子としても研究されています。CYFIP1のハプロ不全は、ミクログリアとArp2/3複合体の機能に影響を与え、精神疾患の発症リスクを高める可能性があるとされています[4]。これは、CYFIP1が神経精神疾患の発症において重要な遺伝的危険因子である可能性を示しています。
以上の研究結果から、CYFIP1遺伝子は自閉症スペクトラム障害、脆弱X症候群、およびその他の精神疾患の発症において重要な役割を果たしていることが示されています。これらの疾患におけるCYFIP1の具体的な機能や影響については、今後さらに詳細な研究が必要です。
- 参照・引用
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[1] www.cosmobio.co.jp/aaas_signal/archive/ec-20171107.asp
[2] grj.umin.jp/grj/pws.htm
[3] bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/25258334?click_by=rel_abst
[4] jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202202202685720260
[5] seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2018.900462/data/index.pdf
[6] jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202202220997839107
[7] bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/21831244
[8] ja.teknopedia.teknokrat.ac.id/wiki/FMR1
遺伝子の発現とクローニング
また、Schenckらの2001年の研究では、FMR1遺伝子によってコードされるfragile X精神発達障害タンパク質(FMRP)と相互作用する新たなタンパク質を探るため、酵母2-ハイブリッドスクリーニングを実施しました。その結果、FMRPと相互作用するタンパク質としてCYFIP1とCYFIP2を同定しました。CYFIP1は1,253アミノ酸を含み、CYFIP2と88%の配列同一性を持ちます。これらは高度に保存されたタンパク質ファミリーの一部であり、マウスの相当する遺伝子と約99%の配列同一性を持っています。
さらに、Chaiらによる2003年の研究では、15番染色体上のプラダー・ウィリー症候群(PWS)/アンゲルマン症候群(AS)欠失領域の隣接インプリンティング領域に新規遺伝子を同定するためのゲノム配列解析を行い、CYFIP1を特定しました。ノーザンブロット解析により、ヒトとマウスの全組織で4.4kbの転写産物が検出され、胎盤での発現が最も高いことが明らかになりました。
遺伝子の構造
マッピング
分子遺伝学
また、Chaiらの研究では、Nipa1、Nipa2、Cyfip1にまたがるマウスゲノム領域の複製が非同期パターンを示すことが分かりましたが、この非同期性は親の起源によるものではないことが示されました。トランスジェニックのPWSおよびASモデルマウスの脳cDNAにおけるPCR分析から、Nipa1、Nipa2、Cyfip1、Gcp5遺伝子はインプリンティングされていない(非インプリンティング)ことが示されました。ヒトのNIPA1、NIPA2、CYFIP1、GCP5遺伝子も、健康な人々、PWSおよびASのインプリンティング変異を持つ患者のリンパ球でRT-PCRによって発現が確認されています。さらに、体細胞ハイブリッドにおいてCYFIP1が母方および父方の15番染色体の両方から発現していることが確認され、これら4つの遺伝子が非インプリンティングであることが裏付けられました。
- 参照・引用
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[2] patents.google.com/patent/JP4848276B2/ja
[3] www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6381785/
[4] www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1180617/
[5] seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2018.900462/data/index.html
[6] grj.umin.jp/grj/angelman.htm
[7] mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2016/162051/201610067A_upload/201610067A0006.pdf
[8] minerva-clinic.or.jp/chromosome-2/chr15/15q11-2/
[9] jspe.umin.jp/medical/files/guide20221223.pdf
[10] grj.umin.jp/grj/pws.htm
[11] www.nig.ac.jp/museum/genetic06.html
[12] www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4346944/
[13] search.clinicalgenome.org/kb/gene-dosage/region/ISCA-37404
[14] www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4449422/
[15] pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28254235/
[16] bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/25258334?click_by=rel_abst
[17] www.niph.go.jp/wadai/mhlw/1987/s6210110.pdf
[18] kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-22791022/22791022seika.pdf
[19] kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-25860898/25860898seika.pdf
[20] www.jstage.jst.go.jp/article/ojjscn1969/25/6/25_6_501/_pdf



